アクセル・ワールド~蒼き閃光Ⅱ~   作:ダブルマジック

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Acceleration Second33

 6月27日。木曜日。

 体感でも長く感じた昨日のあれこれもだいぶスッキリと解決したのだけは良かったと思いながら登校したテルヨシは、学校に着いて早々に持ってきたショートケーキを恵へと献上し、余らせていた文化祭の招待券を物々交換で獲得。

 昨日に交渉をしてパドの分の招待券を手に入れようとしたテルヨシに恵は店のケーキを所望されたため、要望通りのケーキに満足なような恵は喜んで招待券を譲渡してくれて、これであとは当日に何か奢るくらいのことをしてあげれば大丈夫だろうとひと安心。

 そうやって現実世界での問題も1つずつ解決していっていた昼休み。

 文化祭の催しについて詰めの作業をしながら黒雪姫と他愛ない会話をしていたら、この黒雪姫の元にメールが届いたようだが、そんなことは日常茶飯事なこともあって気にしないでいたら、メールを読んで急に深刻そうな表情を浮かべた黒雪姫は、タタタンッ、とホロキーボードを叩いてメールを作成するとすぐに送信。

 

「すまないがテル。お前も5分後に観戦者として対戦に入ってくれ。文化祭にも関わる問題だ」

 

「緊急っぽいけど、どこからのメール?」

 

「フーコからだ。少しセキュリティーをいじって、フーコとういうい、マリアとはここのローカルネットでも外部から干渉できるようにしておいたのだが、さっそく役に立ったな」

 

「まーた裏道みたいなことして。オレらが卒業してからそのシステムどうするのさ。タクム君に託すの?」

 

「強要はしないさ。ハルユキ君達が自発的に生徒会役員選に出てくれるならそれに越したことはないし、そうでなくても少しばかりガードが甘くなる程度のこと。私達が1年だった頃とそう変わらんよ」

 

 まさかのメールの差出人がこの学校にいないフーコなことにはビックリだが、またセキュリティーを勝手にいじっていた黒雪姫の悪さについては今さらなので言及はやめておき、そんな少しばかり先のこともなんとなく話してから5分後に加速。

 黒雪姫がフーコに対戦を挑んで開かれた対戦フィールドにテルヨシもすぐに観戦者として誘われていった。

 

「うっわ、面倒なところに入っちゃってるなぁ」

 

 構築されたのは岩山に生じた割れ目がちょっとした迷路になっている《荒野》ステージで、残念なことに降り立った場所がその割れ目の迷宮部分なのがすぐにわかったテルヨシは、ちょっと暗いのもあるし外には出たいよねと、近くに出現していた黒雪姫に目で訴える。

 すると黒雪姫も日の光が上から差し込むのを見ながら「切り崩していくか」と物騒な発言が飛び出す。

 

「砂埃が酷いでしょうから、ここはわたしの《ゲイルスラスター》で飛んでいっちゃうのもいいかもしれませんね」

 

 黒雪姫らしい行動ではあるが、盛大に巻き上げられる砂埃が嫌だなぁと思ったら、同じことを思ったフーコが近くに現れて平和的な解決策を提案してくれる。

 どのみちギャラリーであるテルヨシは自動追従機能でテレポートできるのでどっちでもいいといえばいいのだが、ちょっとだけ移動して出口がないかとウロついてから戻ってきた黒雪姫は、行き止まりしかなかったからかその苛立ちを現すようにその両手を持ち上げてスパパパパーン!

 何度かの切り裂きで岩山を切り崩して外へと出ていき、フーコもやれやれといった感じでそのあとに続いていく。

 レギマスとしてこの短気具合はどうなんだろうなぁと思いつつも口には出さずにそのあとに続いて外へと出ると、すぐ近くにギャラリーとして入っていたハルユキ達が集合していたので、そこに3人で近寄ってようやく合流。

 

「みんな、待たせて済まない。山から外に出ようにも、通路が行き止まりばっかりでな」

 

「だからって壁を切り倒すのは、巨大迷路の攻略法としては邪道もいいとこですけどね」

 

「フーコさんも邪道の上から飛んでいこうとか言ってた気が……」

 

「あら、天井のない迷路は俯瞰で見ていいルールがあるんですよ?」

 

「「それはどうなんだ……」」

 

 合流に手間取ったことをまずは謝罪した黒雪姫ではあったが、茶化すようにフーコが割り込んでテルヨシも便乗すると、なんだかコントのようなやり取りになってしまう。

 年長組が揃ってコントをやるもんだから、ハルユキ達が微妙に話を本筋に戻しにくそうにしていたので、自分から話を戻そうとしたら勇敢なマリアが「お話があるんですよね?」と発言し、まさかの最年少の1人に言われてしまえば、自分達もしっかりしなきゃという意識が働いてふざけた雰囲気も吹き飛ぶ。

 それでまずは昼休みの最中に急な召集をかけてしまったことを謝罪してから、時間も限られているのですぐに本題へと入る。

 

「諸君の中で、下北沢にある《明北学院》という中高一貫の男子校を知っている者はいるか?」

 

「はい、マスター。都内ではかなり上位の進学校です」

 

「うむ。中等部の全国統一テストの平均点は、全学年とも我らが梅郷中より10ポイントほど上だ。ここに下げてる原因もいるが」

 

「褒めんなよ」

 

「その図太さだけは尊敬に値するがな」

 

 話の切り出し方がちょっと遠回りな気がしたものの、他校の話から自分達にも関係があって文化祭とも関連があると事前に言われていただけに、テルヨシはすぐに何の話かは予測がついたのでボケも挟んで重苦しさを緩和。

 話の腰を折られて頭を叩きたい衝動もあったのだろうが、生憎とギャラリーには干渉できないので半ばスルーする形で流して続け、その学校が今日の午前中にだけ簡略化した文化祭をやっていた旨を話す。

 そうすれば勘の良いタクムが一般公開をしていたその学校にバーストリンカーの襲撃。それもISSキットの装着者が来たのではと勘繰り、それに黒雪姫もフーコも首を縦に振る。

 

「……明北には、緑のレギオン所属のバーストリンカー3名と他レギオンのもう1名が在籍していたようだ。その1名は欠席していたので難を逃れたようだが、彼らは文化祭で招待客に開放されたローカルネット経由で1人のバーストリンカーに次々と対戦を挑まれ……全敗したらしい」

 

「襲撃は驚くところだけどさ、襲撃者もそれだけが目的じゃないよね。リアル割れのリスクを負ってまで仕掛けたなら、それに見合うだけの成果も得ようとしてたはず」

 

 フーコが登校中にどうやってその情報を掴んだかは気にしないにしても、襲撃者の大胆な行動にはポイント欲しさだけで実行したわけではない感じがヒシヒシとするのでその辺を勘繰ると、こういう時にだけ頭の回転が早いテルヨシに調子が狂うのか「急に真面目になるな」と注意を受ける。まことに遺憾である。

 

「……テルの言う通り、襲撃者は最後の1人を容易く蹴散らした後にこう言い残したらしい。『この力が欲しければ、世田谷第5戦域に来い』とな」

 

「自分達のホームでの完敗からのISSキットの流布か。精神的な隙を突く良い手だな」

 

「敵を褒めるのはどうかと思いますけど、いよいよ6大レギオンにも宣戦布告をしてきたと見てよさそうよ」

 

 的を射たテルヨシの問いかけに対して答えを持ち合わせていた黒雪姫の説明で、実際に春先に能美によって似たような経験をしたハルユキ達も緊張した空気を伝えてきて、攻め込んだ場所が場所なだけにフーコも補足するようにその行動の意味を汲み取る。

 そして代表するようにタクムがその襲撃者についてを問いかけ、黒雪姫も聞いていた襲撃者の名前をまだ言ってなかったことを思い返して《マゼンタ・シザー》の名前を出す。

 そのバーストリンカーはタクムにISSキットを渡したことでテルヨシ達も知るところだが、そこにだけ驚いたような声を出さずにビックリした叫びをあげたハルユキもチユリに全員の視線が集まる。

 

「ええと……報告が遅れましたが、僕とチユは昨日の夜、世田谷戦域でマゼンタ・シザーと一戦交えたんです……」

 

 その驚きの声の理由をハルユキが述べると、ISSキット装着者との対戦とあって黒雪姫が心配して色々と矢継ぎ早に問いかけるが、そんな黒雪姫をフーコが落ち着かせて、それを確認してからハルユキが詳しく説明をしてくれる。

 それによると昨日。中2戦域で《ウルフラム・サーベラス》との対戦後に帰宅して、チユリが《無制限中立フィールド》の世田谷戦域でレーザー攻撃をする小型のエネミーを発見していたことから、促されるままに《理論鏡面》アビリティ習得の練習台にしようとダイブ。

 しかしそのエネミーはレギオン《プチ・パケ》によって飼い慣らされたエネミーだったらしく、その時間にダイブしていたレギオンメンバー《ショコラ・パペッター》と遭遇。

 何やら事情があった彼女から話を聞けば、残りのレギオンメンバーである《プラム・フリッパー》と《ミント・ミトン》がマゼンタ・シザーによってISSキットを無理矢理装着させられ、近隣のバーストリンカーはほぼ感染させてしまってエネミー狩りに移っていたマゼンタ・シザー達は、残った彼女を仲間にするべく、飼い慣らしたエネミーを倒そうと襲撃してきたらしい。

 そのタイミングに居合わせたハルユキ達はほとんど成り行きではあったが彼女と協力してマゼンタ・シザー率いる集団と交戦。

 そこでチユリの《シトロン・コール》もあってプチ・パケのメンバーからISSキットを取り除くことに成功し、マゼンタ・シザーも撃退することができたとか。

 そこまでの話を聞いてサーベラス戦からよくやるといった感想を抱く黒雪姫達のあとに、そうしたことがあった中でマゼンタ・シザーがISSキットの拡散に意欲的なことを知りながら『拡散が先かISSキット本体の破壊が先か勝負だ』と余計なことを言ったらしく、それがマゼンタ・シザーを焚き付けて今回の襲撃が起きたかもしれないと話す。

 

「ネガティブねぇ、ハルユキ君や。マゼンタ・シザーはどうせ拡散を止めないんだから、こういうことが起こるのはハルユキ君のことがあっても早いかどうかの違いでしかないんじゃない?」

 

「そうだぞハルユキ君。それに君とチユリ君がしたことは、昨夜消滅してしまうかもしれなかった1つのレギオンを守り、2人のバーストリンカーをISSキットの支配から解放した。それだけだよ」

 

 100%そうではないと言える話でもないから全否定はできなかったが、物事をポジティブに考えればハルユキとチユリのしたことはむしろ褒めるべきことの方が比率として大きいのは誰の目に見ても明らか。

 そこだけはハッキリさせようとテルヨシと黒雪姫が訂正してあげれば、ハルユキもチユリも今回のこととを深く結びつけることよりも、プチ・パケを救えたことの方が大きかったと実感してくれる。

 さらに謡からは「勝負を持ちかけたなら勝ってしまえばいいのです」とも言われて、それの意味するところであるISSキットの本体の破壊により一層の気合いが皆に入った。

 が、ここでまたもハルユキとチユリからほぼ同時に思い出したような「あっ!」が飛び出して、まだあるのかとちょっと呆れ気味なテルヨシ達とは裏腹に、今度は明るめの雰囲気でハルユキが確認を取ってくる。

 その確認とは習得する理論鏡面アビリティが実際どのような効果を持って発揮されるかといった内容だったが、これについて具体的に説明できるのが謡だけで、それによる説明を聞いてからハルユキとチユリは何やら落胆というかやっぱりといった雰囲気になって「名前が違ったもんね」とか意味深なことをチユリが言い、ハルユキに至っては深々と頭を下げる始末。

 

「す……すみません! 僕……違うアビリティ身につけちゃいました!」

 

 そこから約3分を要して説明されたハルユキの新アビリティ《光学誘導(オプティカル・コンダクション)》について皆が皆、どう反応したらいいかといった感じで唸ってしまい、ハルユキも予想外の結果にしゅんとなってしまっている。

 しかし本来なら、レベルアップボーナス以外でのアビリティ習得は相当な難易度を誇ることであり、その辺について謡が言及し励ますと、黒雪姫とフーコもそれに便乗して励ます。

 

「謡の言う通りだ、ハルユキ君。私の知る限り《ポテンシャル覚醒》に2度も成功したのは君だけ……ではなかった……励ます話に割り込むなバカテルが」

 

「存在するだけで貶されるとか酷すぎる……」

 

「それに、たとえアビリティの名前が違っても、要はメタトロンのレーザーを防げればいいんですから、現象を聞く限り、可能性はあるとわたしは思います」

 

「流された……」

 

 そんな2人の励ましならハルユキにとって大幅なプラスになるだろうと黙っていたのに、自分からしたポテンシャル覚醒の話で実際すでにそれに成功しているテルヨシが視界に入っただけで罵倒してきた黒雪姫の理不尽さはふざけるなだが、それをなかったことにして話を再開するフーコもフーコで酷かった。

 そんな扱いには慣れたようで慣れてないので内心で泣きつつも、とにかく文化祭では細心の注意を払って臨もうという全体での共通意識を強めて解散の流れかと思われた。

 だがもう何度目かのハルユキの申し訳なさそうな割り込みがあって、まだ何かあるのと満腹気味の一同を他所にアイテムストレージから2枚の黒いカードを取り出して皆に見せる。

 

「ン……なんだ、それは?」

 

「あの、ISSキットです」

 

 ──さささささぁぁ。

 取り出されたカードの正体を問われたままに答えて、その名前を聞いた瞬間にチユリ以外のメンバーが恐ろしく不気味なスライド移動で後退。

 タクムに至ってはかつて痛い目を見た経験からその後退はより大きい。

 

「どんな経緯での入手か問おうではないか、ハルユキ君」

 

「あ、はい。これはプチ・パケの2人からチユがシトロン・コールで取り除いてアイテムカード状態にまで戻したもので、戦いの後にマゼンタ・シザーがくれたんです」

 

 ハルユキが普通に持っていることから、この状態なら危険はないのはわかるのだが、やはり本能的に拒絶してしまうものは近くに置いておきたくない心理から距離を取った事情聴取に乗り出す黒雪姫。

 マゼンタ・シザーがわざわざプレゼントしたというのも不可解だが、真心や優しさに汚染されたから使いたくないとかなんとか言って渡したらしいことを続けたハルユキに、勝手ながらチユリも自分なりの解釈を述べる。

 チユリのシトロン・コールが巻き戻しの力であることはマゼンタ・シザーも知っていたのに、そのシトロン・コールを受けて手元に戻ってきたISSキットがそんな曖昧なもので汚染されているわけがない。

 それがわかってないわけもないのにそんなことを言って譲ったのは、その真意を隠しているのだろうと。

 

「なるほどな……。そのまま他のバーストリンカーに寄生させることもできたのに、敢えてハルユキ君に渡した、か。──よかろう、それは私とフーコで預かろう」

 

 マゼンタ・シザーの真意はわからないが、こちらとしては貴重な情報になり得るものを手に入れたことになるので、黒雪姫も責任を持ってハルユキから預かり、フーコも恐る恐るな雰囲気でカードを持ち、上に掲げて観察する。

 こんなアイテム1つで心意技が使えるようになる不思議は全くわからないが、そうやって観察していたら雲間から差し込んだ日の光に照らされたカードの裏面に、うっすらと紋章が見えた。

 それが見えた瞬間。黒雪姫とフーコは揃って驚き、黒雪姫はあまりの衝撃でカードを落としてしまい、それをテルヨシがキャッチし、微妙に見えなかったそれを確認。

 カードには深紅のアルファベットで《インカーネイト・システム・スタディ・キット》と記してあり、その奥にクロスするリボルバー式拳銃の紋章が刻まれている。

 

交差する拳銃(クロストガンズ)……どっかで誰かに聞いたことが……」

 

 その紋章を見るのは初めてのテルヨシだったが、交差する拳銃についてずいぶん前に誰かからチラッと聞いたことがあった気がして記憶を遡る。

 そんなテルヨシの記憶が呼び起こされるのを悠長に待ってる時間が惜しいので、衝撃で沈黙した黒雪姫に代わってフーコが教えてくれる。

 

「……この紋章は…………先代の赤の王《レッド・ライダー》のものです」

 

 それを聞けばテルヨシの記憶の扉も簡単に開いてくれて、プロミの《カーマイン・カノン》が同じ紋章を刻んだ銃型の強化外装をかつてチラ見せして、ライダーに譲ってもらったものだとボソッと呟いていたのだ。

 当時は太っ腹なレギマスだなぁくらいにしか思わなかったが、こうしてライダー亡き今になって予想外のところから出てきたこれには、実物を知らないテルヨシでもちょっと驚き。

 

「……テル君。その1つはテル君が保管してください」

 

「えっ? どうしてオレ?」

 

「テル君はプロミとの交友がありますから《三重士》やバーちゃん辺りに渡せば何か掴めるかもしれません。それにプロミ創設メンバーのガッちゃんなら或いは……」

 

 皆がどう反応すべきなのか困ってしまっていた中で、話をまとめなければならない立場のフーコがテルヨシの持っているISSキットをそのまま懐に仕舞うように言って、新旧所属のプロミメンバー辺りに見せてほしいと付け加えた。

 その判断はおそらく正しいので、テルヨシもバイトの時にでもパドに渡そうと考えながらアイテムストレージに仕舞い、黒雪姫が精神的に不安定になってしまったので話も半ば強制的に終了してしまった。

 

 そのあと現実世界に戻っても黒雪姫は気持ちの整理ができていなくて話はできなかったが、放課後にはハルユキと話をしてから区切りはつけるとだけ言って恵と一緒に生徒会室のへと移動していき、テルヨシも明日までは待ってやるかと、そのままバイトへと向かっていった。

 が、いつもの練馬行きのバスに乗り込んだ時に思わぬ遭遇を果たしてビックリ。

 なんとどこから乗ってきたのか不明ながら、制服姿のサアヤが最後列の席に座っていたので、同じバスに乗り合わせたのは偶然だろうが隣に座って事情を聞く。

 

「待ち合わせよ。指定されたのが杉並で、アンタのところに行くついでに済ませられたら一石二鳥だから、乗るバスを変えてきたんだけど、乗り合わせたなら付き合いなさい。あと2分13秒だから」

 

「待ち合わせって《最終兵器》とだよね。活動戦域は渋谷戦域が中心だったと思うけど、何で杉並?」

 

「ギャラリーの数が多くなりがちだからでしょ。渋谷戦域は放課後は活発だからね」

 

 さすがに手回しが早いサアヤは、もう次の《五芒星》との対話をこぎつけて、これからそれが行われると聞けば参加は当然の流れ。

 それに先のISSキットの件もフーコからサアヤにも聞けば何か掴めるかもと言っていたので、バイトの前にサアヤに渡してしまおうと決めてすぐに行われたサアヤの対戦にギャラリーとして入る。

 例のごとく対戦目的ではないので、わずかにいたギャラリーには早々に退場してもらって、ガイドカーソルに導かれて対戦相手と合流。

 その相手の名前は《Chive Release(チャイブ・リリース)》。レベル6の緑系M型デュエルアバターで、他のバーストリンカーからは最終兵器と呼ばれる、たぶん危険で面倒な相手だ。

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