アクセル・ワールド~蒼き閃光Ⅱ~   作:ダブルマジック

66 / 109
Acceleration Second60

 《災禍の鎧マークⅡ》と心意によって引き寄せられたエネミーとの戦闘を終えて、ようやく現実世界に帰れるといったところで、加速研究会に騙され続けていた《シーバ・カタストロフ》が蘇生するのを待って話を聞くことができたテルヨシとサアヤとユリ。

 しかしそのカタフからもたらされた加速研究会の会長の正体が《ホワイト・コスモス》であると聞かされて、さらにそのコスモスが黒雪姫の《親》である事実も突きつけられ言葉を失っていた。

 

「2年半前くらいになるっすか。コスモスさんから黒の王と仲違いをしてしまったと聞かされて、その理由についてはガストさん達も知っての通り、先代の赤の王の件だとすぐにわかったっす。実際、コスモスさんも頑なにレベル10を目指すと利かなかった黒の王と口論になった末に離別してしまったと言ってたっす。僕は黒の王のリアルは知らないっすが、コスモスさんが本当に残念そうにしていたのが印象的で、でも同時に、あのコスモスさんが『説得できなかった』という事実にどこか引っ掛かりがあったんす」

 

 衝撃で沈黙するテルヨシ達を他所に話を続けるカタフは、結構がっつりコスモスとの交遊があることをうかがわせる内容で当時あったことを話してくれる。

 そこから垣間見えるコスモスは非常に聡明な『表の顔』を持っていて、他人に絶対にその本性である『裏の顔』を見せない狡猾さとポーカーフェイスがあるようだ。

 おそらく黒雪姫はコスモスが加速研究会の会長であることをまだ知らないだろうが、当時の仲違いの理由については、カタフの言う通りのことが全てではないと思える。

 

「でも今回のことで蘇生待機中になんとなく思ったんす。もしかしたらコスモスさんは、黒の王とそうなることを最初から予想していたんじゃないかって。ならどうしてそんなことになると予想していたのかを考えた時、赤の王の《アームズ・クリエイション》と《ISSキット》がふと繋がったっす。アルゴンさんの《反魂》の話から僕は……」

 

「……コスモスがライダーのゴーストを作るためにロータスを利用して全損させた。ってところかしら」

 

 そもそもコスモスから聞いた話ということが今はもう真実を語っていないと証明しているが、疑念を持ったカタフは事の真相というものに迫っていたのかもしれない。

 しかしカタフが言わんとすることを言葉を切ってまで話したのは、情報ではテルヨシより劣るはずのサアヤで、しかもその仮説に対してカタフが首を縦に振ったので驚きは一層だ。

 

「ロータスから詳しい話は後日って約束してたけど、そういうことか……実際にISSキット本体にライダーのゴーストが入ってたし、そのライダーも同じような予想はしてたのよ。自分の能力目的でロータスを利用して全損させたんだってね。それが誰かまでは言わなかったけど、あの段階でそんな過去があったなら、話を聞いたロータスはもうわかってるわね。加速研究会の会長がコスモスだってことは」

 

「そうっすか。なら僕が黒の王を心配するようなことは不要っすね。戻ったら伝えてほしいっす。あなたが当時したことを僕は納得していなかったっすが、今は納得しているって」

 

「そんなの、次の会議の終わりにでも小声で言ってやればいい」

 

「テイルさん、そう言ってもらえるのは嬉しいっすが、わかってるんすよね、今の僕の状況を。だから今こうして会って話をしてるんすよね」

 

 どうやらミッドタウン・タワーでも色々あったみたいなサアヤが、そこから得た情報からカタフの言わんとしたことがわかったと話せば、カタフも推測が確信に近づいたか何やら覚悟を決めた雰囲気で黒雪姫への言伝を頼む。

 そして自分の置かれている状況もしっかりとわかっているカタフは、口にはしなかったテルヨシの気持ちを汲んであえて自分から言ってみせた。

 真実を知った自分が、これから加速研究会にどんなことをされるかはわからない。だからこうして話ができるのも最後かもしれない、と。

 

「のうテイルよ。話の中でバイスとアルゴンはまだカタフを利用しようとする言動を取っていたのじゃろう? ここまで敵対されてまだ利用しようとするからには、カタフもまたサーベラスと同様に重要な役割があるとは考えられんか?」

 

「それについては推測ができてるんだよ、バーちゃん。今回、カタフがあの場所に呼ばれてダイブしていたのが偶然じゃないなら、加速研究会の目的は『カタフをレベル10にすること』にあると思う」

 

「レベル10って、言うのは簡単だけど、実行しようとしたって……」

 

 全損する可能性を匂わせたことはサアヤとユリにもわかったのか、ユリがテルヨシがした話の中でカタフをまだ利用しようとしている節の発言があったことを言及し、実際にその事に関しての推測も立ってたので口にする。

 サアヤもそんな現実的な話じゃない推測にはまさかといったことを言いかけて、しかし今回でユニコを拉致して『全損させる気でいた加速研究会の目論み』に気づいたか、その最も効率の良いやり方に考えが至ったのだ。

 

「……《インビンシブル》を全て奪ったレインちゃんをレベル9になったカタフに倒させるため?」

 

「実際、コスモスから『レインの強化外装が全て奪われて失意のどん底に落ちてしまった。本人も消えたいと望んでいるから消してあげてほしい』とか言われたら、さっきまでのカタフならやってたかもしれないだろ。そこにオレ達が主犯だって聞かされたなら、そのあとにロータスも狙わせたかもしれないし、他の王もグルだって理屈ありで言われたら……」

 

「……想像するに恐ろしいっす。実際に僕は彼らに踊らされてテイルさん達と敵対してたっすから……」

 

 レベル9同士の戦いにはサドンデスルールが付きまとうため、たとえユニコがどんなに安全マージンを確保していようと、レベル9に敗北してしまえば問答無用で全損してしまう。

 今はまだレベル8のカタフだが、バイス達の発言からもカタフがすでにレベル9になるだけのポイントを所有していることは間違いない。

 さらにテルヨシはその目論見が失敗したことで最悪なシナリオも推測するに至っていたが、カタフの能力からもチグハグなものになるから可能性は低いだろうと口にはしなかった。

 そう。回収された災禍の鎧マークⅡを『カタフに寄生させてレベル9にし、王達を倒しレベル10に至る』などという、最悪なシナリオは起こり得ないことだ。

 

 ネガティブな考えは口にしないのが良いと自分に言い聞かせて、カタフがこれから何をしようとしているかもこの際だから何も言わず、品川駅が見えてきたところで喉から出かかっていたことを思い切ってカタフに告げる。

 

「なぁカタフ。お前がどうなるかはわからないし、何をしようとしてるかも詮索しない。だがこれだけは言っとく。お前にその気がなくても、オレ達のレギオンに入らないか? オレ達はいずれ遠くない未来に《帝城》を完全攻略するつもりで、今はその準備をしてる。加速研究会を野放しにするつもりもないが、オレ達がブレイン・バーストを楽しむことを忘れるのだけはあっちゃいけないって、そう思う。今のお前にはそういう楽しむ気持ちに余裕がないって感じる。だから、来いよ。お前に教えてやる。この加速世界がどれほどの楽しさをもたらしてくれるのかを」

 

 言いながらカタフに対して自然と手を差し伸べていたテルヨシを見て、すぐには言葉を返さなかったカタフは、差し伸べられたその手をじっと見ながら、1度は自らの手を持ち上げてみせたが、2人の手が交わされることはなく、そのまま胸の前で固く拳が握られる。

 

「……嬉しいっす。本当に、今まで誘われたどのレギオンよりも強い気持ちが伝わってきたっす。でも僕がその輪に入るためには、清算しなきゃならないことがあるんす。もしもそれが出来た時には、こっちからお願いに行くっすよ。『《メテオライト》に入りたい』って」

 

「……そっか。その時が来るのを待ってるよ」

 

 帰ってきた言葉は残念なものとはなったが、悲観的だったカタフから未来が語られたのは十分な進展と言えるので、握られなかった手を引っ込めたテルヨシは生真面目なカタフを尊重してそれ以上のことは言わずに話を終えた。

 

 まだまだ聞くべきことがあると感じつつも、カタフもカタフで整理できずに混乱させてしまう内容があったためか、それ以上の情報は伝えるべきか悩んでいたらしく、品川駅のポータルがある改札前ロビーに辿り着いてから、1度その足を止めて迷っていたことをテルヨシ達に報告。

 

「これは僕もまだよくわからないんすが、あのプレイヤーホームで赤の王を抱きながら僕にテイルさん達を排除するように言ってきたのは《七連矮星(セブン・ドワーフス)》の序列4位《アイボリー・タワー》っす」

 

「何でオシラトリの小人が……なんて、今さらだな。加速研究会の隠れ蓑がオシラトリって考えるのが妥当だわな」

 

「そのアイボリーはテイル達の前に姿を見せてないわけでしょ? レインちゃんをバイスに引き渡してさっさと離脱したってこと? それとも何か別の理由が……」

 

「その辺の考察は今はやめた方が良さそうっす。どのみち、白のレギオンが加速研究会と繋がってるのは確実になったってことっすから」

 

「じゃな。あやつらに打撃を与えられれば、その辺も自然と見えてこようぞ」

 

 いまいちわかりにくいが、カタフが言うか迷った理由は、いたはずのアイボリーがいなくなったことではなく、本来なら侵入者などいない前提で進めていた計画の遂行中にバイスとアルゴンだけいる状況を作ることの不自然さだ。

 カタフにその正体を隠してきた加速研究会なら、当然バイスの姿を見られるのも問題で、カタフが予定通りに遂行していたとして、その後は誰がカタフに状況を説明するのかという疑問。

 事をスムーズに進めるならアイボリーは残って然るべきところで姿を現さなかった。そこに何か事情があるならそれは何か。

 しかしそれを考えたところで考察する材料が不足してしまっているので、だからカタフも深く考えなくていいと言って報告を終えた。

 そしていよいよ話すこともなくなってポータルを潜るだけになった時、歩み出そうとしたカタフ達を止めたテルヨシは、冴え渡る観察眼と考察で危惧していたことを小声で伝える。

 

「実際に見てみないとわからないから黙ってたけど、あのポータルの周りに『影』が射してる」

 

「……いるんすか、あいつが」

 

「ちょっと待ってよ。話じゃ2人とも離脱したんでしょ? そんなことあるの?」

 

「いやガストよ。離脱してサーベラスを強制切断させるだけならば、1人おれば十分じゃ。離脱したと見せかけて、儂らのことを監視しつつ機をうかがっていたと考えるのは妥当じゃろ」

 

 ストレートに物を言っていなかったが、それだけで意図を汲んだ3人が驚きつつもあり得ないことではないと結論。

 あくまで可能性の話ではあるが、蘇生したカタフをそのまま帰してしまうことがあるのかと考えた時、テルヨシは離脱前に何らかの対処に出てくると確信に近いものを感じていた。

 さすがにクレーターが出来てしまったあの場所には影が射すものもなく潜伏は無理だったが、遠くから観察しながらポータルに先回りし罠を張ることは十分に出来るのだ。

 

「じゃあ別のポータルに回って……」

 

「無駄だよガッちゃん。監視されてる以上、どこに行っても移動力もあるバイスには先回りされる。無事に離脱するには周囲に影の全くないポータルを探すか、大人しくカタフを差し出すか、強行突破しかない」

 

「じゃあ考えなくてもいいっすよ。僕が別のポータルに行けば、テイルさん達は安全に離脱できるっす」

 

「バカちんが。そうしないためにオレ達がいる。バーちゃん、お願いできる?」

 

「最後のひと仕事じゃな。任せておけ」

 

 あくまで可能性の話で、このやり取り自体が無駄な可能性もあるが、可能性がある以上は備えなければやられるだけ。

 ポータルから30m離れた位置からやることがわかったユリは、その手に《リトル・ビッグボム》を2つ作り出して、それをポータルに向けて1つ投擲。

 それと同時に両手でサアヤとカタフをホールドし、ユリに正面から抱きついてもらって残していた必殺技ゲージを使って《インパクト・ジャンプ》を発動する素振り。

 リトル・ビッグボムが爆発しその爆発によって発生した煙で視界がなくなって、1度はその場に待機しポータルに目を凝らして、その周囲にバイスの板が展開されていないかをしっかりと見る。

 ──ない。が、まだ油断しない。

 リトル・ビッグボムの2つ目を残したのはバイスの板が展開された場合に心意強化して破壊してもらうためと、1発目をフェイントに2発目がまだあるという心理をバイスに与えるため。

 そこの判断はテルヨシとバイスの心理戦になるが、度胸だけは負けないつもりのテルヨシは2発目をユリが放った瞬間にインパクト・ジャンプを発動し、リトル・ビッグボムが着弾するより早くポータルを潜って離脱しようとした。

 ジャンプ中はほぼ瞬間移動に等しいので視界はゼロに近いが、集中していたテルヨシはその視界でもかすかに見えた、煙の中からテルヨシ達を挟み込もうとする黒い板が迫ったのに戦慄しながら、ゼロコンマ数秒のタイミングでポータルを潜って離脱することに成功したのだった。

 

「……っぶねぇ」

 

「心臓に悪いわぁ……」

 

「せめて何か合図はして欲しかったかなぁ……」

 

「それは素直にすみませんとしか……」

 

 ポータルを潜って無事に現実世界へと戻ってきて、ギリギリの心理戦を制したテルヨシが天井を仰いだら、いきなり移動されて負荷もあっただろうサアヤとユリが同様に項垂れながら苦言を呈する。

 それには申し訳なさはあるが、そんなことをしている余裕もなかったのだから許してほしいと目で訴えれば、2人も仕方ないかと優しい目を向けてくれた。

 そんな3人が2秒程度の遅れで現実世界に戻ってきて早々に漫才をやるもんだから、先に戻っていた黒雪姫達は何のことやらな雰囲気で直結していたXSBケーブルを抜いていく。

 

「あ、あの、僕、保健室に……」

 

 それが完了してすぐにいても立ってもいられなかったハルユキが、そもそも今回の作戦を実行するに至った理由でもある日下部綸の元へと行こうとし、それには黒雪姫もすぐに了承して綸の親であるフーコも一緒に5分後に戻ると告げて2人で生徒会室を出ていってしまう。

 

「さて、色々と話したいことは多いが、ここもそろそろ空けなければならんから、話は通常対戦フィールドですることとしよう。スターターは私とフーコにするので、皆は観戦者登録して待機してくれ」

 

「30分で足りますかね」

 

「足りなければもう1戦すればいいだろう。だがテル、そう言うからにはそれだけの案件があるということか?」

 

「要約すれば足りるとは思うけど、ほら、オレもサアヤもユリさんも話の整理がついてないことを話すことになるっていうかだから」

 

「そんなに複雑な内容なのか……お前達は残った先で何をしてきたのだ……」

 

「カタフに会って話をしてきたのよ。アンタに関わることも聞いてきたわ」

 

 時間を確認すれば生徒会室のレンタル終了となる12時30分まであと8分を切っていて、確かに腰を下ろして現実世界で話をするには時間が足りなすぎる。

 黒雪姫の指示に従って腰を落ち着かせたまま一同が観戦者登録を済ませる中で、フーコにテキストメールを打ちながらの黒雪姫に絡むテルヨシが意味深なことを言うから難しい顔をさせてしまったが、サアヤがフォローするように何かをしてきたかを簡潔に述べる。

 さすがにそれだけでは黒雪姫も疑問が増えただけだが、自分が関わることなのだとわかっていれば、心構えも出来るだろうと、そういうことだ。

 ただその心構えにかまけているわけにもいかないので、テルヨシもこれから話すべき事を順を追って整理してみんなに理解してもらえるように思考し、ついでに気になっていたことも調べておくのだった。

 

 5分後。黒雪姫がスターターとしてフィールドを構築し、観戦者として降り立ったテルヨシは、ひとかたまりで集まっていた一同を見ながら《水域》ステージの景色に心穏やかな気持ちになる。

 さっきまではどことなく孤独さを感じさせる《黄昏》ステージで激闘を繰り広げていたから、一転して晴れ渡る青空と地面一帯を浅く満たす水に骨組みだけの建物オブジェクトが構成する世界は争い事が似合わないと思ってしまった。

 まぁ対戦ステージなので戦うことになったら普通にバチバチとやり合うのはバーストリンカーの性だが、今は対戦目的ではないので、近くの建物オブジェクトを斬り倒して全員分の椅子を用意し始めた黒雪姫と、少し離れた位置からやって来たフーコがおそらくは第2校舎の屋上であろう位置にいたハルユキと《アッシュ・ローラー》に早く降りてこいと呼びかけるのを見る。

 何やら屋上でコントのようなことをしながらハルユキがアッシュを背中を押して落とし、叫びつつ地面に不時着する様はギャグである。

 ギャラリーなんだからダメージもないのに飛び降りるのを躊躇う辺りにアッシュの人間臭さがにじみ出ていたが、そうやってコントをやる余裕があるということは、無事に《ISSキット》による精神干渉は止まったのだろう。

 

「っていうかあれが綸ちゃんってことに未だに納得がいかないんだけど……」

 

「完全なるM型だしねぇ、違和感は半端ないわ」

 

「あたしも気になっけど、その辺のことはあとでレイカーに詳しく聞きゃいいだろ」

 

「さて、日下部君の無事もこうして確認できたので、腰を下ろして今回の内容をまとめて整理しようか。30分しかないから、主要な話をするのはそれぞれ問題の中心にいたであろう私とハルユキ君とテルの3人が代表で良いだろうか」

 

 そのいつも通りな姿に安堵するも、どこからどう見ても世紀末ドクロライダーなギガうるさいアッシュのリアルが内気な綸とは似ても似つかないため、ここに来てシンプルな疑問が浮かぶ。

 それには今日アッシュのリアルを知った一同も首を縦に振って賛同の意思を示すが、それはまた別の時間を使って理解すればいいとユニコが言えば、円座を作り終えた黒雪姫もスムーズに話を繋げて、異論も特になく席に着いた面々は作戦終了後の話し合いを開始する。

 まずは黒雪姫がテルヨシ達と分かれて《東京ミッドタウン・タワー》へと向かった先で起こったことをかなりわかりやすく要約して話してくれる。

 ミッドタウン・タワーのポータルと重なる形で鎮座していたISSキット本体の力は強大で、テルヨシ達が戦ったマークⅡのような心意エネルギーをほぼ無尽蔵に使ってきたらしい。

 そしてそのISSキット本体にはサアヤが言っていたように《レッド・ライダー》のデータがサルベージされて本体を依代に存在していたらしく、ライダー本人の意思をねじ伏せてキットを作っていた。

 そのライダーもキット本体が大きな力を使って消耗している間は自由になって、その間に今回の出来事について自分の考察を語ってくれたのは、すでにサアヤが推測と共に話してくれた通り。

 その話を聞いたあとにキット本体の破壊に辛くも成功したものの、その中に溜め込まれていた心意エネルギーはサーベラスとインビンシブルに転送されてマークⅡが誕生してしまったと、そういうことらしい。

 あとはこちらの異変に気づいて離脱よりも援軍に駆けつける選択をしてあの場に辿り着いて今に至ると話し終えたところで、サアヤが「あの子のこと話してないわよ、ロータス」と助言すると、思い出したように黒雪姫もその子のことについて話を付け足す。

 

「途中から共闘してくれた《ボッシュ・ルーレット》だが、あれはどうやら全損した日にライダーがインストールに成功させた最後の子だったらしい」

 

『え……ええぇぇぇええええ!?』

 

 ここまでの話でどこか合点がいったという雰囲気で特にリアクションを見せてこなかったテルヨシ達だったが、最後の最後でさらっと爆弾が投下されて少しの沈黙のあとにあのユニコとパドさえも席から飛び上がって驚きのリアクションをして見せたのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。