アリアを先頭に、大聖堂の奥へと進んでいくと――先ほどまでの雰囲気をぶち壊す、鋼鉄の隔壁があった。
アリアがその鋼鉄の隔壁の前に立つと、それが自動ドアのように上下、左右、斜めに何枚も開いていく。
通路の床は排水溝に掛けられるような格子組の耐蝕鋼に変わっていき――左右の電子盤はアクセスランプをチカ、チカと点滅させている。
段々と近未来的な空間へ変貌していくその通路を進んでいくと、俺たちの目の前に途轍もなく嫌なものが描かれた障壁が映った。
ラジオハザードという放射性物質に対する注意喚起マーク...そう、あのマークが描かれた障壁がある。
その障壁を警戒する間もなく、自動ドアのようにゆっくりと開いて...向こう側の光景が見える。
その光景にアリアが、キンジが、カナが、俺が――絶句した。
まるでパルテノン神殿の柱のように並んだソレはICBMだった...
何処からでも発射できて何処にでも届く大陸間弾道ミサイル。
その上部分が見えていた。
下部分は鋼鉄の床に空けられた深穴に収まっている。
その数――実に8本。
弾頭が持つ性質次第ではあるが、これだけの数なら国1つぶっ壊すくらい楽にできるだろう。
この異様な光景に、全員の背筋が凍りついていた。
アリアは、部屋の光景を見回して驚いているが、どうやらICBMに驚いているのではないらしい。
「なんでなの...私、この部屋を見たことがある...!」
「それは無い。きっと、それは既視感ってやつだ」
「そんなのじゃない。あたしはこの部屋で、アンタと会った事がある...!」
「何?少なくとも俺はこんな所に来た事は無いぞ?」
キンジがアリアの話を片付けると、ブツ...ブツ...と雑音混じりの音楽が聞こえてきた。
それがはっきりと聞こえる様になるとモーツァルトの『魔笛』だと分かった。
「音楽の世界には、和やかな調和と甘美な陶酔がある」
落ち着いた声と共に、ICBMの影からシャーロックが姿を現した。
「それは僕らの繰り広げる戦いという混沌と、美しい対照を描くものもだよ。そして、このレコードが終わる頃には――戦いのほうも、終わっているのだろうね」
シャーロックはアンプに繋いだ蓄音機を床に置くと――コツ、コツ...
耐蝕鋼の床を鳴らして数歩だけ俺たちに歩み寄る。
いよいよだ、いよいよ――イ・ウーの親玉との戦闘...!
「――はは。いよいよ解決編、という顔をしているね。だがそれは余りにも早計というものだよ。僕は1つの記号――『
「序曲だと...?」
「そう。この戦いは君たちが奏でる協奏曲の――序曲に過ぎない。僕のこの発言の意味は、じきに分かることだろう。さて、ところで――」
シャーロックは懐からパイプを取り出し、マッチで火を点けた。
「同士討ち...カナ君が我々イ・ウーに仕掛けようとしていた罠の味は、いかがだったかな」
残弾数を減らすのが目的ならしてやられた。
キンジもカナも...アリアも、俺も...残弾は残り後僅かだ。
「曾お爺さま...私は、曾お爺さまを尊敬しています。だから、この銃を向ける事はできません。あなたに、命じられでもしない限り」
アリアはそう言うと、二丁のガバメントを床に置く。
「私は恐らくあなたの思惑通り......あなたに立ち向かおうとするパートナーを...仲間を、この銃で追い返そうとしました。でも、止めることはできなかった」
アリアは胸に手を当てて、小さな声ではあるが、はっきりと告げる。
「彼は、彼らはやっと私が見つけ出した、世界に一人のパートナーであり...仲間なんです。曾お爺さま、どうかお許しください。私は彼らに協力しようと思います。それは――あなたに敵対する行動を取るという意味なんです。どうか、お許しください」
「いいんだよ、アリア君。――君は今、僕の存在を心の中で乗り越えた。そして一人の特別な男性と、アリア君を理解してくれる仲間たちの為に、僕と敵対することさえ決意した。それは、大変意味のある...とても、素晴らしいものなのだよ」
シャーロックはパイプを持って、ニコリと笑っている。
「同士討ちのように互いに銃を向け合うような事態になっても、君たちの結束は揺るぎはしないだろう。『雨降って地固まる』という諺の通り――君たちは戦いを経て、より強く結びついたことだろう」
シャーロックの同士討ちの目的は、単純に弾切れ狙い等ではなかった...ということか。
だが、一つだけ分かった事があるぜ。
「――つまりよォー...オメーの狙い通りに何もかも進んでるってことか?」
「ははは、こんなものは推理の初歩だよ、君」
シャーロックはニコリと笑った。人受けしそうな笑い方だ。
「――じゃあコレも、推理できたか?」
キンジはベレッタを引き抜いて、アリアの側頭部に当てる。
「それは、人質のつもりかい?」
キンジは銃を突きつけたまま、アリアの後ろに回り込んだ。
「アンタの目的はアリアなんだろう?それに、アリアが居なくなればイ・ウーは仲間割れを起こすと聞いてな」
「でも、君は撃たない」
「俺はもうヤケクソだぜ」
シャーロックは、アリアの奥...キンジを見ている。
「そういえば、アンタにプレゼントがあるんだった」
キンジはそのまま、銃弾を一発、コインのように弾いた。
「――カナからのなッ!」
俺とカナは、その発言を聞いてすぐに目を閉じる。
キンジが今投げた銃弾は、閃光弾。手投げでも発動する武偵弾の1つだ。
シャーロックと面と向かってやりあっても勝てない、ならば無力化してまえという事で実行することにした作戦が、閃光弾で目を使えなくして、制圧するという物だった。
「キンジ!急ぎなさい!曾お爺さまは、閃光弾を直視していた!やるなら、今しかないわ!」
アリアは目を瞑らなかったのだろう、閃光弾を正面から見て一時的に失明している。
俺とカナは注意されてなかったから、ギリギリで目を瞑れた...
キンジが超偵用の手錠を持って駆け出そうとして――足を止めていた。
理由は、シャーロックが平然と立っていたからだ。
「うん。今のは知恵を回した方だと思うよ。人質を取るフリをして、実際には閃光を使う作戦だったんだね。しかし、君たちは推理不足だったようだ...まぁ、これはカナ君にも説明していないから知る由も無かったと思うが――僕は盲目なのだよ。60年前に毒殺されかけた時からね」
――なん...だと...?
盲目?あの野郎は今盲目と言ったのか?冗談じゃない、目の見えない奴が狙撃なんか出来る訳ない、ましてやこの潜水艦に辿り着くまでの間に行われた『銃弾を銃弾で弾き合う銃撃戦』は目が見えててもできる物じゃないだろう。
「目が見えなくなった最初の方は推理力が助けてくれたものだが、今は音や気流で分かるんだよ。例えば、今――――君たちの心拍数が驚きで跳ね上がった事も、ね」
――...プランAは失敗、か。
「カナ、アリアを守ってくれ。これ、俺の銃だ...扱い切れるか?」
「ええ、任せて」
カナにXVRを渡して、後ろに下がらせる。
「さて、キンジ...めっちゃ怖ぇけど...プランBだ」
「だな...おい、シャーロック」
「何だい?」
「ここいらで決めるとしようか」
「何をだい」
「そりゃあ...決まってるだろ」
キンジがベレッタを正面に構える。
俺もナイフを抜いて、構える。
「「探偵と武偵...どっちが強いか、だよ」」
その言葉にシャーロックは少し、呆れた様な表情をして...諭す様に話しかけてきた。
「キンジ君、隼人君...勇敢であることは褒めるべき美徳だ。しかし...今の君たちは勇敢ではなく、無謀という道を選んでいる。――僕は150年以上、世界中で凶悪かつ強靭な怪人たちを数多仕留めてきた。一方君たちは、たかだか17年を平和な島で過ごしてきた子供だ。その未熟な君たちが、僕と決闘をしようと言うのかい。二対一でも足りないよ、カナ君やアリア君を加えても...君たちでは僕に勝てない」
シャーロックのその発言に、キンジが先に答える。
「ああ、そうだろうさ。偉人サマから見れば未熟者だろうさ...武偵としてもEランクの落ちこぼれだ。だけどな、自分のパートナーに手を出した奴を放っておけるほど...腐っちゃあいないぜ」
そして、俺も答える。
「アンタは俺よりも、俺たちよりもずっとずっと先に居る...道標みたいなヤツだ。だがな、道標は道を示すだけじゃなくて――いずれ、追い抜かれていく物だ。今はアンタが作った道を進まされているが、いずれ俺たちはアンタの作った道の先に辿り着き、進んでいき、新しい道を作る。年寄りはもう、寝る時間だぜ」
「アリア君がそれほどまでに大切で、僕はもう道を作り、座り込んで道標になったと言うか...面白いことを言うものだね」
シャーロックは揶揄うように笑い、コートを脱いだ。
「強者として警告したつもりだったが――逆に炊きつけてしまったか。君たちは、理解できているね?」
『魔笛』が鳴り響く中、シャーロックは手にしていたステッキを持ち上げた。
「いいのか?銃じゃなくて。俺たちは年寄りにも、女の子にも寄って集る...容赦のない奴らだぜ?」
「改めて聞くとすげぇゲスだな俺ら...まぁいい、マンモスに一人で挑まないように、自然災害に一人で対応しないように、人間は常に数を揃え、強大な存在に立ち向かって行ったんだ!卑怯とは言わせねぇぜシャーロック・ホームズ!アンタは自らを強者と呼んだんだ、だったら覚悟は出来てるだろうな!」
「当然だよ。驕りの一切は無い。むしろ、君たちこそたった二人で大丈夫なのかい?」
「俺たちは無敵のコンビだぜ」
「はは...無敵と来たか、誇張は悲劇を招く。あまり強い言葉は使わない方がいい、弱く見えるからね」
「ご忠告ありがとよ」
「いやいや、これも年長者のやるべきことだよ。さぁ、おいで...敬老精神なんか不要だよ。遠慮なく掛かってくるがいい」
「心配するなシャーロック。俺たちは武偵だ...武偵の任務は――無法者を狩ることだ」
「任務の遂行は――絶対だ」
キンジが装填を終えたベレッタを構え、射撃する。
ガン!
――ギィン!!
シャーロックは突き出したステッキでキンジの1発目の銃弾を弾いた。
そして、2発目。
ガンッ!
黒い銃弾が、シャーロックに向かって進んでいき――シャーロックはそれをステッキで受け、顔を顰めた。
次の瞬間...
ドォゥウウウウウウウウウンッ!!!!
黒い銃弾は、カナがキンジに渡した武偵弾の炸裂弾。
その炸裂弾が弾け、紅蓮の炎が舞い上がった。
なんて、威力だ...こんな威力だったなんて、聞いてねぇぞ...!
「おいキンジ...9条破っちまったな」
「ああ...」
煙の方からは一切目を離さず...むしろ、警戒を強めてキンジに話しかける。
キンジは少し油断している様だ。
「――――いや、問題ないよ。この程度で僕は死なないからね」
煙の中から、シャーロックの声が聞こえ...ビリッビリッと何か...衣服を裂くような音が聞こえる。
「ここまでが、『復習』だよ」
格納庫の奥から何かの発射音と共に、白く重たい煙が流れ込んできた。
炸裂弾の影響で生じた黒煙が、その煙に押し流されるようにして払われていく。
「ここからは――君たちがこれから闘うであろう難敵の技を『予習』させてあげよう。何しろ僕は...古い仇敵たちと同じ『教授』と呼ばれているのだからね」
煙が完全に晴れて、シャーロックの姿が映る。
ボロボロになったコートとシャツを脱ぎ捨てると、恐ろしいまでに筋肉質な体が姿を現した。
ブラドの様な歪さは無く、むしろその肉体はプロアスリート選手が成るような、理想的な筋肉の付き方をしていた。
そして、その肌には幾つもの古傷が残っている。
足元がズズズ...と揺れ、何事かと思い、その震動の正体を確認しようと見回して、見えた。
シャーロックの背後、ICBMの下部から、白煙が吹き上がっている。
今すぐに発射される訳ではないが、確実に発射までのフェイズは進んでいる事だけが漠然と理解できた。
床下から巻き上げられた熱風に、露出している肌が熱を感じ取る。
風で前髪はバサバサと暴れている。
その中で、俺たちは――――笑っている。
猟犬が獲物に見せるような獰猛な笑みを浮かべ、その瞳は眼光が尾を引きそうな程にギラギラと飢えた輝きを見せている。心はドクンドクンと高鳴っていき、次第にアップテンポになっていく。
自分の中から今までに感じたことのない程の闘争心を感じる。
内側から溢れ出る熱で火傷するんじゃないかというくらいに、体が熱を持ち始めている。
もう俺の心はオーバーヒート寸前だ。筋肉がまだか、まだかと急かしてくる。
キンジも、似たような状態なのだろう。
溢れ出てる野生の獣のような闘争心が、俺たちの心を奮い立たせている。
やれ!奴を食らって糧にしろ。踏み台にしてのし上がれ。奴という絶対者を食らえ、ジャイアントキリングを起こせ。勝ちあがれ、死を恐れずに突き進め。
心が、脳が、本能が...俺を作っている全てが「シャーロックを倒せ」と叫んでいる。
シャーロックは壊れかけたステッキを思いっきり床に叩きつけた。
あのステッキは仕込み杖で...粉々に砕けた柄から、一本の剣が姿を現した。
形状はスクラマ・サクスに近いものだという事だけが分かった。
「...いい、刀だな」
「――銘は、聞かない方がいい。これは女王陛下から借り受けた大英帝国の至宝――それに刃向かったとあっては、後々、君たちの一族が誹りを受けるおそれがあるからね」
「名前なんて興味ない。どうせエクスカリバーとかラグナロクとか、そんなんだろ」
「野菜は切り辛そうだなァー」
キンジはベレッタを仕舞い、バタフライ・ナイフを取り出す。
俺ももう一度ナイフを持ち直して、構える。
ICBMの噴射炎で下から照らされる室内が、次第に明るさを増していく。
「時間がない。一分で終わらせよう」
「気が合うな」
「俺たちも、そのつもりだぜ」
シャーロックが、足元に流れる白煙を乗り越えるようにして歩いてくる。
俺たちも、それに呼応するように歩いて行く。
互いの距離が5m程にまで迫った瞬間、シャーロックが駆け、キンジが駆けた。
少し遅れて俺も動く。
甲高い激突音が響き、斬り結んだ剣とナイフから火花が上がった。
そして、バチィイイッ!という音が聞こえキンジが後ろに転がった。
今の音から察するに、電撃か、なにかだろう。
後ろに転がっていくキンジを飛び越えて、俺が代わりに前に出る。
それと同時に、辺りが濃霧のような物に包み込まれていく。
「――ッシイャッ!!!」
ナイフを突き、振るい、引いて、二度突いて...という動作をするが全てを避けられ、防がれる。
――まだまだ、こんなものじゃねぇ!
「――フッ!」
ナイフを下げて、ミドルキックを数度放ち、またナイフ攻撃に移る。
大きく左右にナイフを振るが避けられる。膝蹴り―避けられる。膝蹴りの状態から、曲げていた膝を伸ばして攻撃―防がれる。
突き攻撃―防がれる、肘攻撃―防がれる、肘攻撃からの裏拳―防がれる。
ナイフを何度も振り、何度も蹴り技を混ぜるが全て避けられ、防がれる。
一度体勢を立て直そうと一歩下がった瞬間、左肩をピシッと何かに撃ち抜かれた。
「...ぐ!」
鋭い痛みを感じて、左肩を押さえると傷口が濡れていた。
恐らく超能力だ。超高圧の水の弾丸が、俺の肩を撃ち抜いたんだ。
そのままもう一歩下がり、立ちあがったキンジが代わりに突っ込んでいく。
キンジは飛びこみ、何度かシャーロックと攻防戦を繰り広げ、飛び退いた。
何度も何度もキンジはナイフを振るうが、シャーロックはそれを全て防いで、躱していく。
「ちっ...今度は風か!」
ここからじゃ分からないがどうやらキンジは風の攻撃でやられたらしい。
キンジがよろりと揺らめいた所に、シャーロックの剣がキンジの心臓目掛けて飛んでくる。
それを見て、急いでキンジの前に滑り込む様に飛び出て、ナイフで剣を受け止める。
――ギィイイインッ!!!!
激しい火花を上げながら、何とか防ぐ。
――滅茶苦茶重いぞこの剣!
「すまん、助かった!」
「礼はいい!はよしろ!」
「分かってる!」
キンジが姿勢を立て直すまでの時間を稼ぐが、そのまま剣の重さに押し切られてナイフを俺の胸に当たるくらいまで押し戻され、車に撥ねられた様に横へ吹き飛び、鋼鉄の壁に叩きつけられた。
「――コ...フゥッ...ヒュッ......」
喉まで上がってきた血を抑えようと堪えるが、堪らず咳き込んで吐血する。
グラリと揺れる視界の中に映るシャーロックは、狙いを俺に変えて左胸を狙い、また剣を平手で構え――突いてきた。
『エルゼロ』を発動して、極限まで遅くなった世界の中で体を捻り、上半身を床に押さえつけるように倒れて、足で剣を蹴り上げる。
『エルゼロ』を終えると、シャーロックの剣は俺から外れ、鋼鉄の壁にぶち当たり、めり込んだ。
そこに、キンジが突っ込んでくる。
「うぉおおおおおッ!!!らぁッッ!!」
キンジが拳を振り抜くが、シャーロックは剣を諦めてフワリと浮いて、キンジの腕に乗ってしまった。
――牛若丸かよ!
そして、そのままキンジの拳を足場にフワリと浮いて、バック宙をした。
そのタイミングで、モーツァルトの『魔笛』がソプラノ・パートに入った。
「――このオペラが、独唱曲に入る頃には...君たちを沈黙させているつもりだったのだがね。君たちは、僕の推理した時間よりも長く戦い抜いた」
シャーロックの顔からは、笑みが消えている。
「つまり君たちは初めて僕の推理を仕損じたのだ...君たちは称賛されるべきだ」
「俺たちは、そんなに褒められた人間じゃねぇ」
「そーそー。バカやらかして、怒られて、単位取り逃して...気付いたらこんな所で一番やべーことやらかしてる...ただの大バカ野郎共だよ」
キンジと共に、ナイフを仕舞う。
「なぜ、武器を収めるんだい」
シャーロックは疑問に思ったのか聞いてくる。
「なんでって、そりゃあ――」
「――アンタ、俺たちが倒れた時に、待っててくれたんだろ...これで、貸し借りなしだ。早く剣を抜きな」
当たり前だよな、みたいな感じでキンジと「なー」と言い合うと、シャーロックは恥ずかしそうに顔を赤らめた。
「否定されたが、繰り返し言おう。君たちは大した快男児だよ。僕がこんな気分になったのは、ライヘンバッハ以来だよ」
「バッハ?モーツァルトだろ、これは」
キンジが『魔笛』に耳を傾けて答えるとシャーロックは小さく吹き出した。
――いいねぇ、そのギャグ。かなり大爆笑。面白い、すごい面白いよ。
キンジはそんな俺たちを見て、「何か面白い事でも言ったか?」という顔をしている。
「キンジ君。戦いの最中にこんなことを言うのは不適切かもしれないが――僕は君が気に入った。君たちのフェアプレー精神に敬意を表して、ここから君たちと素手でボクシングでもしたい所だが......申し訳ない。この独唱曲は、最後の講義――『緋色の研究』について、講義を始める時報なのだよ。紳士たるもの、時間にルーズであってはいけないからね」
――緋色の、研究?
俺たちが眉を寄せているのとは真逆、シャーロックは瞼を閉じてしまった。
そして、シャーロックの体がぼんやりと光り始めた。
光は、みるみる内に光量を増していき、紅く、赤く...緋色に染まっていく。
「僕がイ・ウーを統率出来ていたのは、この力があったからだ。けれど、僕はこの力を不用意には使わなかった。『緋色の研究』――――緋弾の研究が、未完成だったからだね」
シャーロックはそう言って、拳銃を抜いた。
銃を出したことに警戒しつつ、キンジは質問を投げかけた。
「お前も...『緋弾』が撃てるのか」
「キンジ君が言っている事はおそらく違う現象のことだろう。アリア君が指先から撃ったはずの光は、古の倭詞で『緋天・緋陽門』という緋弾の力を用いた1つの現象に過ぎないのだ」
シャーロックはそう言いながら、銃弾が1発だけ入ったマガジンを俺たちに見せるようにして、その1発の銃弾を取り出した。
「これが、『緋弾』だ」
弾頭は血の様に赤く、炎の様に朱く、薔薇の様に紅い――緋色をしていた。
「これが、『緋弾』なのだよ。いやなに、形は問わない。これは緋々色金と呼ばれる金属なのさ。峰理子君が持っていた十字架を覚えているかい?あれにも極微量ではあるが色金を含んでいるものなのさ。イロカネとは、超能力がチッポケなおままごとに思えるくらいに、強大な物でね...言ってしまえば『超常世界の核物質』なのだよ」
アリアは、それを持っていないのに使えたぞ。どういうことだ...
「――世界は今、新たな戦いの中にある。イロカネの存在、その力が次第に明らかになり――極秘裏にその研究が進められているのだ。僕の『緋色の研究』のようにね。イロカネを保有しているのは、イ・ウーだけではない。アジア大陸の北方には『ウルス』、南方には香港の『藍幇』、僕の祖国イギリスでは世界一有名なあの結社も動いている。イタリアの非公式機関をサポート・監視するバチカンの様に国家がイロカネの研究を支援・監視するケースも枚挙に暇がない程だ。アメリカではホワイトハウスが、日本でも宮内庁が星伽に――いや、これは少々口が滑ったかな?...そして、僕のように高純度のイロカネを持つ者たちは、互いのイロカネを狙いつつも、余りにも甚大な超常の力に、手出しが出来ない状態にある」
そう言うとシャーロックは、緋弾を銃に装填する。
「恐らく君たちが見たのは――コレだろう?」
シャーロックの体を覆っていた光は、次第に指先に集まっていく。
間違いない。アリアがパトラに向けて使ったヤツだ。
「キンジ...?何が、起きてるの?」
アリアがカナに支えられながら、よたよたと歩いてきた。
そして、そのアリアの体から――シャーロックと同じ、緋色の光が漏れ始めた。
アリアは困惑しているが、シャーロックは優し気に、説くような口調で話し出す。
「アリア君、これは『共鳴現象』という物で...質量の多いイロカネ同士は、片方が覚醒すると共鳴する音叉の様に、もう片方も目を醒ます性質がある。その際は、イロカネを用いた現象も『共鳴』するのだよ。今、僕と君の指先が光っているようにね」
言いながらシャーロックは、俺たちに指先を向けた。
「アリア君。僕は君たちに『緋天』を撃つ。僕が知る限り、それを止める方法は、同じ『緋天』を衝突させることのみだ。実験したことはないが――日本の古文書には、『緋天』は静止し、その後に『暦鏡』なるものが発生するとある」
アリアは何を言っているのか分からないと言った表情でオロオロしている。
「アリア君。君は先ほど『命じられでもしない限り撃たない』と言ったね。ならば今、命じよう。その光で僕を撃ちなさい。キンジ君、君はアリア君の目になってあげてほしい」
カナがその話を聞きつつ、キンジにアリアを任せて此方へ来て、俺を担ぎ上げてくれた。そのまま肩を借りて、立ちあがる。
「また、無茶をして」
「...悪ィ」
そのまま少し離れた位置にカナが連れて行ってくれて、そこでシャーロックの話を聞きながらカナの応急処置を受ける。
「いい?あの無理な治療はしないこと。あばら骨が折れてるけど、この程度ならすぐ治るわ。アレは、使わないこと」
「...分かってる」
そう言って話を打ち切って、キンジたちの方を見る。
その瞬間。
光と光がぶつかり合い、一瞬強い光になったかと思うと、急速にその光は収まっていき...シャーロックの手元に光球が出来たかと思うと、それが急に何かの映像を映し始めた。
「これだ......!『暦鏡』...時空のレンズ!僕も、実物を目の前にするのは、初めてだよ!」
レンズのようなソレに映っていたのは...
「――アリア?」
ピンクの髪ではなく、金髪で――紅い瞳ではなく、碧い瞳だが――間違いなく、アリアがそこに居た。
「アリア君。君は13歳の時に、母親の誕生日パーティーの席で何者かに背中を撃たれたね?」
「う、撃たれました...で、ですがそれが一体、何の意味が」
「撃ったのは僕だ」
「!」
「いや...これから、撃つのだ。僕は今日、この日から――3年前の君に緋弾を継承する」
「や...やめろォーッ!」
キンジが、駆け出す。シャーロックを止めようと駆け出す。
俺も能力を使って止めようとしたが、それよりも先にカナに押さえ付けられた。
「動いちゃダメッ!内臓が傷付くかもしれないわ!」
「関係ねーだろそんなの!アリアを、守らないと!」
「自分の事も考えなさい!」
カナの拘束を振り解こうともがくが、上手くいかない。
「何、心配はいらないよ。僕はこう見えても射撃の名手でね...外しはしないさ」
「――アリア!...アリア!避けろ!」
そんなキンジの叫びも虚しく、一発の銃声が、静かに響き渡った。
「緋弾には延命作用があり、共に在る者の成長を遅らせる。それと文献によれば、成長期にイロカネを撃ちこむと、体の色が変わるんだ。皮膚まで変化はしないが、髪と瞳が美しい緋色になっていく。今の、君のようにね」
シャーロックの顔を睨みつけると、信じられない程の早さで老化していく一人の男が目に映った。
「緋弾と、緋色の研究は君たちに継承した。イロカネ保有者同士の争いは...今はまだ、膠着状態にある。が、これから本格的に戦いが始まり、君たちも巻き込まれることになるだろう。その時はどうか、悪意ある物たちから緋弾を守り続けてくれたまえ――世界の為に」
シャーロックは授業を終えた教師の様な話で、〆ようとした。
「ふざけんな...!シャーロック...お前は、血の繋がった――曾孫を、そんな危険な戦いに放り込むのか!?ふざけんな!」
「キンジ君。君は、世界におけるアリア君の重要性が分かっていない。1世紀前の世界に僕が必要だったように、アリア君は現代に必要な存在なのだよ」
「――違うッ!...コイツはただの高校生だ。俺はソレをよく知っている。体の中に何か抱えてても、ただの高校生だ!クレーンゲームに夢中になって、ももまん食い散らかして、テレビ見てバカ笑いしてる......ただの、高校生だ...分かってねぇのは、シャーロック!お前の方だろうがァ!」
キンジが、吠えた。アリアの様に犬歯を剥き出しにして、唸るように――叫んだ。
「認めたくない気持ちはよく分かるよ。だがキンジ君、この世に悪魔は居なくても、悪魔の手先のような人間は幾らでもいる。この広い世界には、君の想像も及ばぬような悪意を持つ者がイロカネを狙っているのだ」
「俺は世界なんてモノに興味はねぇ!悪意も、善意も知った事か!」
シャーロックはキンジの叫びを聞いて、目を静かに閉じた。
「それが、世界の選択か。それならば、せめて平穏に過ごすといい。君たちはそういう選択も出来るのだよ。その意思を貫く為にアリア君を守り続けて――平穏無事に、次の世代に緋弾を継承しなさい。全て君たちが決めていいんだ。そしてその決定は、通るだろう。なぜなら君たちは既に、十分強いのだから」
シャーロックは一呼吸して、また言葉を紡ぐ。
「いいかい、キンジ君。意志を通したいのなら、強くなければならない。力無き意志は、力有る意志に押し潰されるのだ。だから僕は、君たちの強さを急造するためにイ・ウーのメンバーを使ったのだよ。君たちがギリギリ死なないような相手をぶつけていく、パワーインフレと呼ばれる手段を使ってね」
成程。それでようやく理解できた。
何もかもが、お前の描いた絵の通りだったってことかよシャーロック。
まんまと一杯食わされたぜ。お手上げだ、俺はもうカナに押さえられて動けねーし...そこで怒り心頭の男に、任せるとしよう。
「おいキンジ、俺の分も頼むぜ」
「...任せとけ。武偵憲章3条。『強くあれ、但し、その前に正しくあれ』」
「...?」
「強くなければ意志が通らない。それは正しいさ。だが、正しくなければ意志を通してはならない。それが俺たち武偵のルールだ。お前はその逆をやってる!天才の頭脳と強大な力で、自分の...自己中にアリアを巻き込もうとしている!」
「――そうかもしれない。けれど、僕にはそれが出来た」
「そうはさせねぇって言ってんだよ。この俺が、させねぇ」
「それなら――さっきも言ったように、そうしなければいい」
シャーロックはそれだけ言うと、壁に突き刺さった剣を引き抜いて、白煙を吹き続けるICBMの1本に向かっていった。
天井のハッチはそれを待っていたかの様に、開いて行く。
ハッチからは空が見える。
「待て――それで終われるか。こっちを向け」
一層強まる噴射炎と流れ込んでくる外気で乱れていく気流の中、キンジはシャーロックを呼び止めた。
「何だい」
「俺は、キレたぜ」
キンジは掌の中でバタフライ・ナイフを開き、構えた。
「どんな理由であろうと、お前はアリアを撃った。自分の曾孫を、背後からな」
「そうだ。しかし、どうするというのだね。君の仲間はもうまともに動けず――君だけでは、僕に、勝てない」
「勝てないだろうな。だが、一発貰ったら一発返すのが礼儀だ。武偵は――義理堅いんでな。パートナーが一発貰ったら、一発返す」
「出来るつもりかね」
「――出来る。.....『桜花』。絶対に避けられない一撃を、叩き込んでやる」
「僕にも推理できないものがある。どうやら君の非論理的な行動は、それが原因なのかもしれないな」
「何だよ、ソレ」
「――若い男女の、恋心だよ」
シャーロックのその言葉を聞いて、キンジが駆け出した。
それは、一度理論だけ教えられたキンジの技。
体の関節全てを使って――同時に加速していく一撃。
時速36kmで加速して...つま先、膝、腰、背中、肩、肘、手首――――その全てで、時速1236kmを作り出している。
―――――パァアアアアアアアアアアンッ!!!!!!
ナイフの背から――円錐水蒸気が発生し...キンジの腕が衝撃で、裂けて――血が飛び散った。
美しい桜吹雪のような、出血だった。
「うおおおおおおおッ!!」
キンジが吠えながら、人間が生み出せる限界速度の一撃を、シャーロックに叩きつけようとする。
シャーロックはそれを避けようともせず、代わりに左の拳を突き出している。
バチィイイイッ!!!
シャーロックが、突き出した左手で、キンジのナイフを受け止めた。
それはかつてアリアが、キンジや俺にやらせていた真剣白刃取り。
それの、指二本バージョン。
「――惜しかったね、キンジ君」
シャーロックはそのまま右手に持っていた剣を、キンジの左胸に突き刺そうとしている。
キンジはそれを、バチィッ!と受け止めた。
シャーロックと同じ、指二本による真剣白刃取りで。
「惜しくねぇよ」
キンジとシャーロックは互いに両腕が封じられた、千日手のような状態。
「――――そう来ることは」
キンジが頭を後ろに大きく引く。
――あれは...!
「分かってたんだからなッ!」
「――!」
シャーロックの顔が驚愕に染まる。
――ゴッッッ!!!!!!!
キンジの頭突きが、シャーロックに当たった。
そうだ、キンジの頭はバカみたいに硬いんだ。アイツと頭突き勝負をしたことがあるが、俺が一方的に額を腫らして負けたことを覚えている。
キンジの頭は、マジに石頭なんだ。
――それをモロに食らった!
「......ぐ、ぅ...!!」
シャーロックが苦悶の声を漏らして、倒れていく。
右手の剣と、左手で止めていたナイフを...手から放して――倒れていく。
シャーロックが、鋼鉄の床に倒れたと同時に、『魔笛』のレコードが鳴り終わった。
床に倒れたシャーロックは――動く気配がない。
「やった、キンジが...やりやがった」
「本当に...あのシャーロックを...」
俺とカナは顔を見合わせて、暫く驚愕の表情を浮かべていたが、次第に笑顔に変わっていき、ガシィッ!と腕を組みあって、喜びあった。
倒れているシャーロックに、アリアが超偵用の手錠を掛けようとする。
「シャーロック・ホームズ...貴方を、逮捕します」
ガチャリ、と音がして手錠が掛かったのが分かる。
終わった...
「素敵なプレゼントをありがとう。それは曾孫が僕を超えた証に、頂戴しよう」
――――頭上から掛けられた言葉に、笑いが消えて、警戒の色が強くなる。
バッ!と顔を上げて確認してみると、ICBMの一基、開け放たれた扉に掴まっている初老の男が見えた。
男は額から血を流している...間違いない、キンジから頭突きを貰ったシャーロックだ。
シャーロックは微笑んだまま、手を振っている。別れを告げるように、手を振っている。
「キンジ君。さっき君から貰った一撃は、僕にも推理できなかったよ。若い僕なら咄嗟に推理できていたのだろうけどね。まぁ、歳には勝てないということかな」
手錠を掛けられている方のシャーロックを見ると、手錠の掛かっている右腕が砂になって崩れていく。
これはパトラのオモチャと同じ...!
そして左手でその手錠を、ICBMに乗り込もうとしているシャーロックに投げ渡した。
「どこへ行くんだ!お前は今日までの命じゃないのか!」
キンジが、大声を出して尋ねる。
「どこにも行かないさ。昔から言うだろう?『老兵は死なず、ただ、消え去るのみ』とね。――さぁ、卒業式の時間だ...花火で、彩ろうじゃないか」
その発言で、嫌な予感がする。
超高速魚雷を移動用の乗物として改造していたなら...
――――この、ICBMも移動用に改造されているのではないか、と。
「いや...いや...!曾お爺さま、待って!いかないで!もっと話したいことがあるの!」
アリアは器用に二本の刀でICBMを突き刺し、ロッククライミングの様に登っていく。
「すまないね、アリア君。それは叶わない願いなのだよ。僕はもう、君に何もあげられない」
「そんなのいらない!曾お爺さまが、居てくれれば、それで!」
「――――君は本当に、優しい子だね。あげられる物は何もないから......代わりに、名前をあげよう。さようなら―――『緋弾のアリア』―――」
シャーロックはそう言って、ICBMに乗り込んでいき、ハッチが完全に閉じた。
ICBMはもう、浮き始めている。
アリアはまだ、降りてこない。
「――クソッ!」
キンジが走り出して、シャーロックの剣を拾いナイフを使って、アリアと同じ様にICBMを登り始めた。
「キンジ!バカ!戻れ!」
「アリアを連れ戻してからな!」
「キンジ!?」
キンジを止めようと、カナと共に走り出すがもう遅い。
次第に勢いを増していったICBMは、完全に射出されてしまった。
キンジとアリアを、連れて行ってしまった。
「あ......ああ......キンジ......」
掠れるような声だけが、零れる。
カナは顔を伏せたが、すぐに顔を上げる。
「隼人くん、ここから出ましょう――ここは、危険よ」
「...ああ...そうだな......」
カナに支えてもらいながら...俺たちはゆっくりと潜水艦の艦内から出ていく。
ICBMの表面に張りついてるんだ...普通は死ぬだろう。
何処かで握力が持たなくなって、手が離れて――――海面に叩きつけられて、死ぬだろう。
キンジとアリアが、死んでしまう。その事だけが、頭の中でグルグルと回り始める。
だが――キンジだぞ。殺しても死なないような奴だ。
死んだと思ったら、生きている。そんな化け物みたいなやつが、ICBMにくっ付いていったくらいで死ぬとは思えない。
キンジは生きてる、そうあって欲しいという小さな希望を灯して、鋼鉄の床を踏み締めて、脱出した。
「このボート...本当に持ち出して良かったのか?」
「持ち主が居ないんだもの、遠慮せずに借りていきましょう」
カナと俺は救命ボートに乗り込み、海上を漂っている。
空を見上げると、太陽の光がギラギラと照りつけてくる。
もう、ICBMは見えない。
キンジたちはどこまで行ったのだろう...そう思いながら青い空を眺めていると―――
「―――はぁ!?」
異物が見えた。
「ど、どうしたの!?」
キンジが言っていた事を思い出す。
俺が、俺たちがイ・ウーに巻き込まれる事になった発端。
「―――『空から、女の子が降ってくると思うか?』...か」
「え?――あっ...!」
青い空、白い雲の中に、パラシュートみたいに広がったピンク色の髪が見えた。
「カナ!あそこまで、ボートを!」
「ええ!」
目から、ジワリと涙が出てくる。
生きてるって思いたくて、信じてた。
キンジたちは、生きて帰ってきた。
救命ボートはゆっくりと漂着地点に向かって波を切って進んでいく。
キンジたちが、手を振っているのが見える。
それを見て、涙を腕で乱雑に拭い、笑う。
「キンジ!アリア!」
「隼人!」
「ハヤトー!」
キンジたちを引き上げて、信号弾を撃ち上げる。
赤色の煙と光が、糸を引いて上がっていく。
これで、武藤が来てくれるはずだ。一日が、酷く長く感じた。
俺たちの騒動は一先ずの終わりを見せたが、これはまだ『序章』に過ぎない。
まだ、物語は続いていくんだ。
Go For NEXT!