「はあ〜」
なんでよりによってお前なんだよと言わんばかりの表情で声の主の方を見た。
「あらあら妹紅とうとう頭までおかしくなったのかしら?でも安心して永遠亭はすぐそこよ、永琳に見てもらったら?」
輝夜は可哀想なものを見る目で妹紅をまじまじと見ていた。
「その目やめろ!これには深いわけがるんだ!」
妹紅の訴えも虚しく輝夜はただただ微笑んで、うん、うん、と頷くだけだった。
「もこたんこの人誰なん?」
「あー蓬莱山輝夜っていうやつだ、一応月の姫だ」
「どーもーお姫様でーす」
「今かぐやって言ったのん?それにお姫様、まさか!かぐや姫なのん!?」
「ハローかぐや姫でーす」
「もこたんすごいのん!ほんとに竹の中に人いたん!やっぱり竹の中に人はいるもんなのん!」
れんげは大はしゃぎでぴょんぴょん跳ねていた。妹紅としては少し複雑だったがれんげが嬉しいならよしとしよう、そう思うもこたんであった。
「あなた見かけない子ね、名前は?」
「うち宮内れんげ!みんなからはれんちょんって呼ばれてるのん!姫のことは ぐうやんって呼ばせてもらいますん!」
「あらあらさっそくあだ名をくれたのね、ありがとうれんちょん」
「輝夜この子は紫が外から連れてきたんだ・・・」
「・・・まあだいたいそんな感じだと思ったわ・・・れんげちゃんこれから慧音ともこたんに面倒見てもらうのね?」
「そうなのん!2人ともすごく優しいからうち大好きなのん!」
「ちょっともこたんと向こうで大事なお話して来るかられんげちゃんはそのたけのこ見張っててね、もしかしたら私みたいなのが中から出て来るかも〜」
「見てるん!見てるん!」
輝夜は妹紅を連れてれんげに声が聞こえないところまで行き、
「あの子ほんとにここでおいておく気なの?早く博麗神社に行って外に返してやりなさいよ」
「もちろん朝一で行ったさ!でも・・・」
妹紅は今までの経緯と今朝神社で何が起きたかを話し、輝夜はそれを聞いて少し不機嫌になった。紫が彼女を帰すのを拒む理由、それは単なる餌ではなく何か思惑があるに違いない、しかし妙なことがあるれんげが食べられてしまった元も子もない、どうして森の中に放置したのか・・
輝夜自身紫はあまり関わりたいタイプではなかった、常に手のひらで誰かを踊らせ自分は安置にいるそういうくえない奴は苦手なのだ。
「妹紅あの子きちんとめんどう見なさいよ!」
「わかってるよ、てかやけに真剣だな」
「あらあら私こう見えて子供は好きよ、特に面白い子は大好き」
「そうかそれなら良かった・・・1つ頼みごと聞いてくれないか?」
「うわあ!珍しいもこたんが私に頼みごとなんて!」
輝夜はオーバーなリアクションをとった。
「もこたんいうな!・・・・霊夢の行方と紫の思惑を探りたい」
「ええ、そうね・・・わかったわ永琳に頼んでみる、それに優曇華とてゐにも手伝わせるわ」
「ああ、ありがとう」
「この借りは高いわよ・・」
「できれば割引してもらいたいな」
輝夜もれんげが気に入ったようだ、これでこの竹林の安全は確保できた。妹紅は内心不安だったこの竹林でもしれんげとはぐれでもしたら、そこで妖怪にでも襲われたら・・・しかし永遠亭の姫の協力があるなら心強い、なんだかんだで妹紅は輝夜の実力を認めている。2人の話も終わったのでれんげのいるところに帰ってきた。
「お話終わったん?」
「ええ終わったわよれんちょん、たけのこ見ててくれた?中に人入ってた?」
「入ってないのん!だからこのたけのこはセーフ!」
「よし!じゃあ掘るか!れんげ!」
「あい!」
妹紅とれんげはたけのこを掘り、それを輝夜は微笑みながら見ていた。こうしてみると普段殺し合いをしてる仲とは思えない。この状況は輝夜と妹紅にも悪くはないはずだ、同じ蓬莱の薬で不老不死になった身、これから友達はたくさん死んでいく。そして1人残される、そんな時に助け合い、慰めあえるのは同じ状況の者だけだ。それにもう1,000年以上も前のこと言い合っていても仕方がない、妹紅にはそういう気持ちが芽生え始めていた。
「もこたんだいたい掘れたのん、鍬で切るん」
「あっ、ああ!そうだな!でかしたぞれんげ!」
今日の夕食分のたけのこは取れたので慧音のところへ戻ろうとした時、
「ねえもこたん、私も夕食一緒にいいかしら?」
「え?」
妹紅は思わず素っ頓狂な声を出してしまった。輝夜が私と夕食を一緒に?これは何かの罠か?と思い少し警戒した妹紅であったが、
「私れんちょんのお話聞きたいわ、ちょうど退屈してたしいいわよね?れんちょん」
「うおおお!かぐや姫とお食事なのん!総理大臣や大統領レベルなのん!」
「ふふふ、ありがとう」
「れんげがそういうなら・・・変なことすんなよ・・・」
「はーい」
こうして輝夜、妹紅、れんげは慧音の家に向かった。れんげは蛮奇と一緒にいた時に歌っていたあの摩訶不思議な歌を上機嫌で歌いながら歩いていたが後ろの2人は案の定、ひどい歌だ、思っていた、しかし聞いていても自然と不愉快ではなくむしろいつもギスギスしていた2人を和ませた。れんげは今日も元気であった・・・
次回 寺子屋に行くことになった お楽しみ下さい。