アクセル・ワールド~蒼き閃光Ⅱ~   作:ダブルマジック

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Acceleration Second70

 

「……あっ! そうだ!」

 

 翌朝。なんだかモヤモヤしたものが内側に残ってる状態で目覚めたテルヨシは、こういう時は時間を遡って思い出すのがいいかとゆっくりと昨日のことを順に思い出していたのだが、朝食の段階で唐突にマリアが口を開いてそっちに意識を持っていかれる。

 

「明後日にうーちゃんが泊まりに来てくれるって言うの忘れてた」

 

「……何故そんなビッグイベントを忘れるんだ」

 

「だって昨日はチーさんが来てくれたしお料理美味しかったし楽しかったしだったから」

 

「それは否定しない。よし、許そう」

 

 おそらく昨日には決定していたっぽい謡の宿泊を報告し忘れていたマリアのうっかりには困ったものだが、仲良くなってチユリをチーさんとか呼んでるのを聞くと何も言えない。

 これが土曜日の朝とかになっていたらさすがに注意はしただろうが、まだ木曜日なので準備は間に合うのが幸い。そうなるとおもてなしを考えなくてはならない。

 

「サアヤさん、今週も泊まりに来る?」

 

「えっ? ああそっか。土曜日って割とサアヤが泊まりに来る日って印象あるもんね。それは聞いてみないとわからないかな。マリアが聞いてみるといいよ」

 

「うん。じゃああとでメールしておく」

 

 その流れで先週は遠慮したが、付き合い始めてから土曜日は宿泊皆勤なサアヤが今週も来るのかと尋ねたマリアは、来てほしいのかほしくないのか言葉で探ってみると、普通に来てほしいみたいだったのでサアヤと謡の2人が来ることを前提に変更。

 しかしマリアの部屋に3人は手狭なところはあるので、寝床はどうしたもんかと思うが、マリアと謡ならサイズ的に普通にベッドに2人で寝られるから問題ないかと自己完結しつつ、仲良く隣り合って寝る2人を想像したらなんか非常に和んでしまった。

 その緩みを変に捉えられてマリアに気持ち悪がられてしまったが、週末に控えた宿泊イベントの楽しみであまり気にはならなかった。あとで好感度は取り戻さないといけないが……

 

「キャンプだと?」

 

「そっ。まだ具体的には決めてないけど、予定としてね」

 

 加速世界では激闘を繰り広げて密度があった分、現実世界では逆のベクトルで密度を持って楽しもうというテルヨシのポジティブ思考は登校後の黒雪姫へとぶつけられて、恵がいない朝の時間を見計らって唐突に決まったキャンプについてを話す。

 当然、突発的すぎるテルヨシの計画に表情が明るくない黒雪姫ではあったが、残り少ない中学校生活で思い出作りは大事と思ったか嫌だとは言わない。

 

「実行するというのであれば、参加者へ決行日を通知して予定を空けてもらうようにしなければなるまい」

 

「夏休み中にする予定なんだけど、やっぱり参加者は多い方がいいよね。あとみんなで色々と揃えるとなると荷物も多くなるから、予約すれば材料とかテントとか貸してくれるサービスを頼むけど、そこに異論は?」

 

「ウム、それならば自分の手荷物はバッグ1つで良さそうだな。経費はそのサービスの料金を割り勘するのと移動費だけで済むか」

 

「1人頭3、4000円くらいに収まれば万々歳だよねぇ。移動費は抑えるために東京付近にしたいけど、海もある千葉とか神奈川とかがお手頃かね」

 

「海なら東京にもわずかにあるがな。だがキャンプなど経験がないから、私も調べてみなければわからんが、それでも東京を出るなら移動費だけで2000円を越えてしまうはずだ。出来るだけでいいがリーズナブルな費用になるよう努力してくれ」

 

「そこはもう出来る限り抑えますよ。それで高くて参加できないとか言われるのが一番悲しいし」

 

 どうせなら水場の近くで水着を着て遊んだりもできればと思って川か海の近くのキャンプ地を希望するテルヨシに黒雪姫も文句を言わずに明確にすべきことを助言してくれて、これはもう夏休みに入る前に全てを決めてしまう方向で進めるのが得策かと、テキストファイルに重要な案件をまとめておく。

 横では次々とあれもこれもと追加してくる黒雪姫が口を挟んでくるが、私的な追加を除けば有能なお方なのでそちらにも耳を傾けつつまとめていたら、あっという間にホームルームの時間に。

 場所とか経費とかはグローバル接続して調べないとどうにもならなそうなので帰ってからじっくりやるとして、とりあえず参加者リストを作成するために誰に声をかけるかをリストアップ。

 そんなことを授業中にやってるから問題を当てられた時に即答できない失態を冒すわけで、クラスの笑い者にされるくらい簡単な問題が解けなかったテルヨシは教師に心配さえされてしまった。

 まぁ高校進学しないテルヨシだから教師も怒るようなことはなかったが「知識はないよりもあるに越したことはない」と忠告され、他の生徒の反面教師として吊し上げられて授業は終了。

 こんなことが受験を控えた3年生のクラスで起こるのも問題だが、クラスメートが「テルヨシなら仕方ない」とかいう雰囲気を自然に作ることが大変に不満だったので、残りの授業では積極的に挙手して教師に絡んでいき、かつてない意欲のせいでクラスメートと教師達から気持ち悪いと思われたのは言うまでもなかった。

 

 この3年近くで形成された自分の人物像というのが浮き彫りになって、良くも悪くも貴重な体験をしたテルヨシは精神的ダメージからちょっとだけ重い足取りでバイトへと向かい、練馬区桜台に行くバスに乗り込む。

 店に着いたらまずはパドにキャンプの話を持ち込んでユニコ達にも伝えてもらい、とりあえずやることだけは知っておいてもらう。

 なので今夜は色々と計画を練らなきゃならないからバイトに使うエネルギーはいつもより減らしておこうかなと、そんなことを考えてバスを降りる。

 その時にグローバル接続して料金の支払いをしたのだが、グローバル接続を切る前に視界に点滅するアイコンがあることに気づく。

 アイコンはメールなので誰かからのメールなのだが、サアヤかなとそれを開いて送り主を確認して思考停止。

 

「……………………やベぇぇえええええ!!」

 

 登録してない新規だったので内容に人物の特定ができるものがあるだろうと読んで、ようやく昨日の夜から頭にあったモヤモヤの正体に気づき絶叫。

 それには近くを歩いていた人がビクッと怯えるリアクションをしてテルヨシを見てきたが、そんなことを気にする余裕すらなかったテルヨシは、とにもかくにもそのメールに対する返事を急いで作成して送る。

 メールの送り主は昨日にリアルで会えたシズクからで、受信した日時は昨日の夜。

 さらにしっかりばっちりサアヤにも「帰ったらメールのチェックしてあげて」と言われていたにも関わらず、帰って早々にチユリのことで頭から抜け、キャンプのあれこれで結局は今の今までグローバル接続せずに過ごしてしまった。

 なのでメールは夜のものと登校前にでも再度送っていたのであろう2通が届いていて、2通目には「何か失礼なことをしたのでしたら謝ります」という1文まであって罪悪感が半端なかった。

 当然、そんな失礼など一切ないし、むしろ失礼を働いていたのは自分なのでマリアと謡顔負けの高速タイピングで謝罪文をシズクに提出。

 その間にサアヤからもメールが届いて、案の定メールの返事を寄越さなかったテルヨシの情報がシズクから行ったみたいで、文面からでもその怒りの度合いが見えて血の気が引く。

 これは確実に店に乗り込んでくるなと思いながらサアヤには反省文を提出して改めてバイトに向かったが、もう色々とズタボロなテルヨシのメンタルは崩壊寸前。

 そのメンタルでもミスしようものなら薫さんに容赦なくお叱りが飛ぶので仕事だけは集中してやっていたものの、とてもじゃないが明るい雰囲気でパドにキャンプの話はできなかったため今日のところは断念することとなる。

 そして反省文を読んではくれただろうがやっぱり店に乗り込んできたサアヤは、テイクアウトで支払いを待つ間にテルヨシに小言してくる。

 

「長々と言い訳が書いてあったけど、やっと出来た仲間にいきなりのこの仕打ちは正直どうなの?」

 

「帰ったらボイスコールで土下座しながら謝る次第です」

 

「それは当たり前。あと来る時にお姫様から乱入されて、ぶっ飛ばすついでに進展状況を話しておいたわ」

 

「何か変化は?」

 

「今の仲間に話はしたみたいね。いざそうなった時にはリアルでも会ってくれるかもしれないけど、今の段階では覚悟とか色々がまだね」

 

 怒り心頭といった雰囲気はなかったものの、あの可愛いシズクを不安にさせた罪は重いと言葉に乗せたサアヤのプレッシャーは凄く、ケーキを渡しつつその辺のケアは怠らないと誓う。

 そこはもう信用問題なのでサアヤも2度目はないといった感じで話を終わらせて、ここに来る途中に《シンデレラ・コントラリー》に対戦を挑まれ、倒すついでに話もしてくれたようだ。

 シンデレラとは先週の《レギオンクエスト》以降から会えていなかったため、進展の方も聞きそびれていた。

 日曜日に行われる《七王会議》では後に引けない動きをするので、シンデレラ達には早急に覚悟だけでも決めてもらわないと支障が出てしまう。

 あとは《チャイブ・リリース》にも進展の報告をしたいところだが、あれはあれで気難しいので話を強引に進めてからの方が効果的だろうとサアヤもまだコンタクトは避けている。

 

「それからマリアにも返事はしたけど、明後日は泊まりに行くからよろしくね」

 

「うーちゃんもいるからもイチャイチャは抑えないと……あいたっ」

 

 ゆっくりではあるが確実にレギオンとしての形は出来てきた実感に感動を覚えながら、明後日に泊まりに来ることを告げたサアヤに了承の意味で冗談を言ったら、照れ隠しのデコピンを炸裂させられてしまった。

 そのあとすぐに店を出ていってしまったサアヤに元気をもらっていくらか回復したので、休憩時間にパドにキャンプの話を持ち出すことに成功。

 まだまだ形もほとんどないキャンプ計画ながら、パドも出来た交友での親睦を深めるチャンスはポジティブなようで、ユニコとユリにも帰ったら話はしておくと返してくれたのだった。

 

 バイトが終了して寄り道なしで速攻で帰宅し、マリアとの夕食も早めに済ませて、マリアがお風呂に入っている間に自室に籠ったテルヨシは、時間を確認して夜の8時になったところで事前にボイスコールすると言っていたシズクにボイスコール。

 向こうも待っていたからかコールして1秒で繋がって見なくてもわかるペコペコした挨拶がされる。

 

『どうもこんばんは、テルさん。夜分にご連絡くださりありがとうございます』

 

「シズっち……ホントごめん! メールでもいっぱい謝ったけど、もうこれは直接でも謝りたいから後日また……」

 

『い、いえいえいえ! いいんです気にしないでください! テルさんもお忙しかったのでしょうし、私もサアヤさんに尋ねたり、2通目なんて送らずに素直に待てば良かったんですよね』

 

 本当に良い子なシズクだからこそメールをほぼ1日放置したことが重い罪だと感じるし、だからこそテルヨシは気にしていない様子のシズクに対してでも見えはしないがその場で土下座して深い謝罪。

 その姿勢は伝わったのか謝罪に困った様子のシズクが自分のしたことを反省する口ぶりでいるから、そこだけは女の子として当然の行動であると反論。

 

「それは違うよシズっち。女は常に反応を求めるもので、そんな女のアクションに対して男がちゃんと反応してあげるのがコミュニケーションとして正しいんだ。今回はオレが完全にダメな男の典型をやっちゃったんだから、シズっちはオレのことをバカ野郎と罵ってくれていいくらいだよ」

 

『そんなこと、できませんよ。それに私がお返事をいただけないことを不安に思ってしまったのは、やっぱり私もまだテルさん達に対して信頼関係が築けていなかったということなんです。だから今回のことはこれでおしまいにしませんか? 私も今後、テルさん達をもっと信用して行動しますから、テルさん達も私のことを特別扱いしないでください。遠慮もなしで構いません』

 

 テルヨシは自分が全面的に悪いと譲らず、シズクも自分の反省点は譲らない。

 これでは平行線で話は終わらないと悟ったか、折れないテルヨシより先にシズクが妥協案を出してきて、今回のことはお互いに信頼関係がなかったから起きた事故のようなもの。

 だから今回は教訓と糧にしてこれからを大事にしようと、そういう話をしたシズクにテルヨシも頑なな姿勢はカッコ悪いかと土下座をやめる。

 

「……シズっちは優しいな。でもオレが悪かったってことは信頼関係云々とは違うから、今度会った時にお詫びは用意する。これは譲りません」

 

『……テルさんって頑固な人なんですね。それで納得していただけるなら、私もそれでいいですけど、その、あまり張り切らないでくださいね』

 

 シズクの方が大人になったやり取りはそうして終わりを迎えて、折角のボイスコールなのだからと時間は大丈夫か尋ねてみると、自室なので大丈夫とのことだったからそのまま雑談に突入。

 話を振るのが苦手なタイプのシズクに代わってテルヨシが話の主導権を握ってあれこれ尋ねて、それにシズクが答える会話が繰り広げられる。

 最初は他愛ない、好きな動物や食べ物。映画のジャンルや苦手なものと、楽しげな雰囲気から自然と聞き出して、そんなテルヨシの話しやすさに心を少し開いてくれたか、時折クスクスと笑いながら話してくれる瞬間もあって嬉しい限り。

 そうして仲を深めていけば女子脳に合わせられるテルヨシが自然と話を恋愛関係にスライドさせるのも当然の流れ。

 

「それじゃあシズっちは付き合う男の最低条件って何?」

 

『えっ……ええっ!? お付き合いする方の条件、ですか? それは言わないといけませんか?』

 

「シズっちが言いたくないならいいよ。ちなみに誰かと付き合った経験とかあるの?」

 

『いえいえいえいえ! そのような経験は1度も……テルさんはどうなのでしょう』

 

「あれ? サアヤから聞いてない? オレは今サアヤと付き合ってるんだよ」

 

『あっ……そう、なんですね』

 

 女子校だと恋愛というのも積極的に出会いを求めないと難しいのかもしれないが、恋の話くらいは友達とするだろうと思った。

 しかしシズクはそういう話は友達ともしないのか、回答の用意もなさそうな質問で返してきて、会話の間に考える雰囲気があった。

 それなら時間は必要だろうと別の即答できる質問で繋いで回答を待とうとしたら、サアヤからもまだテルヨシと付き合ってることを聞いてなかったようで驚かれてしまった。

 それと同時に何やら少し残念そうな、安心したような、不思議な雰囲気になったシズクは、少し沈黙してから本音を吐き出してくれる。

 

『…………私、男の人と話をするのが苦手で、まともに話せるのは家族くらいだったんです。だからですかね。昨日、テルさんとお話ししてから私、テルさんとは割と緊張しないで話せたなって思えていまして……このまま仲良くなったら、遠からずテルさんのことを異性として意識していたかもしれませんでした。ですがもう、サアヤさんとお付き合いされているのなら、そうしたこともないでしょうから』

 

 恋愛経験もなく異性への耐性も低い女の子からすれば、テルヨシのような女の子の思考を理解して話し慣れた異性はどこか親しみやすい印象を与えやすい。

 ただこれはテルヨシの中でコミュニケーション能力が少し秀でているからに過ぎず、これと恋愛感情を結びつけるのはあまりよろしくはない。

 だから昔からテルヨシは『恋人以上』のラインを越えるようなコミュニケーションを人によってちゃんとわきまえて接してきていたし、シズクに関しても適切な距離感を保つ予定だった。

 そのためのこの会話だったりもしたのだが、サアヤと付き合ってからその辺の気の緩みが出てしまったか、シズクとの距離感を測るのが遅れて、すでにうっすらでも自分に好意的な意識を向けられていたことを反省。

 

「シズっちにそう言ってもらえるのは男として凄く嬉しいよ。シズっちは可愛いし素直だし礼儀正しいし、シズっちが彼女ならきっと自慢も止まらないだろうね」

 

『そんな……私なんて口下手で主張も強くなくてで……』

 

「自分のダメなところを見つめられるのも良いところだよ。でもそんなシズっちだからこそ、色んな女の子と仲良くなっちゃうオレなんかを彼氏にしたら、毎日が不安で不安で仕方なくなっちゃうって。シズっちがこれからもっと積極的に交友を持てば、オレがどれだけ恋愛に向いてない男かもわかるし、シズっちの可愛さにメロメロになる男もいっぱい出てくるよ」

 

 嫌われない男であるのと、恋愛対象にならない男であることはテルヨシが恋愛する上で作り出している距離感である。

 それを設けることでこれまで学校でもどこでもそれなりに上手くやれていたし、恋愛というのはその距離感をぶっ壊してでも踏み込む勇気がいる行為だと考えていた。

 だからこそその距離感をぶっ壊してきたサアヤがどれほどの覚悟で踏み込んできたのかはわかるし、テルヨシも受け身な形ではあるがその距離感をぶっ壊してきてくれる人を求めていたのだ。

 別に自分がモテる人種などと微塵も思ってないが、心理学という学問に触れているからか、そういう心の機微にも敏感になってしまっているので、イタズラに女性の心を揺さぶる行為は避けた上で自分がどういう男かをしっかりと表現してきた。

 その自分の怠慢さを反省しながら、フッたフラれたといった段階になる前ではあってもしっかりとシズクが素敵な女性であることを伝えた上で、これからのシズクの恋愛を全力で応援。

 テルヨシとの交友はあくまでも男と接するきっかけでいいし、ようやくスタートラインに立ったシズクがいきなり結果を出すにはあまりにも早い。勿体ないとさえ言える。

 

『そう言っていただけると、少しだけ自信も出てきました。テルさんのそういう褒め言葉は凄く自然と飲み込めてしまうので不思議ですね』

 

「本音しか言ってないからだよ。さしあたってリアルで会うことになると思うのは、イーターとスピンとリリースの3人ってことになるかな。リリースとはオレも会ったことはないけど、シズっちを傷つけるようなことを言うようならオレが怒るから安心してね」

 

『はい、怒るのも苦手なのでその時には頼らせていただきます』

 

 そんなテルヨシの正直な言葉に素直なシズクもしっかりと受け取って明るい雰囲気に戻り、これからの時間を大切に考えてくれた。

 これでケアも出来たかなと安堵したら、お風呂から上がったマリアが部屋をノックしてお風呂が空いたことを知らせてくれて、会話も一段落したと判断して今日のところはこれで終了。

 シズクもこんなに長話をするのは珍しかったのか、しかし楽しい時間だったというように「もうこんな時間だったんですね」と呟き、向こう側で綺麗なお辞儀でもしてそうな丁寧な言葉で締めてテルヨシにボイスコールを切らせる。

 こういうのは年輩が切らないとグダるしマナーでもあるので、その辺でも淑女講習とやらが活きているのだろうかと思いつつ、グローバル接続を切ってからお風呂へと入る。

 最後に今回のようなことがまた起きていないかと入念にチェックしてから就寝していったのだった。

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