げんそうびより   作:イナバん

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にゃんぱすー


帰ってきた

ここは人間の里、いつもは穏やかな夜だがこの日は違った。自警団が招集され物々しい雰囲気になっていた、原因は1人の少女の消息が不明になったことである。宮内れんげ、彼女は友達とお花畑に行くといい、そのまま行方不明になった、彼女の友達の証言によると昼寝から起きたらいなくなっていた、と・・藤原妹紅は慧音の家で何度も、何度も、私のせいだ、と言い続けた。慧音はそれを黙って見ることしかできなかった、たった3日だったがれんげとの日々はとても明るく楽しいものだった、だがそれももうない、夜になっても戻って来ないことは妖怪に捕食されたことを意味する。最初にきた時は会ったのが蛮奇だったからよかった、だがそんな幸運が2度も続くとは思えない。もうあの楽しい時間は帰ってこない、そう思うと妹紅はいつの間にか泣いていた。慧音は黙って妹紅の頭を撫でていた。

 

「うぅ、れんげ・・・れんげ・・・私があの時寝なければ・・・私がもっとれんげのことを見ていれば・・・」

 

慧音は妹紅の声とは別に外の方が騒がしいことに気がついた。どうやら入口の方らしい。

 

「妹紅、入り口の方が騒がしい・・・行ってみよう」

 

そういい、半ば強引に外に連れ出し2人で出口の方へ向かうと・・・

 

「ででん、でん、ででん、ででん、でん、ででん」

 

れんげの声がした、人ごみをかき分け進むとそこには、

 

「あいむばっくなのん」

 

ルーミアと手を繋いでれんげが戻ってきた、それを見た妹紅はれんげを抱きしめまた泣き出した、よかった、本当によかった、と何度も何度もれんげの頭を撫でた。

 

「けーねん、もこたん、心配かけてごめんなのん」

 

「れんげ、あんまり心配させるな・・」

 

慧音も安心したのか気がつくと涙が流れていた。

 

「ふふふ、れんちょん愛されてるね」

 

「それにしてもルーミア・・なんでお前が?お前が助けてくれたのか?」

 

慧音は意外そうにルーミアの方を見た、

 

「結果的にそうだけどお礼はいらないよ、最初は食べるつもりだったし・・・」

 

ルーミアは事情を慧音と妹紅に話した、妹紅はかなり不機嫌そうに聞き、慧音はそれを落ち着かせながら所々ルーミアに質問した、

 

「じゃあルーミアはどうしてれんげを食べなかったんだ?」

 

「うーん・・・さあ?」

 

「お前がもしれんげを食べていたら今頃灰にしてたよ」

 

妹紅がルーミアを睨みつけた。

 

「まあまあ妹紅、もういいじゃないか、それよりれんげ、怪我してないか?」

 

「大丈夫なのん、でもルーミンがトラバサミで足を怪我したのん」

 

「ああ、これ?大丈夫だよ、大したことないよ」

 

「いやせめてものお礼だ、簡単な手当てをさせてほしい」

 

そういい慧音は自分の家から救急箱を取ってきて簡単な止血と、傷薬をぬった。

 

「大丈夫なのに・・」

 

「まあそう言うな、過程はどうあれ助けてくれたことには違いない、ありがとうルーミア」

 

ルーミアはかなり照れた、人からお礼を言われるのがこんなに嬉しく、歯痒いものだと思わなかった。

 

「ルーミア、その・・・れんげを助けてくれてありがとう、でも食べようとしたことは許さないからな」

 

妹紅もなんだかんだと言いながらもルーミアに少しは感謝している。

 

「じゃあれんちょんバイバイ」

 

「ルーミン!また遊ぶのーん!」

 

この後れんげは慧音に妖怪の恐ろしさ、女の子が1人でフラフラ山の中に行く危険さを長々と説教されたが、本人はかなり疲れていたようで正座のまま寝てしまっていた、慧音は呆れて物も言えず、そのままだと足は痺れるし、風もひくと思ったので抱きかかえて布団まで運んだ。

 

「慧音、れんげの説教はもうすんだのんか?」

 

「正座のまま爆睡されたら何も言えん」

 

こうしてれんげのちょっぴり危険な冒険は終わった・・・

 

 

 

 

朝になりれんげは慧音にお風呂に入れられた、昨日爆睡したせいで風呂に入らずに寝てしまったからだ。

 

「さあ、れんげ!今日も張り切って授業だ!」

 

「おー」

 

だるそうにれんげは答えた。やはり昨日の疲労が残っているせいか少しフラフラしながら慧音と一緒に寺子屋に向かった、その途中向こうから必死にれんげの方へ走ってくる女の子がいた。

 

「れんちょーん!」

 

「あっ、ともちん、にゃんぱすー」

 

「よかったー!もう会えないかと思ったよ!」

 

少し涙ぐみながられんげとハグして、

 

「みんな大げさなのんなー、うちは必ずここに戻ってくるのん、あいるびーばっくなのん!」

 

「うんうん!なんだかわからないけどれんちょんはやっぱりすごいよ!」

 

「2人とも再開を喜ぶのはいいがもう直ぐ授業だぞ」

 

れんげと、巴は手を繋いでものすごい勢いで走って行った。

 

慧音はれんげがずっとここに住んでくれたらいいのにと思い始めていた、本当はこんなこと思ってはいけないのに・・・しかしれんげは彼女たちの生活の一部になりつつあり、次第にはれんげを帰したくないと思うようになるのではないか?れんげも外の世界のことを忘れてこっちで生きて行くのではないか?そう最近感じていた。

 

「いかん!いかん!こんな考えでは紫と同じだ!私はれんげを外に帰すんだ!」

 

慧音は自分のほっぺを叩きながら喝をいれた。




次回、メイドが来た です。
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