どうにか《セイリュウ》の祭壇からあきらを救出し、全員が《無限EK》になることもなく作戦を終えることはできたのだが、その代償にパドが《レベルドレイン》を受けてレベルダウンは免れたものの、大量のバーストポイントを失うことになってしまった。
あきらが封印されてから貯めてきたポイントなど、とっくにレベル8になれるほどにはあっただろうに、それを失ったパドはケロッとした態度で「また貯めればいい」とかなんとか言うもんだから一同は呆然。
そんなパドに対して《親》であるあきらだけがまともに反応しその頬に手を添える。
「だから……私のことは忘れてって、言ったのに」
「親を忘れるのは無理」
「相変わらず、ミャアは意地っ張りなの」
ケロッとしてはいるが、本心では問題ないなんてことはないだろうことは長く付き合ってきたテルヨシにもわかっていたが、同じく理解者のあきらもそれはわかっていながら、本人がそう言うならと受け入れている感じ。
次いでパドから手を離したあきらは、プロミの3人に深々と頭を下げて、感謝と共にレギオンの幹部が被った損失は必ず補完することを約束。
これはほぼ確定事項でネガビュが負うべき責任とばかりに黒雪姫達も助力を惜しまず、雰囲気も幾分か明るい方向へと行き、その中であきらはまだ感謝してなかったテルヨシ、サアヤ、マリアの前に移動してきて丁寧に頭を下げた。
「テル君達もありがとう。この恩はわたし個人として何か別の形で返せればと思っているの」
「いいわよそんなの。作戦前にそういうのは納得してやってるんだし」
「そうよねぇ。求めすぎるとバチが当たっちゃう」
「あきらさんが助かって良かったです」
「本当にお人好しな人達なの。出来ればミャアのポイント回復にも協力してほしいと言いたいけど……」
「別にいいよ。ミャアにも薫さんにもバイト始めた頃からお世話になりっぱなしだし、オレも最近ごっそりポイント減らして補充したか……」
礼儀を弁えているあきらにこれ以上の何かを求めるなんてことが、言うようにお人好しな3人にはできなく、流れ的にパドのポイント回復のエネミー狩りもやることになるだろうなと思いつつ、自分の都合も考えながら同じくエネミー狩りの話をしていた黒雪姫達の集まりに目を向ける。
そしてふと、バーストポイントの話をした時にチユリの姿が目に映り、次いでパドへと視線を向けて思考したテルヨシは、何か抜け道的なものが頭に浮かぶ。
確かにパドはセイリュウからレベルドレインを受けてそのポイントをごっそりと減らされたが、減らされただけで肝心要のレベルダウンはまだ食らっていない。
つまりパドは何らかの操作──レベルアップやショップでの購入だ──をしてバーストポイントを減らしたわけではなく、アバターのステータスにおいて『状態異常攻撃を受けた』だけで……
「「あ……ああああぁぁぁああ!!」」
と、そこまで考えが及んだところで悲鳴にも似た奇声を上げてしまったテルヨシは、同時に同じような声を上げたチユリと目が合い、1秒を争うことなだけに仰天する一同を無視して急いでチユリに近寄って確認。
「チユチユ、ゲージはどのくらいある?」
「サアヤ姉さんに2回使っちゃったからほぼ空っぽなんです!」
「んじゃその辺のオブ……溜まりが悪い! 男衆、来い! 犠牲になれ!」
そのチユリも考えは同じだったようで、テルヨシの確認にも即答し左手の《クワイアー・チャイム》をブンブン振り回し始める。
しかし何のことやらなハルユキとタクムは先輩に呼ばれたとあって疑問はありながら近づいてきて、直後、チユリが容赦なく2人の頭を1発ずつ殴打。
「テル先輩! 何発いけます?」
「もう殺してくれて構わん! 3、4発来いや!」
──リゴリゴリゴォォォオン!!
意外と殴打系の攻撃としては重いチユリのクワイアー・チャイムに昏倒するハルユキとタクムだが、それを無視してテルヨシにも振りかぶったチユリは切羽詰まりすぎて本当に3発も頭を強打してきて、一瞬お花畑が見えて気絶しかける。
しかし寸でのところで戻ってきてHPゲージが真っ赤になってるのを確認し、チユリもそれで必殺技ゲージを満タンにできたか、クワイアー・チャイムをグルグルと回しながらパドへと近づく。
「レパードさん! 私とテル先輩を信じてください!」
「K」
「《シトロン・コール》!!」
どうせ了承を得なくてもやるだろうが、一応はパドからの了承を貰ってから、溜めた必殺技ゲージを全部消費する勢いでシトロン・コールを発動。
《ライム・ベル》の必殺技シトロン・コールは、擬似的な回復を可能にする《時間逆行》の能力。
これにも2つのモードがあり、1つはアバターの状態──HPゲージや必殺技ゲージ、損傷具合など──を時間単位で巻き戻すモードⅠ。
もう1つはアバターのステータス変化単位──強化外装の譲渡や着脱など──を最新の変化から段階的に巻き戻すモードⅡ。かつてハルユキの翼を取り戻したモードがこれに当たる。
しかしシトロン・コールでもレベルアップやショップでの購入に用いてしまったバーストポイントをなかったことにして巻き戻したり、レベルアップボーナスを選び直すといったことは不可能。
今回はこのモードⅠの方が使われたはずで、テルヨシとチユリはパドがそれらの巻き戻し不可能な操作をしていないことに気づき『パドがレベルドレインを受ける前の状態』まで時間を巻き戻すことが出来れば、レベルドレインによって失ったバーストポイントも戻るかもしれないと、そう考えついたのだ。
だからこそ経過する時間が多ければ多いほどシトロン・コールで巻き戻せる時間がなくなり、レベルドレインを受ける前まで時間を戻せなくなるかもしれなかったから、2人ともが大した打ち合わせもなしに横暴レベルの行動に及んだ。
その1秒も無駄にはできないという行動力には周囲も戸惑っていたが、シトロン・コールを受けて緑色の光に包まれるパドに変化が訪れる。
パドの頭上からキラキラと白い光の粒が雪のように舞い降りてきて、それを受け止めるように両手を差し伸べると、光の粒はパドの両手に触れてから消え、その現象はしばらく続いた。
そしてチユリのシトロン・コールが終わるのと同時に光の粒も消えてしまい、固唾を呑んで見守る一同の視線を一身に受けたパドは、その手をスッとインストメニューを操作する手つきにして、今のバーストポイントの残量を確認し閉じる。
「ありがとう、ライム・ベル」
それから口を開いたパドからは、いつもの
それを聞いた一同は一瞬の沈黙のあとに大きな歓声を上げて喜び、これであきら救出作戦において正真正銘で犠牲者なしが実現。
その結果をもたらしたチユリがホッと胸を撫で下ろす中で、リーダーである黒雪姫が代表するように近づき改めて感謝の言葉を述べる。
「……ベル。いや、チユリ君。キミにはいつも驚かされるよ……。私からも礼を言う、キミのおかげで、アクア・カレント救出作戦はこの上ない形で終わることができる。これからも、その発想力と行動力で、私と仲間達を助けてくれ。……ありがとう」
「べ、べつにあたし、いっつも思いつきで突っ走ってるだけだし……でも、ほんと良かったです、巻き戻しが間に合って。それにテル先輩が同時に気づいてくれたからギリギリで間に合った気がします」
「オレにも感謝感謝」
「必殺技を使ったのはチユリ君だろう」
「テルは殴られただけ」
「そうやってオレにだけ冷たいのって昔から似てるよね、姫とミャアは」
「冗談だ。お前もチユリ君の貢献の2割ほどは評価している」
「NP。テルに対して本心を言葉にする必要はない。ちゃんと汲んでくれる」
「……急にデレないでよぉ……やりにくい……」
チユリが感謝されるのは当然のことなのでテルヨシも拍手を送って健闘を讃えるが、そのチユリの口からテルヨシの名前が出たなら仕方ないかと割り込んでみた。
しかし案の定で自分への塩対応は規定路線だったから、その方向で明るい流れにしようというテルヨシの思惑があったのだが、ちょっと不貞腐れたら素直に感謝されてしまって、笑いどころがなくなって困ってしまった。
こんなはずでは……と思いながら素直に2人に言葉を詰まらせたら、それが逆に周囲から笑いを誘い、マリアの「感謝されたいの? されたくないの?」という質問から結局は笑われる羽目になったのだった。
まぁ結果オーライか。
と、自分が笑われることには慣れっこな悲しいテルヨシのポジションはさておき、パドのポイントが戻ったことで今までレギオンの戦力アップを犠牲にしていたパドにユニコが近づき、そのしがらみもなくなったことで話が一気に飛ぶ。
「んで、パド。どーすんだ?」
落ち着きを取り戻した一同を余所にそうした質問をしたユニコに対して、意図がわかってるパドはこくりと頷き、次いで近くのユリにもアイコンタクトして頷き合うが、このアイコンタクトにはユニコも首をかしげる。
「上げる。今すぐ」
「長かったのぅ。4ヶ月ほどは待ったか」
「ユリにも迷惑かけた」
「よいよい」
テルヨシもせっかちなパドには慣れてるので、これから何をするかはわかったが、この流れでパドに近寄ったユリにはさすがにまさかと思わざるを得なく、隣にいたサアヤも「えっ、ちょっと待ってよ」と呟きのように漏らす。
そんなことも気にせずに2人してインストメニューを開いたと思えば、何やら素早く指を動かして全く同じ動作をし、先にパドが最後のワンプッシュをしてみせる。
するとパドの足元から虹色の光が柱となってアバターを包み込み、大変に賑やかなファンファーレが鳴り響く。
そう。今パドは戻ってきたポイントでそのレベルを上げてみせたのだ。
あまりに呆気なく上げるから、わかってたユニコとテルヨシ以外は素っ頓狂な声を上げて驚く。
が、ここでテルヨシにも少し疑問が湧く。
パドがレベル7に上がるのは納得する部分はあるが、あの流れでどうしてユリが最後のワンプッシュを止めているのか。
そう思っていたら、驚く一同を余所にまたもレベルアップボタンに触れようとしたパドに合わせて、今度はユリも同時にアイコンタクトでボタンを押してレベルアップ。
「「はっ? はぁぁぁああ!?」」
二重に重なったそのファンファーレに、今度はテルヨシとユニコが思わず叫び、ハルユキなどは尻餅をついたり奇妙なポーズで固まったりと酷い有り様に。
さすがの黒雪姫達さえも呆然と立ち尽くすしかなかったのか言葉を発することもできずにいて、ライトエフェクトが収まってインストを閉じたパドは、その足をまっすぐにフーコへと向けて近づき、目の前で止まる。
「お待たせ、レイカー」
「とうとう、ここまで来たわね、レパード」
交わした言葉はそれだけ。
だがたったそれだけの会話でも2人のライバルとしての関係性はハッキリと見えて、自分の都合でレベルアップを見送ってきたパドとしても、フーコとしてもこの瞬間はずっと待ち望んでいたに違いない。
そしてようやく対等な関係になった2人は、互いに拳を持ち上げて軽くぶつけ合ってみせ、そこに込められた意味を汲み取ったテルヨシからは「いつか戦おう」と言ったように思えた。
「これでようやくプロミにレベル8が誕生できたの」
それを見ていたら、ススッと近寄っていたユリが横から同じように視線をパドとフーコに向けて言うので、それはそうだと思ってすぐ。自分だってそのレベル8になってるじゃんとジト目になる。
「見てた分だと、ミャアと前から打ち合わせてたの?」
「《災禍の鎧》の件の後にの、ミャアの抱える問題が解決したら、その時は共にレベルを上げようと約束しておった。儂が先んじてはポッキーとカッシーも落ち込むしの。じゃからミャアと同時というわけじゃ」
「にゃるほどねぇ。そういやユリさんってプロミだとどんなポジションなの? 《三重士》と同じ古参?」
「儂は……そうじゃな……御意見番といったところかの」
自分のレベルアップは大したことはないといった雰囲気のユリではあるが、現状での最高レベルへの到達がこうも気楽に行われると客観的に見れば衝撃的。
だけどそんなことを対等なレベルでのタッグ戦のためだけにレベル8にしたテルヨシが指摘できるわけもなく、自分もかつてはこんな風に半分くらいは呆れられていたんだなぁとしみじみ。
そうした雑談をしていたら、隣でわなわなと震えるだけで言葉を発していなかったサアヤが、突然ガッとユリの両肩を掴んで向き合い、それにビクッとしたユリは何事かとサアヤの顔を覗き込む。
「…………何でアンタの方が先にレベルアップすんのよ……私はアンタの引き抜きができたら景気良くやろうって密かに計画してたのに……こんなのズルいわよ!」
「いや理不尽じゃろ!」
「理不尽はそっちよバカぁ! 私のインパクトが薄れたぁ!」
「確かに2人同時のレベル8誕生のインパクトに勝つにはサアヤの計画じゃ弱くなってしまったかもしれん」
「黙れバ彼氏!」
こういう盛り上がることにはテンションを上げるタイプのサアヤが何故こうも黙ってるかと不思議には思っていたが、どうやらサアヤなりに自分のレベルアップ計画があって、それはユリよりも早く実行しようと思っていたらしい。
それなのに今日のこのタイミングで急にユリがパドと一緒にレベルアップしちゃうもんだから、そのインパクトも含めての逆ギレ。
これには穏健派なユリもさすがにツッコミに回らざるを得なく、なんか中では涙目にさえなってそうな声の震え方をするサアヤがちょっと不憫に思いつつも、やっぱり言うことは言っちゃうテルヨシの言葉に物理的なツッコミ。ぶん殴りが炸裂。
ブレード・ファンを盛大に振りかぶってのそれには回避も出来たのだが、酷いことを言った自覚はあるので甘んじて受けようとは思ったテルヨシ。
しかし振り回し始めたタイミングで自分のHPゲージの残量が真っ赤に染め上がってることを思い出して、慌てて回避しようとするも間に合わず「ぶべらっ!!」の断末魔と共にテルヨシは死亡。
いらんポイント移動までされて浮遊霊状態になったら、とどめを刺したサアヤの驚く雰囲気は当たり前だが、死亡時にはライトエフェクトが発生するので黒雪姫達も敵襲かと身構えてから、サアヤの説明で落ち着く。
「っていうかアンタも避けれたのに避けないとかバカなの? 死ぬの? 死んだわねごめん」
「私の炸裂弾と倉嶋さんの攻撃で相当減ってたから仕方ないよ」
「うむ、しかし意味のないところで全く無駄な犠牲者が出てしもうたの。その辺、アキからコメントはないかの」
「話は漏れ聞いてたけど、自業自得なの。だから犠牲者のカウントではないと判断するの」
「まったく、いつもいつも締まりの悪いことをしてくれるものだ」
「でもほら、そこがテル先輩らしいっていうかなんというかですし」
──色々と酷くね?
物言えぬ浮遊霊状態なのを良いことに、こっちに聞こえてることまで計算して死亡マーカーに向かって話す一同に怒りすら覚える。
それでもテルヨシの死亡によってざわざわしていたメンバーの意識が同じ方向に向いてくれて、雑談は全てを終えてからでもいいだろうという黒雪姫の言葉に了承。
「──第1ミッション、アクア・カレント救出作戦はこれにて
示し合わせたわけでもなく、皆が自然とその立ち位置を調整して大きな輪を作り、黒雪姫がようやく1つ目の作戦が完了したことを告げてあきらへ改めて言葉を贈る。
それに続けて一同も揃ってあきらに「おかえり」と唱和すれば、当人であるあきらはその事実を噛み締めるように一同を見回して、最大限の感謝を込めてそれに応える。
「……ただいまなの、みんな」
実に感動的で涙が出そうなほどだが、そういったこともできない自分の今の状態が非常に歯痒いテルヨシは、それでもせめてと心であきらにおかえりの言葉を贈り、あきらも死亡マーカー付近にいるだろうテルヨシを探してくれた、ような気もしなくもない挙動を取ってくれたことに感謝。
「よし、では赤の王の強化外装のリフレッシュなどもせねばならんから《無制限中立フィールド》からは一旦離脱する。最寄りのポータルは東京駅なので移動するぞ。あと、どこかのおバカさんは蘇生後すぐに離脱するように。お前のせいで私達は向こうで3.6秒も待たねばならんのだから、その事を忘れるな」
──じゃあこっちで蘇生するの待っててくれてもいいじゃん!
そうした感動すら一瞬でかき消すようにきびきびとした指示で次の行動に移っていった黒雪姫はある意味で凄いのだが、テルヨシに対する辛辣さが1段階上がった気がする命令にはなんか理不尽な感じがある。
気持ち的には声を大にして言ってるのだが、実際には何の音も発生していない心の声でしかなく、そうしたツッコミも黒雪姫には聞こえていなかった。
しかしここで優しい優しい後輩のチユリが「蘇生するまで待ってれば向こうでのロスは少なくて済みますよね?」とド正論を黒雪姫にぶつけてくれる。
ざまぁみろ姫ー! とマジで思ってあっかんべーまでしてるつもりのテルヨシだったが、正論のはずのチユリの意見を真っ向から切り捨てにいく黒雪姫に戦慄する。
「確かにチユリ君の言うことは正しい。だがここで1時間このバカを待って呆然とするのと、さっさと離脱してすぐにダイブし直すのと、どちらが感覚的に短く済むかは明白だろう」
「あー、確かに1時間って意外と長いですしねぇ」
──ま、待ってくれチユチユ! もう少し粘って! 切に! 切に!
ここで体感時間を持ってくるのは卑怯だ! 鬼か! 悪魔か!
チユリの意見は正論だったが、黒雪姫の意見もまた賛同を得るには十分すぎるのは理解できてしまう。
そうした時に人間は楽をする生き物なので、短く済むならそっちを選ぶのは自明の理。最後の砦のチユリは呆気なく陥落してしまったのだった。
「お前は戻ったらすぐにコマンドを合わせる心づもりで離脱しろ」
「コマンド合わせらんねーで待ちぼうけさせたら置いてくかんな」
「いっそのこと蘇生したら離脱しないでメタトロンのところに行くって手もあるわね」
「それでは合流が面倒じゃろうて」
「テルだけバーストポイント節約はズルい!」
「でも死亡したのでポイントはサアヤお姉さんに取られてるのです」
「収支でいったらテル君はもうみんなよりマイナスなのよねぇ」
「お気の毒になの」
「NP。これも自業自得」
「先輩ごめんねー。待つのは暇そうだからお先にー」
「女性陣がみんなテル先輩に厳しいね、ハル……」
「せめて俺達だけでもテル先輩の味方になってあげようぜ、タク。離脱はするけど……」
そこからはもうみんな素早いのなんの。
申し訳なさは多少なりともあるからか、全員が一言程度テルヨシに何かを言ってから移動を始めて、最後のタクムとハルユキの上げてから落とすような発言にはちょっと怒りが混じる。
そして誰もいなくなった東門前の道路にポツンと残されたテルヨシは、もじもじと地面に『へのへのもへじ』を延々と書いて繰り返すような気持ちでいじけて、1時間後の蘇生をして実体を復活させた瞬間。
全開の声で置いていったみんなにツッコミを入れるのだった。
「すぅぅ…………1時間くらい待ってくれてもええやんけぇぇぇぇええええええ!!」