アクセル・ワールド~蒼き閃光Ⅱ~   作:ダブルマジック

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Acceleration Second18

「…………ふぅ」

 

 《七王会議》が終了して現実世界へと意識が戻ったテルヨシは、思ったよりも疲れたその会議にひと息ついてグローバル接続を切る。

 それらの動作をしつつ、今日のバトロワ祭りが午後4時ジャストにしていたことと現在時刻を確認し、あと2時間の猶予があるな──加速世界にいると経過時間の認識がズレるので──と再認識させた。

 

「何か収穫はあった?」

 

 現実時間にしてみればわずか1.8秒の出来事ではあるが、その会議が終わるのを隣で待っていたのは、現在進行形でデートの最中の彼女、サアヤで、今日の会議のことを今朝になって教えてついてきてくれたのだ。

 そもそもデートと相成ったのは、今朝方の朝食時にサアヤが「午後に買い物に出かけたいなぁ」と呟いたことに始まり、マリアのごり押しもあって急遽、初デートでこれから新宿の大型デパートへ直行する予定。

 そうなると会議のせいでどうしても1度、千代田区に来なくてはいけなく、不自然に足を伸ばせばサプライズとか何とか期待させたりとしちゃう可能性もあったので、そこは正直に言って千代田区に同行してもらって現在に至る。

 

「収穫らしいことは何も。ミッドタウン・タワーのも鴉の色に賭けるみたいな感じ」

 

「色? ああそっか。鏡って銀の塗料で鏡面にしたりするんだっけ」

 

「そこから或いは、みたいなね。あと非常に申し上げにくいのですが、対戦の約束をしてきちゃいまして……」

 

「…………時間と場所は?」

 

「午後5時半に中2戦域にしてはもらったけど、やっぱ怒るよね?」

 

「……はぁ。別にいいわよ。ちゃんと私との時間を確保した上でした約束なんだろうし。それで相手は誰よ」

 

「カタフ」

 

「よし勝て。負けたら承知しない。コテンパンにしなさい。出来なきゃ別れる」

 

「そんな横暴な!」

 

 サアヤも明るい進展を期待して尋ねたわけでもなさそうで、会議についてはそれ以上は聞くこともなく、テルヨシとしても早くデートを再開したいので、カタフとの対戦についても早めに処理しにかかった。

 しかしそのカタフがサアヤにとっては因縁の相手だったようで、何がなんでも勝てと言う目力は半端ではなく、変なプレッシャーまでかけられてしまった。

 

「まぁ別れるとかは冗談としても、アンタまで負けられると中2戦域のバトロワ祭りのレベルが向こうより低いみたいになっちゃうじゃない。それは色々と複雑な心境よ」

 

「あー、そういやサアヤはカタフに勝ったことないんだっ……げぇ」

 

「えー? 何か言ったかな?」

 

 カタフの名前に敏感に反応してしまったサアヤは、そのことを反省しつつも、負けられない理由については納得しなくもないので、中2戦域のバトロワ祭り代表みたいな立場で臨まなきゃならない空気は図らずも出来てしまった。

 きっと向こうはそんなつもりは微塵もないだろうから、テルヨシも始まってしまえばそんなことは忘れられるとは思うが、先日のイベントの時に少し話していたサアヤとカタフの戦績を思い出して何気なく口にしたら、物凄く怖い笑顔で首を絞めてきたので「何でもないです」と返事してなんとか解放してもらう。

 考えてみればサアヤが対戦において完全に負け越している相手というのもなかなかにレアな存在なので興味の方も湧いてきたが、今はそれをあれこれと考えていい時間ではない。

 

「さて、と。お話はこれくらいにして、行きますか」

 

「……そうね。じゃあ、うりゃっ」

 

 加速世界の30分が現実世界の1.8秒に過ぎなくても、現実世界で30分を加速世界で流れる時間に換算して考えていいわけではない。

 たとえ加速世界で何千、何万年の時を過ごしたとしても、現実世界でテルヨシ達が生きられる時間は80年程度。

 時という感覚が麻痺してしまうバーストリンカーが忘れてはいけないのは、現実世界で過ごす時間。

 だからテルヨシもサアヤもそこら辺での切り替えはちゃんとしていて、いざそうなったらサアヤも彼女モードに切り替わったのか、移動を始める前にテルヨシの腕に自分の腕を絡めてその腕を引っ張るようにして歩き出し、それに釣られる形で新宿を目指して歩き始めた。

 

「んー、よし。ここにしましょうか」

 

「これはテンション上がるわー。期待してますぜ姐御」

 

「そのノリはなんなのよ」

 

 バトロワ祭りもあるのでチンタラ店選びもしていられないと、新宿の大型デパートにやって来てすぐに案内板を見て目ぼしい店を決めたサアヤは、テルヨシの意見はちょっと無視してここでいいだろみたいな意見を押し付けてくる。

 それでもテルヨシ的にはこの場であれこれ悩まずに即決できるサアヤのテキパキとした性格は好きだし、元々サアヤの買い物に同伴しているようなものなので、今回はテルヨシが行きたい場所なんて優先されるべきではないのだ。

 そうしてやってきたのは、これからシーズンを迎える水着の専門店。ちなみに女性用限定。

 店としての売れ時はもう少し先になるのだが、品揃え的には6月の後半だからと侮ることもなく、すでに新作やらもたくさん出てきているのだ。

 それをわかった上で来たのかは不明ながら、わざわざ自分を連れて来たからには試着も期待してしまってるテルヨシも、周囲の色とりどりの水着を見ながら徐々にテンションが上がる。

 こういった店は男が敬遠してされてで入れない不具合がよく起こるところだが、生憎とそうしたことで恥じらいを覚えるような性格をしてないテルヨシには無縁の話。

 他にお客もちらほらといて、中には試着をしている人もいたが、彼女持ちはそれをチラ見する特権を持つ……

 

「はい鼻の下伸ばさない」

 

「ごめんなさい」

 

 ……わけもなく、テルヨシの視線に敏感なサアヤは「他の客に迷惑をかけたら店から出ろ」と釘を刺して、それに了承したのを確認してから楽しそうに水着選びを開始。

 こうなると試着室のある方向を見るだけでもサアヤのお怒りを買いそうなので、視線を楽しそうなサアヤにロックオンしつつ、その視界の中に映り込む女性客の様子を見る程度でしか楽しめそうになかった。

 だがそれも些細なことで、すぐにテルヨシを巻き込んで水着の良し悪しを尋ねるサアヤの一喜一憂を眺めることが楽しくなって、それに付き合っていたら周りなどどうでもよくなっていた。

 

「じゃあこれとこれとこれが最終候補ね」

 

 30分ほどあれこれと悩んで、テルヨシの意見も一応は参考にしたサアヤが、最終的に3つにまで絞った水着。

 1つ目はパレオ付きのちょっと大人びた白基調のハイビスカス柄ビキニ。これを着て海に出られたら高校生くらいならナンパしてきそうだ。

 2つ目は泳ぐ用と言うよりは魅せる用といった感じの黒ビキニで、首の後ろと左右の腰で紐を結ぶこれもちょっと大人な水着。泳いだら流される典型かもしれない。

 最後はショートパンツ付きの花柄ビキニで、これは他の2つと比べて年齢相応のおとなしいデザイン。活発なサアヤに対してギャップ萌えである。

 

 どれも甲乙つけがたい水着だが、やはり男としては服の上から重ねる程度の着た気になる試着では物足りないと思うのは当然で、その辺を口にしようとしたのだが、それよりも先にテルヨシの表情を読んで頬を少し赤くしたサアヤは、

 

「わ、わかってるわよ。アンタを連れてきたんだから、ちゃ、ちゃんと試着するわよ……もぅ」

 

 めちゃくちゃ恥ずかしがりながらも試着をすると言うので、その姿に何だかいけないお願いをしてしまったような錯覚を覚えてしまう。

 実際には健全なやり取りのはずなのだが、サアヤの恥じらいがなんか無駄にエロいせいで変な空気になってしまった。

 その空気をいち早く察知してくれたのが、こちらの様子をチラチラとうかがっていた店員さんで、試着と聞いて飛んできてサアヤをグイグイと試着室へと押し込んでくれ、それについてテルヨシも試着室の近くに備えられたベンチに座ってサアヤが出てくるのを待つ。

 その間はサアヤの監視の目がないので、テルヨシ的には好機となるのだが、サアヤの尻に敷かれているのを見抜いた店員さんがチクりそうな雰囲気で見てくるので下手に視線を動かせずにいた。

 こういうことに敏感だから危機回避能力もそれなりと自負してるテルヨシだったが、ここで予期せぬ事態が発生。

 おそらくは高校生であろう3人組のグループが試着室から水着を着て出てきて、最初こそ3人であれこれ言い合っていたが、ふと。本当に偶然に近いものでテルヨシと目が合って、バイトの経験から『話しかけやすい空気』みたいなものを無意識に醸し出していたテルヨシが捕まる。

 

 話としては単純明快で、水着の見映えはどうであるか男目線からの意見で欲しいといったもの。

 サアヤの目を盗んで他の女の子と仲良くお話は大変に修羅場になるのはわかっていた。

 それでも女の子のお願いを余程のことがなければ断れないテルヨシは、やるからには超真面目に3人の水着の評価をしてあげる。

 3人も年下っぽい雰囲気を感じて参考程度と思っていたのか、始めは笑いながら聞いていたのだが、かなりガチな意見がきて、最後の方には心理学もちょっと混ぜた男の視線の動きなどを講義されて、店員さんもなんか聞き入っていたりとなっていた。

 

「何してんのよ、アンタは」

 

 そんな不思議な空間が出来ていたおかげで、奇跡的に修羅場な展開になることなく、試着を終えたサアヤが出てきて呆れてしまったが、サアヤが彼女とわかった3人組はそのサアヤに近寄ってテルヨシは見る目があるとかなんとか言って褒めると、まんざらではなかったのか彼氏を誉められたサアヤは照れてしまう。

 そこからはまぁ流れ的にみんなの前でサアヤの水着の評価をさせられたわけだが、外野からは彼女贔屓だの補正が入ってるだのと言われる始末となって、最終的に仲良くなった3人組とサアヤが店員さんまで巻き込んでキャッキャとはしゃいでしまい、テルヨシは完全に蚊帳の外。

 

「ごめんってば。そんな不貞腐れないでよ」

 

「ふーんだ」

 

 結果的に「水着は着るタイミングになってから初披露する方が盛り上がる」とか正論っぽいことを言われたサアヤがテルヨシを店外に追い出して水着を買ってしまい、どんな水着を買ったのかを知らないことよりも、除け者にされたことで不貞腐れていた。

 その辺がまだまだ子供だという証拠なのだろうが、適当なカフェに入ってそこで謝るサアヤもさすがにいつまでも不貞腐れるテルヨシが面倒になってきたのか、逆に怒りそうな雰囲気に変わりかけた。

 その変化にそっちの方が面倒臭いと直感したテルヨシは、このカフェにあったカップル限定メニューとやらを一緒に食べてくれたら許すと切り出して事なきを得た。

 

「おっと。あんまりゆっくりしてたから時間がないね」

 

「うぇ、もうそんな時間か。今日のスターターはイーターに任せてもう少しいるって手もあるんだけど……」

 

 機嫌を直してからはカップルらしく仲良く限定メニューとやらを食べてまったりとしていたが、ニューロリンカーが表示する時刻が午後3時半になりそうといった頃になっていて、すぐ隣の中野とはいえ移動をしなきゃならないとあって席を立つ2人。

 出口を目指して歩く中でサアヤがグローバル接続の準備をしながらにそんな提案もしてくれたが、会議であれだけカッコつけておいて参加してないとか恥ずかしすぎるのでやんわりと却下して移動を続行。

 なんとか中野第2戦域には時間までに間に合いそうと安堵したところで、まだ継続中のデートの次の行き先についてを話しておく。

 

「それについてはアンタの約束もあるし、中野の行きつけの店に行こうと思ってるわ。どうせならマリアも呼んでいいしね」

 

「いいの? それじゃデートにならなくなっちゃうかもよ?」

 

「いいわよ。なんか凄い彼女面した気がするし、あんまり一気に色々と消化しちゃうのも勿体ないから。だから今日はこのくらいにしとく」

 

「じゃあ次のデートではキスくらいしちゃいます?」

 

「アンタがそんな空気を作れたら、心の準備くらいはしておくわよ」

 

「オレ次第なのね……了解であります」

 

 ほとんど抵抗のないデートだったからなのか、割と満腹気味だったサアヤはこれ以上の特別なことはいらないと身を引いてしまい、サアヤがそれでいいならとテルヨシも引き下がったが、ここで押すべきだったのかもと思いつつ、サアヤの言うようにあれこれやり過ぎても勿体ないかと納得してマリアへと連絡。

 サアヤが教えてくれた店の所在をメールに添付して来るようにとメッセージを残してから中野第2戦域へと到着。

 少しだけ移動してニューロリンカーをグローバル接続したテルヨシとサアヤは、メニューから操作してバトロワ参加をONにしたが、今日のサアヤはデートの余韻に浸りたかったのか、ギャラリーへと回る宣言により不参加となった。

 

 ──感覚が研ぎ澄まされていく。

 それは決して虚実などではなく、頭の先から足の指までにしっかりとした感覚が馴染むような心地よいもの。

 定刻通りにバトロワ祭りへとみんなを誘ったテルヨシは、降り立った《鉄鋼》ステージの発する大量の音から、バーストリンカーが発する足音などだけを聞き取って周囲の状況を大雑把に把握。

 次いで視界上の表示に目を向けて、そこに把握した人数+αがいることを確認してからようやく意識を戦闘モードに移行。

 

「最近は戦績も落ちてるし、今日は結構狙われるかもね」

 

 そこから動き出そうとしたテルヨシに呑気に声をかけたのは、ギャラリーとして入ったサアヤ。

 攻撃する能力も意志も持たないサアヤからの言葉なので、テルヨシも過度な反応はしてみせなかったが、言われたことに関しては自覚があったので集中力をより高める。

 考えてみればフーコとの対戦以降の自分の成績がいまいちパッとしないことをバトロワ祭りの前に思い返し、だからこそこうして開始早々から全力で生き残るために極限集中モードを即座に使っていたりと、結構なりふり構わずな感じになっていた。

 サアヤも開始からやる気に満ちてるテルヨシの肩の力を抜くために言葉をかけてくれたのだろうが、今回ばかりは逆効果となったような。

 ──ひゅんっ。

 フィールドが派手に音を鳴らす特性を持つせいで、いつも以上に音の選別が必要な中で、さっそく不吉な風切り音が急接近してきて、迫るものを確認するより早く回避に動いたテルヨシは、直後に自分のいた地点にミサイルが着弾したのを発生した爆炎と爆風で理解する。

 その発生した爆発のせいで周囲から音を拾えなくなる問題が起き、仕方なく視野を全開にして周囲を警戒しながら、爆発の音に紛れて身を隠し、再び近くで発生する物音に耳を傾けつつ、このフィールドでどう立ち回るかを考える。

 

 鉄鋼ステージはとにかく金属の地面、床のせいで移動するだけで音が鳴り、ある種の近接殺しなステージ属性を持ち合わせている。

 どうしたって接近には音を引き連れてしまうし、バックアタックなど余程のバカでなければ受ける可能性など皆無。

 対して遠距離攻撃は視界さえ確保できれば移動はあまり必要なく、他の音に紛れて攻撃すれば発射音などで特定もされにくい。

 とりわけ参加者のひしめくバトルロイヤル序盤では様々な音が鳴り響くおかげで、慎重に立ち回れば俄然有利になるのは間違いない。

 とにかく音が重要なこのステージでバカみたいに逃げ回っても「ここにいるぜヘイヘイ!」みたいなことを言うに等しいため、持ち前の機動力を活かすには工夫が必要。

 

 それが十二分にわかってるテルヨシは、最小の動作で物音を抑えながら路地裏へと侵入し、建物オブジェクトとの間に無数に配管されている金属管に目を向ける。

 その中でかなり太く重そうな金属管を選別したテルヨシは、その金属管の両端を蹴り砕いて取り外すと《テイル・ウィップ》で持ち上げて、自慢の足でそれをほぼ真上に蹴り上げる。

 その際にかなりの縦回転を加えたので、空中に放り出された金属管はグルグルと回転しながら頂点へと達して、すぐに落下を開始してテルヨシのいた地点より少しズレて落ちてくる。

 その間に一変して音を気にしない速度重視の移動に切り替えたテルヨシは、今の蹴り上げで注目を集めただろうことを確信しつつ、落下する金属管の方向を再確認して一気に建物オブジェクトの屋上へと躍り出る。

 ──ガガガァァアアアアアン!!

 それとほぼ同時に落下した金属管が他の金属管に当たって、激しい音が周囲の音をかき消してしまう。

 さらに連鎖的に金属管が外れたりとあって音はかなり長く響いて、その音が何なのかを理解していないテルヨシ以外のバーストリンカーは、音に対して敏感にならざるを得ないこのステージにおいて必然として注目してしまい、ほとんどのバーストリンカーは反射的にその音の発生源から身を隠そうと動いてしまう。

 テルヨシだってあまりに派手な音が響けばそうしてしまうだろうし、だからこそこうした策も取れたわけだ。

 その心理がわかっていれば、コロコロと表示を変えるガイドカーソルも味方して、音の発生源から身を隠す動作をしたバーストリンカーを見つけるのは割と容易く、さらに金属管の衝突音がカモフラージュとなって接近も本当に直前まで気づかれることなく攻撃は成功。

 

 数いる中の1人とはいえ、どうにか倒すことができて安堵するところだが、そこを狙い撃つ相手もいることからすぐに移動して音の比較的少ない場所へと逃げ込み小休憩。

 まだまだ乱戦模様のフィールドは油断ならないが、表示されてる相手は今のところ1人でガイドカーソルも安定している。

 が、その相手がこのフィールドであろうと関係なしにうるさそうなやつでちょっとゲンナリしてしまう。

 

「ヘイヘイヘイヘーーイ!!」

 

 相手も表示されたのがテルヨシだったからなのか、まさに正々堂々といった雰囲気でガイドカーソルに従って直進してきたらしく、黙視で確認できる距離にまで近づいてくると、案の定で元気すぎるそのバカっぽさをアピールしてきて困る。

 

「…………うるせぇな、スティングよぉ」

 

「テイルの兄貴ぃ! 今日は漢と漢の勝負ってやつにチャレンジだぜイエーイ!!」

 

 その相手《パンジー・スティング》が好戦的ではあっても、格上であるテルヨシに自ら迷いなく接近してきたことには少なからず違和感はあったので、その辺を語ってもらおうと仕方なく出ていくと、あっさりと目的を述べてくれて苦笑。

 しかし漢と漢の勝負とはなんぞや? といった疑問も浮かぶので、まだ喋るんだろうといった雰囲気で促してやると、やはりウザい声量でどういうことかを話す。

 

「これはイーターから聞いたトークなんだけどよぉ! テイルの兄貴ってガスト姉さんとマジラブってるってリアリー?」

 

「……それ関係あんの?」

 

 そこから繰り出された話はあまりに予想外のリアルでのことで、どういった理由でそんなことを聞くのかと思考してしまったのだが、思考が戦闘モードに寄っていたために面倒臭くて尋ね返してしまう。

 

「大有りリアリーだぜオイエー! 実はっつーかそのよぉ……ガスト姉さんがその……俺のファーストラブの相手だったんだよぉ!」

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