"愛してる"の想いを   作:燕尾

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はじめましての人ははじめまして、燕尾です。

新しいの書いちゃいました。

もはや勢いです。






本編
1.プロローグ


 

「やっほー、元気にしてたかな?」

 

大樹から桜が綺麗に咲いて花びらが舞い踊る春の季節、わたしこと高坂穂乃果はとある場所へとやって来た。

 

「今年もちゃんと皆で来たよ! ふふ、驚いた? まだまだ皆勤は続くよ!」

 

わたしの両隣に海未ちゃんとことりちゃん。そして絵里ちゃん、希ちゃん、にこちゃん、花陽ちゃん、凛ちゃん、真姫ちゃん――元μ'sのメンバー全員が一列に並んでいる。

この場所に来るのも今年で七年目だ。それぞれの道を歩み始めてバラバラになっても、今日だけはこうして皆が必ず集まる、特別な日。

 

「みんな、準備はいい?」

 

わたしがそう尋ねると皆は笑顔で頷いた。

 

「それじゃあ、いくよー? せーのっ!」

 

去年と同じく、わたしの合図で始まるーーわたしの大好きなあなたが好きな歌。

皆の声がちゃんと届いていると嬉しいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと~、お酒足りないわよ~!」

 

「にこっち、早々から飲み過ぎやで。明日舞台があるんとちゃうん?」

 

「いいのよ~! こんなときぐらいしか楽しみながら飲むことなんてできないんだから~。そういう希は全然減ってないじゃない!」

 

「明日も予約びっしり埋まっとるからな、二日酔いになるわけにはいかんのよ」

 

「今日くらいは忘れなさい! さぁ飲むわよ、希!」

 

「ちょっと勝手に注がんといて!?」

 

 

 

 

 

「ほえー、相変わらず絵里ちゃんはスタイルいいね~。この服も絵里ちゃんのための服って感じで良く似合ってるよ」

 

「そう? ありがと花陽。知ってる? この服をデザインしたのはことりなのよ」

 

「ええっ!? そうなの!? さすがことりちゃんだね!」

 

「そんなことないよ~。先輩からアドバイス貰いながら作ってたから」

 

「でも、ほとんどはことりが作ったのでしょ? 見たらわかるもの」

 

「うんうん! ずっとことりちゃんが作るところとか見てきたから花陽もわかるよ」

 

「えへへ、ありがとう。絵里ちゃん。花陽ちゃん。そう言ってもらえてことりも嬉しいな」

 

 

 

 

 

「さぁ、真姫ちゃん! 凛と勝負だにゃ~!」

 

「何でわたしがそんなこと……」

 

「負けるのが怖いのかにゃ~?」

 

「そんなわけないでしょ!? バカにしないで!」

 

「じゃあ、凛と勝負できるよね?」

 

「いいわよ! やってやるわよ! 後悔しないでよね!!」

 

「そうこなくっちゃ! じゃあいくにゃあ~、せーのっ」

 

「「叩いて被ってジャンケンポイ!!」」

 

 

 

 

 

桜の木の下で皆はおもいおもいに楽しく過ごしている。

桜を見ながらちびちびとお酒に口をつけているわたしにひとつの影が近寄ってくる。

 

「穂乃果。楽しめていますか?」

 

「海未ちゃん。うん、ちゃんと楽しんでるよ」

 

そうですか、と海未ちゃんはわたしの隣に腰を掛ける。

そして、乾杯、と二人で紙コップを軽く触れさせて、コップの中身を(あお)る。

ふー、っと同時に息を吐き何となくおかしくなって二人して顔を見合わせて笑う。

なんだか不思議な気分だ。こういう宴会では自分は元気に色々とやるはずなのだが、コレだけはこうして落ち着いているのだ。

 

「もう七年、ですか……あっという間ですね」

 

おもむろに海未ちゃんが呟いた。

 

「そうだね」

 

一言だけ返して訪れる沈黙。するとまた海未ちゃんが口を開いた。

 

「穂乃果」

 

海未ちゃんはわたしの名前を呼ぶ。

 

「なに? 海未ちゃん」

 

わたしは聞き返す。この後海未ちゃんが言おうとしている言葉はわかっている。

 

「あなたは春人のことが好きなのですか?」

 

そしてそれに対する言葉は(すで)に決まっていた。

 

「うん好きだよ。大好き。わたしははるくん――春人くんのことを愛してる」

 

わたしの答えに海未ちゃんは目を伏せる。今年の答えも変わらなかったことに残念に思っているのか、心配しているのかわたしにはわからない。だけど、例年通り海未ちゃんはそれ以上聞いてくることはなかった。

そんな彼女に対してわたしはいつも通り独り言のように言った。

 

「いつかはこの気持ちが一番じゃなくなるかもしれない。だけど、穂乃果はこの想いを抱いている今を大切にしたいんだ」

 

桜を見上げ、花びらの隙間から(あふ)れる日差しに向かって手を(かざ)す。すると薬指に()まっている指輪が光を反射させて輝いた。

 

「穂乃果……」

 

「今はるくんは何をしているんだろうね?」

 

光の眩しさに目を(つむ)る。そして思い起こされるのは彼と初めて出会ったあの日。

それは今日のように春の風が吹く暖かい日のことだった。

 

 





皆さん今日も一日お疲れ様です。

ではまた次回に、お休みなさい。
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