ユーノ・スクライア彼は今焦っていた。
時空管理局に届ける危険なロストロギアジュエルシードが輸送船の故障から管理外世界に落ちてしまったのだ。
管理外世界97番地球には魔法文明は無く万が一暴走すれば多大な被害を撒き散らす事は確実。責任感の強いユーノは単身地球に降り立った。
「僕の責任だ早く回収してどうにかしない…」
言葉が詰まる目の前の惨状にユーノは言葉が出ない。彼の目の前には身体いたるところが抉れ腐り臓物が覗いている少女の死体が転がっていた。
「そんな間に合わなかった…僕の、僕が不甲斐ないから」
「大丈夫かい君?」
誰かに硬い何かで肩を叩かれ声を掛けられる。
こんな近くにまだ一般人がいるなんて、何とかしないとさらなる犠牲者が‼︎
恐怖と後悔を押し退け振り返ったユーノは。
「ギャァァァァァァァア、オバケェェェェ‼︎」
「イヤァァァァァァア、お化けどこ怖いよ〜!」
目の前に現れた腐った皮膚が所々にこびりついた骸骨に驚いて一目散に逃げ出した。
逃げられた骸骨は。
「おっお化け怖いよ〜、ゾンビちゃん帰ろ早く帰ろうよこんな所で死体ごっこなんてしてないで」
さっきまでピクリとも動かなかった少女の死体がむくりと顔を上げ。
「アー、オナカスイテウゴケナイ、シンセンナオニクチョウダイ」
死体と骸骨から一目散に逃げたユーノは森の中で迷っていた森の中には大小様々で色もカラフルなキノコが生えていた、それこそ大きなものでは二階建ての家くらいありそうだ。
中にはキラキラと様々な光を発光して森を照らすキノコもある。
「ここはどこなんだ、こんなキノコ見たこともないよ」
近づいてみると光るキノコの近くにユーノの背丈ほどもある蝿が集まっていた。何があるのかと近づいてみると突然キノコの傘がグパリと開き無数の牙のある口から赤紫のマダラ模様の舌が伸びると周囲の蝿を数匹巻き込み飲み込んだ。
「うわぁ!」
びっくりして飛び退けば背後に何かにぶつかり、恐る恐るみるとそこには巨大な芋虫、頭だけでユーノと同じくらいの大きさに胴体だけなら電車の五両編成ほどだろう。
芋虫は口を開くと。
「おや、珍しい人間さんどうしたのかな?迷子かな?
急がないとお茶会が終わってしまうよ。白ウサギを探すんだ。大丈夫お茶の香りに誘われて飛んでる蝶の後を追いなさい」
「は?…ぇ?」
「さあさあ行きなさい夜の間人間さんはここに居ては行けないよ。
怖い怖いレッドキャップが追いかけてくる♪
ジャバウォックを引き連れやって来る♫
迷いの森で迷ったら、蝶の羽ばたき紅茶の香り、布告ウサギのラッパの音色♪
ティーパーティには帽子屋ハッタの…」
歌いながら口を開き追いかけて来る芋虫に恐怖したユーノは必死に逃げる。
光るキノコの明かりに、紅茶の香りに誘われた蝶の後を追い駆けるユーノ。
いつしか森は終わり、ひらけた草原にはラッパを持ったうさ耳少女がいた。ユーノが森を抜けたのを確認すると手にしたラッパを高らかにふき鳴らし。
「これより、不可思議・不思議・面白可笑しくマッドティーパーティを開催します。
主催者の帽子屋ハッタさんご挨拶をお願いします」
「あっあの、ここはどこですか?僕は探し物があってジュエルシードって言うんですがとても危険なものなんです」
「危険なものだって?それは素晴らしい聞いたかい三月うさぎとっても危険なんだって」
「聞いたよ聞いたよ〜危険なものだって?それは素敵だ大好きだ、これからきっと素晴らしいことが起こるんだよこうしちゃいられない」
「どうするんだい三月うさぎ?」
「決まってるだろ面白おかしくするのさ」
突然聞こえた声に振り返ればそこに森は無く丸太で組んだ家の前で広げられた長テーブルの端と端にいる2人が楽しそうに話している。
片方は白いスーツに頭に不釣り合いなほどカラフルで大きな帽子をかぶり手にしたステッキをくるくる回す。
片方の浅黒い肌のうさ耳少女はユーノが探し求めていたジュエルシードを手にして、歯を見せニシシと笑いながら虫眼鏡を取り出しジュエルシードを覗き見る。
「ちょっと何してるんですか!危ないですよ」
「何を言ってるんだい?ここは不思議の国おかしなことなんて山ほど起こるさ。
そうそう聞いてくれよ昨日犬を振る尻尾が鳥を飛ぶ空を取ろうと必死にジャンプしてたんだ。そしたらどうなったと思う?なんと空から飴が降って鉛筆が落ちてきたんだ
鉛筆の天ぷらは最高だね消しゴムおろしをたっぷりかけて墨汁で味付け、サクサク食感たまらない今日のお茶請けにも用意したんだ是非食べて見てくれよ」
「そんなもの食べられるわけがない!ふざけてないでそのジュエルシードを渡してください‼︎」
わけのわからない頭がどうにかなりそうな話をそっちのけでジュエルシードを覗き込む少女は突然立ち上がると、ジュエルシードを高らかに放り投げた。
「ああ、何をしてるんですか」
「ニシシ、お茶会に余興はつきものさ♪夢見がちなお坊ちゃんお嬢ちゃんおいで願えよ対価を払えよ♫お茶会呼ばれてお茶しないないんて許されない♬」
ジュエルシードはお茶席を照らすランタンの中に入り、ユーノはいつの間にか椅子に座っていた。
「なんで?」
「心配ないさ♪布告ウサギのラッパの音色高らかに♬ここは不思議な夢の国目覚めりゃ全てが始まるよ♫悲劇を喜劇にバッドエンドをハッピーエンドに♪さぁ物語を始めよう」
三月うさぎと呼ばれた少女の歌を聴きながらユーノの意識は徐々に薄れていく。
(もうわけがわからないよ、誰か助けて……)
☆
「ジリリリリリリリリ」
軽快な音色を奏でる携帯が1人でに飛び跳ねると待ち受け画面のなのは・アリサ・すずかが喋り出す。
「「「ジリリリリリリリリ
起きてよなのは朝だよ今日もいい天気だ!
天気予報では今日は一日晴れみたいだね、今日のなのはの運勢は素敵な出会いがありそうだって!
さあ、今日も素敵な1日が始まるよ。
ジリリリリリリリリ」」」
「あぅ、うるさいのせめて1人だけ話してほしいの。頭に響くぅ〜」
「わかったよ」「なのは」「学校の支度は」「君が寝てる間に」「リニスが済ませたよ」
「にゃ〜」
「おはようリニス携帯さん、う〜変な夢を見たせいか寝不足なの…ご飯食べてくるの」
なのはは階段を降りて洗面台の前に立つと、鏡に映ったなのはが勝手に動き出し、洗面台から様々なものが飛び出してくる。
「おはようなのは朝の支度をしましょうか」
イメージとしてはおばあちゃんの声だろうか優しい声がなのはに挨拶をするとブラシが踊り寝癖を整え、水道から出た水はなのはの顔に纏わり付いて目やにや寝汗を拭っていく。水やブラシがなのはから離れれば用意は全て終えていた。
「出来ましたよ今日も可愛いなのはの完成ですよ、ご飯を食べてきてください」
「ありがとうなの洗面台さん」
お礼の言葉を受けてお礼をすれば鏡の中のなのはも綺麗なお辞儀をしてその姿は見えなくなった。
「おはよう、お母さん」
「おはようなのは」
なのはを迎えたのはまだ二十代前半でも問題ない、それどころか高校の制服すら似合いそうな女性。
高町桃子なのはの母親。
なのはが席に着けば家族全員が揃う。目の前の空の皿には家族全員の「いただきます」の合図と共に作りたての料理が並び皆んなでそれを食べ。
食事が終われば食器は1人でに動き出し、同じく勝手に動くスポンジが洗い始める。
これがごく一般的な朝の光景、海外から来た外国人はかなり驚くらしいがなのはにとっては不思議だが見慣れた光景だ。
アリサちゃんとすずかちゃんと一緒の猫バスに乗り朝の学校に着けば話題は昨日の迷いの森の話で持ちきりだ。
放課後迷いの森に行くことを約束してなのは達は学校に向かった。
放課後なのは達は迷いの森を歩いていた。
「ここら辺のはずよねゾンビちゃん達が見たのって」
「そうだね、でもドクロちゃんをお化けと見間違うなんてきっと外人か異世界人かな」
「ここら辺は童話組のテリトリーだからきっと大変な目にあってると思うの最悪クエストに取り込まれてるかもしれないの」
森の中を何か異変がないか見て歩くなのは達、不思議なキノコや大きな虫を避けながら進むと少しひらけた場所にオコジョとその横にランタンが置いてある。
すずかとアリサはオコジョに駆け寄ったがなのははランタンから目が離せず、フラフラとそのわずかな明かりに誘われるように手を伸ばしランタンに手を触れた瞬間なのはの目の前に一枚の羊皮紙が現れ。
☆
クエスト〜ジュエルシードを探し求めて〜
少年が無くしてしまったジュエルシードを全て集めよう!
ジュエルシードを全て集めこのランタンに納めればウロボロスが一つだけ願いを叶えてくれるよ。
ルール1
使用していい魔法はミッドチルダ式の魔法のみクエスト中はそれ以外の魔法や異能は禁止。
ルール2
クエストに参加出来るのは地球上ではプレイヤーが認めた人だけ。
ルール3
ハッピーエンドを目指そう!
愛故に狂った女性に奇跡を。
愛してと作られながら愛を受け入れてもらえない少女に笑顔を。
悠久の眠り姫に再びの灯火を。
ルール4
一つでも達成できなければ最初からやり直し!
ルールを守りゲームをやり遂げることをここに誓います。
プレイヤーネーム高町なのは
童話組所属布告ウサギのラッパの音色に誓いゲームを開始します。
☆
「にゃ〜!クエスト発生させちゃったの〜‼︎」
一応完結目指そうかな。