アクセル・ワールド~蒼き閃光Ⅱ~   作:ダブルマジック

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Acceleration Second42

「時間だ! 5秒前……2、1、ゼロ!」

 

 始まった《セイリュウ》との戦闘。

 激化してきた中で祭壇までの距離が残り100mを切ったところで、黒雪姫がそんなカウントを始めて前。セイリュウの奥の祭壇へと目を向ければ、カウントを終えて3秒後にアバターの出現エフェクトが生まれる。

 あきらがほぼ寸分の狂いもなく現実世界から加速し出現しようとしてる確かな証拠で、あまりの正確さに笑いすら込み上げてくるが、セイリュウの脅威は未だ衰え知らず。

 笑ってる場合でもないのであきらの救出は担当のフーコに集中してもらうことにして、その道を作るためにテルヨシも集中を上げてセイリュウの挙動を全力で観察。

 ほぼ出現を終えたあきら《アクア・カレント》を確認しつつ、セイリュウのターゲットがどこに向くかを見抜きにいったテルヨシの目からは、まだ自分達にターゲットが向いているように見えたため、このままギリギリまで肉薄しようとユニコに指示しつつ、セイリュウの4本の角が青白く輝いたのを見逃さず、タクムと後方のマリアに手振りで指示を出す。

 セイリュウの角の輝きに合わせて上空の黒雲に幾筋ものスパークが走り、落雷の予兆が頭上から迫る。

 セイリュウによる特殊攻撃《サンダーブラスト》だ。

 

「《スプラッシュ・スティンガー》!!」

 

 しかしこれもあきらから事前に聞いていた攻撃だったため、対策は取れていて、上体を反らしながら胸部装甲に収納されていた複数のニードルミサイルを発射する必殺技を放ったタクムのニードルは、トレーラーの周囲の上空に散布される。

 それとほぼ同時にユリが絶え間なく降り注ぎ続ける《リトル・ボム》の1つを狙撃しマリアの《バレット・クリエイション》のバリエーションの1つである《ジャミング弾》がセイリュウの頭上でキィィィィイイン! という甲高い音と共に炸裂する。

 そしてセイリュウのサンダーブラストは直上から紫がかった稲妻となって放たれたが、タクムのニードルが避雷針代わりとなって落雷を直撃コースからズラしてくれ、落雷を受けて次々と爆発していく。

 さらにマリアのジャミング弾は直弾点から半径100mの範囲に強烈なジャミングを発生させてホーミングなどの効果を120秒間だけ無効化するのだが、実は副次的効果として『遠隔攻撃への命中率のマイナス補正』も発生することが判明していた。

 

『オメーら! 上手く合わせろ!』

 

 その助けもあってセイリュウのサンダーブラストは大橋には落ちるがトレーラーへと命中することはなく難を逃れ、残り60mまで来たところでスピーカーからユニコの合図が飛んできて、直後にトレーラーは大橋を滑りながら元の《不動要塞》モードへと移行し、その変形に巻き込まれないようにテルヨシがサアヤとタクムを《テイル・ウィップ》で掴んで大ジャンプ。

 パドもビーストモードになってその背中にチユリを乗せてジャンプし、ハルユキも黒雪姫と謡を両手に抱えて短時間の飛行で回避。

 残されたフーコは慣性に逆らわずにむしろトレーラーから飛び出すように前へとジャンプしながら、空中でストレージを開き機動力抜群の車椅子型の強化外装を取り出して乗り、見事な着地から減速することなくセイリュウの下をロケットの如く駆け抜ける。

 ユリのリトル・ボムも降り注ぐ中を心意強化もした加速で抜けるフーコはさすがだが、いつセイリュウが誰をターゲットするかわからない複雑な状況でテルヨシの集中力はさらに上がる。

 

 完全に変形を終えてセイリュウの目前で止まった《インビンシブル》が壁となり、その後ろで着地したテルヨシ達は、それとほぼ同時に響いたユニコの『あぶねーぞ!』の声に反射的に防御体制になると、直後。

 インビンシブルの頭上へとセイリュウのしなった尻尾が振り下ろされて、その衝撃波が襲う。

 その攻撃でインビンシブルの4本の脚部パーツが大橋にめり込み、本体を支えられずに根元から折れてしまう。

 

『マジかよクッソ! わりぃ! 反動で引っくり返るから撃てねー!』

 

「そのまま壁になってくれ! 攻撃は我々が引き受ける!」

 

 予定ではインビンシブルが無事ならこのままユニコの火力を撃ち続けることになっていたが、支えを失ったインビンシブルは反動に耐えられないため早々に断念せざるを得なくなる。

 なので黒雪姫が次のプランとしてインビンシブルを壁にして溜めを作り、一斉に攻撃に出る作戦に移り、攻撃できる全員がイマジネーションに集中し強力な心意技を放とうとする。

 

 ──小さく儚き者たちよ。

 ──そなたらは、何故に妾の眠りを妨げるのか。

 

 だがその作戦を看破したかしないかわからないタイミングで、突如として頭上のセイリュウが頭に直接語りかけてきて、セイリュウの行動を見る担当のテルヨシが過剰光を足に発生させながら見上げれば、セイリュウの両目がこちらを向きながら怪しく光ったのを見逃さなかった。

 そしてそうと認識した瞬間から、テルヨシの体に真っ白な霜が降りて凍りついたように動かなくなり、声までもが出なくなる。

 かろうじて動く視線で他の仲間に目を向けても、皆が同様の拘束技を受けたようで動けそうな者はいない。

 この特殊攻撃は完全に未知の攻撃だったため、対抗策が用意されていなかった。

 

『──強化外装、解除!!』

 

 おそらくはこの降り積もった霜が拘束力を生んでいると思われるが、動けない、必殺技が使えないでは抜け出すこともままならないためセイリュウの攻撃はどうやっても受けてしまうと覚悟を決めかけるが、セイリュウは硬直したテルヨシ達が脅威ではないと判断したのか、その狙いを未だに攻撃していたユリへと向けて《ウォーターブレス》を放とうと口を開く。

 その動きにテルヨシ達が反応しないからか、本能なのか、霜による拘束をコックピット内で回避できていたらしいユニコが、動かないインビンシブルをストレージへと戻して大橋に降り立ち振り返り、テルヨシ達の状態を見るやマリアに見えるようにジャンプしてサインを出す。

 その2秒後にテルヨシの背中へと強烈な《炸裂弾》が撃ち込まれて、その周囲にも爆発の余波が広がってスプラッシュダメージをもたらす。

 一見するとミスショットのようだがそうではなく、霜による拘束を炸裂弾の爆発で吹き飛ばしてくれたのだ。

 それがわかっているからダメージを負った一同ではあったが、文句を言う者は1人もいなく、拘束中も信じてイマジネーションを引き絞っていた黒雪姫とハルユキと即座に動いたユニコが遠距離心意技を放ってセイリュウの下顎を狙う。

 

 3人の心意技はウォーターブレスを放つ寸前でセイリュウの下顎に命中し攻撃をキャンセルすることに成功。

 さらにテルヨシは今の炸裂弾で溜まった必殺技ゲージを消費して《インパクト・ジャンプ》でセイリュウの頭上まで跳び、下に向かって《インスタント・ステップ》の足場を蹴って落下からの過剰光を纏った足で強烈なかかと落としをセイリュウの鼻っ面に叩き込んで強引にその顔を下へと下げる。

 これでユリへの攻撃を完全にキャンセルしつつ、後ろのあきらとフーコも同時に守れたことになるなと、反撃に注意しつつ着地し後退したテルヨシは、セイリュウの後方から強烈なライトブルーの光が上空へと一気に昇っていくのが見えた。

 無事にあきらの元へと辿り着いたフーコがあきらを抱えて《ゲイルスラスター》を使い、遥か上空まで退避してから大橋を落下しながら抜けようとしているのだ。

 そしてそこまでにユリが空中にいた場合は、ユリが軌道修正をすることで空中でフーコに回収してもらい、《ディセント》で落下スピードを大幅に緩和しつつ着地できる算段もあった。

 事実、ゲイルスラスターの噴射煙が黒雲まで伸びて途切れてからはユリによる攻撃が止み、回収が成功したのがわかった。

 あとはそのフーコ達をセイリュウが追いかけないようにテルヨシ達が後退しながらタゲ取りするだけだ。

 

「よし、全員後退!」

 

 それを確認した黒雪姫がセイリュウのターゲットがこちらに向いていることも確かめてから指示を飛ばし、全員が大橋のど真ん中を縦1列の編成で走り始める。

 

「《シトロン・コール》!!」

 

 その編成が成されたところで今度はチユリがサアヤに向けてシトロン・コールを使ってその時間を巻き戻し、サアヤも《ブレード・ファン》を必殺技の範囲外の空中に投げてそれを受け、突入前の必殺技ゲージが満タンの状態まで戻してもらうと、投げた扇子状態のブレード・ファン──シトロン・コールで展開剣に戻っては困るためだ──をキャッチして即座に開いて構える。

 

「逸れないでよ! 《リベレイション・ストリーム》!!」

 

 そして放たれたのはゲージ全消費の大技であるリベレイション・ストリーム。

 サアヤを中心に360度へと広がりながら巻き起こる暴風が一瞬の静寂のあとに発生。

 その暴風が発生する1秒未満の時間でブレード・ファンを閉じたサアヤとチユリをテイル・ウィップでまとめて回収して前を走る編成と同じ直線上に並んで走れば、直後に背中を押す……どころか体を浮かせて吹き飛ばすほどの暴風に巻き込まれて前の編成に突っ込み、黒雪姫達も小さな悲鳴を上げてそれに巻き込まれる。

 吹き飛びながら後方のセイリュウに目を向ければ、あのセイリュウさえもサアヤの起こした暴風のせいで移動を妨害されてその場で耐えるように動かないのが見え、大橋を抜けるまで風に乗ることはできないが、距離は大幅に稼げそうだと思う。

 

 ──妾の眠りを妨げた小さき者たちよ。

 ──捧げよ。重ねた時の精華を。

 

 だがそうは問屋が卸さないとばかりに、後方のセイリュウがまたも言葉を紡ぎ、暴風域を抜けて150m以上も吹き飛んで着地したテルヨシ達だったが、セイリュウの変化に気づいた黒雪姫もホバーでのバック走をしながらその挙動を確認。

 そのセイリュウは右手を掲げて、その中心に黒い球体を生み出し、ゆらゆらと不定形に揺れるその球体の表面には紫色のスパークが走っている。

 

「──来るぞ!! 《レベルドレイン》だ!!」

 

 あきらから聞いた事前情報によってその挙動がレベルドレインであると確信した黒雪姫が叫んだ瞬間、ここまで必殺技ゲージを温存してきたハルユキが立ち止まって編成の最後列まで下がりつつその銀翼を広げて宙に舞う。

 

「任せたぞ、クロウ!」

 

「任せてください! 先輩達は走り続けて!」

 

 そのハルユキを追い抜きつつ黒雪姫が言葉を交わし、正面を向いて後退を始めて、テルヨシもレベルドレインにターゲットされないように本腰を入れて走ろうとした。

 

 ──足掻け、小さき者たちよ。

 

 が、またもセイリュウから語りかけるような声が発せられ、反射的にセイリュウを見れば、右手のみならず左手にも黒球を発生させていたのだ。

 

「マジかよ!?」

 

 あきらによればレベルドレインの黒球はアバターに命中すると黒球の中に呑み込んでまとわりつき、そこから蓄積されたバーストポイントを奪っていき、全て無くなってから不可避の硬直と同時にレベルが1つ下がるらしい。

 現状では呑み込まれてからの対策は氷結が可能性としてあるくらいのもので、食らったら終わりという認識で間違いなく、黒球は直線なら際限なく加速してアバターを追い詰めるらしいのだ。

 だからこそ、飛行アビリティを有して三次元的な動きで逃げられるハルユキがレベルドレインをジグザグ飛行で振り切り大橋を抜けてしまう作戦を立てて、実際にハルユキもそうしようと最後列に立ったのに、その黒球が2発となれば発射タイミングをズラされただけで回避も困難になり、最悪はレベルドレインに捕まってしまうかもしれない。

 

「くっそ!」

 

 全員が無事に大橋を抜けるという最高の結果をもたらすには、この状況は最大の難関と悟ったテルヨシは、かろうじて1回だけ使えるインパクト・ジャンプでどうにかできるかと考えたが、大橋を抜けるまでまだ300m近くもあるため、ほぼ不可能と結論。

 それでも何とかしなきゃと足を止めかけたテルヨシをサアヤが「止まるな!」と叫び、どういうことかと正面を向くと、それと同時に赤い軌跡が前方から後方へと流れ、その流線型のしなやかな体は四足歩行で走り抜けていた。

 

「…………パド……」

 

 それがパドであることを理解したテルヨシが足を止めずにレベルドレインに立ち向かったパドの心配をするのと同時に、セイリュウから時間差で黒球が放たれる。

 1発目はハルユキをターゲッティングして、空へと逃げたハルユキを追っていき、遅れて放たれた2発目は立ちはだかっていたパドへと一直線に突き進み、あっという間にパドを呑み込んでしまう。

 

「シトロン・コール!」

 

 この時点で全員が無事にという条件が崩れてしまったが、それでもまだ出来ることはあると言うように、前を走っていたサアヤが再びチユリからシトロン・コールで必殺技ゲージを少し戻してもらって、走りながら「真ん中を開けなさい!」とユニコ達に注意をしながら《ブラスト・ゲイル》を前に放つ。

 それを見るよりも圧倒的に早くレベルドレインを受けたパドが猛然と加速してその横倒しのブラスト・ゲイルの中へと突入して、蓄積されたバーストポイントを奪われながらブラスト・ゲイルの追い風を受けて大橋を抜けようと《ファースト・ブラッド》も全開で超加速。

 

「行きなさい! レパード!」

 

「頑張れ! パドぉ!」

 

 その勇姿に送り出したサアヤと抜かされたユニコが声援を送り、それを受けて300mを疾走するパドがいつレベルダウンしてしまわないかと心配しつつ、そうなったら自分が抱えて大橋から連れ出そうと決めて、静かに全速に切り替えたテルヨシは、あっという間に全員をごぼう抜きしてパドに次ぐ位置につける。

 思えばパドがレベルアップをせずにひたすらにバーストポイントを蓄えていたのが、このためだったとわかった時から、パドが不測の事態で真っ先にこうするだろうとわかっていたテルヨシは、それほどの覚悟で走っているパドの姿に涙が溢れる。

 そうしてしまった自分の不甲斐なさが悔しいし、それを助けてやることすら出来なかった対応力のなさがもっと悔しい。

 何のために磨いた観察眼と見切りなのかと責めたかったが、過ぎたことを悔やむのは全てを終えてからでいい。今は前を走るパドを全力で応援する。

 

「パド! 抜けろぉ!!」

 

 その声が届いたかはわからないが、300mの距離を6秒足らずで走り抜けて大橋を脱出。

 それと同時にパドにまとわりついていた黒球も飛沫のように弾けて消失して、止まることを考えてなかったパドはその体を何度も地面で転がしてブレーキを強引に掛けていた。

 硬直するよりも早く大橋を抜けられたということはレベルダウンは免れたようだが、一体どれほどのバーストポイントを奪われたのか計り知れないテルヨシは、それを気にしつつ次いで黒球を振り切ったハルユキがパドの近くに着地したのを見届け、自分も残り50mのところに来てから立ち止まり、後続が安全に抜けられるように最後までセイリュウの挙動を確認。

 しかしセイリュウは大橋の真ん中辺りですでにその動きを止めていて、こっちへの攻撃はもう無駄と悟ったか、テルヨシだけが大橋に残っても咆哮するだけで襲ってくる気配がなく、パドの犠牲に幾分か満足したような、嘲笑うようなその動きには苛立つものの、目的は達せたので大橋を抜けると、セイリュウは静かにその体を水へと変えて溶けるように消滅していった。

 

 セイリュウが消えたということは、大橋にもうバーストリンカーが存在しないことを証明している。

 なのでテルヨシは大橋を出てすぐに一同がパドに走り寄る中で唯一、空を見上げ黒雲を抜けて見えた赤と青の重なるシルエットを凝視。

 シルエットは落下と呼ぶには遅すぎる速度でテルヨシ達のいる地点に降りてきて、その輪郭がハッキリと見えた辺りで一同も視線をそちらへと向けて歓迎ムードが作られる。

 

「そろそろ良いか、レイカー、カレント」

 

「ええ、こんなに優雅に空を散歩したのは初めてでした」

 

「レイカーはいつもロケットみたいだったから仕方ないの」

 

 上空10mのところまで降りてきてから、ディセントによって空気を含むように広がったスカート装甲の下にあるユリの両足を掴むフーコと、そのフーコの体に形を崩してまとわりつくような形でくっつくあきらが、そんな呑気な会話をしているのが聞こえる。

 それからすぐにユリの足から手を放したフーコが綺麗に地面に着地し、あきらもフーコから離れてその体を人型へと戻して立ち上がり、その近くにユリも優雅に着地を決める。

 その姿を黙って見ていたパドは、自分を助け出してくれた一同を見回したあきらに視線を固定して、その視線に気づいたあきらは自らの最も身近な《子》へと近づき、ボロボロでうずくまるパドに跪いてその首に両手を回し抱き締める。

 

「おかえり、アキ」

 

「ただいま、ミャア」

 

 そんな2人に水を差すほど野暮な性格ではないテルヨシも、他のみんなも、長らく離ればなれになっていただろう《親子》の再会を黙って見守っていた。

 それでも2人の世界は数秒程度で終わりを迎え、パドから離れて立ち上がったあきらと、ビーストモードを解いたパドが立ち上がれば、ようやく最初の作戦が終了したと言わんばかりにユニコが言葉を発する。

 

「よーっし! これでばっちりミッション・コンプリートだな!」

 

 その言葉をきっかけに場の全員から張り詰めていた緊張感がすぅっと抜けていく感じがして、ホッと安堵しながらも、やはりパドの受けたダメージはHPゲージの減少などよりも遥かに凄まじいものであるはずで心が痛む。

 

「みんな、本当に頑張ってくれた。四神セイリュウの猛攻に耐え、こうしてカレントを取り戻せたこと……そして新たな封印者はもちろん、1人の死者も出なかったことは、全員の奮闘が具現化した奇跡に他ならない」

 

 次いで黒雪姫からも労い言葉がかけられ、一同も微笑するような雰囲気が醸し出されたが、すぐに「……だが……レパードが……」と言い淀んだ黒雪姫に空にいた3人以外が落ち込むこととなる。

 その空気の変わり様に気づき、代表してフーコがその理由についてを黒雪姫に問い、言わなければならないことはわかってる黒雪姫も隠すことなくその事実を告げる。

 

「セイリュウは、最後の最後でレベルドレインを撃ってきた。予定通り、クロウが決死の飛行で黒球をエリア外まで引っ張るはずだったが、セイリュウはレベルドレインを2連撃で放ってきたのだ」

 

「……! それじゃあ、パドは……」

 

「ああ。2発目はレパードがその身を挺して防いでくれ、彼女はドレイン状態のままエリア外まで走り、レベルダウンこそ免れたものの、恐るべき量の蓄積ポイントが失われてしまったはずだ」

 

 それを聞いたフーコ達からも言葉を奪うだけの事実は一同に重くのし掛かり、皆がパドへと視線を向けるも、その当人は割とケロッとした態度で肩をすくめて口を開いたのだった。

 

「NP。もともと、この日のために溜めてたポイント。また稼げばいいだけの話」

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