「ここじゃ」
「さすがに50km以上の移動はしんどかったですわね……」
《タギツヒメ》のいた神社を出発して時速5kmくらいのペースで移動してきたテルヨシ達は、10時間ほどかけてようやく次の目的地である《イチキシマヒメ》のいる神社に到着。
現実世界では神奈川県鎌倉市にある『
おそらくはテリトリーとなる範囲のラインも塀などがあるわけでもなく平たい石畳の地面が50m四方に広がるだけ。
ここから通れと言わんばかりの鳥居と本殿だけがある不思議な空間にタギツヒメの時のような逃走不可能な状況にはされないのかもと推測ができる。
「んじゃとりあえず削れてる組でサクッと確認してきますか」
「削れてるからって即死はやめてよね」
「なるべく粘る努力はしろ」
それでも逃走すればペナルティーのような扱いで退場処分が下るからどのみち関係ないかと自己完結して、前回のタギツヒメ戦を生き延びてここまでHPを温存していたテルヨシが様子見に出ることを告げると、同じように先兵を務めるサアヤとカイがツッコミながら並び立つ。
別に手を抜くなんて一言も言ってないのにこの言われ様に物申したい気持ちがあったテルヨシの肩をポンポンと触ってきたユリとシズクのドンマイみたいな励ましがまたなんとも哀愁を漂わせたが、この5人がまずは先陣を切る。
その様子を見ていたタギツヒメは待機組の3人に混じって何やらクスクスと笑っていたので、なんとなく気にはなって行く前に話しかけてみると、上品に口元を袖で隠しながら口を開く。
『気にしないでください。お前達小戦士の健闘に期待していますよ』
「表情のわかるビーイングだとわかりやすくていいわぁ」
「ほら専門。意訳」
「『何も知らずに愉快愉快』って感じの笑い。初見だし気にしても仕方ないことだろうけど、ちゃんと聞く?」
「どうせ聞いたところで教えはせんじゃろ。やらんことに始まらんし、行こうぞ」
一見すると励ましの言葉を贈ってくれたようにも思えるタギツヒメだが、それを笑いながらにされれば誰だってそんな意味がないことはわかる。
それを汲み取る能力があるテルヨシはタギツヒメが人型エネミーである利点から表情を読み、その笑いの意訳をしてみると、やはり何か知ってて黙っているのは明白。
それが何かまではわからないものの、それを気にしてあれこれやるにもどうしようもないとユリが言えば、みんなもそうだなと納得して、とりあえずタギツヒメは無視して突っ込もうと鳥居を潜る。
するとすぐに周囲に変化が起き、この神社を中心に極々狭い範囲の空に暗雲が立ち込め、ゴロゴロと音を鳴らし始める。どうやら雷雲らしい。
しかし雨は降ってきたりしないのでちょっと特殊な《轟雷》ステージみたいな属性かと思っていると、正面の本殿前にタギツヒメによく似たエネミーが落雷と共に姿を現す。
その出現には「派手だなぁ」と少し冷静すぎる思考で見届けたテルヨシは、絶対に雷攻撃はあるだろうと予測しておく。
『妾はイチキシマヒメ。久方ぶりの小戦士による来訪。歓迎しようぞ。ただしその方法は手荒いものとなるがな』
「そんなのアンタの姉妹達も同じだったわよ」
『ほう。《タキリビメ》とタギツヒメと戦った者か。……ん? そこにおるのはタギツヒメではないか。何故お前がそこにおる』
『妾のことはよい。さっさと試練を始めよ、イチキシマヒメ』
イベント会話が発生してから戦闘の流れは変わらないようだが、これまでよりも自分の言葉を伝えてる節のあるイチキシマヒメは、こちらの言葉にも反応して応答し、鳥居の向こうにいたタギツヒメを発見して普通に会話までしてしまう。
その様子に冷めた様子のタギツヒメがさっさと始めろと促すと、調子が少し狂っていたイチキシマヒメも小さく咳払いのような仕草を挟んでから、改めてイベント会話に努める。
『いいでしょう。──では妾に示しなさい。汝らの《知恵》を──』
その言葉を最後に腰の剣を抜いたイチキシマヒメは、それと同時に雷雲から落ちた雷に打たれて、その背後に6つの雷の紋様を刻む丸太鼓が出現する。
さらにイチキシマヒメは手に持った剣を足元に突き立ててみせると、その足元から竜巻のような風の流れが発生。
瞬く間にテルヨシ達の立つ位置を風が通りすぎていき、しかし何事もなかったそれに首を傾げたら、後ろの方から驚くような声が3つ上がったので振り返ると、何故か鳥居の外で待機していたアキラ達が鳥居の内側で転んでいた。
「えっ? ギャグ?」
「違いますわよ! 何かの力に引き寄せられましたの!」
「つまりこれはイチキシマヒメの仕業か」
「なに? 待機も許さないってやつ? 良い性格してるわね」
「こうなっては仕方あるまい。全員で派手に散ろうぞ」
ふざけてる場合でもないがギャグ要員としてボケてはおくかと一応は振ってみると、真面目なトーンでのクラリッサの怒りのツッコミが入って状況を理解。
どうやらあの風は鳥居の向こうにいるバーストリンカーを強制的にテリトリー内に引き寄せるもののようで、だからオープンな造りをしていたようだ。
そうなるとタギツヒメが突っ込む前に笑っていた理由もこうなることがわかってたからと勘繰ることができ、唯一蚊帳の外なタギツヒメはとても愉快そう。
ただこうなればもう全員で知恵の試練とやらを解明するしかないので、舌打ちなどしながら立ち上がったクラリッサ達も加えてイチキシマヒメに挑む。
テルヨシ達を敵と見なしたイチキシマヒメは、その背後の太鼓をテリトリー内に散らして飛ばし滞空させると、その手の剣に風を纏わせる。
そして滞空する太鼓の内の1つが「ドンッ!」とひとりでに空に轟く音を鳴らすと、それに呼応するように雷雲から雷が落ちてきて、テルヨシ達を襲う。
この辺で経験値が高いサアヤとユリは太鼓が散ったタイミングでみんなから離れていて、テルヨシ達もそれに倣って固まらずに散っていたのが幸いし、最初の落雷はその中の1人に落ちてきたが、その速度たるや感知してからでは回避が間に合わないレベル。
当然、それを受けた1人であるカイはその一撃で死亡。
元々HPゲージが減っていたこともあって即死級なのかどうか判断が出来ない攻撃ではあるが、その範囲も体捌きでどうこうなるものではないと黒焦げた石畳が物語っていた。
そしてイチキシマヒメの攻撃はそれだけじゃなかった。
強烈な落雷攻撃はある程度予測できていたから驚きもそこまでではなかったが、風を纏わせた剣をイチキシマヒメが振るうと、攻撃力という点においては皆無な風がテリトリー内に吹き荒れてテルヨシ達に襲いかかる。
ダメージはないが問題はその発生の仕方で、ただ吹き荒れるだけなら踏ん張りも効くのに、その踏ん張りをさせないようにと下から浮き上がらせる風によって、全員の足が地面から離れて浮いてしまう。
もちろん浮くといってもジャンプした程度のものですぐに地面に着地できるのだが、その空中にいるわずかな時間が今回は命取り。
──ドンッ!
まだどんな条件で発動するのかわからない太鼓がまた鳴り、それに呼応して雷雲から1発の雷がテリトリーに落ちる。
そう。そのタイミングで足が地面に触れていなければ回避に動くことさえ出来ずに落雷を受けることになるということ。
「ぐぅ!!」
当然、このタイミングを狙ってイチキシマヒメが風を操っているのは明白で、この落雷でターゲットされたリクトが直撃し死亡。
リクトに関してはほぼ満タン状態からの即死なので、青系統のリクトでそうならテルヨシも即死。基礎の部分で防御力に寄ってるサアヤとカイが満タンの状態でも怪しくなった。
「太鼓の破壊! 剣も狙って!」
これまでのタキリビメとタギツヒメとは明らかに毛色が違う試練だと思わざるを得ない緊迫した状況に嫌でも気づき、サアヤがやるべきことをみんなに叫ぶ。
確かにそれが1番の優先事項になるのは間違いないし、テルヨシも否定するつもりはない。
ただみんながそこへ焦点を当てて動いても次に繋がるものが少なくなる。
なら今のテルヨシにやれることは……
そう考えて周囲をよく見回してみると、さっきの風で起こるべくして起きた悲劇を発見。
他のデュエルアバターよりも圧倒的に軽量なユリがあの風によって空高く舞い上げられてまだ空中で四苦八苦していたのだ。
アビリティ《ディセント》を使った様子もないのにあれでは地面に着く前にまた風で舞い上げられてしまうのは確実。
「《インパクト・ジャンプ》」
それならそれで空中から観察もできると開き直っているだろうと考えはしても、テルヨシとしては今のうちに試してみたいこともあって、それはユリにしか出来ないので救出に動く。
インパクト・ジャンプで一気にユリに近づいてその足を掴むと、いきなりテルヨシが来たからビックリして反射的に蹴られはしたが、なんとか落ち着かせてそのままテルヨシの重さで降下し地面に着地。
そこでまたイチキシマヒメから風を起こされて舞い上がるも、ユリを抱き抱えていたので今度は吹き飛ばずに済む。
その代わりに落雷でサアヤがやられてしまったから、あとで「何で私は放置なのよ!」とか言われそうで怖い。
「して、儂にしてほしいことは何じゃ」
「《クレイモア》を使ってほしい。シンデレラだと燃費問題があるからね」
割り切りはできてると信じてとりあえずサアヤからのツッコミ予想は頭から消して、再び地面に降りた時にユリが何をするのか問いかけてきて、完全に予想外だったのか《リトル・ボム》のバリエーションであるクレイモア。地雷の使用にユリは困惑。
しかし次にクラリッサの名前を挙げたことでその疑問は自己完結したようで、イチキシマヒメが次の攻撃を仕掛けてくるより前にテルヨシから離れてみんなの位置を確認し動く。
必殺技ゲージを消費するものの、足の裏から半球のリトル・ボムを地面に設置できるクレイモアは、感知範囲に入ると自動で爆発する代物。
そんなものをいま仕掛けて何になるのかと思うかもしれないが、狙いはもちろんある。
ここまで落ちてきた雷は全てピンポイントでテリトリー内のターゲットに落ちているので、対象は別としても決してランダムに落ちているわけではないことはわかった。
ではその対象はどう判断されているのか。それを確認するためにクレイモアを使うのだ。
クラリッサの場合、都合良く分身体を調整して出せるわけではなく、出す時は常に最大数になるので必要な時に発動が困難になる。
クラリッサ自身も近接攻撃主体なのでリチャージも容易ではない。
だがユリのクレイモアはその都度に適正の使用量で使えるし、リチャージもリトル・ボムでの中距離攻撃とあって難易度が低い。
「全員、足元注意じゃ! クレイモアを仕掛けた! 爆発させんように頼む!」
取り急いで仕掛けてくれた数は10個。
いま生き残ってるのは5人なので、次の落雷でクレイモアを対象としてくれるのなら当たる確率は3分の1。それだけあれば考察の時間を稼げるが果たして……
そんな期待と不安の入り交じった中で次のイチキシマヒメの攻撃が繰り出され、全員が宙に浮いて太鼓が鳴ると、即死の雷は無慈悲に落ちて炸裂。
しかしそれは誰かの死亡エフェクトを生むことはなく、代わりにクレイモアの1つが盛大に爆発し黒煙を巻き上げた。
「よし、これで時間が稼げる」
その結果を受けてユリも全滅までの時間稼ぎにリチャージしながらクレイモアを増やし、しかし増やしすぎるとテルヨシ達が身動きが取れないので適切な量の15個をキープし当たる確率を4分の1にしてくれる。
それでもあくまで確率が下がるだけで当たる時は当たるため、次にクラリッサが撃たれて死亡。残り4人。
ユリとシズクは攻撃が届く太鼓へ確実に攻撃を当ててダメージを稼いでくれて、太鼓自身に危機回避能力はないのか定位置から動く気配はない。
対してイチキシマヒメは風の防御を得意としているのか、接近を試みるアキラを空いていた手を振って烈風を起こし後退させていた。
死亡した4人もマーカーの付近から見える範囲で各々がこの戦場を考察してくれているはずなので、長引かせればその分、こちらの次の攻略が有利になっていく。
『──数が多いのぅ』
太鼓の破壊は思ったほど順調でもなく、まだ1つも壊れる気配がない中で落雷ダメージによる死亡が見るからにペースダウンしたのを気にしたか、風で舞い上げてからイチキシマヒメがもうワンアクションを加えてきた。
剣を振るってからさらに地面に突き刺す動作を入れたイチキシマヒメに合わせて、全ての太鼓が呼応しドドドドドドンッ!
コンマ何秒の時間差で鳴り響き、直後に6発の雷がほぼ同時にフィールドに落ちてきた。
その威力たるや直撃していないのにその余波でダメージ判定を受けるほどで、さらに連鎖的に設置していたクレイモアが全て誘爆してしまう悲劇が起こる。
それによって二次災害的にアキラが爆発に巻き込まれて大ダメージを負い、シズクも死亡。
辛うじて残ったテルヨシとユリも次にあんなのが来たら確実にやられるだろうと確信。
「なるほど。1体ずつ確実に落とせるけど、時間がかかるようになるとそもそもの数を増やすってことか」
「これは良くて2分の1が限界といったところかの。イチキシマヒメの我慢の問題のようじゃが」
「粘れば粘るだけヤバいってのはありそうよね……」
それでクレイモアを避雷針とした回避方法は確率を少し下げるくらいでしか利用できなくなったことを確認し、やるべきことはその次の攻撃がまた6発の雷攻撃なのかという確認。
もしそれが来たら次にこれが発動する条件を満たしたら難易度が超上がるのでなしの方向にもなり得るが果たして……
その覚悟で次の攻撃を待ったテルヨシとユリに対して笑みすら浮かべたように見えるイチキシマヒメは、2人を舞い上げてからその動作を停止。太鼓も1つしか鳴らなかった。
この攻撃でユリがやられてしまったが、超攻撃は適正な数になるとやめてくれるっぽいのでひと安心。
ただこれで残るはテルヨシただ1人となり、どうせ死ぬならとここまで見てきた雷攻撃を全て頭でリピートしてそのタイミングを反復。
太鼓が鳴って雷が落ちるまでのタイムラグは1秒あるかないか。つまり音を聞いてから動いても回避は不可能だ。
「音と同時に動く……」
ターゲットするタイミングはおそらく太鼓が鳴ってからの一瞬と見て、そのターゲットして落ちる瞬間に3mほど移動できれば雷は避けられるはず。
あくまで仮説だがそれを信じて極限集中モードに移行したテルヨシは、イチキシマヒメが次の攻撃を放つ瞬間を冷静に観察し、突風で舞い上げられる瞬間に上下で反転しジャンプして足を上へ持っていき《インスタント・ステップ》で空中を蹴り即座に地面に着地。
そこから太鼓が鳴る瞬間に反応して最大の瞬発力で横っ跳びして決死の回避に動いてみせた。
雷による即死は痛みも一瞬で実感がいまいち湧かないから当たったかどうかすぐにわからなくて困るが、今回ばかりはすぐにわかった。
「──マジ無理ー」
避けはした。直撃は間一髪で免れたものの、最後の最後に残った左足が雷を受けて消失。
これ以上ないタイミングで避けたつもりだったが、それでも避けられないならもう無理だとわかると、片足を失い《テイル・ウィップ》で体を支えるテルヨシにもう次の攻撃を避ける手段は必殺技しかない。
攻撃は規則的に行われていたので、真っ先に死んだカイがタイムカウントを正確にやってるだろうし、テルヨシの結果を受けて雷は落ちたら終わりという共通認識もできた。
最初の結果としては万々歳だろうと最後の悪あがきに残った必殺技で2回だけ落雷を避けてイチキシマヒメと健闘。
次で太鼓と剣を破壊してやると意気込んで雷に打たれて死亡したテルヨシは、全滅したことで敵の排除に成功し姿を消そうとするイチキシマヒメを見ていた。
──異変が起こる。
姿を消そうとしたイチキシマヒメは、その直前にピタリとその動きを止めて空を見上げ、雷雲ではない彼方の空に目を向けたように見えた。
その挙動にテルヨシも疑問が生じてマーカー付近で視点をイチキシマヒメの見ている方向に向けると、遠くの空から虹色の壁がどんどん近づいてくるのが見えた。
それは世界が再構築される際の現象。つまりは《変遷》だ。
あの壁の向こう側から世界はまた違う属性のフィールドに変化し、エネミーなども再湧出してしまうが、もう1つ、変遷にはありがた迷惑な機能がある。
確率としてはあまりないことではあるのだが、変遷時に死亡していた場合、どんなに蘇生待機時間があろうと変遷と同時にデュエルアバターは強制的に蘇生させられてしまうのだ。
咲きのイチキシマヒメ戦はトータルで10分戦ったかどうかなレベルで、カイでさえまだ50分ほどの待機時間が残されていたが、変遷の光がテルヨシ達のいる場所にまで及んで通り過ぎると、マーカーは消失し全員が蘇生。
そして面倒なことにこの変遷を見届けるという珍行動をしてくれたイチキシマヒメのおかげでイベント戦闘が途切れることなく再開となってしまったのだ。
「ちょっとマジ最悪なんだけどぉ!!」
「死ぬ気で逃走を試みる!」
「それで巻き込まれるの勘弁なんだけど!」
復活早々にサアヤが本気の本音な叫びを上げれば、みんなも気持ちはほぼ一緒だったかちょっと統率感がなくなってしまい、テルヨシはダメ元でテリトリーからの脱出を試みる。
それを制止しようとカイやリクトが動いたがこういう時に動きがゴキブリ並みに速い《逃走王》はそれを振り切って鳥居を潜ろうと全速ダッシュ。
「うぉおおおおおお……おおおおぉぉぉぉ……ぉ……ぉぉ……」
圧倒的にスピードで鳥居を1度は潜り抜けはしたテルヨシだったが、残念ながら風のフィールドはご健在だったようで、みるみるそのスピードを奪われて押し戻されていき、その近くにいたタギツヒメには『もっと足掻いてくださいな、小戦士。ホホホッ』とバカにされてしまったのだった。
そういえばタギツヒメと移動する前に15時間以内に変遷が起きると言われていたことを今さらに思い出して風のフィールドに押し戻されてテリトリーに戻ってきたテルヨシは、真っ先に逃走してみんなからの信頼を失う。とまではいかないが、わかりきっていた結果に皆がため息を漏らす。
あのアキラまで漏らしたからには相当におバカな行動だったのは確かだが、試さずに終わるよりはいいだろ! と開き直って立ち上がると、なってしまったものは仕方ないと切り替えて、再び剣を抜いたイチキシマヒメに意識を向けていった。