人類最速の俺が逝く緋弾のアリア   作:じょーく泣虫

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ありがとうございます!

評価してくださった方々もありがとうございました!

これからも稚拙な文章ばかりではありますが書き続けていこうと思いますので、よろしくお願いします!


修学旅行 2日目 やべー事件が発生!➃

OH-1のハッチから、体のあちこちに包帯を巻いたレキが身を乗り出し、ドラグノフを構え――

 

――ビシュッ!

 

超音速の7.62mm×54Rが、手首を押さえているメイメイの右足を掠めるように弾く。

 

「うあッ!」

 

短い悲鳴を上げたメイメイは、踵を押さえて――べちゃり、とその場に転倒した。

 

出血こそしてないが、アキレス腱をやられた様で、どうやらメイメイは暫く立ちあがる事は出来なさそうだ。

 

――レキ、恐ろしい奴!

 

あの負傷で、正確に射貫くとは......。

 

「――!」

 

踏み留まることのできなくなったメイメイが、風に煽られ――

 

車両の後方へズルズルと滑っていく。

 

はしっ......と、なんとかパンタグラフの根本の信号装置にしがみ付いたメイメイは、そのまま装置の陰に身を隠す。

 

どうやら、レキの狙撃から身を守ろうとしている様だ。

 

その時、キンジのインカムに通信が入ったようだ。

 

「白雪か、どうした」

 

どうやら、星伽が話しかけている様だ。

 

キンジは少し呆けた顔をした後、少し顔が緊張の色に染まる。

 

「ど、どうして――」

 

キンジはそう言いつつ車両後方を見ている。

 

通話相手は星伽かと思ったが......ヘリのパイロットにでも変わったのだろうか。

 

俺もヘリを見る。

 

ヘリはもう新幹線に接触しそうな距離まで降下してきている。

 

OH-1の副座、そのハッチから半身を出したレキは――

 

ショートカットの髪を風で暴れさせながら、新幹線の最後尾を見下ろしている。

 

そしてヘリの操縦席に何かを命令した。

 

それに対してヘリの操縦士が抗議か何かした様だが、レキはドラグノフを突きつけて脅している。

 

ヘリは――バラバラバラバラバラ......!!

 

と、加速しながら更に降下してくる。

 

――オイオイオイオイ、冗談じゃあねぇ!もうすぐトンネルだぞ!

 

レキは乗り移ろうとしているのだろう、ヘリを新幹線の最後尾、スレスレまで下げる。

 

『キンジ!ハヤト!ヘリを上げさせなさい!――前にトンネルが!』

 

ヘリの方から、進行方向へ体ごと、ばっ!と振り向くと、新幹線は緩いカーブを描きながら、先ほどよりも近くなったトンネルへ向かっていた。

 

トンネルの上は山だ。

 

このままだと――ヘリが、斜面に激突する。

 

『おい!あと10秒で加速するぞッ!300を超えるぞ!』

 

「薪江田さん、上昇するんだ!」

 

キンジがOH-1の操縦士に向かって上昇するように叫ぶが、ヘリは上昇しない。

 

「レキッ!鳥を撃つしか能のない――――ベイデイの分際でッ!」

 

車両前方から、ココが腰だめに構えたUZIで――バララタタタタタタタッ!!!!

 

銃の射程圏外からではあるが、ヘリを遠ざけようと弾幕を張る。

 

レキはそれを意に介さず、ヘリのハッチの取っ手につま先を掛けて逆さ吊りの姿勢になり、ドラグノフを構えた。

 

パッ!と、その銃口が一閃したかと思うと――――ビシッ!

 

「きゅっ!」

 

ココのUZIが弾き飛ばされて、線路へ落ちていく。

 

次の瞬間、流石に耐えられなくなったのか、ヘリが急激に機首を上げていく。

 

機首が上がっていくのを感じたレキが、ひらりと空中でヘリから飛び降りた。

 

――ざぐんっ!

 

レキは新幹線の最後尾、その屋根に銃剣を突き立ててしがみ付いている。

 

その金色に輝く瞳は、真っ直ぐにココたちを見ている。

 

――ゴォォッ!――

 

新幹線が時速300kmを保ったまま、トンネルの中を突き抜けていく。

 

――ばんっ!

 

闇の中、周囲を流れる気流が一気に強まった。

 

――うぐぇ!

 

気圧が一瞬で代わり、肺が潰れそうになる。

 

俺は渦を巻く風に押し潰され、新幹線の背に伏せざるを得ない。

 

歯を食いしばって、必死に耐える。

 

トンネル内に木霊するのぞみ246号の駆動音に混じって爆発音がしないか、耳を澄ませる。

 

爆発音は――しないな。

 

OH-1の機動力はかなり高い。きっとその機動性を活かして、避けたのだろう。

 

頭上では、トンネル内に等間隔で設置された電灯が灯り、流星のように次々と流れていく。

 

映画のようなその光景の中、400mほど離れた新幹線の最後尾にレキがいる。

 

レキはなんとか立ち上がり、一歩、また一歩とキンジの方へ歩み寄っていく。

 

――無茶すんなよォ~レキィ...オメーは重症なんだぞ...!

 

「レ、キ――――!」

 

がしゃッ!という音に振り返ると、ココが袖から新しいUZIを取り出して手に握りつつ、流線型の斜面を描く新幹線の先端側へズリズリと這っていくのが見えた。

 

一旦あの斜面に身を隠して――レキが射程圏内に来たら、銃で迎撃するつもりだろう。

 

「しら......ゆき......ッ!」

 

『キンちゃん!?大丈夫!?』

 

呼吸さえまともにできない風圧の中で、キンジはインカムを押さえて叫ぶ。

 

星伽が焦った声で、俺にも通信が入った状態でキンジの身を案じる声を掛けた。

 

「俺は......大丈夫だ!それより、レキが......ヘリから、飛び移ってきた!アイツは、瀕死の重傷だ!戦わせちゃ、ダメだ......!」

 

『レ、レキさんが......こっちに!?』

 

バッ――!

 

という音に続いて、トンネルから飛び出す。

 

レキはスカートをもぎ取られそうなくらいにはためかせながら、新幹線の最後尾車両から次の車両へ移ってきている。

 

「おいキンジ!レキがこっちに来てる!オメーの言う事なら犬みてーに従順になるんじゃあねぇのかよッ!?」

 

「アイツがこの状況で止まるワケないだろ!」

 

「じゃあどーすんだッ!何か良いアイデアでもあるのかよォー!」

 

「......ある!」

 

トンネルから飛び出し、そこそこ呼吸が出来るようになった俺たちはレキを如何にして止めるかという話をし始めたが、どうやらキンジが秘策を持っているらしい。

 

「白雪、レキを止める為にも、乗客を助ける為にも――――お前に頼みがある」

 

キンジはインカムに手を当て、星伽の助けを求め始めた。

 

『私に、頼み?』

 

「新幹線の先頭車両、16号車を切り離してくれ」

 

『......え......!』

 

キンジの秘策は、星伽の能力で16号車と後部車両を切り離すことが目的のようだ。

 

「実はその為に、お前に立ってもらったんだ。気体爆弾は先頭車両――16号車にある。乗客は15号車以降に集めているから、切り離せば被害を最小限に食い止められる」

 

『でも、キンちゃん......敵と爆弾と、車両に残るなんて......』

 

星伽はキンジを心配している。

 

それは当然だろう。誰だってそんな危険な事、普通は止める。

 

だが俺たちは武偵だ。

 

武偵ならば非武装市民の安全確保は何よりも優先すべきもの。

 

それに、もう時間がない。

 

避難指示が掛かったのであろう、静岡駅には乗客どころか駅員さえ居らず、がらんどうになった無人のホームを時速300kmで駆け抜けていくこの新幹線が通るだけだ。

 

「白雪」

 

『は、はい』

 

「白雪は俺のことを昔から知ってる。誰よりも俺を深く知る白雪が――この戦い、俺には荷が重いって言うのかい?だとしたら、心外だよ」

 

『そ、そんなこと......っ』

 

「白雪は、俺のことを理解してくれていると思ってたんだけど――違ったかな?白雪」

 

『ううん、そんな......』

 

なんかキンジの声が何時もと違う、ホストみたいな感じになってる。

 

銀座のホストクラブとかで指名1位になってそうな甘い声だ。

 

正直普段のキンジを知ってると気持ち悪くて仕方がない。

 

まぁでも、これがえーと...興奮状態のキンジの口調か。

 

キンジは星伽の名前を何度も呼び、新幹線の結合部を切り離す様に話をしている。

 

「白雪。列車の切り離し――やってくれるね?これは、白雪にしか出来ない事なんだ」

 

『キンちゃん......か、勝てそう......ですか?』

 

「ああ。敵と爆弾は俺たちに任せてくれ。白雪たちには乗客を任せる。最近――鬼道術が不安定だと言っていたけど...斬れそうかい?」

 

『は、はいっ。全力でやれば、きっと!』

 

キンジの説得もあって、星伽は切断をしてくれるらしい。

 

『キンちゃん、私、斬るよ。絶対上手く切り離すからねっ!』

 

――......あれ?

 

星伽の声がやる気に満ち溢れている。決意したら緩まないタイプなんだろうか。

 

「あ、ああ」

 

『斬るよ!斬る!斬る!キンちゃん様の為に一刀両断するぅ!』

 

――あれ?ちょっと待って何か星伽が怖いんだけど。

 

キンジをジロリと睨むと、苦笑いをしていた。

 

が、すぐにキンジはまたインカムに手を当て――

 

「――アリア。アリアは、15号車に退避してくれ。お前には、かなえさんの裁判がある。もうこんなバカ騒ぎに付き合う必要はない」

 

「そーだぜぇアリア、此処は俺らに任せてよォー......オメーは裁判の方に集中しな」

 

『そっ、そんな!あたしは......』

 

『キンジぃ、隼人ぉ!聞こえたぜ!どうやら俺は、居残り組らしいな』

 

「武藤、済まないな。こんなことになっちまって」

 

『へっ!構わねェよ。新幹線を運転するのはガキの頃からの夢だったんだ。それが叶って、死んでもいい気分だぜ』

 

武藤の声は頼もしささえ感じるが、なかばヤケクソ染みた物なんだろう。

 

「――武藤。パンタグラフは先頭車両後部にもある。ここから電力を受けて、切り離した状態でも走れるか」

 

『今、そうした所だ』

 

「仕事はえーな」

 

『天才、だからな!』

 

「そりゃすげーや。で、切り離した後――後部車両はどうなる?」

 

『心配すんな。新幹線は各車両が駆動して走る構造になってる。自動列車制御装置は切ったから、手動で止めれる。さっき泣いてた運転士がやってくれるだろ』

 

武藤の話を聞きながらレキの方を見ると、レキは半分ほど車両を渡り終えていた。

 

「白雪、やってくれ」

 

『はい、キンちゃん......ご武運を!』

 

どぐん、と星伽の能力の波を感じ取る。

 

随分と能力を溜めこんでいたようで――5月の地下倉庫の時よりも強い力を感じることが出来た。

 

『――星伽候天流――緋緋星伽神・斬環――――!」

 

という声に続いて――シャンッ!

 

鈴の音のような抜刀音が聞こえ――16号車の後端、接続部の上下左右に光が迸る。

 

まるで何本ものガスバーナーを一斉に使ったかのような、緋色の光。

 

「キャッ......!」

 

突然の発光に、メイメイが首を竦めた、次の瞬間――

 

バグン、と重い音がして......15号車が後退し始めた。

 

――お見事!

 

たった一太刀で、車両接続部が――斬り離された。

 

それを見たレキが風を切るように駆け抜けてくる。

 

「レキ!止まれ!」

 

キンジが叫ぶ間に斬り離された後ろの車両は遠ざかっていく。

 

1m、3m、5m――

 

もう、レキが風に逆らって跳べる距離じゃない。

 

1両だけになった先頭車は――空力的に不安定になったのか、揺れが激しくなる。

 

震動する視界の中、星伽を見ると『見返り美人』のように此方に背を向けて、残心を取っていた。

 

「キン、ちゃん......!」

 

星伽は、刀を手に、がくんとその場に膝をついた。

 

荒く息を吐き、疲労困憊した表情で切なげにキンジを見ている。

 

星伽のおかげで乗客は助かるし、アリアも戦線を離脱できる。

 

レキは――と思って見てみると、レキは15号車の屋根を駆けていた。

 

胸ポケットに手を突っ込んで、何かを取り出した。

 

が、その何かが見えない。

 

「おいキンジ!レキが何か持ってんぞ!」

 

「何?――――な...ぁ!?炸裂弾!?」

 

「はぁ!?そんなヤベーのを16号車に撃ち込む気か!?」

 

「いや、違う!もっと、別の――」

 

「ゲンギスケン――八艘跳び......!」

 

倒れたままのメイメイが、青ざめて口走ったその言葉に眉を寄せる。

 

八艘跳びというのは......壇ノ浦の戦いで源義経が使ったとされるもので、平家の敵である平教経は、鬼神の如く戦い坂東武者を討ち取りまくるが、時既に遅く、平知盛が既に勝敗は決したから罪作りなことはするなと伝えた。教経は、ならば敵の大将の源義経を道連れにせんと欲し、義経の船を見つけてこれに乗り移った。教経は小長刀を持って組みかからんと挑むが、義経はゆらりと跳び上がると船から船へと跳び移り八艘彼方へ跳び去ってしまった......という話から生まれた物である。

 

艘とは小型の船を数えるときに使う言葉で、八艘となると、おおよそ6mほどになる。

 

それを、レキがやろうとしているのか。

 

レキはくるっ、とその場で一回転しながら、自分の背後に炸裂弾を放り投げる動作をして――再び、全力疾走をしながらこっちへ向かってくる。

 

――おいおいおい、マジでやんのかよォー!

 

――――ドウウウウウウゥゥゥッッッッッ!!!!

 

手動で起爆された炸裂弾が、レキの背後で紅蓮の炎を巻き上げる。

 

その爆風は、前方からの風に逆らって嵐のように吹き荒れた。

 

レキはその爆発に吹き飛ばされつつ――ドラグノフを抱え、スカートを爆風で引き千切られそうになりながら......車両と車両の隙間を飛び越えた。

 

が――

 

――距離が、足りねぇ!

 

僅かに、距離が足りない。

 

『アクセル』を発動して荒れ狂う風を掻き分けるようにして、スローモーションの様にゆっくりと、しかし確実に暗闇に消えていくレキの元へ駆ける。

 

後端ギリギリに辿り着き、飛ぶ。

 

ゆっくり、ゆっくりとレキが顔を俺の方に向けていく。

 

「心配すんなって......跳んだならよォー......俺がしっかり、キンジの元に届けてやるからよォー!」

 

レキの胴体に腕を通し、抱き寄せる様にして固定し、もう片方の腕――そこに装備されたアームフックショットを構え、16号車の後端、俺が跳躍した場所に狙いを定めて射出する。

 

ビッバシュゥッ!――――ガギィンッ!

 

フックが突き刺さり――フックの内部がガシャリと開いて、フックが固定される。

 

そのまま伸びたワイヤーが、ギャリリリリリリリリ!!!と音を当ててワイヤーが巻き上げられていく。

 

巻き上げが終わりワイヤーが自動的に切断され、慣性で体が流されて縁にしがみ付けた。

 

『アクセル』を終えて、レキを担いだ腕をギリギリまで上げ――先に屋根に昇らせる。

 

「ありがとうございます、隼人さん」

 

レキは俺にお礼を言って、車両中央部にいるキンジの元へ駆けていった。

 

それに少し呆けるが、空いたもう片方の手も使って縁を掴み、懸垂の要領で体を持ち上げ、膝を屋根に乗せ、足を掛け......立ち上がる。

 

レキを改めてみると、さっきの炸裂弾の衝撃のせいか、傷が開いたのだろう、包帯が血で滲んでいる。

 

包帯や靴からは、白煙が上がっている。

 

――ホントーに無茶苦茶やりやがる...

 

「どうして、どうして......駆けつけたんだ!こんな所へ!」

 

キンジは怒気を孕ませながら、レキに向かって叫んだ。

 

「駆けた理由ですか」

 

焦げた靴と靴下を脱ぎ捨てたレキは裸足で新幹線の屋根に立ち――

 

「キンジさんも、駆けてくれましたから。夜、山から、私を抱えて」

 

抑揚のない声で、そう言った。

 

――俺も多少なりとも貢献したんだが、それを今言うのは無粋だろう。

 

「...っ、レキ......!」

 

キンジは何かを言おうとしたが、気恥ずかしそうにして口籠ってしまった。

 

レキはそんな事気にも留めず、車両前方で隠れて様子を窺っているココを睨んでいた。

 

「それに私は誓いました。『主人に仇為す者には一発の銃弾となり、必ずや滅びを与えん事を誓います』――――と」

 

ガチャリ、とドラグノフをココに向ける。

 

「藍幇のココ。あなたたちに一度だけ、投降の機会を与えます。戦える人数は3対1です。あなたたちに勝ち目はない。爆弾を解除して、車両を止めなさい」

 

そう言ったレキの後ろから――

 

「4対1よ」

 

んしょ、とアリアが切り離された部分から這い上がってきた。

 

「――アリア......!」

 

黒と銀のガバメントを抜き放ったアリアに、キンジは頬を引き攣らせている。

 

キンジがとっとと脱出しろと言ったのに、残っていたようだ。

 

レキはアリアに背中を見せたまま――

 

「アリアさん。車内に戻ってください。キンジさんには近づかないようにと言ったはずです」

 

少し解けた包帯とショートカットの髪を風で暴れさせながら、警告するように言う。

 

「っ!怪我人こそ、病院に帰りなさいよ」

 

ツインテールを吹き流しの様に靡かせつつ、アリアも喧嘩腰で返す。

 

「アリアさんが下がるべきです」

 

「あんたでしょ」

 

「アリアさんです」

 

「あんたよ!」

 

ここに来てケンカとは、余裕があるのか周りが見れていないのか。

 

共闘をするのであれば、連携は必須だ。

 

連携が出来なければ互いが互いの足を引っ張り合うことになる。

 

一度だけ組んだ事があるバスジャック事件の時のフォーマンセル。

 

だがアレはレキがヘリにいて――俺がサポートで、キンジとアリアが突入だった。

 

今回は事情が違う。

 

全員同じ場所に、集まって――闘わなければならない。

 

レキは敵が一人増えたと言わんばかりの殺気を背中越しに放っている。

 

アリアもアリアでガバメントでレキをぶっ飛ばしかねない勢いだ。

 

――マジにヤりあわねぇだろーなぁ...この2人......

 

胃がギチギチと痛みを訴え始め、顔に脂汗が少し浮かぶ。

 

敵が目の前に居るのに、なんでこんなに呑気なんだ。

 

キンジの奴も、残弾あと僅かだったはずだ。

 

キンジがベレッタとデザートイーグルを握り直した時――

 

――ばっ!

 

新幹線が再びトンネルの中に入り、轟音と暗闇、頭上を照らす僅かな灯りだけが俺たちの周囲を包む。

 

だが、今度のトンネルは短かったようで、数秒後には外に出た。

 

トンネルを抜けた先では――眩い光が、車両に降り注いでいる。

 

――なんだァ、この光!?

 

目を細めながら、空を見上げると――

 

......バラバラバラバラバラ......

 

という音を立てる報道ヘリが、かなり高い上空を舞っていた。

 

一機ではなく、何機も居る。どうやらこの――のぞみ246号を、ここで待っていたらしい。

 

この明るさは、報道ヘリのサーチライトが集中して生まれたものだった。

 

「ココ。もうお終いだ、武器を捨てて手を上げろ」

 

サーチライトが、闇に敷かれた光の道を作り出している。

 

キンジはデザートイーグルとベレッタをそれぞれのココに突きつけ、投降するように促している。

 

だが、ココたちはそれでもなお闘志を失わない。

 

キンジが何かに気付き、再び報道ヘリ群が集う空に目を向ける。

 

俺も釣られて空を見ると、報道ヘリの一機が車両後方から接近してきている。

 

――命知らずは何処にもいるモンだなァ...

 

少し呆けてしまい、はぁ、と溜息を零した次の瞬間。

 

「――敵機だ!」

 

キンジがそう叫び、やや霧散しかけていた注意力が再び戻ってくる。

 

「双子どころか、三つ子だったってワケかよ......!」

 

「なんかよォー、四つ子や五つ子、おそ松さんみてーに六つ子でも有り得ねー話じゃあねぇって思えてきたぜ...」

 

「洒落にならない事を言わないでくれ、隼人」

 

俺の零れるような愚痴に、キンジが心底嫌そうな顔で反応を示した。

 

「...っ」

 

「あっ......!」

 

ヘリの作る下降気流に押されるように、アリアとレキが俺たちの傍まで後退してくる。

 

アリアは威嚇するように両手のガバメントをヘリに向けるが、発砲はしない。

 

ヘリが落ちれば周辺にも、この車両にも被害が及ぶ。

 

レキもドラグノフを構えてはいるが撃てずにいる。

 

そんな2人を嘲笑うかのように、ヘリは後方から前方へと、舐めるように飛んだ。

 

「うぁ!」

 

風にツインテールを引っ張られたアリアはキンジの背後、進行方向側まで後退させられる。

 

ヘリは―――

 

『うっ!うぉお!?』

 

インカムに驚く声を響かせた武藤の真上――操縦室の上空で滞空...いや、正確には時速350kmで併走していると言った方がいいだろう。

 

本来は救出係だったらしいそのヘリから、ハッチを開けて――だんっ!

 

足に鈎爪を付けたココが、新幹線の先端に飛び降りた。

 

三人目のココが握るのは、レミントンM700だった。

 

コイツが――比叡山で、俺たちを襲ったココか。

 

――泥まみれになって、呼吸を押し殺して......思い出したら、急に怒りが沸いてきたぜ...ぜってー許さねぇ!

 

「パオニャン。待たせたネ、メイメイの所へ行くよい」

 

「シィ、ジュジュ」

 

なるほど...この狙撃銃を持ったココ――ジュジュが長女か。

 

それであっちのUZIとか使ってたのがパオニャンね。

 

パオニャンはジュジュに一言返すと、民族衣装の紐を解きながら――バッ!と車両右側面にダイブしていった。

 

「はぁ!?」

 

自殺行為に見えたその動きにキンジが息を呑み、俺が驚愕の声を上げた。

 

虚空を舞ったパオニャンの服が、開かれていく折り紙の様に、一枚の大きな布に広がっていき、あっという間にパラシュートになった。

 

ココはそのパラシュートを滑空に使い、新幹線の横をC字に移動していく。

 

そして、車両の後端ギリギリに倒れているメイメイと抱き合う様にして着地した。

 

パラシュートを切り離したパオニャンはパンタグラフの根本、装置の裏に身を隠した。

 

更にその一瞬で、突き刺した青龍刀も回収していた。

 

――挟まれた、か。

 

俺はキンジの隣で――アリアとレキはキンジを挟むようにして背を向け合っている。

 

成程、レキにはアル=カタを、アリアには狙撃をぶつける算段か。

 

「パオニャン!ビジネスここまでヨ、人質無くなた、日本政府、金払わない!」

 

「シィ、ジュジュ!撤退して爆破する。コイツらも持って帰れないネ」

 

この期に及んでもビジネスの話をする欲深いココ姉妹の上空では、無人になったヘリが何mか上昇して待機している。

 

おそらく探査衛星なんかと同じで、カメラで新幹線と自機の距離を確かめて、正確に距離を保つシステムだろう。

 

それをヘリに積む辺り技術力が可笑しい気がする。

 

――さて、この状況......どうしたものか。

 

チラリとキンジを見ると、キンジは何か閃いたかのような顔をしていた。

 

「隼人」

 

「なんだ」

 

「メイメイが、また攻撃を仕掛けてくるかもしれない...」

 

「――そっちは、任せろ」

 

「任せた」

 

キンジと拳をコツッとぶつけ合う。

 

キンジが、アリアとレキをどうにかするんだろう。

 

アリアとレキがパオニャンとジュジュをどうにかするんだろう。

 

だったら俺は、メイメイをどうにかして見せよう。

 

左手首に取り付けられた、腕時計型の制御装置のボタンを押す。

 

カチリ。

 

『Are You Ready ?』

 

無機質な、男の声が響く。

 

カチリ。

 

『Are You Ready !?』

 

「ハヤト!何してるカ!」

 

パオニャンが、焦った様に駆け出す。

 

背後を見せているから見えないのだろうが、きっとジュジュも俺を狙おうとしているのだろう。

 

「何って...そりゃあ――」

 

カチリ、もう一度ボタンを押す。

 

『――O-V-E-R . H-E-A-T ON!!!』

 

ガシュゥン、とブーツがやや重くなり――キュィイイイイイイイイイイイ!!!!

 

と異常な音を立て――蒸気が上がり始めた。

 

ユラリ、と熱気が足元から上がってくる。

 

ファイティングポーズを取り、左手の青龍刀を遊ばせ、右手のXVRをパオニャンの奥、メイメイに突きつける。

 

「――テメーらを逮捕する準備だろォが。動けるんだろ?メイメイ」

 

闘志が沸き上がってくる。ドクン、ドクンと、体の奥から溢れて出てくる力を感じる。

 

何時もより強く、もう、誰にも止められないという言葉が最も正しいと思える程の熱を持っている。

 

「......っ!メイメイ!気付かれてるネ!やるしかないヨ!」

 

「シィ!殺すもやむなしネー!」

 

メイメイが立ち上がり、片足跳びの要領で飛び跳ねつつ、青龍刀を構え――パオニャンの後ろを通過して、俺目掛けて駆けてくる。

 

「アリア、レキ。俺は信じる......2人が、心の奥では...お互いを信じてる事を信じる」

 

パオニャンは既に飛び出し――俺に狙いを定めた所でキンジたちの違和感を感じて、何方に銃口を向けるか...一瞬、迷った。

 

「――さぁ、仲直りの握手だ」

 

キンジが、ベレッタとデザートイーグルを上空へ軽く投げたのを視界の端で捉える。

 

キンジは空になった両手で、アリアとレキの腕をそれぞれの背後から強引に掴み、無理矢理アリアとレキの腕をガッチリと掴み合わせた。

 

そして、ざっと屈み――右腕と左腕をアリアたちの腕から腰へと移す。

 

そのままキンジを軸に、片膝を使いグルンッ!とその場で半回転した。

 

チェスで使う、特殊手...『キャスリング』の様に。

 

これで、狙撃対狙撃、銃撃対銃撃になったワケだ。

 

――これで、キンジたちは大丈夫そうだな...。

 

安堵したその瞬間。

 

『アクセル』を使い――世界は急激に減速を始める。

 

真っ直ぐ俺目掛けて片足跳びでやってくるメイメイに合わせて全力で走る。

 

瞬く間に接近した俺にメイメイは驚いて青龍刀を振り上げる――が、もう遅い。

 

「オメーは格闘戦が得意らしいが――時速280kmで動ける人間相手に格闘戦を挑んだことは無かっただろ......慢心したな、メイメイ」

 

振り下されかけたメイメイの青龍刀を無視して、体を少し屈め――振り下そうとしている腕...その、手首に右手の甲を乗せ――『桜花』の要領で弾いた。

 

片手版『(インフィニティ)』。

 

まぁ、元々片手でやる事を目的にしたものだから、出来て当然だ。

 

同じ技にやられるのは屈辱的だろう、と思いながらも――決して容赦はしない。

 

「すげー個人的な理由だろうけどなぁ......秋の夜の山は――寒かったぜ?」

 

腕を弾かれて苦い顔をするメイメイの前で、右足のつま先をトントンと屋根にぶつける。

 

「それに今は夜だしよォー......時速350km以上出てる新幹線の上だ。よく、冷えるだろ?」

 

右腕を少し持ち上げる。

 

「俺を山で冷やしてくれたお返しに――冷えるといけねーからよォ...温めてやるぜ」

 

持ち上げた右腕、その手首を、スナップさせる。

 

「いくぜ」

 

体勢を立て直そうとバック転をしようとしているメイメイの背中に全力で回り、互いに背を合わせた様にする。そのまま、少し顔を90度横に向け、後ろに目をやると、無防備に弓状に反った背中が見えた。その、背中に――

 

 

 

ドグォオオオッ!!!

 

 

 

体を半回転させ、捻りを加えた蹴り上げを叩き込み――体を槍で下から突き上げるように蹴り込む。

 

ジュアァッ、と...民族衣装の焼ける音が聞こえる。

 

そのままゆっくりと足を下し、また走り、弓形に浮いたままのメイメイの前方に立つ。

 

メイメイの横目掛けて走り、メイメイを右前方に捉えた状態で跳躍。

 

そのまま空中で体を捻じり――縦回転の回し蹴りを、反り上げている腹に叩き込む。

 

――ドッグォオオッッ!――ジュッシュウウ...!

 

120度の高温に到達したブーツにメイメイの体、民族衣装が触れる度に焼けるような音が微かに響く。

 

最も反っていた部分を蹴られたメイメイはゆっくりとその体をくの字に折り曲げて、屋根へと落ちていく。

 

メイメイよりも早く着地した俺は、メイメイの下に回り、今度は肩を蹴り上げた。

 

――メキィ、ジュゥッ

 

メイメイは肩を蹴られ、ゆっくりと反転していき、くの字のまま、落ちてくる。

 

そして再び――体を捻り、蹴り上げを叩き込んだ。

 

――ドグォオオッ!!

 

今回のは、比叡山でやられた分の仕返しも込めたスペシャル版だったが――本来なら、最初の蹴り上げで終わる技。

 

かつてブラドがやっていた串刺しの様に――O-V-E-R.H-E-A-T中でのみ行う、串刺しに見立てた技。

 

相手を蹴り上げ――その体勢を維持すると、120度の熱でゆっくりゆっくり、地味な火傷を負う対人技。

 

言うなれば『ツェペシュ』。

 

そのまま、『アクセル』を終えて――世界が元の速度に戻る。

 

――ぐっ...

 

ズグン、と目の奥が万力に挟まれ、締め上げられるような痛みを訴え始め、視界がグラグラと揺れる。

 

頭を少し振って、メイメイを串刺すように空に持ち上げ続ける。

 

「――ッ!」

 

パァン!

 

俺から狙いを変えたのであろうジュジュの放った銃弾は、キンジが宙に手を伸ばして取ったデザートイーグルで――

 

ドゥン! ――ギィン!

 

弾いた。

 

そこにレキが反撃でドラグノフを撃つ。

 

タァン!

 

ドラグノフの銃弾はジュジュの足元を掠めるようにして弾いた。

 

「――うぁっ!」

 

足元を撃たれ、転倒したジュジュは、先頭部分へ滑り落ちていく。

 

「ココ!」

 

――ガガンガンッ!ガンガガガンッ!!ガンガン!ガガンガガン!ガン!!!

 

車両後方ではアリアが、両手のガバメントをばら撒きつつ、パオニャン目掛けて駆け寄っている。

 

キンジはそれを見てベレッタを弾切れになるまでフルオートで銃弾を吐き出し続け、アリアをサポートして――足元や自分を掠めて飛んでいく銃弾にビビったパオニャンが尻もちをついた。

 

「――きゅっ!」

 

その隙を見逃すアリアではなく、パオニャンが手にしていたUZIをガバメントによって弾き飛ばした。

 

とうとう丸腰になったパオニャンに、アリアが飛び掛かった。

 

「逮捕よ!」

 

それを確認して――今蹴り上げたままのメイメイに視線を戻す。

 

「――――う゛......あ゛?......は、早い...見えない......!――――あ゛っ!?あ゛ぁ゛!あ゛、づ ぃ゛ぃ゛ィ゛!!!!あ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っー!!」

 

メイメイは徐々に状況の把握が追いついていき、蹴り上げられた状態でバタバタと暴れ出し――体の軸をずらして、屋根に落ちた。

 

屋根に落ちたメイメイは、腹や背中を押さえて金切声をあげながら、体をグネグネさせながら転がったり、腕を振って風を送り、蹴られた場所を冷やそうとしている。

 

「俺が速すぎて――付いてこれなかったみてーだな......」

 

倒れて暴れ回っているメイメイに手錠を掛けた後、ビシィッと、人差し指を向けてメイメイには速さが足りなかったと伝える。

 

メイメイは、それはそれは悔しそうな声を、上げるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メイメイ、パオニャンを縛り、手錠を掛けて無力化し――ジュジュは先頭に必死にしがみ付いている状態か。

 

先頭の方へ寄っていくと、レキが斜面に続く縁のギリギリに、無言でしゃがみ込んでいた。

 

そこにはジュジュがへばり付いていて、何やら喚き散らしている。

 

意味的には助けて!滑る!落ちる!とか、その辺だろう。

 

「少し、うるさいですよ。あなたも姫なら、辨えなさい」

 

ちゃきっ、とレキが銃口をヘリへと向ける。

 

それを破壊されては困ると思ったのか、それっきりジュジュは黙ってしまった。

 

これで、ようやく3人とも無力化出来たな。

 

「...もういないだろうな?」

 

キンジが疑うような視線で辺りを見回している。

 

「アンタたち!もういないでしょうね!」

 

アリアも同じ意見のようだ。

 

――いやぁ、まだ居る気がするなぁ...10人姉妹です、なんて言われても驚かねーぜ、俺。

 

アリアはメイメイとパオニャンをぎゅむっと片足ずつ丁寧に踏みつけて、ゲスい笑いを浮かべている。

 

それでいいのか貴族。

 

クルクルとガバメントを手元で回転させて遊ばせたアリアは、ホルスターに仕舞い、顔を上げた。

 

レキも顔を上げ――アリアとレキが、同時に振り返った。

 

目と目が合う。

 

「かっ、勘違い、しないでよね」

 

少し赤くなったアリアがアヒル口を作っている。

 

「さっきのは――体が勝手に動いただけよ!」

 

「私も――体が勝手に動いただけです」

 

互いにまだ少し意地を張り合ってる様な事を言ってはいるが、もう俺にも理解できる。

 

キンジだって理解してるだろう。

 

あの目は、互いを認め合う武偵の目だ。

 

きっとアイツらは、もうちょっと時間を掛けて今まで以上に仲良くなるだろう。

 

その時――車両の先端から、ジュジュの叫ぶような声が聞こえたかと思うと、ピンク色のスモークが吹き上がった。

 

スモークの中、パラシュートで減速しつつ車両から脱出したジュジュは畑へと着地した。

 

「――冷たいお姉ちゃんね。アンタたちを置き去りにしたわよ」

 

アリアは一人取り逃がした悔しさからから、踏みつけているメイメイとパオニャンにそう言った。

 

「「きひっ、きひひひひひひっ!」」

 

ココたちは不気味な笑い声を返す。

 

「龍虎相博――お前たち、道連れネ」

 

「ココたちの負け違うヨ。パオパオで皆吹っ飛べ!バーカバーカバーカ!」

 

くん、と新幹線が更に加速する。

 

これで、時速370km。

 

上空に待機していたヘリが、この速度に付いてこれなくなったのか、減速していき道路へ着陸していく。

 

「お前たち闘うしか能ない。ココたち違うネ」

 

「キンチお前、ドジでグズでノロマな亀ネ」

 

「ハヤトお前、闘う度に強くなるバケモノウサギヨ、ココ、もう二度と見たくないネ。すり減った寿命で惨めに死ぬヨロシ」

 

「ひでぇ言われ様だな...」

 

新幹線は都市部へ入っていく。もう、退路は無い。

 

「――そうだな。隼人は化け物だ」

 

「おい」

 

「俺はアリアや理子みたいに、身軽じゃない。白雪みたいな術も使えない。隼人みたいに速くない。レキみたいに2000m以上の距離を狙撃する事も出来ない。武藤みたいに何でも乗りこなせないし、一人じゃ何も出来ない」

 

「そうネ!お前一人じゃ何も出来ない!」

 

この辺の話は――シャーロックの時にも、したな。

 

キンジは、俺を見て......ニヤリ、と笑う。

 

そのまま近づいて来て、俺の肩に腕を回して俺を引き寄せた。

 

それをメイメイ、パオニャンに見せつけるようにして、一言。

 

「――でも、俺たちなら何だって出来る」

 

キンジが使ってない方を腕を突き出してくるので、苦笑しながら、俺も腕を突き出してコツッとぶつけ合う。

 

キンジがそう返し、拳をぶつけ合った直後――背後から、警笛を鳴らして......

 

もう一本の新幹線が接近してくる。

 

「「......っ!?」」

 

メイメイ、パオパオは迫ってくるもう一本の新幹線を見て、唖然としていた。

 

「―――この『修学旅行・Ⅰ』は、そういう事も学ぶものらしいんでね」

 

キンジは笑みを崩すことなく、そう宣言するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジュジュ――逃走。

 

パオニャン、メイメイ――捕縛。

 

―――――決着。

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