人類最速の俺が逝く緋弾のアリア   作:じょーく泣虫

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やべーコトが始まりそうでやべー

アリアにボコされた後、若干腫れた顔を撫でつつ胡坐をかいてアリアを見る。

 

アリアは腕を組んで俺を見下ろしてる。

 

「アンタ、驚くほど弱いわね...」

 

「そう言わんでくれ、あまり戦いは得意じゃねーのさ。殴る蹴るなんて武偵高に来てから必要程度でしかやったことなくてな」

 

「ふーん」

 

アリアはとりあえず問題点を挙げる。

 

「まず、動きはいいけど攻撃が直線的。フェイントもない。とりあえず当たればいいやって感じで振ってるのが丸分かりよ」

 

「つってもよォー、俺そもそも肉薄して攻撃なんてしねーし...」

 

「じゃあ依頼の時、どうしてたの?」

 

「そりゃ能力使って轢き逃げみてーに」

 

「...その能力を使って格闘をしようと思ったことは?」

 

「いや無理無理。体が振り回されて独楽になるのがオチだ」

 

確かに何度か考えて、実行してみたが結局はダメで、結局全速力で掛けて飛び蹴りをするのが一番効果があると判断して終わった。

 

「最近は能力を使って戦ったことは?」

 

「理子とだな」

 

「それ以外は?」

 

「ない」

 

「じゃあ、もう一度あたしとやること。今度は能力使っていいわよ」

 

えー、まだやんのかよ。

 

「...明日じゃダメか?」

 

「時間はあるのよ、やらない理由はないわ」

 

ダメかー!

 

 

 

 

 

 

「さて、能力は使ってもいいレギュだったな」

 

「ええ、好きに掛かってきなさい」

 

俺とアリアは互いに向き合い、構える。

 

さっきと同じように、アリアが薬莢を放り投げて...落ちた。

 

キン、と音が鳴る。

 

瞬間、世界は加速した。

 

 

 

 

―アリア視点―

 

薬莢が地面に落ちる。さぁ、今度のハヤトはどれくらい動けるのか。

 

さっきと同じように、駆けようとした所で、目を見開いた。

 

―ハヤトがいない。

 

吹き抜ける風を感じて、下に目線を持っていく。

 

「お、おおおっ!?」

 

そこにはハヤトがいた。両足でブレーキを掛けて、蹴り込むタイミングをうかがっている。もしかしたらもう蹴る体制に入っているのかもしれない。この勢いのまま蹴られでもしたら。

 

―反応できない!

 

だが、そんな予想とは裏腹に。

 

ハヤトはそのままザリザリと慣性に引っ張られる形ですぐ近くまで来て、顔を上げた。

 

目があった。ギラギラしている。

 

―やられる

 

そう思ったが、次の瞬間にはハヤトは目の前からいなくなっていた。

 

―どこに、いったの?

 

困惑しているとズパァン!うっぶぇ!という音が聞こえた。

 

音の方向に顔を向けると、壁に体をぶつけて、へにゃへにゃと足から崩れ落ちていくハヤトの姿を見た。

 

「えぇ...」

 

 

 

 

 

―隼人視点―

 

―よし、一丁やってやるか。

 

グンッと加速していく。初速はやっぱり速くなっている。3歩踏み込んだ所で、蹴りの射程内に入る。

 

このまま、バック転からの蹴りをあてて、逃げる。それが俺の作戦。まともに遣り合わない。

 

そんな事を思いながら、しゃがみ込む。が、ザリザリと音を立てるばかりで体が止まってくれない。

 

「お、おおおっ!?」

 

―やっぱ無理か!

 

アリアの方に顔を向けると、アリアが此方を捉えているのが見えた。加えて今はしゃがんでる状態。

 

「っ!」

 

とりあえず、攻撃を諦めて離脱することにする。

 

左側に、全力で移動して。壁にぶつかった。

 

ズパァン!

 

「うっぶぇ!」

 

―なんで、また...壁なんだぁ。

 

壁にへばり付いたまま、未だ能力に振り回されている事に予想以上のショックを受けてヘニャリと足元から崩れ落ちた。

 

「えぇ...」

 

後ろの方でアリアの呆れる声が聞こえた。俺だって好きで壁にぶつかってる訳じゃねーんだぞ。

 

 

 

 

 

射撃の腕も見せて、能力単体での暴走っぷりを見せて。

 

すっかりと日が暮れてしまったので、寮に帰ってきてキンジの部屋にいる。

 

「とりあえず方向性を決めるわ」

 

「はい」

 

「自分の能力でしょ、自分で制御できるようにしなさい」

 

「はい」

 

「それと、自分に見合った格闘のスタイルを覚えること。これが出来ないと理子のようなイ・ウーの連中と渡り合うのは不可能よ」

 

「はい」

 

「最後に、自分の能力を使いながら、格闘戦が出来るようにしておきない」

 

銃の扱いは巧いんだから自信を持っていいわ、と最後に褒めて、アリアはソファに座り込んだ。

 

「話は以上よ。はいコレ」

 

「なんだこれ」

 

「DVDよ、格闘技の大まかな特徴と解説がされている特集みたいなやつ」

 

「これでどーしろと」

 

「アンタがこれだと思うモノを見つけなさい。見つけたら後は覚えて、磨いていく。アンタの戦い方は身体能力に助けられてばかりよ、技術を身につけなさい」

 

「ういっす」

 

その言葉を最後にキンジの部屋から帰っていく。

 

自室に帰ってからは、DVDを見ることにした。

 

 

 

「これといって、これだって感じのは...ないなぁ」

 

全部見てはみたが、何個かいいのがあるなと思った奴がある。だが、その格闘技がいいって話じゃない。技が良かっただけ。軍隊式のCQCやらシステマやらも見たがいまいちピンと来ない。

 

―気まぐれに動画でも見るか。

 

巨大動画投稿サイトの新しく投稿された動画を見ていると、珍しい動画が目に映る。

 

なんとなく、これから見始めてみるかと思い動画を再生した。

 

 

 

「これ、使えるんじゃねーか...?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝。

 

コレならなかなかいい戦い方ができるんじゃないだろうか。そんなことを思いながらアリアに相談すると。

 

「随分面白いこと考えるわね?」

 

「だろ?」

 

「...一見馬鹿っぽいけど、そういう戦い方のほうが不意をつけるのかも」

 

「バカってひでーな、俺ぁいたってマジメちゃんだぜ」

 

「その返しが馬鹿なのよ」

 

クスクスとアリアが笑う。

 

「まぁ、でも。やるからには、真剣にやりなさい」

 

それがアンタの命を救うことになるかもしれないから、とアリアが言った。

 

「ああ、やってやんぜ」

 

「じゃあ早速、特訓ね」

 

「え゛」

 

「実戦経験は多い方がいいでしょ?」

 

そうして、朝は過ぎていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かったるい午前の授業も終わって昼休みになる。

 

教室から人が溢れるように出ていく。その流れに乗る形で教室から出ていき、食堂へいく。

 

「おばちゃん、からあげ定食ね!」

 

「はいよ!ご飯とサラダ、大盛ね?」

 

「よろしくぅ!」

 

やっぱりおばちゃんはよく分かってる!

 

「はいお待ち!からあげ、一個サービスね」

 

バッとトレイを見ると、確かにからあげが一つ多い。しかも結構大きいぞ!

 

「ありがとーおばちゃん!」

 

「男の子はいっぱい食べないとね!」

 

先に座っていた不知火と武藤と合流して話をしながら、からあげ定食を頬張る。

 

「そういえば、今日は遠山くんと神崎さんはいないみたいだね」

 

「ああ、あいつらなら...調教?特訓?をするとか言って屋上にいるはずだ」

 

「え、マジでやってんの?」

 

「特訓をな」

 

「調教は?」

 

「いや知らねーよ。俺キンジと相部屋じゃねーし」

 

昼飯を食い終え、教室に戻る途中でキンジとアリアを見つける。

 

2人はどうやら掲示板を見てるようだった。

 

「おーす、何してんだ」

 

「あ、ハヤトか」

 

「ハヤト、アンタも来なさい」

 

「へいへい、行先は何方で」

 

「教務科よ。あの凶暴女が呼びだされたから弱みを握りにいくわ」

 

...えっ

 

ダッガシッヒシッ。

 

踵を返して何も見なかったし聞かなかった、俺は関係ないと思いつつ走り始めた1歩目でアリアに服を掴まれる。速い...!そのあとキンジが腕に抱き着いてきた。

 

「やめろぉ離せぇ!誰があんなトコいくか!」

 

「潜入するだけよ、真正面からいくわけじゃないわ」

 

「頼む!俺を1人にしないでくれ!」

 

「離せ!離せコラキンジ!オメーは一人じゃない、アリアがいんだろ!?」

 

「男は俺1人だろうが!」

 

「それこそ知らねーよ!」

 

「時間がないから行くわよ」

 

 

 

―たく、なんでこんな事に...。

 

アリアとキンジと、ダクトの中を現在進行形で進んでいる。どうでもいいけど一番後ろにいるのが俺だ。

 

目の前にいるキンジとアリアはダクト内だろうとイチャつき始めるからもうほんと辛い。しょっぱい水が出てくる。

 

そうしてしばらく進んでいると、アリアが星伽を見つけたらしい。

 

キンジとアリアが見るだけで、俺のスペースはない。まぁいいんだけどよ。

 

それからしばらく話を聞いていたアリアが、突然ダクトの通風口のカバーを開けて、飛び降りた。

 

キンジも少し遅れて出ていく。俺は、ここで待ってるとするか...

 

「ハヤト、アンタもきなさい」

 

「はい」

 

言うが早いか、すぐに通風口から飛び降りて着地する。

 

目の前には、たばこを吸ったちょっとラリってる感じの女―綴先生がいた。

 

2-Bの担任で、尋問科の教諭。ちょっとどころかけっこーやべーやつ。

 

「あー?こないだのハイジャックのトリオかぁ」

 

「センセー、違うぜ」

 

「んー?」

 

「カップルと1人だ」

 

「そっかぁ」

 

「いやちげーよ?」

 

そんな風に少し空気を和ませつつ、そそくさと退散しようとしたが。

 

「んん、改めて言うわ。星伽白雪の護衛、あたしが受け持つわ」

 

「ふーん...神崎・ホームズ・アリア。二つ名は『双剣双銃(カドラ)』。欧州で活躍したSランク武偵。書類上では功績は全部ロンドン武偵局が持って行ってる、協調性がないからだマヌケェ」

 

アリアの情報を喋り始める綴先生。さっきまでダウナー系だったのに結構すらすら喋ってる。最初からそうすりゃいいのにとか思うのはダメだろうか。

 

「欠点は、およ「わあああああ」あーうっさい」

 

「浮輪があれば大丈夫よ!」

 

―そっかぁ、泳げないのかぁ

 

自爆したアリアを尻目に綴先生はキンジを目で捉える。

 

「こっちは遠山キンジくん...性格は非社交的で、他人から距離を置く傾向有り。しかし、強襲科の生徒には遠山に一目置いてる者も多く、潜在的に一種のカリスマ性を持ち合わせているものと思われる。解決した事件は猫探し、ANA600便のハイジャック...なんでやることがこう極端なのか」

 

そして、キンジの違法改造された銃を注意して、視線は俺にとまる。

 

「えー...冴島隼人。S研の問題児。依頼の迅速な達成は褒めるべき点ではあるが、問題点の方が多い。射撃能力は高く、評価する者も多いが本人は使うのを嫌っている。理由は自分より拳銃弾の方が速いから。格闘能力が滅法低いが、その身体能力の高さを活かしある程度のカバーは行える。銃はS&W Moedl460XVR 8.38インチモデル。社交性はそこそこ。欠点は遅いと言われるとキレる」

 

そう言い終わると。アリア、キンジ、俺を頭の先から足までじっくりと見て、星伽に振り向く。

 

「だってさぁー星伽ぃ。なんか知らないけどSランク武偵が無料でやってくれるって」

 

「嫌です」

 

星伽がすごい勢いで切り捨てる。

 

「やらせないと、コイツを撃つわ」

 

と言いながらアリアはガバメントを引き抜いて、キンジに突きつける。

 

綴先生はヒュウ、と口笛を吹いて面白がっている。

 

「き、キンちゃん...!」

 

ニヤリとアリアが邪悪な笑みを浮かべる。それでいいのか貴族。

 

「まぁ、待てよぃアリア」

 

「何よ」

 

「星伽...この依頼を受ければ、アリアと一緒にいるキンジも付いてくるぞ」

 

「おいちょっとまて」

 

「いいか星伽...メインディッシュはキンジで、アリアがおまけなんだ」

 

「キンちゃんが...本命!?」

 

「え?あ、ああそーだ...しかも、護衛となれば24時間...いつでも、キンジと一緒だぜ」

 

「―!」

 

「誰もやるなんて言ってないぞ」

 

「お願いします!私も、私もキンちゃんと一緒に暮らすぅうううう!!!」

 

軽くトリップしたような声を上げて星伽が依頼を出した。

 

 

 

 

キンジは、ちょっと白くなってた。

 

 

 

 

 

 

自分でやらかしておいてなんだが、やべーコトが始まりそう。

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