二次元の中の二次元~最初の二次元は三次元に変わりました~ 作:祭永遠
皆さまおはようございます。
俺が転生してから早くも10年の月日がたちました。
いやー、早いね!!
もう精神年齢で言えば三十路オーバーですよ。
実年齢は10歳ですけど。
さてさて、ではこの10年でわかった事を報告させていただきます。
まずは、この世界での名前。
工藤夏希という。
いい名前だよねー。
これで俺が女の子だったらもっと良かったのにね。
文句なんざないけどこの字を男の子に使わないでほしかったな。
俺の顔が女の子っぽい、俗に言う男の娘とかならまだマシかと思うんだけど普通に見た目も男だし………完っ全に名前負けしてるよね………超落ち込む。
親も普通にいい人たちでした。
親父が教師で母親が専業主婦。
母親の方はなんか近所のおじいさんが剣道の師範代やってるとこの臨時コーチ?みたいなこともたまにやってる。
凄いよね、見た目めっちゃのほほーんって感じなのに胴着着ると人変わるんだもん。
そんで小さい頃(今も小さいだろとかの突っ込みはなしね)に連れて行ってもらったんだけど………その時に道場にいた子どもを見てびっくりしたのを覚えてる。
だってさ、なんか前の世界のアニメで見たことあるような感じの子どもがいたんだよ。
もしかして、とか思ってそこの道場の持ち主さん家の表札確認してみたら………うん、ご想像通り「桐ヶ谷」って三文字か並んでたよ。
この時ばかりは、恥も外聞もなく大声で叫びました。
だってねえ、大体二次小説とかの転生って神様経由でアニメとかマンガとかの世界行くじゃん?
でも、俺の場合は普通の輪廻転生、ただ前世の記憶があるだけで特殊能力なんざ1つも持ってない。
それなのにこんなとこに転生とかどんな嫌がらせだよ!?とか思ってました。
でもそれを理解した後の行動は早かったと思う。
第一目標は例の黒の剣士様と仲良くなるところから。
まず、一緒に剣道習い始めました。
そして、その他もろもろの努力の結果………お泊まりの許可が出るくらいには仲良くなれましたー!!わーわー、ぱちぱち。
でも、ここまで仲良くなるのにめっちゃ時間かかったんよ?
原作じゃあリズとかクラインとかすぐに仲良くなってたけどあれが異常だってことがわかった。
だってキリトくんってば全然心開いてくれないんだもん。
マジ内気とか人見知りとか生易しい表現だよ………
SAOにログインするまで友達いなかったんじゃん?ってレベルだよアレ。
暇さえありゃ機械弄りばっかやってたし、たまにゃ外で遊んでみないかい?なーんて誘ってみても反応は変わらず、別にいい。って断られてばっかでした。
最終的には二人で遊ぶときは機械弄り(弄るのはキリトのみ、俺は見てるだけかキリトの説明を聞いてるだけ)かゲームだけとなりました。
まあ、楽しかったので全然良かったのですが。
そしてキリトくんの妹の直葉さんなのですが当時はお兄ちゃんを取られたと思ったのか敵対心が凄かった。
今ではすっかり仲良くなりましてたまに道場に行って模擬戦なんかをやる。
キリトくんはまだ辞めてはいないものの稽古に顔を出す回数はめっきり減ってしまった。
こりゃ原作通りに辞めちゃうのも時間の問題じゃね。
そんでなぜ俺がわざわざ直葉さんの相手をやるのかというと相手がいないらしい。
この辺の同世代の女の子じゃあ最強無敵らしい。
ちょー怖いんですけど………
まだ負けることはないけど本当強いんです、この子。
さすが将来剣道の推薦で高校を決めるだけの事はある。
ちなみに呼称なのですがキリトくんについては、どちらでも呼べるようにキリに決まりました。
どうせ俺もSAOやるし。
そんで、直葉さんはそのまま妹さんって呼んでます。
これ、癖なんだよねー。
同級生に妹いるとつい妹さんって呼びたくなる。
さて、ここがソードアート・オンラインの世界だということはあともうちょいでSAOのテスターが募集されるはずです。
今は2018年なので4年後にはあのデスゲームがスタートされるということ。
とりあえずは、今できることやSAOで起こったことなど色々考えてみよう。
まず、今できることはそのまま剣道を続けること。
システムアシストがあるとはいえ確実に役立つはず。
回避には反応速度なども必須になってくるし。
あとは両親に伝言とかかな?
これは手紙とか体の上に置いてきゃいいかなとか思う。
わからないでナーヴギアを外されてお陀仏とかはなんとしても避けたい。
だってそれで死亡とか超お馬鹿っぽいじゃん?
SAOで起こったことはなんか大体覚えてる。
月夜の黒猫団………うん。助けたい。
幸い日時と場所は覚えてるからなんとかしたい。
詳しくはログインしないとわからないから今後考えを煮詰めていこう。
まあ、何をするにしてもベータテスターに選ばれる方が都合がいいのは確かだ。
それに関する情報もしっかりと集めておこう。