二次元の中の二次元~最初の二次元は三次元に変わりました~ 作:祭永遠
皆さんついにこの日がきましたよ!!
私は今、モーレツに感動しております!!
まさかアニメの中のブツに触れるなど思ってもみませんでしたからな!!
えーと?すみません、取り乱しました。
ベータテストも一応しっかりと体験したんですがね…
やっぱり手元に本物がくると…こう、ね?
胸の内側から溢れるものがあるわけですよ。
まあ、俺の感想は箱にでも詰めて置いておいて…とりあえず起動させましょ。
コンセントにナーヴギアをぶっさしてー、頭に被ってー、電源入れて、初期設定して………あとは一言。
やっべえ、めっちゃテンション上がる、これ言ってみたかったんだよ。
さて、深呼吸して………せえーの!!
「リンクスタート!!」
うおおおおおおおやっぱすげっ
何回体験してもこの感動は収まらないな。
えー…なになに?
身長に体重………その他もろもろ…これの設定でSAOでアバターじゃなくて自分の姿になるわけね。
とりあえず全部正規のもの入れとこ。
デスゲームで自分の姿に変わったのに俺だけアバターっぽいまんまだったらおかしいし、脱出したあとなんて説明すればいいかわかんなくなるし。
ほいほい、オールグリーン。
ほにゃらばSAOの世界にレッツゴー!!
おおー、ベータテストの時も思ったけど………始まりの街超でけえええええ
いやー感動ですよ。何回見ても感動です。
さて、とりあえずはベータテストの時との変更点などを探してみますか。
メニューウィンドウを開くと………ほう、まだログアウトボタンはあるのね。
もう十年以上前だから細かい設定とか忘れとるなー
まあ、大事な事は覚えてるので問題なしですね!!
それでは始まりの街の探索へレッツ&ゴー!!
…………誰よあの子。なーんかめっちゃおろおろしてんだけども。
しかも、良い年したおっさん共が超声かけてるし…
どうしましょうかねー?なーんか助けてあげられる良い方法はないものだろうか………
はっ…!?妙案を思い付いたぞ!!
昔から知らない男に絡まれてる女の子を助ける方法と言えばこれだよ!!
「おーす、悪いな。待たせたみたいだな」
「うん?なんだね、君は。今は僕がこの子と話しているのだが」
「ナンパ中申し訳ないけどその子俺の連れだからさ」
「なんだ、男連れかよ」
ええええ?キャラ作りすぎでしょ…
男連れだとわかった瞬間、手のひら返したような態度になるとは……
「さて、ごめんね?勝手に俺の連れ扱いしちゃって」
「あ、いえ…大丈夫です、ありがとうございました……」
「いいえー、どういたしまして。ここにはああいう連中けっこういるから気をつけてね?そんじゃ俺はこれで失礼するよ」
それじゃあ、探索の続きをしますかな。
だいたいどこに何があるかは把握したけど路地裏とか細かいとこも見ておきたいし…
「あ……あの!!」
「はい?まだなにか困ったことでもあるの?」
「はい…私こういうゲーム始めてで…良かったら遊び方とか教えてくれませんか!?」
おうふ、そうきたか。
この後は探索の続きやってとなりの村まで安全に行けるレベルにまで上げようと思ってたんだけどなー、どうしよ…
でもでも、ここで初プレイの女の子置いて行くのも後味悪いどころか…この後デスゲームになることを考えると…ただの最低になりそうだし………
よっしゃ、決めた!!
この子の面倒は俺がみよう!!
「……うん、大丈夫だよー。まずは自己紹介しようか?俺はクゥドよろしく。君はなんていうの?」
「あ、わたしはシリカって言います!!あのよろしくお願いします!!」
「え!?あっ、ごめん、なんでもない。じゃあどうしよ。フレンド登録する?これに登録するとメールができるようになるんだ。」
「えっと、それじゃあお願いします」
なんだこの子は。本当にあのシリカなのか?
いや、でも実際シリカがああなったのは残念な野郎たちのせいだってあったな。
デスゲーム宣告前、及びそんな野郎たちと接触する前はこんな感じのアクティブな子だったのかも。原作でも仲間内では今のような感じだし。
「はい。じゃあ登録完了っと。他にも色々な機能があるから試してみなよ。わからなかったら聞いてくれて構わないからさ」
「ありがとうございます!!それじゃあ早速なんですけどこれはー………」
なんて感じで色々説明してたらあっという間に一時間が過ぎた。
「さて、それじゃあある程度の説明は終わったしそろそろ街の外に出て戦闘訓練に入ってみようか。」
「はい!!お願いします!!」
なんだろう、デスゲームっていう重圧がないからか、シリカさんのやる気が凄いわ。
「せえのっ!!やあああ…………ってきゃあああっ!?」
「んー?おしいなー。もうちょっとこう、1回剣を動かした時に溜めて、なんか体にぞわわあって感じたら今度はこうスッて感じでやれば………」
「そんなこと言われてもー………表現の仕方がアレ過ぎて分かりにくいです。」
「んなこと言われてもそうとしか表現出来ないのだからしょうがないじゃん」
なんか言いたそうにこっち見てるけど大体誰が教えてもこんなもんだからな?
お、これは………
「シリカ!!そこでスッて感じで剣を振れ!!」
「はい!!やああああああっ」
やったね、シリカ!!ソードスキル発動おめでとう。
「ややややったあー!!見てましたクゥドさん!?ちゃんとできましたよ!!
」
「おう、ちゃんと見てたよ。1日でよくここまでできたもんだ。」
そう言って頭を撫でてあげたら嬉しそうにしてたのでそのまましばらくシリカの頭の感触を確かめてた。
うん、やっぱ妹キャラは癒されますな。
べ、別にロリコンとかじゃないんだからねっ
……俺は誰を相手にツンデレなんぞやってるんだ、気持ち悪い。
「さて、そんじゃあシリカもスキル発動出来たしキリもいいからここらでログアウトしようかね」
「そうですね。今日は色々教えてくださってありがとうございました!!よかったらまた明日もお願いできませんか?」
「了解。ほんじゃ気をつけてな。」
「えへへ。ありがとうございます。えーとそれじゃあログアウトは………と、クゥドさんログアウトボタンはどこにあるんですか?」
………ついにきたか。デスゲーム………。
あと1時間もすれば茅場が始まりの街へ強制転移させるはず。
それまでは普段通りにしておこう。
「ログアウトボタンならメニューを開いた一番下にあるよ?」
「いや、ないですよ?ほら」
「ん?本当だ。さっきまでは確かにあったんだけどな。」
「ええええええ!?それって大丈夫なんですか!?」
「んー、珍しいな。ここの発売元のアーガスって会社はユーザー重視の会社なんだ。こんな大きなポカをやらかしちゃ意味がなくなる。」
時刻は………5時半過ぎか。
そろそろかな。
リンゴーン、リンゴーン
「え!?なんですかこれ!?」
シリカの体が青い光の柱が包みこんでいる。
多分俺もそうなのだろう。
シリカが目を見開いてこっちを見ている。
「大丈夫だよシリカ。何かあっても俺がいてあげるからさ。」
なーんてくっさ。
自分で言っててスゲー鳥肌たった(感覚だけ)けどシリカは安心したっぽい。
あまりの眩しさに目を閉じた。
青い光が収まったのを感覚で理解して目を開くとそこはやはり始まりの街でSAOにログインしている全プレイヤーが集まっていた。