人類最速の俺が逝く緋弾のアリア   作:じょーく泣虫

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今しがた小説情報を見ていた所、お気に入り登録が100件を超えていて、UAが5000を超えていました。

評価してくれる人もいて、1人感嘆の声をあげておりました。

趣味の範疇を出ない駄文ばかりではありますが、 奮励努力して書き上げていきたいと思います。


水没はやべーって

ジャンヌはキンジ、アリア両名の合流に苦虫を噛み潰した表情をして、すぐさま剣を持ち距離を取って火薬棚の裏に隠れてしまう。

 

「ハヤトッ!アンタ斬られたの!?」

 

アリアが急いで駆け寄ってくる。キンジは星伽の方へ駆けようとして、ジャンヌにナイフを投げられ阻まれていた。

 

「ああ、でも大丈夫だ。俺なんかより、魔剣を...」

 

そう言いながらジャンヌとキンジの方へ目を向ける。アリアはすぐに刀で氷を砕いてくれた。

 

「キンジッ!気を付けろ!魔剣は、氷を操る!」

 

キンジに警告を入れて注意を促す。

 

「何!氷だっとぅぁ!」

 

だが、遅かったようでキンジが一歩後ろに下がり、距離を取ろうとした時には足と地面を氷で縫い付けられ転倒した。

 

「くっ、動けない...!これ、は...氷...!」

 

くそっ、とキンジの叫ぶ声が聞こえる。アリアはそれを見てすぐにキンジのフォローに入った。

 

俺も制服のネクタイを解いて斬られた部分に押し当てつつ端と端を交差させて縛る。

 

さっきアリアが氷を砕いてくれたおかげで、動ける。

 

立ち上がろうとしたその瞬間、非常灯の灯りが落ちる。

 

真っ暗な空間になり、シャッ!シャッ!と何かが空を切る音が2回聞こえた。

 

「ハヤトッ!ダウンッ!」

 

アリアが甲高いアニメ声で叫ぶと、言われるままに起こしかけていた体を横に転がして匍匐の体勢に入る。

 

そして数瞬後、俺の後ろに何かが落ちる音が聞こえた。

 

 

ちかり、と天井が光る。そして、ババババババッ!と次々に点灯していき、真っ暗な空間は眩しすぎるくらいの光量を得た。

 

「魔剣!出てきなさい!未成年者略取未遂の容疑、並び殺人未遂の現行犯で逮捕するわ!」

 

アリアが叫ぶ。ジャンヌは...姿を見せない。星伽も居ない所を見るに、火薬棚の裏に引きずり込まれたのだろう。

 

その火薬棚から、2本のナイフがアリア目掛けて飛んでいった。

 

アリアはそれを、風車のように日本刀を振り回してぎゃぎぃん!と弾く。

 

「何本でも投げて来ればいいわ、こんなものバッティングセンターと同じよ」

 

アリアはそう言いながら刀を構え直す。

 

直後、バタンと扉の閉まる音がした。

 

「......逃げたわね」

 

アリアはそのまま星伽の安否確認に向かい、途中でぴたりとその足を止め―

 

刀を持ち上げ、振るった。ぷつんと何かが切れる音がする。

 

そしてもう一度、刀を振った。またぷつんと音が聞こえる。

 

「...何をしたんだ?」

 

キンジは疑問に思ったのか、氷に縛られた状態でアリアに尋ねる。

 

「ピアノ線よ。私の首の高さに仕掛けてあった。今切ったのはキンジの分」

 

そして、と続けてアリアは少し跳躍して、ピアノ線を斬った。

 

「これはハヤトの首の高さに仕掛けられてたものよ。恐らく投げナイフで殺せなかったらこれを使うつもりだったんでしょう」

 

「なんて、用心深いやつなんだ...」

 

「いや、それだけじゃねぇ。あの一瞬の暗闇でそれを仕掛けた速さにも着目した方がいい」

 

「お前こんな時でも速さかよ」

 

「速さは大切」

 

キンジが呆れたように息を吐くと、白雪の安否確認に向かったアリアが戻ってくる。

 

俺もキンジも気を取り直して、真剣な表情になる。

 

「白雪は」

 

キンジが尋ねるとアリアがキンジを縫い付けてた氷をベキベキ砕きながら話してくる。

 

「無事よ、でも縛られてた。助けるわ、キンジ、ハヤト。協力して」

 

「分かった」

 

無事氷から解放されたキンジの近くまで来て、手を差し出す。キンジは少し視線を戸惑わせて、手を取った。

 

「さんきゅ」

 

「応。だが悪ィがキンジ、アリア。俺ぁ今右目がダメでな。あまり期待しないでくれ」

 

と言いながらネクタイを眼帯みたいにした部分を指差す。

 

「目は切られてないのね?」

 

「ああ、瞼も動く」

 

「そう、わかった」

 

アリアと短く会話を済ませながら星伽の方まで行く。

 

星伽は、壁際に鎖で縛られ、口を布で縛られて、んーんーと喉を鳴らしていた。

 

キンジが近づいて布を外す。

 

「キンちゃん大丈夫!?ケガしてない!?それに、冴島くんも!なんであんな無茶したの!」

 

星伽はキンジの容態を確認してから、すごい剣幕で俺を叱り始めた。

 

「俺は、大丈夫...だけど、隼人は...」

 

キンジは無事をアピールしつつ、やや目を伏せて俺の右目を見た。

 

「いやぁ、キンジたちが来るまでの時間稼ぎでもしてようかなぁって」

 

たはは、と笑いながら言う。

 

「だったら、陰で待ってれば良かったのに!私、冴島くんが傷ついてまで守るような人間じゃないよ!」

 

星伽が自分自身を乏しながら、俺を見る。

 

「俺がやりたくてやったことで、これはその代償だ。星伽が責任を感じることはない」

 

星伽にそう言って、一歩下がるがすぐにアリアに掴まれた。

 

「アンタ、そうやって単独行動をして傷を負うのは2回目よね」

 

「バスジャックの件もいれれば3回だな」

 

キンジが変な所でアシストを入れる。

 

「あ、お、おう...」

 

アリアの剣呑な雰囲気に押されややドモった返事になる。

 

キンジの方に目をやってヘルプを乞うがキンジも険しい表情をしていた。

 

「武偵憲章一条」

 

「はい?」

 

「武偵憲章一条を言いなさい」

 

アリアがドスの聞いた声で言う。

 

「な、仲間を信じ、仲間を助けよ」

 

答えると、アリアは覇気をそのままに、声を大きくして怒った。

 

「私たちが信じられないの!?どうして一人で行動するの!一緒に動けば、そんな傷負わなくて済んだかもしれないのに!」

 

「そうだぞ、隼人。俺も結構怒ってるんだからな」

 

キンジも怒気を見せつつ俺に叱りをいれる。

 

「い、いや...その...えっと......」

 

何かを言おうとするが、3人に詰め寄られ何も言えない。それに、正しいのはこの3人なんだ、謝らなきゃ。

 

「心配かけて、ごめん。でも星伽が心配で...ああっクソ。そう言うのは言い訳だよな...でも、その、えっと...」

 

3人は、黙って俺を見ている。顔にはまだ怒りの感情が強く見られる。

 

「...俺の、能力は速さなんだ。速さしかないんだ。だから、えっと、先に様子を見て一度退いて、オメーらが来るまで待とうかとも思ったんだ」

 

―だけど。

 

「だけど、オメーらなら、キンジとアリアならすぐに来てくれるって思ったんだ。その為の根回しもした。あわよくば、弱らせて、合流して。アイツを逮捕してやろうと思って突撃したんだ」

 

その結果がこれだけどな、と言う。アリアは掴んでいた手から力を抜いていき、俺は解放される。

 

「そう。でも、もう無茶はダメよ。必ず私たちと一緒に行動しなさい」

 

「ああ、そうだ。俺とアリアのコンビじゃない。お前も居て、チームなんだ」

 

キンジとアリアが顔を少し綻ばせて、キンジは若干恥ずかしそうに、ぽりぽりと頬を掻きながら俺に告げた。

 

「......ありがとう、な」

 

真正面から言われると意外と恥ずかしく、照れ顔を見られたくなくて、少し顔を背けて、でもすぐに真正面を向いて礼を言う。

 

アリアとキンジはそんな俺の言葉を聞いて、ニッ!と笑った。

 

 

 

 

 

「あの、良い雰囲気の所ごめんね?でも、あの、鎖を...」

 

『あっ』

 

星伽の一言で我に返り、俺たちは硬直する。そしてすぐに警戒態勢に入り、3人で武偵手帳に付いてる解除キーで解錠を試みるが中々上手くいかない。

 

解除をしながら、アリアが星伽に話しかける。

 

「魔剣の姿を見た?」

 

「ううん、私の方はフードで顔を隠していて、よく見えなかった。名前だけは教えてもらったけど」

 

「ああ、魔剣なら姿といい本名といい見たし聞いたぜ」

 

そこで俺が会話に加わる。

 

「魔剣の名はジャンヌ・ダルク30世。見た目は銀髪碧眼で美人だった」

 

「ジャンヌ・ダルク!?10世の頃に火刑で死んだはずでしょ!」

 

2人とも驚いている。

 

「どうやら影武者が死んだだけで、本物はずっと陰に隠れていたらしい。そして、隠れながら超能力を代々研究し続けていたようだ」

 

にしても全然解錠できねーぞコレ。どうなってんだ。

 

「でも、おかしいわね。魔剣は決して姿を見せないはずなのに」

 

「冴島くんはジャンヌに直接勧誘されてた。多分本気で引き抜くつもりだったと思うよ」

 

「あたしの仲間に手を出すなんて良い度胸してるわね...でも、仕方ない、ジャンヌはあたしが追いかけるわ、キンジとハヤトはそこで白雪の鎖を外してあげて。アイツはあたし一人で十分よ」

 

アリアが言うと同時、ズズンという音が響く。

 

嫌な予感がして全員でグルリと辺りを見渡すと、視点は一点に集中していた。

 

それは床の排水口で、そこから水が逆流していた。

 

潮の匂いがするあたり海水で、何処かの排水系統を壊したんだろう。

 

―不味い、バレてる!

 

「おいマズいぞ、アリア。バレてる」

 

「なんの話よ」

 

キンジがそう言うとアリアは少し顔を赤らめて、『言わないで』と目で訴えかけていたが、それは無慈悲にも裏切られる。

 

「お前泳げないだろ」

 

「う、浮輪さえあれば!」

 

「そんな便利なものここにはない」

 

話をしている間にも噴き上げる海水の勢いは増していくばかりで、この広い地下倉庫も水没するのは時間の問題だと思う。

 

「キンジ、ここが水に浸かるまでどれくらいかかる?」

 

「15...いや、10分だ」

 

俺とキンジは目配せをして、頷く。

 

「アリア、俺はここで白雪の解錠をする。隼人とお前で先に上に行ってくれ」

 

「ダメよ、見捨てろっていうの!?」

 

アリアがキンジの提案に反対する。

 

「違う、そうじゃない!これは、退避じゃなくて攻撃だ。2人がかりならジャンヌをさっさと倒して、鍵を持ってこれるはずだ。分かるだろ?」

 

キンジは真剣な表情で続ける。

 

「俺は、超偵との戦闘経験はない。だがアリア、お前ならできるはずだ。隼人もフォローしてくれる。頼む、行ってくれ!今は1秒でも時間が惜しい!」

 

キンジが語気を荒げ、アリアに伝える。

 

アリアは少し迷って、キンジに武偵手帳に付いてる解除キーを渡した。俺も同じようにキンジに解除キーを渡す。

 

それから、キンジに色々と伝えたアリアは足早に上にあがる為のエレベーターホールの方へ消えていった。

 

「キンジ、信じてるからな」

 

「俺もだよ」

 

キンジと短く言葉を交わして、俺もアリアの後を追う。

 

 

 

 

 

 

「...そんな」

 

先に行ったアリアを追いかけてエレベーターホール付近の所に行くと、上に上がる為の非常用の梯子の下半分が無くなっていた。

 

アリアの身長では、届かない。

 

「アリア、俺がいる。俺が持ち上げるから、お前は先に行くんだ」

 

俺がそう提案すると、すぐに梯子の前から退いてくれた。

 

両手をクロスさせ、腰を落とす。アリアが俺の肩に手を掛けて、足を手に乗せる。

 

そのまま勢いを付けて、グアッとアリアを上へ押し上げる。

 

俺の手が上がりきった所でアリアは跳躍し、梯子に手を掛けた。

 

そのまま上へと進み、地下6階に到達したアリアは、少し離れた後、戻ってきて周囲に敵影なしと合図をしてくる。

 

それを見て、一気に跳躍。残っている梯子の一番下の部分に手を掛けることができた。

 

そのまま懸垂の要領で2段目を掴み、地下6階の床へ手をついて、足を引き摺りだす。

 

周りを見渡すと、壁に『DANGER』やら『KEEPOUT』やらが書かれていない。ので、安堵しつつXVRを取り出す。ポーチから弾丸を取り出して、濡れた薬室に息を強く吹きかけて水気を飛ばし、弾を込める。

 

地下6階は、スーパーコンピュータ室で、大型コンピュータがズラリと並ぶそこは迷路と言ってもいい。

 

弾を装填し終え、アリアを前衛にして警戒しつつ哨戒行動に入る。

 

そのまま警戒をしつつ進んでいく。音の一つ一つを捉える為に、耳を澄ませる。

 

「―出てこないわね...やりあうつもりがないのかしら」

 

「...どう、する?」

 

しばらく進んだがジャンヌは一向に攻撃をしてこなければ、妨害もしてこなかった。

 

打つ手なし、かと焦っているとアリアが何か聞こえたのか、さっき俺たちが歩いてきたエレベーターホールの方を見ていた。

 

「キンジと、白雪の声よ。一旦戻りましょう」

 

「りょーかい」

 

アリアは前を、俺は後ろを警戒しつつ足音を立てないように、静かに、静かに移動した。

 

途中で、アリアからタップで停止の信号が送られてきたので、停止する。

 

アリアは警戒を緩めない。俺もアリアの方を気にしつつ、警戒を厳にする。

 

余りの静けさにどくん、どくんと自分の心臓の音が煩く聞こえてくる。

 

汗が出てきて、緊張で喉が干上がっていく。

 

そんな時に、大型コンピュータで出来た壁の向こう側から、微かに足音が聞こえた。

 

声を出さないように気を付けつつ、アリアが突入した。すぐさま壁際によりかかり、体を少し出して銃を構える。

 

そこにいたのは

 

「―キンジ?」

 

此方に銃を突きつけているキンジだった。

 

 

 

 

 

一応の合流はできた。星伽は―見つかってない。

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