アクセル・ワールド~蒼き閃光Ⅱ~   作:ダブルマジック

64 / 109
Acceleration Second58

 

 驚異的な学習能力からどんどんテルヨシ達を追い詰めてくる《災禍の鎧マークⅡ》に苦戦を強いられるが、ただ1度の《インビンシブル》奪還のチャンスを逃すまいと奮起。

 なんとか《ドレッドノート》形態のマークⅡに取り付くことには成功したが、ハルユキとユニコが左右から伸びた両手に掴まれて拘束され、攻撃もさせまいとその両手を打ち付けて2人をぶつけダメージを与えてしまう。

 加減など知らないマークⅡの打ち付けは2人に相当なダメージを与えたようだが、HPゲージはまだ残っているようで死亡マーカーにはならずに済む。

 だが頭以外が拘束されてるユニコも、腕と翼だけは動かせるハルユキも両者ともに攻撃など出来る様子もなく、ダメージの反動で軽いスタンにも陥っているようだ。

 そんな2人に対してまたも両手を打ち付けようとする予備動作をしたマークⅡにゾッとしながら、《無制限中立フィールド》ゆえにHPゲージが見えない2人が次の攻撃で死亡する可能性がある以上、なんとしても阻止しなければならないと動く。

 容赦なく中央に振りかぶったマークⅡの両手がぶつかる直前に衝突地点へと飛び込んだテルヨシは、自分も死亡する可能性のあるその攻撃を阻止しつつ食らうまいと《テイル・ウィップ》をバネのように丸めてマークⅡの右手に添えて、両足と裏側を左手にぶつける形で間に挟まり衝突を緩和。

 ──メキメキ……パキパキ……

 恐ろしいまでの万力のような両手からの衝撃をテイル・ウィップと両足の関節で吸収し、どうにか衝突を防げはしたが、テルヨシのアバターの部位で最も強固な両足が砕けるのではないかというほどの衝撃で装甲にひび割れが起き、関節部からスパークが迸る。

 

「ぐっ……」

 

『ディルルルル!!』

 

 それでも砕けずに持ちこたえた自慢の足に誇りさえ持てたが、2人から感謝の言葉を聞くよりも早くマークⅡがテルヨシを退けようと挟み込んだまま両手を振り上げて投げ飛ばそうとする。

 当然そんなことさせるかと抜け出ようとしたが、その時にマークⅡの正面に深紅の光が煌めいたのを見て動きをキャンセル。

 直後、テルヨシ達の真下。マークⅡの開かれた単眼へと猛烈な勢いで突っ込んできたパドが必殺技ゲージを溜めて戻ってすぐに爆炎を発生させながらダメージを与えてくれる。

 必殺技《ブラッドシェッド・カノン》の威力は凄まじいが、パドの残りのHPゲージを考えればほぼこれで打ち止めだろう。

 そんなパドの捨て身の特攻で怯んだマークⅡはテルヨシの拘束を緩ませて、間から滑り落ちたテルヨシはそのまま反動で仰け反りながら落下するパドを両手で抱き止めて地面に着地。

 マークⅡの正面は危険なので反射的に素早いステップでマークⅡの横に移動しつつわずかに距離を取り、あの攻撃でまだハルユキとユニコを拘束するマークⅡに舌打ち。

 なんとか両手から2人を解放してやりたいと更なるダメージを与えに行きかけたが、その時に気合いの雄叫びを上げて6枚の翼を震わせたハルユキが、マークⅡごと空へと上がろうとしているのが目に入り動きをキャンセル。

 マークⅡの重量は相当なもので持ち上がるのかと少しだけ様子見をすると、ハルユキの翼に銀色の《過剰光》が輝き浮き上がる力がさらに上がると、ぐぐ、ぐぐぐ、とハルユキの体が浮き上がるのに合わせてマークⅡも浮き始め、完全に宙に浮いてからはその速度も上がってどんどん高度を上げていく。

 そうなってしまうとテルヨシではどうしようもないが、如何なマークⅡでも高所からの落下ダメージは相当なものになるはず。

 それを狙ってかどうかはわからないが、テルヨシやパドがいる状況でそうしたならハルユキにも考えがあるのだと信じることにして、腕の中でアイレンズを明滅させるパドに呼びかけ回復を促す。

 ────ズズン。

 パドもなんとか回復し残りのHPゲージが1割程度だと報告し、ハルユキとユニコ、マークⅡが上空100m付近にさしかかったタイミングで、クレーターの西側から小さな地響きが伝わってきて、地響きが起きるほどの重量を持った存在が近づいてきたと瞬時に理解したテルヨシは、1人で立てるようになったパドを解放してクレーターの西側を見る。

 

「……ちぃ、こんな時にかよ」

 

「N。こんな時だからが正解」

 

 それを見て思わず舌打ちをしてしまったテルヨシに対してそんな訂正と共にパドが背中に乗るように促してくる。

 クレーターの上にいたのは、体高10mはある2本の太い角を持った巨大な馬型のエネミー。

 《ブル・ホース》。かつてテルヨシが初めてダイブした無制限中立フィールドでサアヤと《アイス・イーター》がターゲティングされて遭遇した徘徊型の《巨獣級》エネミーだ。

 あの時はユリの《デンジャラス・タイマーボム》を口の中にぶち込んで体内で爆発させて昏倒している間に逃げ切ったが、今回はおそらく度重なる心意の使用によって引き寄せられてしまった形。

 

「近寄ってきたエネミーがあれだけってことはないか」

 

「おそらくあと数分で他のエネミーもゾロゾロと辿り着いてくるはず。でもここに集まられたらみんなが危険」

 

「……やるしかないな」

 

 エネミーが心意に反応することはわかっていたが、いざこうして目の前に現れてくれると厄介でしかない。

 それでもどうにかしなければ空に上がったハルユキとユニコも、必殺技ゲージを溜めに行ったチユリとタクムも本当に大事なインビンシブルの奪還という目的を遂行できなくなる。

 それがわかっているからこそパドの背中に乗ったテルヨシは、猛牛のごとく前足を掻き蹴ったブル・ホースが明確にテルヨシとパドをターゲティングしたのを確認して、チユリとタクムが南側にいることも加味して逆の北側へと走り出す。

 当然、ブル・ホースもその動きに合わせて突進を開始して、クレーターの縁をなぞるように猛然と突き進んでくる。

 

「様子見しつつ先制する。上手く誘導して」

 

「K」

 

 スピードに乗ると恐ろしいが、巨体な分で小回りが効かないブル・ホースは、1度でも止まってしまえば即死級の踏みつけにだけ注意し、やり過ごすこと自体は難しくない。

 ただ懸念材料はブル・ホースのみではなく、今も近寄ってきているだろう他のエネミーもであり、そちらも警戒するためにクレーターを抜けてすぐにパドと簡潔に話してから飛び降りて《インパクト・ジャンプ》を発動する。

 ほぼ真上に向けて発動し40m上空の視界からでも他のエネミーを目視できるかと思ったが、やはりその視界からでも見える範囲でもいくつかそれらしいものが点在していた。

 大きいもので2つ。ブル・ホースと同等か《野獣級》っぽいエネミーが東側からクレーターに向けて迫っている。

 《小獣級》も含めるとその数は定かではないが、顔を合わせたエネミー同士が喧嘩することもあるとかなんとか聞いたことがあり、自分より明確に強いエネミーの存在を感知して寄ってきていないのかもしれない。

 それならブル・ホースにターゲティングされたまま、東側に移動しつつ、クレーターから離れてエネミー同士をぶつけてみるのが最善策か。

 そこまでを到達点から落下するまでの間に思考したテルヨシは、その落下地点でブル・ホースを待ち構えていたパドがギリギリで避けてくれるのを信じて、突進してきたブル・ホースの頭上から落下エネルギーも加えた強烈なかかと落としで迎撃。

 ただ、突進してきたブル・ホースにそのまま叩き込むと反動で死にかねないので、インパクトはブル・ホースの交錯した瞬間の後頭部にして、前に進むブル・ホースの軌道を追う形になったのでダメージは少し逃げたが、そのおかげで止まろうとしたブル・ホースを前のめりになるようにバランスを崩すことには成功。

 そうしてバランスを崩しつつもターンし正面を向け直してくる間に着地し、近寄ってきたパドに取り急いで報告。

 

「K。なら東に抜けてエネミー同士をぶつけてみる。それで争ってくれればその隙に戻ってこれるかもしれない」

 

「もしそうならなくてもオレを置いてっていいよ。パドは何があっても戻って」

 

「……THX」

 

 報告を聞いてからまた背中に乗るように促したパドに従って、そんな話をしながらまた突進しようとしていたブル・ホースの下を潜って東へと走り抜ける。

 パドもほぼ同じことを考えたので良かったが、エネミー同士を喧嘩させられる可能性は期待以上に低いし希望的な部分が大きい。

 だからそうならない場合は『どちらか一方がターゲティングを引き受ける』ことでクレーターに殺到するのを遅らせることができるのだが、その役目をテルヨシが買って出たのはちゃんと理由がある。

 パドには守らなければならないユニコという存在があり、たとえわずかな時間だろうとそのユニコから離れるのは精神的にも良い影響はない。

 それが自分でもわかっていたのか、少し躊躇いつつもテルヨシに感謝を述べたパドは、少しでもブル・ホースをクレーターから引き離そうと全速で駆け抜ける。

 走ることに専念するパドの代わりにブル・ホースがちゃんと後ろをついてきてるか確認していたテルヨシは、しっかり追いかけてきたブル・ホースの後方の空に漆黒のエネルギーが至近距離で何かと激突するのを見る。

 漆黒のエネルギーがマークⅡの放った主砲であることは間違いないが、その当たった何かがハルユキとユニコでないことを祈りつつ、今は自分達がやるべきことに集中。

 

 体格差と速度差でほぼ五分のまま道路沿いを走っていくと、その先の前方200m付近にサソリ型のエネミーが見えてくる。

 南東の方にもう1体、大型のエネミーが迫っているはずなので、そちらも警戒するためにエンカウントも数秒後に迫るサソリ型のエネミーがターゲティングしたのを確認してすぐに道路沿いに右折し2体の様子を観察。

 だがブル・ホースがいち早く曲がってきたおかげでまだ正面衝突とはいかず、遅れてサソリ型のエネミーが追いかける形でブル・ホースの後方からテルヨシ達を追ってくる。

 ただブル・ホースとサソリエネミーに速度差があって、このままではサソリエネミーからターゲティングが外れてしまう可能性があったので、パドには先行してエネミーを引っ張ってきてもらうことにして道路に降りたテルヨシは、おそらく攻撃を加えた自分がブル・ホースに狙われていることを確信しつつ決死の特攻。

 突進してくるブル・ホースの下を観察眼をフルに使って潜って回避しようとしたら、ブル・ホースがテルヨシの活路を閉じるように急にその頭を下げて塞ぎ、2本の角までこちらに向けて圧力を上げてきた。

 左右に避ければ4本の足が容赦なく轢き殺し、正面突破で頭に当たっても即死。この時点でもうテルヨシには逃げ道はない。

 

「……って、普通は思うよな!」

 

 だが回避不可能に思えるその中でまだ諦めてなかったテルヨシは、勇気を振り絞って唯一わずかにあるだろう活路に飛び込むため、正面突破で超低空スライディングを敢行。

 如何なエネミーといえど、突進する力に合わせてしまえば、下げた頭を地面と接地するわけにはいかない。

 そうなれば瞬く間にバランスを崩して前方に転倒するのは、関節を持つ動物型のエネミーならば必然だ。

 だからテルヨシはそのわずかな隙間に潜り込むように、ほぼ体を寝かせた状態で地面を滑ったテルヨシは、迫ってきたブル・ホースの頭の鼻先が装甲を掠めた感覚に戦慄しながらやり過ごして、土煙が巻き起こった中で素早く立ち上がり後方を確認して、止まろうとしたブル・ホースがターンし正面を向け直してくるのを見る。

 次いで正面からサソリエネミーが両手のハサミを広げて幅を利かせながら迫るのを確認する。

 後ろのブル・ホースもすぐに突進を始めるだろうし、サソリエネミーももうその両手のハサミを振りかぶってきて、左右も建物オブジェクトが壁のように立ち塞がっているため、横道に逃げ込む場所もない。

 建物内部に入ったところでブル・ホースもサソリエネミーも問題なく突破してしまう。

 

「伊達で《逃走王》なんて呼ばれてないんで、そこんとこよろしく」

 

 だがそんな危機的状況にも関わらず不敵に笑い、むしろ生き生きとしだしていたテルヨシは、ここからミスの許されない駆け引きをエネミーと開始する。

 サソリエネミーはまず両手のハサミを鈍器のように振るってテルヨシを狙うが、右のハサミをバックステップで躱して、次の左のハサミにテイル・ウィップを引っかけてハサミの上に着地。

 しかしサソリエネミーもサソリらしく尻尾の毒針で鋭い刺突を飛ばしてくるが、これをハサミの下に潜り込むことで躱して、ハサミと毒針をぶつけて自爆を誘発。

 さすがに自分の攻撃でまともなダメージを受けるはずもないので、金属質な衝突音とハサミと毒針が火花を散らす程度だったが、その隙にハサミから降りてサソリエネミーの胴体下に潜り込み死角に入る。

 そこからすぐにテイル・ウィップも使って胴体下にへばりついていると、突進してきたブル・ホースがサソリエネミーを攻撃し、その攻撃でブル・ホースの角に掬い上げられたらしいサソリエネミーがへばりつくテルヨシごと宙を舞う。

 相当な力で飛ばされたか、軽く50mは舞い上がったサソリエネミーがその腹を上に向けたところでテイル・ウィップを解放し腹に乗ると、かなり垂直に近い放物線を描いて落下を始めたサソリエネミーと地面にいるブル・ホースの位置を確認。

 どうやらブル・ホースは落下してくるサソリエネミーに後ろ足による蹴りをお見舞いするらしく、ご丁寧に落下地点で後ろを向いている。

 ただその蹴りを食らうとサソリエネミーが尋常ならないダメージと共にブル・ホースから離れる、またはテルヨシにも致命傷を与える可能性があるので、エネミーをひとかたまりに置きたいテルヨシとしては蹴りは食らいたくないところ。

 なので一瞬だけ青い過剰光を両足に纏って落下するサソリエネミーの頭付近の腹を全力で蹴り抜いて強引に体を回転させ、タイミングを計っていたブル・ホースのインパクトをズラす。

 それに巻き込まれないように蹴ったあとにハサミにテイル・ウィップで巻き付き、上にいったタイミングで放してサソリエネミーの上に放り出され、回転しながらブル・ホースに突っ込んだサソリエネミーは尻尾付近の腹に蹴りを食らって半時計回りから時計回りに撃ち出されて、しかしインパクトがズレたおかげでほとんど吹き飛ぶことなく地面に仰向けで激突。

 そしてテルヨシは蹴られて飛んできたサソリエネミーを《インスタント・ステップ》も使って空中で躱しつつ蹴り終えたブル・ホースの腰に着地し、尻尾にテイル・ウィップを巻きつけて振り落とされないように備えた。

 この怪獣大戦争みたいな状況でテルヨシが徹底するのは、2体から同時に狙われない状況を常に作ることにある。

 そのためにはエネミーのどちらかにほぼ引っ付いて攻撃を阻止しつつ、もう一方の攻撃を引っ付くエネミーに向けて躱す。

 それができるのは常に先を読んで安全地帯を見つけ、そこに飛び込む観察眼と判断力と反応速度が合わさって初めて成し得る綱渡り。

 その綱渡りを四神《ビャッコ》相手に700回以上もやったテルヨシなら、巨獣級と野獣級の2体同時であろうとできないことはないのだ。

 それでも長い時間を生き抜くのは集中力の限界があるので、おそらく持って5分くらいがギリギリだろうが、それだけ稼げればテルヨシが死亡してクレーターに向かわれても、もう5分は稼げるはずだ。

 一応はそこまで計算して足止めに徹していたテルヨシではあるが、まさに暴れ牛のごとく引っ付くテルヨシを振り払おうとするブル・ホースにロデオする形はなかなかハードで、地に足がつかないといった感じで振り回されるうちにサソリエネミーが起き上がってきて、ブル・ホースかテルヨシかどちらを狙っているか全くわからない感じで突撃してくる。

 それを見定めるためにブル・ホースの後ろ足が地面に付いて再び蹴り上げるタイミングで腰を踏み台に大きくジャンプし迫るサソリエネミーを一気に飛び越えて後方へと逃げつつ挙動を見てみると、サソリエネミーはテルヨシが後方に回っても進路を変えることなくブル・ホースへと迫って、さっきの仕返しとばかりにハサミで殴打。

 そこからはブル・ホースもテルヨシよりもダメージを与えてきたサソリエネミーをターゲティングしたようで、ハサミに対して角で応戦して怪獣大戦争が本格化。

 

「よし、これであとはパドが連れてくるやつを……」

 

 テルヨシが蚊帳の外になってくれたことで時間稼ぎのリスクも減ってくれて、あとは様子を見ながらパドが連れてくる大型エネミーもあれに巻き込んでクレーターに戻れれば最良。

 そう思っていたら来た道を走って戻ってきたパドの姿が見えて、その後ろを追いかけてきたエネミーの姿も捉えたが、なんかそのエネミーが俗に言うスライムのような軟体生物型のエネミーで、しかもヘドロが形を持ったような毒々しい紫色の見た目をしていた。

 なんとなく物理攻撃が効かなそうな匂いがプンプンするが、連れてきたからにはどうにかしなきゃならないため、戻ってきたパドがターゲティングされてるのをまずは自分に移そうとわずかに溜まった必殺技ゲージを消費して《インフェルノ・ステップ》を発動。

 

「あのエネミー、可燃性物質を体内に含んでる」

 

「嫌だなぁ、爆発で死ぬかも」

 

 5秒ほどで効果が切れてしまうので手早く行こうと駆け出し、すれ違ったパドと短い情報共有をする。

 それによるとまず間違いなく攻撃が当たると爆発が起こるが、爆発も炎熱属性に含まれるのでインフェルノ・ステップならほぼ無効化できる、はずだ。

 というかそうじゃなきゃ本当に死ぬので必殺技の力を信じてスライムエネミーに飛び蹴りを実行。

 ズブンッ! という気持ち悪い感触と共に体内に入り込んだ炎熱属性を帯びた足が火種となってスライムエネミーの体の一部がテルヨシを巻き込んで爆発。

 爆発によるダメージこそ炎熱吸収効果もあってほとんどなかったが、何故かそれによって拡散した悪臭の方がキツくて、反射的に足を引っこ抜いて後退。

 どうせなら酸性の液体とかぶち撒けてくれる方がまだマシだったと思いながら、スライムエネミーのターゲティングが自分に移ったことを確認し、今度は圧殺しようと迫るそれを引っ張って喧嘩するブル・ホースとサソリエネミーの方へと誘導。

 幸いなことに2体ともが足をガッチリと止めて撃ち合いをしてくれていたので、サソリエネミーの腹の下へと滑り込んでスライムエネミーが後ろから覆い被さるようにしてやる。

 すると面白いようにサソリエネミーを呑み込んでのし掛かってくれたので、巻き込まれる前にさらに前進して両手のハサミとブル・ホースの突き出された角を掻い潜ってブル・ホースの体の下を通り抜ける。

 

「これでどうよ?」

 

 スライムエネミーのターゲティングが自分にあることを加味して2体を巻き込む直線軌道で逃げてみたが、予想通り直進してきたスライムエネミーが2体にまとわりついて、その2体の足掻く攻撃が当たってターゲティングがテルヨシから外れてくれたか、ブル・ホースとサソリエネミーを同時に呑み込もうとうねり始めていた。

 その怪獣大戦争に妖怪が加わった地獄絵図は少し結末を見ていたい気持ちがありつつも、横をスルッと抜けてきたパドが近寄って背中に乗るように促してきたので、クレーターにすぐには来そうにないエネミー達を放って急いで来た道を戻っていった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。