アクセル・ワールド~蒼き閃光Ⅱ~   作:ダブルマジック

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 綸を蝕む《ISSキット》を破壊するために作戦を開始したテルヨシ達は、現状の最大戦力でメタトロン攻略に挑むためにまずは四神《セイリュウ》の祭壇前に《無限EK》によって封印されているあきらの救出に乗り出す。

 ユニコが新たに習得した《インビンシブル》のバリエーションである大型トレーラー形態《ドレッドノート》で東門へと向かっていた道中。

 裏道をひた走ってきたユニコのトレーラーは1度、新宿通りへと出て内堀通りと合流する丁字路で減速。

 その合流地点の正面にはいつか攻略する《帝城》がどんなフィールドにおいても姿を変えずにそびえ立っており、その手前には先日テルヨシがアホなことをした西門とそこまで続く幅30m。長さ500mの大橋がかかっている。

 

「……今回はお前じゃないからな」

 

 その大橋に直進して入っても目的のセイリュウではなく《ビャッコ》が出現してしまうので今回は完全にスルーし、トレーラーも避けるように右折して帝城の外周を回るルートへと突入。

 ここから東門までは常に帝城の見える位置になるため、遠からず攻略に乗り出すその城を見ながら、まずは第1関門となる四神に意識を向けボソッと呟く。

 

「お前って……まるでビャッコに会ったことがあるみたいな言い草ね」

 

 特にビャッコとはただの口約束ではあるが、次に戦う時は本気の帝城攻略の際だとしていたから、思わず出た言葉だった。

 それに敏感に反応したサアヤがなかなかに鋭いが、ビャッコと修行目的でタイマンしていたなんて話したら怒鳴られそうだからやめておく。

 

「考えすぎよガッちゃん。四神に臆してないって表現でお前って言っただけ」

 

「そうねぇ。前に《スザク》を見て腰が砕けそうになってたのは情けないと思ってたし、良い心がけね」

 

「その話はなしでお願いします」

 

 なので適当に誤魔化して切り上げようとしたら、完全に墓穴を掘って過去のカッコ悪い場面を思い出させることになってしまった。

 その事を知らなかったユリにまで聞かれて弄られる展開になったのは本当に酷い話だったが、それも南門の前を通る頃には収まってくれる。

 ビャッコに関してはぼんやりと攻略の糸口は見えかけているテルヨシだが、スザクに対してはまだ光明を見いだせない。

 未だ対峙すらしていないセイリュウと《ゲンブ》もそうだが、改めて《チャイブ・リリース》が論外と言った意味についてを実感する移動はなかなかに堪えるものだ。

 だが今は四神の攻略は二の次。あわよくば可能性を見いだせれば御の字くらいに考えておいて内堀通りを走って見えてきた東門へと意識を向ける。

 

『終点、帝城東門前ですぅ! お客様はとっととお降りくださぁーい』

 

 そしてようやく東門の大橋前の交差点へと到着して、猫かぶりモードのユニコのアナウンスの後に全員がトレーラーから降り、インビンシブルをストレージに戻したユニコも神経を使う移動をしたからか大きく伸びをしながら集団の輪に加わる。

 移動に要した時間は約30分ほどで、大幅な時間短縮によってブリーフィングに当てる時間にも余裕ができ、重要な作戦前にも関わらずどことなく和やかな雰囲気のまま、みんなから緊張の様子がないのは良いのか悪いのか。

 

「…………うーん」

 

「どうしたのよ、唸るくらいなら言いなさい」

 

「何か危惧でもあるのかの?」

 

 そんな中で黒雪姫がブリーフィングは15分の休憩後に行うと指示を出して、ただ休んでるのが嫌なメンバーは頭が痛くなる東門。現実では坂下門に符合するところから歴史の雑学というか試験前の勉強を始めてしまい、そういうのを聞いてると眠くなるテルヨシは少し離れて大橋の手前で腕を組みちょっと唸る。

 そのテルヨシに近づいたサアヤとユリが何か気になることでもあるのかと尋ねてきて、同じように難しい話についてこれなかったか近寄ってきたマリアも巻き込んで4人で会話。

 

「うーん、みんなに緊張がないのは良いことなんだろうけど、現実はしっかり見るべきではあると思うわけですよ」

 

「ダメだよ。それ以上は前に進むの禁止」

 

「アンが正解ね。アンタも四神が意思に近いAIを持ってるのは経験済みでしょ」

 

「じゃな。下手に探りを入れてこちらの意図に勘づかれでもすれば、想定外のことも起こる可能性が上がってしまう」

 

 問われてしまえば正直に答えるべきだと思って考えていたことを口にしたテルヨシに対して、具体的に何をするかなんて言ってないのに、それだけで何をしようとしてるのかわかったらしいマリアに動くなと言われてしまう。

 テルヨシはこのメンバーの中でも約半数がまだセイリュウの姿すら見たことがないという不安要素を抱えていることを受け止めていた。

 だからこそ作戦の前にセイリュウを1度でも見ておくことは無意味ではないと考えていたが、言葉を繋げたサアヤとユリの言うことも十二分に理解していたので、だからこそそれらを天秤にかけて唸ったのだ。

 

「アンは不安はない?」

 

「あるよ。だって私なんかよりずっと強い人があそこに封印されちゃうくらいのエネミーだもん。不安がないなんて嘘でも言えないよ」

 

 天秤は今のところほぼ釣り合いが取れてしまっているので、黒雪姫とユニコにも話してどうするか判断するのも1つかと思いつつ、自分と同じでセイリュウが初見になるマリアにこの作戦への不安がないかを問う。

 しかしそれは愚問とばかりの即答で返したマリアは、不安があるのは当たり前だと言いつつも、声色は恐怖で震えたりはしていない。

 

「でもそれは私だけならって意味。私が1人で挑んだって、カレントさんを助け出すどころか、自分が無限EKになっちゃうかもしれない。でも1人じゃないから。みんなが力を合わせれば、きっとカレントさんを助け出せるって信じてる」

 

「よく言ったわ、アン。心配性なテイルは頼りないかもしれないけど、私とボンバーは存分に頼りなさい!」

 

「女は度胸じゃ。テイルもアンを見習ってドンとしておれ。《親》が及び腰では示しがつかんぞ?」

 

「えぇー……オレがいつ及び腰になったというのか……」

 

 我が《子》ながらたくましくなったものだなと思いながらに精神的な成長を見せたマリアには込み上げてくるものがあったが、最年少の1人がここまで言ったなら、他の初見組が「ちょっと不安だし姿だけでも」とはいくにいけないのは当然。

 だがテルヨシとしては『自分が』というよりも、このチーム全体で考えた時の総合的な勝算の変動を考察しただけであって、テルヨシ自身は初見のセイリュウに対してはかつてのスザクやビャッコほどのプレッシャーはない。

 むしろ好奇心の方が上回ってるくらいだから、ユリの言動には全くもって納得がいかなかったが、聞いたサアヤとマリアに笑われてはどうしようもなかったのだった。

 

「よし、作戦開始15分前だ。カレンはかなり正確にタイミングを合わせてくれるはずだが、現実世界での0.1秒の誤差が、こちらでは100秒に拡大してしまう。つまり、前後2分程度のズレは計算に入れておかねばならない」

 

 そんなこんなで休憩の後には完全に切り替えて始まった入念なブリーフィングとシミュレーションであきらが出現する15分前まではあっという間に過ぎ去ってしまい、作戦のリーダーである黒雪姫がいよいよだと言葉を紡ぐ。

 その中では先日のスザク戦でも見せられた高度なAIによるこちらの予測を上回る動きもある程度は想定しておかないとと注意も入る。

 その際にはテルヨシのようにアホなことはせずに絶対に自分の身を最優先に退避するようにと、主にテルヨシに視線を向けながら言う黒雪姫に、皆も視線を合わせてうんうん頷く。

 

「あのさぁ、オレばっかり気を付けろって感じだけど、みんなもいざってなったら仲間を助けたいって葛藤はあるでしょ。その気持ちまで否定されてるみたいで落ち込むんですけど」

 

「ムッ……そこまでお前を否定はしていないが、やはり前例がお前なだけに語調が強くなるのは仕方あるまい」

 

「そうですね。テイルさんのそういうところは好きですが、全員が全員、持てる力を最大限に出せれば、そういったピンチにも陥らずに作戦を終えられると、わたしはそう信じてます」

 

「あらレイカー。この急造のチームで信頼関係が成り立つって本気で思ってるの?」

 

「少なくとも、ツンデレでそういうことをあえて言っちゃうガッちゃんが、作戦で失敗だけはしないだろうなってことだけは確信してるわよ?」

 

「ガストのツンデレはわかりやすいからのぅ」

 

「Y。そこが可愛い」

 

「まったく、ツンデレは言うことに刺がなきゃならん条件でもあるのか」

 

「刺で本心を隠すからツンデレなのですよ、ローねぇ」

 

「ちげーねぇ。刺の無ぇツンデレとかただのデレじゃん」

 

「そんなガストさんも可愛いよ?」

 

「なんたってオレの彼女だからな」

 

「アンタらはぁ……緊張感を持てこのバカどもがぁぁぁぁああああ!!」

 

 もう前科持ちの宿命として受け止めるつもりではいたテルヨシだが、ここにいる全員があと半歩でも踏み込めばテルヨシと同じことをするようなメンバーなことはいちおう警告しておく。

 それを否定もできなかった一同もそうならないようにとより一層の意識を持ったのは良かったが、士気を上げるつもりだったサアヤの言葉が思わぬ方向に話題を逸らしてしまい、サアヤのツンデレをこれでもかと弄る流れに。

 まぁこれでフーコとサアヤの言う信頼関係が成せる連携が取れたことになるわけだが、こんなのを望んでなかったサアヤは本日2度目の癇癪を起こしてしまった。

 

「よっしゃ。要は全員でおりゃーって突っ込んで《アクア・カレント》拾って、また全員でうおーって逃げれりゃいいんだろ? 片道たったの500mじゃん、楽勝らくしょー!」

 

「デュエルアバターのオレの全力疾走でも40秒弱はかかるんすけど、たったの500mなの?」

 

「そうだぞ赤いの。往復にすれば1kmだ。うおーっと走るにはなかなかしんどいぞ」

 

「うっせーな! 片道切符はあたしが出してやんだから、文句言うなら駄賃取るぞ」

 

 ウガーッと唸るサアヤはみんなで宥めつつ、今回の作戦をめちゃくちゃザックリと表現したユニコのはわかりやすいのだが、ちょっとアホっぽい擬音のせいでテルヨシと黒雪姫が反射的にツッコんでしまう。

 そんなやり取りが繰り返されるのはこれ以上は無駄と思ったか、反論させない作戦放棄に近いユニコの発言を最後に切り替えて、各々が所定の位置へと移動を開始していった。

 

『いっ……けええええ────ッ!!』

 

 現実時間で12時20分10秒。

 テルヨシ達より10秒遅れてダイブしてくるあきらが出現するだろう時間が来て、約2分のセイリュウとの攻防が開始される。

 その口火を切ったユニコの雄叫びは、東門へと続く大橋の300m後方から木霊してきて、再び召喚されたドレッドノートが12個のタイヤをフルスロットルで回して発進し加速してくる。

 それを大橋の手前から見ていたテルヨシは、ブレーキもないのにあの加速はヤバイよなぁとか思いながら隣に立つユリとマリアに目を向ける。

 他のメンバーは全員、加速するドレッドノートの左右の主砲に掴まる形で乗っていて、屋上に乗れない都合、人数制限に引っかかったためにテルヨシとユリがドレッドノートの進撃に続く形で大橋に突入することになる。

 マリアは腰さえ据えれば大橋の奥まで射程圏内なので、わざわざターゲットをもらうメリットはなく、狙撃手としてセイリュウの動きに合わせて臨機応変にフォローする役割。

 

「危ないと思ったらすぐに降りてきてよね、バーちゃん」

 

「どのみち儂の耐久では一撃で死ぬでの。そうならんように主らが全力でタゲ取りをしてくれ」

 

「任せて!」

 

「いやん、アンが頼もしすぎる」

 

「それは儂の台詞じゃろうが」

 

 テルヨシの最初の動きはなかなかにハードなのだが、それ以上に危険な役割かもしれないユリの心配はするのは当たり前で、小さく震えていたユリの手を2人で優しく握って言葉をかける。

 そうすれば良い意味で開き直ったユリの手の震えは止まり、大丈夫と言うように握られた手を放すと、ドレッドノートも目前まで迫って大橋へと突入する3秒前。

 その時には屋上の位置の装甲板がガバッと4箇所で開いて、そこから無数のミサイルがせり上がって発射態勢を整えていた。

 

『しっかり掴まってろよ! スラスター、オ────ンッ!!』

 

 だからみんなが屋上から待避していたのだが、動けるようになったインビンシブルの火力そのままに迫ってくる迫力は物凄い。

 さらに大橋突入の寸前でドレッドノートの後部に装備されたロケットモーターが点火されて爆発的な加速が加わり、小石の1つでも踏んだら盛大にクラッシュしそうな速度で大橋に突入。

 

「遅刻するぅ!!」

 

 ちょっと予想以上に激しい加速で驚いたが、驚いて反応が遅れるほどバカでもないので、ドレッドノートが大橋に突入した0.5秒後にユリを《テイル・ウィップ》で掴んで大橋へと侵入し、東門をまっすぐ直線で捉えたところで、

 

「《インパクト・ジャンプ》!!」

 

 だいたい75度くらいの角度で前方へ大ジャンプ。

 一瞬で地上から35m付近まで到達し、その到達点でユリを解放したテルヨシは、体勢をサッカーのオーバーヘッドキックのように捻らせて、蹴り出す右足の上にユリを乗せる。

 

「いって……らっしゃああああ────いッ!!」

 

 そしてそこから跳んだ角度と同じ角度のままユリをさらに上空へと蹴り上げて飛ばし、加速世界においておそらく最軽量アバターであるユリは上空100m以上の飛距離まで到達。

 1度だけシミュレーションでやってみてそのくらいまで行ったらしいので、おそらく今回もそのくらいには到達しただろうことを感触で予想しつつ、落下を始めたテルヨシが次にやるのは、眼下で始まったセイリュウ戦にいち早く参加すること。

 東門の手前の祭壇にはすでにセイリュウがその姿を現し、4本の角を備えた頭部。菱形の鱗に覆われた首。鉤爪を備えたたくましい4本の足と長い胴体。鞭のように鋭い尾。頭から尾までを金属光沢のある瑠璃色の剛毛が逆立ち、背には等間隔で4対8枚の小翼が伸びている。

 どちらかと言えば東洋龍に近いフォルムながら、誰が見てもドラゴンだと答えるだろうセイリュウはやはり、スザク、ビャッコにも引けを取らないプレッシャーを放っていて、曇天を貫くような咆哮は空中にいるテルヨシが圧だけで後ろに吹き飛びそうなほどだ。

 

 しかしそんなセイリュウに全く臆することなく進撃を続けていたユニコのドレッドノートは、予定通り先制のミサイルを発射して出現直後のセイリュウを強襲。

 さすがの高火力は一瞬でセイリュウの姿を爆炎と黒煙で包み込み姿を確認できなくなるが、それを悠長に見ていたら大橋に不時着してしまうので、ミサイルを打ち切って安全になったドレッドノートの屋上めがけて追随するように直角にインパクト・ジャンプを使って、奇跡と呼べる速度調整とタイミングで屋上に綺麗に着地。

 

「うおっ、奇跡」

 

「アンタのそういう勝負強いところは素直に感心するわよ!」

 

 さすがに装甲板が開いたままでデコボコの屋上に直立不動は難しく、すぐに受ける風圧でよろけるが、同じタイミングで屋上に上がってきたサアヤがその体を支えてくれて、黒雪姫達も上がってくるなり遠距離攻撃部隊が追撃へと出る。

 ハルユキとタクムが最前列に立って心意技《光線投槍(レーザー・ジャベリン)》と必殺技《ライトニング・シアン・スパイク》が放たれ、煙によってシルエットだけが見えるセイリュウのどこかへと命中。

 次いで攻勢に出られてなるものかと意気込むような謡が長弓《フレイム・コーラー》を構えて必殺技《フレイム・トーレンツ》をセイリュウの頭上へと放ち、天辺で数十本の火矢となって降り注ぎ小爆発を起こす。

 さらに強烈な真紅の過剰光を右手に宿らせた黒雪姫が、渾身の《奪命撃》を放ってセイリュウの胸へと伸びる斬撃が深々と突き刺さる。

 

「《ヒートブラスト・サチュレーション》ッ!!」

 

 それに負けじとユニコも黒雪姫が貫いた胸部を狙って左右2本の主砲から放たれる極太の光線系必殺技を炸裂させ、天地を揺るがすほどの大爆発を引き起こした。

 

「そろそろね」

 

「超怖い」

 

 如何なセイリュウでもこれほどの連続攻撃を開幕から浴びてしまえば、多少なりの硬直は促せただろうと思いつつ、ふと空を見上げたサアヤがそんな呟きを漏らしたため、全速で近づくセイリュウと空を交互に見てビクリとする。

 直後。未だ猛攻によってシルエットしか見えないセイリュウの頭上から、数えるのも恐ろしいほどの《リトル・ボム》が降り注いできて、ユニコの引き起こした爆発とは規模の違いはあれど、その継続的な爆発はこのメンバーの攻撃では最終的には最大級になるだろうダメージを与えていく。

 おそらく現在、セイリュウの頭上100m付近に到達したユリが、アビリティ《ディセント》を使いながら非常にゆっくり降下しつつリトル・ボムを次々と量産して雨のように降らせているのだ。

 止まない爆弾の雨にはセイリュウも忌々しそうに体をくねらせ、5段あるHPゲージの1つが5割も削れていたが、突如としてゲージが減る量よりも増える量が上回って徐々にそのHPゲージが回復されていく。

 これは待機状態になっている他の四神からのバフによる回復がされてしまっている残念な結果だが、目的はセイリュウの撃破ではないし、始めから回復されるのは折り込み済み。

 だからこの現象に今さら愚痴をこぼすようなメンバーはいなく、セイリュウの祭壇まで残り200m付近にまでさしかかると、ついにセイリュウから反撃の予兆がある。

 それを磨き抜いた観察眼で狙いを見定めたテルヨシは、その反撃が頭上ではなくこちらに向いたことを察知し防御班に声をかけると、ハルユキとタクムと位置を入れ替代わったサアヤとフーコが最前列に踊り出る。

 サアヤはすでに《ブレード・ファン》を展開剣へと変えて、両端の部分を両手に持って深緑の過剰光をブレード・ファンに纏わせ、フーコも右手の平を前に掲げて深緑の過剰光を身に纏う。

 それを確認してか知らずか、降り注ぐリトル・ボムの雨の中から顔を出してきたセイリュウは、その口を開いて奥から超高圧のジェット水流。《ウォーターブレス》を発射。

 あきらによる事前の情報によれば、特殊攻撃に秀でたセイリュウの技の1つで、威力にして緑系アバターでも数秒で即死するほどだとか。

 

「《ブラスト・ゲイル》!!」

 

「《庇護風陣(ウインド・ヴェール)》!!」

 

 それが放たれた瞬間に、サアヤは展開剣状態では花弁のように開いて高速回転しながら攻撃する必殺技ブラスト・ゲイルを前方にウォーターブレスに向けて展開し、フーコの防御心意技はドレッドノート全体をドーム状に包み込み全員を守る。

 ──ドギャアアアアアアッ!!

 その2重の防護壁にウォーターブレスが正面から激突し、高速回転する展開剣がミキサーのようにウォーターブレスを削って霧散させ、フーコの防護壁がカバーできない部分から迫るウォーターブレスを防御。

 かなりの防御力を有しているはずの2人の防護壁だが、セイリュウのウォーターブレスはその上から叩き潰そうと圧力を上げてくる。

 その威力に膝をついたサアヤとフーコではあったが、防護壁は必死に維持したまま展開し続けて、ブラスト・ゲイルが効力を失って扇子へと戻ったタイミングでウォーターブレスも止まり、なんとか反撃を防ぎきることができた。

 ──セイリュウの祭壇まで、残り100m!

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