二次元の中の二次元~最初の二次元は三次元に変わりました~   作:祭永遠

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7!!

本日の日付は十二月三日、ついにボス部屋を発見する日だ。

俺とシリカも朝から迷宮区の二十階でマッピングを続けている。

 

 

 

 

すると案外すぐ近くから雄叫びのような歓声が聞こえてきた。

 

 

 

 

「おおー、ついにボス部屋を発見したみたいだな」

 

 

 

「え!?本当ですか!?」

 

 

 

「まあこの歓声はそうでしょうね、とりあえずボス部屋も発見されたし一足先に戻ろうか」

 

 

 

レベルは二人共十分な域になってるしボス部屋が発見された今、いつまでもここにいてもしょうがないし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆より先に街に戻った俺らは特に何をするでもなくそのまま夕方の会議に参加した。

 

 

 

 

「うわあ……この攻略本凄いですねー…色んな情報が綺麗に纏められてて見やすいです」

 

 

 

「だな、さすがはアルゴってところかな」

 

 

 

そこまで親しい訳じゃあないが何回か情報を買ってるしやっぱりアイツの腕は素晴らしいの一言につきる。

 

 

 

 

全く………裏面にこんな注意書きしちゃって…キリト君の表情を見なさいよ、あんな顔しちゃって!!

ってまあ本人のアルゴはここにいないから見られないのだけどね。

 

 

 

いや、アルゴの事だからもしかしたらどこかで見てる可能性も捨てきれなよなー。

 

 

 

 

でも本当に偵察戦をしなくていいのは誰にとっても助かるよね。

 

 

 

 

 

 

「それじゃ、早速だけと、これから実際の攻略作戦会議を始めたいと思う!何はともあれ、レイドの形を作らないと役割分担もできないからね。みんな、まずは仲間や近くにいる人と、パーティーを組んでみてくれ!」

 

 

 

………ヤバイ…爆笑しそう………キリト君のあの戦慄した表情なんて滅多に拝めないぞ。

 

 

昔から二人組作ってーとかだと必ず俺が相手してたからなー

本当にこういうの苦手なコミュ障なんだから…

 

 

 

「さて、じゃあシリカさんや、他は全部六人でパーティー決まったみたいだしアブレた者同士あそこの二人組に声をかけようじゃないか」

 

 

 

「なに言ってるんですか?何人も誘ってくれたのに全部断ったのはクゥドさんじゃないですか。どうせ初めからあの人たちと組むつもりだったのはわかってますからさっさと行きましょう」

 

 

 

おうふ、バレていたなら仕方がない。

というかシリカも知ってる人がいたり女性がいたりした方がやりやすいかなーと思って断ったって理由もあるんだよ?

 

 

 

 

「あのー、すみません…私たちも二人組なんですけど良かったらパーティー組みませんか?」

 

 

 

 

ってシリカったらもう声かけてるよ!?置いてかれた!!

 

 

 

 

「……?君は確か…ペネントのイベントで助けてくれた…シリカだったっけ?」

 

 

 

覚えていてくれたのが嬉しかったのかシリカは笑顔になった。

 

 

 

 

「はい!!お久しぶりです、キリトさん!!」

 

 

 

「君がいるってことは、アイツもいるの?」

 

 

 

 

その時ちょうどシリカが来た報告からよく通る声が三人に届いた。

 

 

 

「こらー!!酷いぞシリカ、お師匠さまを置いていくなんて」

 

 

 

「だってしょうがないじゃないですか、クゥドさんぶつぶつ言って全く動こうとしないんですから」

 

 

 

 

あれ?お師匠さま発言にツッコミはなしですか?

ちょっと寂しいよ、シリカ…………

まあいい。それよりキリト君とアスナさんですよ、二人共特に問題は無さそうなのでそのまま四人で組むことになった。

 

 

 

 

 

「とりあえず簡単な自己紹介でもしますか。………俺はクゥド、よろしくな」

 

 

 

パーティー組むなら名前くらい知っておかないとまずいっしょ…いくら端のゲージの上に出るからと言ってこういうのを省くのは良くないと思います!!

 

 

 

 

「あ……!!わたしはシリカって言います。MMO自体が初めてなので迷惑をかけるかもしれませんがよろしくお願いします!!」

 

 

 

 

「二人共知ってるとは思うが俺はキリト。ボス戦ではよろしく頼む」

 

 

 

 

「私はアスナ。よろしく。というかあなたそんな名前だったのね」

 

 

 

 

あるえ?もしかして今まで二人共お互いの名前知らないまま行動してたわけ?

逆にそれは凄いと思うぞ。

 

 

「あれ…?もしかしてアスナさんって女性の方だったりします……?」

 

 

「ああ、フード被ってるからわかりにくいよね」

 

 

 

そう言ってアスナはちょいちょいと手招きをしてシリカを呼ぶと、軽くフードを上げてみせた。

 

 

「ふあー…///すっごく綺麗ですねー…」

 

 

「ううん、そんなことないよ。それにもう何日もお風呂に入れてないし……」

 

 

「え?お風呂ですか?それなら………」

 

 

とそこまで言いかけたところで二人の会話は中断となる。

ティアベルがこちらに近づいて来たのが見えたため、俺が二人の会話に入ったからだ。

 

 

 

「つもる話はさて置いて、簡単な自己紹介も終わったところで騎士様がこちらにいらっしゃるようなので話を聞きましょう」

 

 

するとちょうど俺たちの前で止まり、しばらく考えた様子を見せたあとこう言い放った。

 

 

 

 

「君たちは、取り巻きのコボルドの潰し残しが出ないように、E隊のサポートをお願いしていいかな」

 

 

 

あ、俺とシリカが加わってもここは変わらないわけか。

まあここだけ四人だし、正直変わるとも思ってなかったから想定内だね。

 

 

 

シリカが納得できない顔をしてたけどここは抑えてもらう。

 

 

 

 

「了解。重要な役目だな、任せておいてくれ」

 

 

 

「ああ、頼んだよ」

 

 

 

そう言ってナイト様は噴水の方に戻っていった。

 

 

 

シリカからの視線が凄く痛い…!!答えたのはキリト君なんだから俺をそんな目で見ないで……!!

 

 

 

 

「……どこが重要な役目よ。ボスに一回も攻撃できないまま終わっちゃうじゃない」

 

 

 

「そうですよ、キリトさん。ちょっとこれはないと思います」

 

 

 

「仕方ないだろ、四人いるとはいえ、 スイッチでのPOTローテだってけっこうギリギリになるかもしれないだろ?ここで無意味に意地張ってもいいことはないんだよ」

 

 

 

うーん、ちょっと静観してますが、特に異論はないよね。というかこういうとこの話し合いはキリト君が率先してやってくれるので助かる。

 

 

 

「……スイッチ?ポット……?」

 

 

 

「失礼しますがキリトさんや、まさか何も教えないまま一緒に行動してたのですか?………まあ、その話は後で詳しくしようか。とりあえずそろそろ終わるみたいだし」

 

 

 

さて、特にコルやアイテムの分配方針は原作とかわらないようだね。

 

 

そして俺たちは予想通りキバオウ率いるE隊の手伝いに決まった。

 

 

 

まあ、そのあとは予定通り解散となった。

 

 

 

これからどこで話そうか?

シリカという女性プレーヤーもいることだし、できれば酒場とかレストランとかが気楽でいいんだけどなー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、このあと少しでいいからキリ、顔貸してくれ」

 

 

 

「ああ、わかった」

 

 

 

「シリカとアスナさんはどうしますか?このまま俺らに着いてきて一緒に聞きたい事とか聞いちゃった方がはやいとは思いますが」

 

 

「あっ、もちろん私は一緒に行きます!キリトさんともいろいろ話したいですし!」

 

 

「うーん、私はどうしようかしら……」

 

 

「アスナさんもよかったら一緒に行きませんか?私……アスナさんともお話してみたいんです、なにせ初めて会えた前線での女性プレーヤーですし……あっ、でもでも!!迷惑とかだったら全然断ってくれても大丈夫なんで!!気にしないで下さい!!」

 

 

シリカよ…それは余計断りにくくさせてるぞ。

あー、ほら、アスナさんにしょうがないかって顔させちゃったじゃないか。

 

 

「うん、わかった。シリカちゃんがそこまで言うなら私も行こうかな」

 

 

 

 

 

 

 

そのまま四人で近くの酒場に入り今後のことを相談した。

内容としてはさっきのスイッチなどの説明など、MMO初心者の二人にわかりやすく例えなどを交えながら話した。

 

一応シリカには俺から説明はしてあるが復習として聞いてくれていた。

最終的には、ただの下らない雑談になったのはいうまでもない。

なにせ宿の話になったらキリト君の話にアスナが食い付き、俺らもキリ程じゃあなくてもいいところに借りてる(少なくとも風呂はついてる)と知ると見るからに羨ましそうな視線をもらった。

 

 

 

だってねー?シリカという女の子がいるんだもん。

そういうところにも気を使うのは当然だろう。


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