人類最速の俺が逝く緋弾のアリア   作:じょーく泣虫

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キンジとアリアがやべープレイを始めた

まだ熱の引き切ってない教室に、ずぎゅぎゅんと2発立て続けに音が響く。

 

その音で途端に静かになる教室、集まる視線。その先にガバメントを構えたアリアがいた。

 

視線を集めたアリアは「れ、恋愛なんて......くっだらない!全員覚えていなさい!そういうバカなコト言うやつには―風穴あけるわよ!」とすごい物騒な事を言いだした。

 

あー、あの子ああいうノリなんだ。強襲科なんだろうな、と一人思案していると、ホームルームが終わった。

 

 

 

 

午前の授業も終わって昼休みが始まると、キンジが席を立ち何処かへ行ってしまった。

 

たぶんアリアに関わりたくないんだろう、俺だってそーだ、いきなり発砲するやべーやつとはあまり仲良くしたくない。見た感じジョークも通じ無さそうだ。

 

「さて、俺らも飯食うとするか。武藤、不知火、いこーぜ」と言い立ち上がった所でアリア

が俺の進路にずいっと出てくる。

 

「アンタ、SSRのサエジマ ハヤトよね?キンジと1年の時に一緒に依頼してた事はもう知ってるわ」などと言いだしてきた。確かに依頼をやったことはあるが2回くらいだったと思う。その2回ぽっちで因縁つけられたらやってられない。

 

「あー?ああ、確かに2回くらいはコンビでやった事もある。でもそれだけだ、それ以上も、それ以下もない」と答える。

 

2回、という部分を疑問に思ったのか一瞬何かを思うような顔をするアリアだったが次には此方を向いて「それで十分よ、キンジについて何か教えて」と、言ってきた。

 

「悪いがそりゃナシだ、武偵なら自分で探しな」と冷たく返すがこっちも昼飯を摂りたいのだ、悪く思わないでほしい。

 

その言葉に満足したか納得したかは知らないが、アリアは踵を返すと教室を出ていった。

 

「遠山くん、随分と神崎さんに好かれてるみたいだね」

 

「アイツにも春が来たんだな...」

 

と、不知火と武藤は言う。なるほど、確かにあのキンジを気になると言っているのだ。

 

これは好意的に見ればそういう関係になるのかもしれない。

 

だが忘れてないだろうか。

 

「オメーらよー、キンジには星伽がいるだろーが」と言うと完全に失念してたのか武藤はあ、と声を漏らしていた。お前1年の時星伽に結構固執してなかったっけ?

 

そんなこんなで昼食をとり、午後の授業を終え―放課後。

 

 

 

 

SSRに足を向けた俺はそこで知り合いを見つける―星伽白雪だった。

 

「あ、冴島くん、こんにちは」と人当たりの良さそうな笑顔でにこやかに挨拶をしてくる。

 

「おっすぅー、今日生徒会は大丈夫なのかー?」

 

「うん、今日はこっちなんだ」

 

「へぇ、ま、なんにせよ頑張ってな」

 

「ありがとう、じゃあ私こっちだから」

 

なんて、当たり障りのない会話をしながら星伽と別れ、中へ入っていく。

 

 

 

 

 

「さて、今日はどれだけ速くなるかな」

 

ニヤリと口が吊り上がるのが分かる。専用の計測所で行うのは、シャトルランのようなもの。

 

やることは単純。両側の壁に付いたボタンを走りきって押して、反対側のボタンまで走って押す。これをタイマーが鳴るまで繰り返すだけ。

 

「それじゃあ開始します。開始5秒前―...3、2、1、スタート!」

 

スタートの合図と共にグンッと世界が加速していく。走り始めて体感で3秒も経たない内に反対側の壁に到達した。ボタンを叩くように押して、すぐさま反対側へ向けて走る。

 

さっきよりも感覚が短いのが分かる。走っていく中で加速していくのが分かる。もっとだ、もっと速くなれるはず。まだだ、まだ足りない―もっと速く!

 

 

 

 

 

 

 

「で、結果...は?」

 

ぜい、ぜい、と肩で息をする俺に記録担当者が近づいてくる。

 

「すごいですよ、冴島さん!前回の測定、3月の頃より結構速くなってます」

 

記録表を見せてもらうと25m間の移動に使用した時間が最も短いのが、1秒09。

 

前回の測定では2秒34だったことを考えるとかなり速くなった。速いのはいいことだ。

 

測定が終わって、自己ベストも更新できて、うっきうきで男子寮に戻り、自室に入る。

 

のんびりしようかと考えていたが、キンジの所でゲームでもしようかと携帯ゲーム機を持ってキンジの部屋の扉に手をかけ、ガチャリと開けた。

 

「よーキンジ。ゲームでもしないか?」と言いたかったが、実際に言えたのはゲ、までである。理由?そりゃ―目の前のピンク髪のやべー奴がすんごい事を言いだしたからだ。

 

「キンジ、アンタ―あたしのドレイになりなさい!」

 

キンジ、絶句。俺も絶句。キンジがアリアから視線を外して後ろにいる俺を見る。

 

アリアを見る。俺を見る。アリア、後ろを見て、俺に気づく。

 

「―....えーと...うん?うん、うーん?皆には内緒にしとくからな」

 

バタンと扉を閉めて急いで自室に戻る。キンジが何か言ってたようだが時すでに遅し。

 

圧倒的速度を以てして俺は既に自室に入り、鍵を掛けてソファで寛いでいるのだ。

 

 

 

 

――キンジとアリアがやべープレイを始めた。誰かに言うわけでもなく、独り言ちるように呟いて、友人の趣味について行けるか不安になった。

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