アクセル・ワールド~蒼き閃光Ⅱ~   作:ダブルマジック

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Acceleration Second84

 

 《プロミネンス》との領土防衛戦オープニングゲーム。

 戦況はまだどちらとも取れない優劣の中で勝機を掴む働きをしたシズクが《マスタード・サルティシド》《ブレイズ・ハート》《ピーチ・パラソル》《オーカー・プリズン》の4人を相手に大奮闘。

 オーカーの《エッジド・ケージ》によって拘束されていたテルヨシもその散り際にオーカーへの攻撃に成功して解放してくれて、ブレイズとパラソルの2人は大ダメージを受けて昏倒。

 

「やっばぁ! やっぱルーレットを逃したの痛かったし!」

 

 シズクにとどめを刺したサルティシドではあったが、拘束を解除されたテルヨシがシズクから受け取ったバトンでやる気に満ち溢れていることに明らかな動揺を見せて弱音を吐き出す。

 それでも倒そうとはちゃんとしていて、《ドラッグライン》で伸ばした糸の先端に付けたオブジェクトの破片を振り回してテルヨシへとぶつけようとしていたが、テルヨシはまずサルティシドを完全に無視。

 

「《インパクト・ジャンプ》」

 

 シズクの特殊弾《ホーライ》の《エイレーネ》によって必殺技ゲージが譲渡され満タンになっていたテルヨシは、それを使って倒れていたブレイズとパラソルの2人へと突撃。

 サルティシドの攻撃を空振りさせて且つ、弱った2人へと全力の飛び蹴りで容赦なくとどめを刺していく。

 それをやるとわかってて攻撃していたサルティシドも想定より容赦のなかったテルヨシに悪態をつきながら撤退を選択しようとしていたが、それはフェイク。

 

「エッジド・ケージ」

 

 その姿勢を見て追撃に動こうとするテルヨシをオーカーがまた拘束しようとする。

 それを冷静に見極めていたテルヨシはオーカーの必殺技発声を聞き逃すことなく、再び地面から伸びた30本近くのツメが頂点で集束する前にインパクト・ジャンプで真上に跳躍し回避。

 跳んだ先の空中からオーカーの位置をしっかりと確認してから体の向きを下方向に向けて《インスタント・ステップ》の足場を利用してオーカーへとインパクト・ジャンプで突撃。

 エッジド・ケージの発動で身動きの取れなかったオーカーはその攻撃をガードもできずに受けるしかなく、クリーンヒットで地面に突っ込んでいた両腕がもげて後ろへと吹き飛ぶ。

 そのオーカーをさらに追い撃ちのインパクト・ジャンプで蹴り飛ばしてHPゲージも吹き飛ばして、ものの十数秒で3人を撃破。

 もちろんこの結果はシズクの奮闘があってのものなので、テルヨシが自慢気にドヤ顔するなんてことは全くなく、むしろ3人を倒されて本格的に撤退に動いたサルティシドがドラッグラインで建物オブジェクトの屋上に逃げようとしたところを接近からのインパクト・ジャンプで頭上を取ってかかと落としで打ち落とす。

 サルティシドも個人戦を想定すればかなり戦えるタイプなのだが、今回は作戦の頓挫と仲間の連続撃破で動揺が酷かった。

 

「悪いねシドにゃん。ルールーがあんなに頑張っちゃったら、オレも遊び心は捨てなきゃだから」

 

「だ、だからにゃんはやめてほしいってば……」

 

 かかと落としからの地面への叩きつけで一気に危険域にまで削られたサルティシドはそのダメージでまともに動けなくなっていたので、その傍に着地したテルヨシは普段のおちゃらけた雰囲気を今は封印して、短いやり取りを最後にサルティシドにとどめを刺していったのだった。

 

 シズクのおかげで戦況的にはこれで7対4の数的優位が作れたことになる。

 ただテルヨシの目の届かないところですでに誰かが脱落している可能性もあるので楽観視はせずに、まずはフィールド中央の要塞拠点へと移動して、そこを占拠してくれていたユリとリリースと合流。

 こちらは予想通り交戦した様子もなく無風状態で、ユリもリリースも無傷に等しい。

 

「バーちゃん、リリース。暇だった?」

 

「準備は進めておったから手が空いていたわけではないがの」

 

「それよりバーちゃんが確認してきたが、ガスト達の方に《三獣士》がぶつかっているようだ。ルーレットの姿がないということは、そちらも動きを読まれて削られたようだが」

 

「ご推察の通りで。ルールーの犠牲はあったけど、向こうの4人を倒してきた。残りは三獣士と《ストロンガー》のみだ」

 

 ユリとリリースも戦況を把握はしているようで、戦闘を避けられた分でずいぶんと思考が冷静。

 シズクが倒されたことにもさほどの驚きを見せずに次にどう動くべきかを考えてもいたようで、そこにテルヨシが合流してきたことから作戦は『アレ』を実行に移すことになる。

 そうなるだろうとユリも要塞拠点の利点を活かして準備をしてくれたらしく、もうあと少しで完了となるところまできていた。

 

「それじゃあガッちゃん達が踏ん張ってくれてる間にこっちも最終局面に備えて万全で行こう」

 

「こんな戦い方はプロミ時代にもやったことはないんじゃが、色々と悪どすぎるぞ」

 

「味方が言うのもあれだが、俺もそう思う」

 

「勝つための最善でしょ。それにリスキーな戦法ってわけじゃないんだし、全力には全力で! さぁやるぞ!」

 

 それが整ったらサアヤ達との合流を目指して移動になるが、会議の段階でも最終手段とかなんとか言っていただけにユリもリリースも自分達の作戦に苦笑混じりの様子。

 テルヨシも本当のところはえげつない作戦とは思っているが、向こうが全力できている以上はこちらも遠慮はしていられない。

 そんな気持ちも込めてまだピンピンしてるリリースには悪いが、このままではリリースが役割を果たせないので、ユリの準備が整うまでの間にリリースを滅多打ちしてダメージを蓄積させる。

 そうすることでリリースの最大の攻撃技が活かせるようになるので必要あってながら、味方を攻撃する行為には負い目はあるのだった。

 

「よっし! んじゃいくぞ!」

 

「パド達には後日に謝っておくかの」

 

「それはこちらが勝てたらにしてくれ」

 

 そうして準備を完璧に整えた段階で残り時間も700秒を切り、サアヤ達もいよいよヤバそうだなと予感。

 理想としてはサアヤ達の全員が生存した状態で作戦を成功させることだが、それはあまりに高望みというもので、現実はおそらくサアヤ達もろともになるはずだ。

 

 ユリが移動前に交戦している場所を確認してから作戦を開始したテルヨシ達は、まず《テイル・ウィップ》でリリースを掴んで持ち運び、ユリには少し遅れて出発してもらう。

 サアヤ達のいる戦場まで一直線に突き進んだテルヨシは、ユリが確認した地点付近まで来てから、その一帯に入るのを拒むように立ち込めた毒々しい赤色の霧を見て苦笑。

 これは《アイオダイン・ステライザー》の必殺技《アシッド・ミスト》で、強酸性の霧を周囲へと拡散するもの。

 その主成分はアイオダインが示すヨウ素で、ステライザー。殺菌剤の意味するところから自らを《毒消しキング》とか呼称していたり、名前だけ見ると無駄にカッコ良いから《ストロンガー・ネーム》とも呼ばれたりする。

 あとから聞いたが、かつてあの《クリムゾン・キングボルト》と《ストロンゲスト・ネーム》の称号をかけて戦って負けたから今のストロンガーに落ち着いたとかどうでも良さそうな過去もありつつ、しかしその実力は名前が強そうとかカッコ良いだけではない。

 サアヤ達が戦っている場所はこの霧の向こう側のフィールド北の端っこ。

 そこを起点にしたせいでクラリッサの分身体がこの霧の範囲を抜けてフィールドに散ることができなくなったのはもう間違いない。

 

「やっぱこの霧は邪魔ね」

 

「だからといって突っ込むわけではないだろうな」

 

「そこはほら、バーちゃんがいてくれるから」

 

「そういうことじゃ」

 

 霧の前で足を止めたテルヨシとリリースが無駄なダメージは負う必要はないと意見する中で、遅れて出発したユリが追いついてその手に持った3つの《リトル・ボム》をテルヨシへと放り、普通なら爆発するはずのそれを受け取ったテルヨシはユリに道を譲る。

 そこからユリは手が空いたことでリトル・ボムを霧の中へとどんどん放って爆発させて、その爆風で霧を霧散させて強引に晴らしにかかり、その後ろをついていった。

 

「終点じゃ!」

 

 そして霧が晴れた先では、中野駅前の通りでサアヤ達がパド達とまだ善戦していたが、さすがプロミの幹部である三獣士といったところで、すでにアキラは潰されて姿がなく、サアヤ達もHPゲージが3割を切ってしまっていた。

 対してパド達はすでに《シェイプ・チェンジ》で各々がヒョウ、ヘラジカ、ヤマアラシのビーストモードへと変身を完了させていて、その3人の後方からアイオダインが絶妙な支援でサアヤ達の行動を阻害し前に踏み込ませない戦いをしている。

 サアヤも発生する霧をその都度で吹き飛ばすのをもう何度も繰り返したせいか、《ブレード・ファン》を振るう腕にいつもの力がないし、リクトも霧で両手足の駆動部を溶かされたか、自慢のアビリティが封じられているみたいだ。

 クラリッサも接近戦をさせてもらえないのと、霧のせいで必殺技もアビリティも上手く使えず足踏みしている。

 

「パド、やっぱり来たっしょ!」

 

「遅いのよアンタらは!」

 

 その状況でずっと踏ん張ってくれていたなら本当に凄いの一言。

 その頑張りはシズクに負けず劣らずの功績だが、テルヨシ達の到着でサアヤと《シスル・ポーキュパイン》がそれぞれ反応を示し、こちらに意識を全員が向けた。1人を除いて。

 

「《ブラッドシェッド・カノン》」

 

 テルヨシ達が合流してくるのは可能性として当然あったからこそのポッキーの発言だった。

 だからこそその合流のタイミングに神経を研ぎ澄ましていたのだろうパドはその一瞬の気の緩みを見逃さずに小さく必殺技発声すると、その四肢を畳んで現れた赤い砲台に自らが収まると直ぐ様反応の遅れたサアヤ達へと弾丸のごとく発射。

 大規模な爆発を生みながら周囲を灼熱地獄へと変貌させたパドの特攻技によってサアヤ達はその残りのHPゲージを全て奪われて退場。

 数的優位になりかけたところでのこの攻撃で、一気に形勢は3対4の劣勢へと転じてしまった。

 

「やりおるな、パド」

 

「やっぱりガッちゃん達を生存させてってのは難しかったかぁ」

 

「逆転手は打った。あとは全力でやるだけだ」

 

 それでもテルヨシ達もまたサアヤ達が負けることを想定してこの場に居合わせたから、パドの特攻に対しても明らかな動揺は見せずに冷静に状況を把握。

 数では劣勢になったが、状況ではすでに先手を打っているから、戦況はこちらに傾きつつある。

 

「へいプロミの皆さん! これ何かわかる?」

 

 その傾きつつある形勢を引き寄せるためにテルヨシは対峙するパド達に自分の指の間に収まる3つのリトル・ボムを見せつけるようにする。

 当然ながらユリとは長い付き合いのプロミならこれを見せられるよりも前に自らの頭に一定の間隔でピッ、ピッ、と響く音で嫌でもわかる。

 これはユリの最終兵器《デンジャラス・タイマーボム》が発する爆発までのタイムカウントで、これを3発分も作ったものがテルヨシの手元にある。

 この音は爆発の範囲内にいる間は聞こえ続ける仕組みなので、爆発範囲である直径250mよりも離れれば助かることにはなる。

 しかしここは中野第2戦域北の端っこで、パド達はこれ以上に北へは逃げられず、南側に陣取るテルヨシ達が南下を阻止している。

 ならば左右に逃げれば良い。と考えるのは浅はか。1発でもHPゲージなど吹き飛ぶ威力のそれをわざわざユリが3発も作ったことに意味がある。

 

「そいやっ!」

 

 それを実行するためにテルヨシは持っていた内の2発をパド達の逃走先である右と左の前方に思いっきり蹴り飛ばして退路を断つ。

 タイムカウントは30秒。それだけの時間ではパドはともかく、ポッキー達ではまず爆発範囲から逃れることはできない。

 

「あと20秒だよーん」

 

 左右の道を断たれたところに、思考を焦らせるテルヨシのタイムカウントでプロミ側はさすがに焦りの雰囲気を見せ、迷っている時間もない以上、取れる行動はただ1つ。

 唯一の退路を阻むテルヨシ達を抜いて全速で駆け抜けることだ。

 当然、それを狙っていたテルヨシ達からすれば願ってもない展開に違いなく、決断の早かったパドが隙を作るために撹乱に走るが、その速度にしっかりと合わせたテルヨシが後ろを抜かれることなく阻み後退させる。

 阻むのはテルヨシだけでなく、スピードのパドにはテルヨシが。パワーのカッシーにはリリースが。遠隔のポッキーとアイオダインにはユリがそれぞれ動きに反応することで抑制し、的確に時間を使わせる算段は概ねで上手くいっている。

 

「残り15秒っしょ!」

 

「全員で行くしかあるまい。1人でも突破できればまだ負けではない」

 

「……K。ただリリ……」

 

「いくゼ!」

 

 この局面での行動決定の早さはさすがプロミで、単発での突破は望みが薄いと見て全員でのアタックを決行し、なるべく多くが突破できるようにと、通りの幅いっぱいに横一列で突撃してくる。

 それも計算済みだったため、ユリが《リトル・ボム》で左右へ攻撃し牽制するが、やはりカッシー達は爆発を受けてでも強引に突破しに来て、さらに中央にいたパドが決死のブラッドシェッド・カノンを放とうとしてくる。

 

「来るぞリリース!」

 

「ブラッドシェッド・カノン!」

 

「《リサティテーション》!」

 

 ここでパドの攻撃を通すと左右が突破される可能性が高くなる。

 パドのブラッドシェッド・カノンの威力はテルヨシも見たことがあるから理解しているが、それに負けない威力を今は出せるリリースが勝つと信じていた。

 パドが突っ込んでくる直前にリリースには叫んでユリを抱えて大きく後退したテルヨシは、前方でテルヨシの攻撃をあらかじめ受け続けて威力を上げていた必殺技を発動させたリリースの衝撃波が、砲弾のごとく突っ込んできたパドを真正面から弾き飛ばす姿をしっかりと見届ける。

 さらにリリースの必殺技の余波が左右を抜けようとしたカッシー達にも直撃して横の建物オブジェクトに盛大にぶつかって動きが止まる。

 

「よっし!」

 

 決死のブラッドシェッド・カノンが弾かれて後方に吹き飛んだパドとすぐに動けないカッシー達の様子を見や否や、テルヨシは抱えていたユリをさらに後方へと蹴り飛ばして離脱させ、大役を果たしたリリースのそばにすぐに駆け寄ると、テイル・ウィップで抱えてから両足の爪先を2度ずつ地面に触れさせる。

 

「悪いね皆さん。《インビジブル・ステップ》」

 

 爆発まであと10秒を切ったところで、テルヨシ達も離脱に動き出して、移動の瞬間に持っていた最後のデンジャラス・タイマーボムをその場に放っていったテルヨシは、5秒という短い時間ながらもパドをも越えるスピードで爆発範囲から一気に離脱。

 移動を終えた頃にはデンジャラス・タイマーボムのカウント音も聞こえなくなったが、それは5秒の移動の直後にデンジャラス・タイマーボムが爆発したからだ。

 

「本当に性格が悪いとしか言いようがないな」

 

「褒めるなよ」

 

 実は最初に告げたデンジャラス・タイマーボムのタイムカウントはフェイク。

 向こうにも爆発範囲にいるとカウントは聞こえてしまうが、聞こえる前からデンジャラス・タイマーボムを5秒早く起動させて、それからパド達にも聞こえる距離にまで近寄っていたわけだ。

 だから実際にはテルヨシが告げた時間から5秒早く爆発は起き、テルヨシが離脱した時間は本当にギリギリのタイミングだったことになる。

 ただでさえ焦りを生むデンジャラス・タイマーボムを3発も使い、退路を断ち、行動不能に追い込んで、宣告より早く爆発させる。

 これを聞くと滅茶苦茶なほどに悪どい戦法で外道かと言いたくなるが、悲しいかな、これは領土防衛戦。勝てばいいのだ。

 そうやって自分に言い聞かせないと罪悪感に押し潰されそうだからそう思うことで思考停止させていたテルヨシは、リリースの呆れながらの言葉にも心を揺らさずに目が笑ってない笑いで対応。

 デンジャラス・タイマーボムの大爆発が収まるよりも前にテルヨシ達の視界には領土戦を勝利した旨のメッセージが表示されて、何はともあれまずは赤のレギオン、プロミネンスの撃退に成功しリリースとハイタッチを交わしたのだった。

 

「さいっあくの結果ね」

 

「まさか初戦から最終手段を使うことになるなんてねぇ……」

 

「えー。そこはまず素直に喜ぼうよ……」

 

 現実世界に戻ってきて、次の領土戦が開始されるまでのわずかなインターバルの間に、純粋に勝利を喜ぼうとしていたテルヨシ、アキラ、シズクの3人に対して、経験値が多いサアヤとユリが開口一番に余韻に浸るわけでもなく反省コメント。

 確かにあの外道な作戦は最終手段として臨んではいたが、勝てたのだからまずは喜ぶべきだともっともなことをテルヨシが言うと、アキラとシズクもうんうん頷いて賛同。

 クラリッサとリクトもどっちつかずな感じではあったが、サアヤとユリが空気を察して反省は後回しにしてくれて、手元のジュースを手に取ってみんなでとりあえずの祝杯とした。

 

「とにかくあと2戦。目指すならやっぱり全員生存での完全勝利っ!」

 

「だからそれはかなり無理筋だってば。今のだって割り切らなきゃいけない場面はあったでしょ」

 

「サアヤは現実主義よね。私はテルくらい目標がある方がやる気出るけど」

 

「サアヤは将来設計をちゃんとやるタイプなのよね。テル君との将来も今から色々と考えて……」

 

「それはいま関係ないでしょ!」

 

「なるほど。専業主婦になるか共働きかで悩んでるんだな。うんうん」

 

「それはちょっと……って、だから今は関係ないって言ってんでしょ!」

 

「都田先輩はボケなのかツッコミなのかわかりませんね」

 

「サアヤ姉はツッコミですかねぇ」

 

「ぼ、暴力はやめましょう!」

 

 インターバルも1分程度しかないので、いつまでも祝杯ムードでいたり、プロミ戦を引き摺ったりも次の戦いには不要。

 そんな意味で暗に頭を切り替えようとテルヨシから次の戦いでの目標を掲げ、それにサアヤを中心にミニコントが発生。

 みんなに弄られてわなわなと震えてテルヨシを筆頭に手が出そうになるサアヤをシズクとユリがなだめに入ってなんとか抑え、脱線した話を元に戻していく。

 

「全員生存はまぁ、みんながその気でいれば勝率も上がるはずだから否定はしないわ」

 

「サアヤは素直じゃないんだから」

 

「サアヤはツンツンのデレですからな」

 

「ツン成分が強いのにそれでもテルは好きなのね。やっぱりMなのかしら」

 

「否定はしない!」

 

 せっかくサアヤが戻したのに一瞬で脱線させる辺りがテルヨシ達だが、そんなやり取りをしていたら次の領土戦が始まって加速してしまい、これはフィールドで余裕があったら何か言われるなと思いながらフィールドに降り立つ。

 領土防衛戦2戦目の相手は、視界右上の表示を見る限り青のレギオン《レオニーズ》だ。

 相手が誰であろうと勝つのみ。そんな意気込みと共に行動を開始したテルヨシの体は驚くほどに軽かったのだった。

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