アクセル・ワールド~蒼き閃光Ⅱ~   作:ダブルマジック

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Acceleration Second80

「うっそぉ!?」

 

 女峰山の主《タキリビメ》との2度目の戦闘に突入し、タキリビメを守る4枚の丸鏡の破壊に成功。

 これで少しは攻撃の頻度を上げられるかと思われたが、丸鏡を破壊されたタキリビメは即座に初見の動作を見せたかと思えば《オオツナミ》なる技を繰り出してきて、頭上の水球が肥大化。

 その圧倒的な水量が重力落下してテルヨシ達に襲いかかり、その量たるや高さ20mを越える津波となって全方位に押し寄せたのだ。

 水の力というのは人間が考えるよりもずっと強く、これだけの水量で襲い来る津波は呑み込まれたが最後、まともに動くこともできずに流れに従って女峰山を落ちることになる。

 そうなればまた再合流にも時間を要するし、このフィールドに残れる人もいなくなりタキリビメのステータスもリセット。また丸鏡が復活してしまうだろう。

 

「《インパクト・ジャンプ》!!」

 

 それは出来る限り避けたいとギリギリのタイミングでインパクト・ジャンプを使って上に逃げたテルヨシは、自分の下を巨大な津波が通りすぎ、サアヤ達が全員フィールドの外へと流されてしまったのも確認。

 中には津波と流されてる間のフィールド外でのダメージで死亡した人もいて、ユリ、クラリッサ、アキラが山頂に近い位置で死亡エフェクトを発生させていた。

 しかしそうした確認も落下を始めたところで中断せざるを得なくなり、唯一フィールドに残ったテルヨシをタキリビメがロックオンして、空中で身動きの取れないところをフィールドの床に残っていた水を集めて間欠泉のように噴き上げ攻撃してくる。

 これを《インスタント・ステップ》の足場を蹴って横に跳んで回避したものの、方向まで調整する余裕がなくて、最悪なことにタキリビメの方に突っ込む軌道になってしまった。

 落下速度やら高さの関係でもう大きく軌道は変えられないので、半分くらい自棄でタキリビメに攻撃しに行き、強烈な飛び蹴りがタキリビメに炸裂する。

 だがタキリビメの持つ剣が割って入って全体重を乗せたテルヨシの飛び蹴りをいとも容易く受け止めてみせると、本殿の近くに着地したテルヨシを見下しながら戦闘中にも関わらず言葉を発してきた。

 

『それがそなたの《勇気》か』

 

「なに?」

 

 言葉はそれだけだったが、テルヨシが言葉の意味についてを考えるより早く、頭上で復活した水球から水のつぶてなど遊びに思えるほどの速度と圧力でジェット噴射がされてテルヨシを襲い、反応がわずかに遅れたテルヨシの体を容赦なく弾き飛ばしてフィールドの外へと落下。

 ダメージも比較にならない5割を削り取られて残りHPが2割を切り、落下した先の地面を転がって木に激突してさらに削られ1割を切って真っ赤に染まる。

 痛みでぐらぐらな意識をどうにか持ち直させて山頂に戻ってはみたものの、当然、タキリビメはすでにその姿を消して空も元の晴天に戻ってしまっていた。

 その事実に一気に脱力したテルヨシは、このHPで生き残っていても仕方ないかとその場で自分にとどめを刺して死亡し、その蘇生の時間までふて寝することに。

 ──こうして2度目のタキリビメ戦は、その圧倒的な力の前に成す術なく押し潰されて終了した。

 

 1時間後にテルヨシが蘇生してから30分の間に合流してきたのは、やはり山頂付近で死亡したユリ、クラリッサ、アキラの3人で、その3人ともが合流するなりタキリビメのオオツナミへの愚痴を盛大に漏らしていた。

 あれを事前の対策なしで防ぐのは不可能に近いので仕方ないと思うが、初見殺しもいいところの技のオンパレードには歴戦のユリも苦言。

 

「なんというか……タキリビメはやはり他の《神獣級》エネミーとは勝手が違うのぅ……」

 

「それはオレも思った。他のエネミーってもっと殺意むき出しで攻撃してくるんだけど、タキリビメってなーんか違うよね」

 

「確かにそうですわね。特定の条件を満たした時に発動する技は衝撃波とオオツナミのようなフィールドの外へと追い出す目的の技のように思えますわ」

 

「それってつまり、タキリビメは僕達を攻撃して倒すよりも、このフィールドから追い出すことを優先してるってことですか?」

 

「うむ。ステータスのリセットがあることを考えれば、普通に神獣級を相手にするよりも難儀なところではあるがの……」

 

 対峙する前から少し違うとは言っていたユリが、改めてその事について触れたことでテルヨシ達もその違いというのに理解が及ぶ。

 神獣級ともなると《メタトロン》のように即死級の攻撃をいくつか持っていて、なかなかの頻度で使ってもくるものというのがテルヨシ達の認識ではあるが、タキリビメに関してはなんというか、その即死級の攻撃というのが見受けられないのだ。

 衝撃波にしてもオオツナミにしても、バーストリンカーをフィールドの外へと吹き飛ばすのが本来の目的であるような全体攻撃で、食らってもサアヤ達のように死なないこともある。

 

「…………《勇気》、か……」

 

 それを踏まえて改めてタキリビメが口にしていた勇気という単語に注目したテルヨシにユリ達も気づき、この戦闘が一種のイベント戦であることも加味する。

 

「勇気を示すとは単にフィールドから逃げないことを指すわけではないということかの」

 

「ですわね。或いは衝撃波やオオツナミすら乗り切りフィールドに留まり続けることを指しているのでしょうか」

 

「む、難しいことはよくわからないですけど、ガスト姉達が来るまでに色々とまとめておきましょう」

 

「勇気……逃げ……挑戦……」

 

 そこから出てきた可能性も十分に考えられることではあったが、テルヨシは少しだけ違う視点から物事を考え始めて自分の世界に突入してしまったが、その集中に気づいたかユリ達は何かしらの意見がまとまるまではテルヨシには話しかけずにアキラの言う通り、サアヤ達が再び戻ってくるまでの間に情報の整理に努めていった。

 そのあと約7時間を要してサアヤ達が再び山頂に到着し、完全に疲弊しきった状態だったので《レイズ》の強化を残しておきたいシズクを残して全員が1度死んでステータスをリセット。

 蘇生待機の間にも声が聞こえはするので、残った人での話し合いやらは進め、確定した情報などは共有していく。

 サアヤ達が蘇生した頃、内部時間で40時間以上が経過したことをユリが告げ、自動切断まで10時間を切ったことがわかると、話し合いの方もタキリビメ攻略と同時に切り上げるタイミングも話に挙がってくる。

 

「挑戦するにしても吹き飛ばされる前提にするとあと2回が限界ね。まさか再チャレンジにこんな時間のかかるやつとは思ってなかったから、完全に想定外だけど……」

 

「チャレンジはするにしても、攻略が叶わんかった場合に、再ダイブするかどうかは今のうちに決めるべきじゃな」

 

「ここまで来て成果なしはあり得ませんわ! 必ずやあのタキリビメを倒して、気持ち良く寝たいですわね!」

 

「気持ちは同じだが都合は別だろ。誰か1人でも欠けるようなら日を改めるのが賢明だ」

 

「現実世界でたったの数分の都合もつかないような状況というのも考えにくいが、再ダイブが出来ないという者がいれば挙手を頼む」

 

 流れとしては当然のものではあった。

 何ひとつ間違ったことはしていないサアヤ達ではあったが、リリースの再ダイブ可能かどうかの確認のタイミングでスッと手を挙げたテルヨシは、誤解がないようにすぐそれがダイブできないわけではないことを説明。

 

「なぁみんな。流れとしてはこういう話は当然だと思うよ。ただオレがバカだって話なら笑ってくれてもいいんだけど、そういう『次がある』って気持ちは、今をほんの少しでも蔑ろにしたりしてないか? トライアル&エラーの段階だし仕方ないのかもしれないけどさ。毎回、本気で攻略する気で挑むかどうかって、オレとしては割と重要なことだって考えてるんだ」

 

 ただの気持ちの問題。

 言ってしまえばそれだけのことなのだが、その気持ち1つで結果を変えた出来事をテルヨシはつい最近に経験してしまっている。

 チャンスがあるというのは良いことだが、それは一転すれば諦めの早さに繋がることもあるのは言うまでもない事実。

 人はそういう生き物だし、テルヨシだって1度きりしかないチャンスとかでなければ、本気の本気は引き出せないと確信に近いものを感じている。

 それは1回1回は小さなものでしかないが、積もり積もれば攻略の1回。いや2回分ほどの違いが出るほどのものになる可能性は十分にある。

 そうした意味の言葉でサアヤ達に対してご高説をしたわけだが、聞いたサアヤ達は少しの沈黙のあとにサアヤが先陣となってテルヨシの胸をドンと叩いてみせ、全員が同じようなことをテルヨシに行う。

 無言でやるからテルヨシも少し戸惑ってしまったが、その意味についてはみんなの雰囲気から察することができて苦笑い。

 ──テイルのくせに生意気なんだよ。

 人によってはちょっと解釈は違うだろうが、概ねでそんな感じの意味の行動に言う必要がなかったかもしれないなと反省。

 誰も次があるからと今を全力で取り組んでいないなんてことはなく、出来る最大限をぶつけていると示し、その上で次の話をしていたと目が語っていた。

 

「それで? そんなことをわざわざ言ってきたからには、次に試したいことの1つくらいは思い付いたんでしょ? それもここにいる全員が全力で取り組まないと出来ないような博打じみたことをね」

 

「さすがガッちゃん。皆まで言うなってか。確かにあるよ、試してみたいことが。それに賛成してくれるかはみんな次第だけどね」

 

 これでわかっただろうとサアヤがいち早く話を本題に戻して、わざわざ意思確認をしてきたテルヨシにその真意を問うので、さすが彼女と思いながらテルヨシも合流する前から集中して練っていたある作戦をみんなに伝えた。

 

 3度目のタキリビメ戦はサアヤ達の蘇生後1時間後に開始され、2度目の時とは大幅にフォーメーションを変更。

 サアヤ、ユリ、シズクは今まで通りにフィールドに散ってまずは4枚の丸鏡の破壊に集中してもらう。

 そのために水のつぶてを回避するスペースをサアヤ達に十分に与え、テルヨシ達はほぼ定位置から動かない、《チャイブ・リリース》を先頭に置いた不動の縦列陣形。

 さらに戦闘前にアキラの《フリーザー・アイス》で必殺技ゲージを満タンの状態にして、ユリに至っては《リトル・ビッグボム》を指の間にストックできるだけ持って戦闘に入り、丸鏡の破壊のペースアップを狙っていた。

 ただしテルヨシ達が不動の陣形を作るデメリットは、リリースがその後ろのテルヨシ達の分まで水のつぶてを一手に引き受けて防御し続ける必要があることだが、先の2戦で水のつぶてを受け切ってなおデュエルアバターへのダメージは3割程度だったと言うのだから、もはや動く肉壁。

 強化外装群である《アーマー・シェル》がほぼ全身を覆う鎧型の強化外装なのを差し引いても、その防御力は誇ってもいいだろう。

 事実、戦闘開始から猛烈な勢いで襲いかかってくる水のつぶてを全身で受け止めて防御するリリースは頼もしく、後ろのテルヨシ達には一切のダメージも発生しない。

 苛烈さが増すのは想定内だったので、だからこそサアヤ達にはより強力な攻撃でタキリビメ自身にもダメージが通るような攻撃をとお願いしていて、その威力の証明であるリトル・ビッグボムがタキリビメに当てられれば、ダメージの怯みなのかタキリビメからの水のつぶてが数秒ほど止まってくれて、その間にリリースもアーマー・シェルの状態を確認。

 リリースには本来なら見えないデータ上の数値を視覚化する《数値化(クワンティファイド)》というアビリティが備わっていて、テルヨシ達ではHPゲージや必殺技ゲージは単なるゲージにしか見えないが、リリースにはそこにパーセント表示が追加されたり、強化外装の耐久値が数値として見える──ただしエネミーの装備などは数値化してくれないみたいだ──のだ。

 だからこそ自分が装備しているアーマー・シェルのどこがどの程度のダメージを受けていて、どの部分に余裕があるかなどが正確にわかるため、ダメージ分散が鬼のように正確でリリースのアーマー・シェルのパーツが1つだけ欠けたりといった場面はほとんど見たことがない。

 さらにリリースにはクワンティファイドの他にもう1つ凄いアビリティもあるが、それが真価を発揮するのは稀で、今回に至っては必要にも迫られないだろう。

 そうしてサアヤ達の猛攻でタキリビメの攻撃をキャンセルしつつ、リリースの防御力で耐え続ける状況を保って、事前の備えのおかげで大幅な時間短縮に成功した丸鏡の破壊は戦闘開始からわずか10分の間に起こった。

 

「《オルタレイション・ブリザード》!」

 

 その破壊の前にサアヤ達が次の準備に入りつつ丸鏡の破壊のタイミングを計り、アキラが必殺技による強制変遷を使い、この女峰山周辺のフィールドを《氷雪》ステージへと変貌させる。

 そして即座に自らがフリーザー・アイスを食べて必殺技ゲージを満タンにして1分間の行動不能に入り、そのアキラをテルヨシ達が懸命に守る。

 そのアキラが復活すれば次の準備は出来たので、すかさずサアヤ達に合図して丸鏡の破壊の許可を出すと、待ってましたと言わんばかりにユリがストックしていたリトル・ビッグボムをタイミング良く放って4枚の丸鏡をまとめて破壊。

 

「来るぞ! みんな失敗しないでくれよな!」

 

「《ジャイアント・スノーマン》!!」

 

「《マスカレード・ボール》!!」

 

 破壊のあとにタキリビメがすぐにオオツナミを発動する動作に入ったのを確認して、散っていたサアヤ、ユリ、シズクは作戦通りにテルヨシ達と合流してひと塊になり、アキラとクラリッサはその必殺技ゲージを全消費して巨大雪だるまと20体の分身体を作り出す。

 山頂には氷雪ステージによる変化はなかったが、その少し外にはしっかりと雪が存在していたのでアキラも無事にフィールドの縁でジャイアント・スノーマンになることができ、その巨体がテルヨシ達の前に躍り出てタキリビメのオオツナミを正面から迎え撃つ。

 

「────《オオツナミ》」

 

 その万全の体制のところにタキリビメのオオツナミが襲いかかってきて、圧倒的な水量で迫った津波は10mもあるジャイアント・スノーマンすらも物ともせずに呑み込みにかかり、さらにジャイアント・スノーマンを後ろへと後退させてくる。

 だがそれくらいは想定内だったテルヨシ達は次なる手として、決死の防御に回ってれていたリリースをジャイアント・スノーマンのすぐ後ろに配置させて、自分達はフィールドの縁ギリギリでクラリッサの分身体を正面に壁のように並べて待機。

 

「《起死回生(リサティテーション)》!!」

 

 そうまでしないとリリースの攻撃に巻き込まれてしまうからだが、今までの防御でフラストレーションでも溜まっていたのか、今日一番の叫びで必殺技を発声したリリースは、その身をグッと内側に集める予備動作から一気に解放するように四肢を広げてみせると、あの猛攻でも破壊されなかったアーマー・シェルが弾け飛んでリリース本来の体が露出。

 その飛んできたアーマー・シェルのパーツで豪快に分身体の3体が犠牲になったが、それも想定内なので気にせずに状況に集中する。

 リリースの必殺技であるリサティテーションは、自分と強化外装が受けたダメージの総量に比例して威力が上がる爆発性の衝撃波を放つもので、防御型のリリースが転じて攻撃に出た時に繰り出せる文字通り『起死回生の一撃』。

 衝撃波の範囲は半径10mとなかなか広く、強制ノックバック効果もあるので、リリースの目の前に立っていたジャイアント・スノーマンは当然、その衝撃波の餌食となって、オオツナミとリサティテーションの圧力の板挟みに遭い破壊されてしまう。

 その衝撃でジャイアント・スノーマンの中からアキラが飛び出てテルヨシ達の方に落ちてきたので、アキラを回収しつつジャイアント・スノーマンとリリースの必殺技によって出来たオオツナミの空白に入るため前進。

 それでもなお、いくつかのブロック片になったジャイアント・スノーマンをオオツナミが押し退けて来ようとするので、第2波としてサアヤ、ユリ、シズク、リクトが動く。

 

「《ブラスト・ゲイル》!」

 

「《レイズ》!」

 

「《ジャイロ・ショット》!」

 

「派手にゆこうぞ!」

 

 サアヤのブラスト・ゲイルは展開剣の状態で放たれたので、横倒しの花弁のように並んだ《ブレード・ファン》がミキサーのように回転し迫るオオツナミを狭い範囲ながら弾き飛ばす。

 ジャイアント・スノーマンとリサティテーションで威力も減退していたのでどうにか相殺出来ているが、時間の問題でもあるのでほぼ同時にリクトとユリのジャイロ・ショットとリトル・ビッグボムがジャイアント・スノーマンの破片を破壊して押し潰されるリスクを回避。

 大幅な威力削減に成功したオオツナミはそれでもまだテルヨシ達をフィールドの外へと押し出すだけの力はありそうだったが、第2波の間に最後列に後退したリリースとクラリッサの分身体が食い止める準備を整えている。

 さらにシズクが散々待たされたレイズで強化してアネモイから新たな強化外装にチェンジ。

 事前に何が出てもやることを決定させているのでここでのギャンブル性は完全回避済みだが、出てきてほしい希望はあるので願っていたら、流星弾丸の《アストライオス》が出てくれる。

 

「《バースト・ショット》ぉお!!」

 

 そうなればシズクの行動も早くて、ブラスト・ゲイルの展開範囲でカバーしきれない上の方を。さらにタキリビメがいるだろう位置を狙って巨岩爆弾を発射。

 その直前にテルヨシもその両足の爪先を床に2度ずつ触れさせて必殺技の発動準備を整えておき、巨岩爆弾はオオツナミに当たると同時に壮絶な爆発をするので、サアヤは展開するブラスト・ゲイルを真上に向けて爆発のダメージを軽減。

 アストライオスの巨岩爆弾の余波でオオツナミも吹き飛び、テルヨシ達も吹き飛びかけたが、クラリッサの分身体がテルヨシ達を蹴ってでもフィールドに残そうと動いてくれて全員がフィールドに留まることに成功。

 爆発のあとにはオオツナミがテルヨシ達の横や上を抜けて後ろへと流れていきながら、正面はほぼ完全にオオツナミを退けてその先にいるタキリビメを捉えられる視界が広がる。

 

『行けぇ! テイル!』

 

「《インビジブル・ステップ》!」

 

 全員が一丸となってしのいだオオツナミ。

 この絵を描いたテルヨシは、その最後の締めとしてみんなの決意に応えるようにインビジブル・ステップを発動しタキリビメへと突撃。

 《蒼き閃光》の異名を取る速度と電光のように鋭い動きでタキリビメを攻撃したテルヨシは、その力を発揮できる5秒間の全てをタキリビメの持つ剣に集中させる。

 元々ユリ達の攻撃でダメージが入っていたこともあるだろうが、ガギンッ! ガギンッ! と鈍い音を立ててぶつかる蹴りは確実に剣の腹を叩き、5秒間の最後に放たれた渾身の蹴りが当たった瞬間、剣はその半ばほどの位置からガラスを砕いたかのようなサウンドを響かせて折れたのだった。

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