"愛してる"の想いを   作:燕尾

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どうも、燕尾です。
別に書いているラブライブと内容が並んできました。





41.本当にやりたいこと

 

 

「希先輩、確認頼む」

 

「わかった、いま確認するわ」

 

俺はまとめた資料を希先輩に渡す。希先輩はパラパラと軽快に資料を流し読みをして、はんこを押した。

 

「さっきから流し見してるみたいだが、ちゃんと確認できているのか?」

 

さすがに不安になった俺は確認するが、速読が得意らしく何も問題はないらいしい。意外な特技だ。

 

「いやー、それにしても春人くんが手伝ってくれて助かったわ。書類の整理早いし、資料も正確だし」

 

「こんなに仕事を溜め込んでいたとは俺も思わなかった」

 

俺は次の書類を整理しながら呆れた声を出す。

 

「えりちは廃校を何とかしようと付っきりやったから、うちが優先順位の低いものを後回しにしていたんやよ」

 

だけどそれを何度もしているうちに積みあがったものはとんでもない量になってしまった、ということか。

 

「穂乃果も周りが見えないことがあるが、生徒会長はそれ以上みたいだな。やるべきことをしていないなんて本当に何しているんだ」

 

「そこは本当に悪いと思ってる。だけど、えりちにとってこの学校はそれほどまで思い入れの深い場所なんや」

 

「自分の祖母の後を追うことに執着しているだけなのにか?」

 

そういうと希先輩は口を噤んだ。

 

「本当にくだらない。俺からしてみれば哀れなものだ。あの生徒会長の行動は何一つ自分の気持ちがない」

 

「それは言い過ぎやで、誰かのために頑張るのは悪いことやないやろ」

 

「その誰かはいない人間のためだ」

 

「理由は人それぞれやろ」

 

確かにそう。理由なんて人それぞれ。だが、

 

「くだらない意地張って、自分の気持ちをひた隠して、それでこの学院の生徒会長だから自分がどうにかしないといけない? ふざけるな。あの女の自己満足のためにどうして周りが振り回されないといけないんだ」

 

生徒会長だからなんていっているが、一ミリたりとも生徒のことなんて顧みていない。

 

「あの生徒会長の行動は最初から独りよがりだ。そんな物の結末なんて目に見えている」

 

「なら、どうして今回えりちに教えてもらうことを止めなかったん?」

 

「穂乃果たちがそうすると自分たちで決めたからだ。だから俺がどう思おうと、生徒会長を疎もうと、俺はそれを止めることはない」

 

それは当然のこととして俺にはもう一つ別の理由があった。

 

「それに、これが生徒会長にとって最初で最後のチャンスだ」

 

「……」

 

目をパチクリさせる希先輩。

 

「生徒会長には選んでもらう。これからどうするのか」

 

このまま意地を張り続けるのか、それとも変わるのか。自分の気持ちに向き合って、正直になるのか。

彼女にとってはこれを逃したら二度とない機会。俺が今回止めなかったのは穂乃果たちのためなのはもちろん、甚だ不本意だが生徒会長のためでもあった。そして……

 

「そっか……」

 

ああ…だから嫌なんだ。この人に言うのは。考えていることが大抵バレてしまうから。

 

「ありがとうな、春人くん。うちの望みまで聞いてくれて」

 

「礼を言われる筋合いはないし、偶然そうなっただけだ。それに、あんたの望みなんて覚えていない」

 

「ふふふ…そういうことにしとくわ」

 

本当に、この人は苦手だ。

安心したような笑みを向けてくる希先輩に俺は淡々と仕事を片付けていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日が経った。

俺も指定の休憩時間に五分だけ様子を見に行っていたが、穂乃果たちはもちろん、最初こそ不審に思っていたにこ先輩や真姫も今となっては穂乃果たちと同様に愚直に生徒会長の指示に従って練習していた。

とはいっても、話を聞けば、生徒会長からが来てからは柔軟しかしていないのだという。

聞いた限りでは俺も不信感はあるが、それに関しては俺が何も言うことはできない。そういう約束で生徒会長に一任しているのだ。

だから、俺がいまするべきことは口を出すことではなく、こうして希先輩と生徒会の仕事をすることだ。

 

「皆のことが心配?」

 

すると見透かしたように口にする希先輩。

 

「いや、穂乃果たちは上手くなれると信じてやっているんだ。それなのに俺が穂乃果たちを信じないでどうするんだ」

 

「そこにえりちはいないんやね?」

 

俺が生徒会長を信用するほど彼女と過ごした時間がない。それがないのは当然のことだ。

そんなことを話している途中で、突然携帯が鳴った。

画面を確認すると、電話をかけてきたのは練習中のはずの穂乃果だった。

 

「もしもし、どうした穂乃果?」

 

「ハルくん! 絵里先輩がいなくなっちゃった!!」

 

「いなくなった? どういうことだ?」

 

「その…話をしてたら、なにか考え事して、それで屋上から出て行っちゃったの」

 

事情がよく飲み込めないが、生徒会長がいなくなったことだけはわかった。

 

「分かった、俺たちのほうで探す。穂乃果たちは練習しててくれ」

 

「でも――」

 

「もう時間がないのは分かっているだろう? 必ず見つけるから、な?」

 

「うん……ハルくん、絵里先輩を見つけても責めないでね? 上手くいえないんだけど、絵里先輩もなんか悩んでいたみたいだから」

 

「わかってる。ずっと前からな」

 

「えっ? それって――」

 

「とりあえず俺に任せろ」

 

「う、うん…お願いね?」

 

「ああ――希先輩」

 

「うん、わかっとる」

 

電話を切って希先輩に目を向けると先輩は頷いた。

俺たちは仕事を切り上げて生徒会室から出る。

屋上から出ていったということは行く場所なんて限られてきている。生徒会室は俺たちがいるから絶対来ない。そうなると生徒会長の行く道はただ一つ。

そう考えれば彼女を見つけるのはそう難しくはないし、先回りして待ち伏せすることは容易に出来る。

ただ俺と生徒会長が出会うことがないのが望ましいが、俺の想像以上に生徒会長は頑固だったようだ。三年生の教室の引き戸がガラッと開けられる。

 

――希先輩まで振り切ってきたのか、本当に意地っ張りだな。

 

こうなると考えたことが当たり、生徒会長が本当に姿を見せてきたことに俺はため息をついた。

 

「あなた…どうして……」

 

「どうしても何も、俺はここに用事があっただけだ」

 

生徒会長は濡れた目をごしごしと拭い、気丈に振舞おうとする。

 

「何の用かしら?」

 

「別にあんたに用なんてない。ただ希先輩からここで待ってろと言われたからな。生徒会長こそいまは穂乃果たちと練習のはずだが、何しにここに来た? 教えるのに忘れ物も何もないだろう?」

 

「それはっ……」

 

「まあ、別にいいさ。あんたのやり方に口は出さない約束だからな――ただ、一つだけ聞きたいことはある」

 

「何かしら?」

 

「あんたはそれで本当に良いのか?」

 

その言葉に会長は目を見開いた。

 

「意地張って、意固地になって、それで逃げて……逃げたその先に何があるんだ? 自分の気持ちを隠して、一体何になるんだ?」

 

距離を詰める俺に対して、逃げるように後ずさる生徒会長。

 

「いや……」

 

酷く怯えたように小さくそう言う生徒会長。俺の瞳に映るその姿はもはや子供のようだった。

だが、俺はやめることはしない。全てを曝け出すまで追い詰める。

 

「これで良いんだと自分に言い訳をして、これが最善だと人に言い訳をして、自分を騙して、他人を騙して、目を逸らして、背を向け続けて」

 

「やめて……」

 

「なぁ、生徒会長。あんたは本当に何がしたいんだ?」

 

「もうやめてっ!!」

 

生徒会長は叫んでドンと俺の身体を突き飛ばす。

 

「私は…私は――!!」

 

そして怒りの形相で俺の胸倉を掴み凄む。

だがそれも一瞬のこと。すぐに勢いはなくなり、生徒会長はうな垂れた。

 

「もう、気付いているの。どうしてあの子たちが人気なのか、どうして理事長が私を認めてくれないのか、本当に自分がしたいことはなんなのか…もう全部分かってる」

 

「……」

 

「でも、今さら私が言うのは卑怯じゃない。散々あの子達に当たって、空回って、迷惑かけてきた私が、皆と一緒にスクールアイドルをしたいなんて、言えるわけない」

 

「はぁ…」

 

思わずもう一度ため息を吐いてしまった。

 

「生徒会長」

 

「なによっ――きゃ!?」

 

そして俺は生徒会長の胸倉を掴み返し、ずいっと顔を近づける。

 

「な、なに。なんなの!?」

 

戸惑う生徒会長に俺は意を決する。

 

「恥ずかしいから一度しか言わない。今回、穂乃果たちがあんたに教わるのを止めなかったのは穂乃果たちのためになると思ったからなのが1つ」

 

穂乃果たちのためになる。本来はそれをベースに動いていたが、今回ばかりは本当の理由が別にあった。

 

「だけど一番は生徒会長――あんたのためだ」

 

「……私のため?」

 

意を突かれたような小さな声を上げる生徒会長。俺は顔が赤くなるが、今さら止めることは出来ない。ここから先はもう勢いだ。

 

「気持ちも事情も、希先輩から聞いてもう全部知っていた。それに俺自身、見ていられなかった」

 

自分を偽り、諦めて、終わりを受け入れようとする生徒会長の姿は、見るに耐えなかった。

 

「で、でも…そんな素振り一度も」

 

見せるわけないだろう。もっとも、見せたところで気付かないと思っていたが、気付かれないようにはしていた。

そうしながら機を窺って、時がめぐってきて考え付いたのが今回だ。穂乃果たちの気持ちを知れば、この人が被っていた色々なものが剥がれ落ちると思っていた。

 

「あんたの本心を引き出そうと穂乃果たちの練習を見てもらうことにした。本当にやりたいことを、本当の自分の気持ちを認めてもらうために」

 

このどうしようもない頑固者を変えるためには何かしらのきっかけが必要だった。

 

「だから、絵里先輩(・・・・)

 

「っ!」

 

俺がこの人の名前を呼ぶのは今日が初めて。そしてこれが後まで続くか、元の役職呼びに戻るのかはこの人次第だ。

 

「μ'sに入らないか?」

 

俺は手を差し伸べる。絵里先輩はその手を見るが、まだ怖気づいていた。

 

「言ったでしょう! いまさら私がどの面下げてあの子達とスクールアイドルなんて…!」

 

「悪い思っているのなら謝ればいい。簡単なことだろう?」

 

「でもっ、私がアイドルなんておかしいでしょう!?」

 

「さっきも自分で言っていただろう。スクールアイドルをしたい、って。やりたいという気持ちがあるのならそれで十分だ。そこにおかしいも何もない。やることに理由なんてなくていい」

 

絵里先輩から出てくる言い訳を一つ一つ潰して、逃げ場をなくしていく。

 

「でも…でもっ……!」

 

考えが尽きたのか絵里先輩は俯いた。そして――

 

「春人、くん……」

 

おずおずと控え目に俺の名前を呼ぶ。

 

「言ってもいいの?」

 

「ああ」

 

「もう、我慢しなくていいの……?」

 

「ああ」

 

「私は、自分のしたいことをしていいの?」

 

「ああ」

 

そういうと、絵里先輩は震える手で俺の手を掴んだ。

 

「今さらこんなこというのは卑怯だと思う。でも…だけど……」

 

そして決壊するかのように涙を流しながら絵里先輩は自分の本心を叫ぶ。

 

「私、スクールアイドルがやりたいっ……私を、μ'sに入れてほしいっ!」

 

「ああ、もちろんだ」

 

俺は絵里先輩の手を引いて立ち上がらせる。

そして立ち上がった絵里先輩は袖で涙を拭いて、微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうやら、上手くいった見たいやね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると、話がまとまったところにタイミングを見計らったかのように現れたのは希先輩だった。

 

「春人くんならどうにかしてくれると信じとったよ」

 

「その期待にこたえられて何よりだ。俺も恥ずかしい思いをしたまである」

 

本当は言いうつもりのなかったことまでベラベラとよく喋った。軽く死にたくなってくる。

そんな軽い鬱気分に浸っている俺を置いて、さっき言い合いをしていたであろう絵里先輩は気まずそうな顔をしていた。

 

「希……」

 

言うべきことがあるのに、言葉が出てこない。そんな感じの絵里先輩。

 

「絵里先輩」

 

一歩踏み出す勇気のない絵里先輩の背中を俺は押す。そして、困惑する絵里先輩に一言。

 

「悪いと思ったのなら、素直に謝ればいい。簡単なことだろう?」

 

「春人くん…」

 

さっき言ったことをそのまま言うと、絵里先輩は頷いて希先輩と向き合う。

 

「の、希……さっきはその…ごめんなさい。あなたが心配してくれていたのに、あんな言い方してしまって……」

 

「ううん。うちもえりちの悩みを知っててそう言ったんやから、お互い様や。うちこそごめんな?」

 

ともに謝る二人。この分ならこじれることもなく、丸く収まるだろう。

それよりも俺は希先輩に聞いておかなければいけないことがあった。

 

「希先輩。俺たちはこれから穂乃果たちのところへ行くが、あんたはどうする?」

 

「……」

 

「春人くん、それってどういう――?」

 

「絵里先輩だけじゃないってことだ。ずっと回りくどいやり方をして遠くから穂乃果たちを見ていた、素直じゃない人は」

 

俺は空いてる手を希先輩に出す。

 

「先輩もそろそろ、自分の本当の望みを言ってもいい頃だろう。あんただって自分の事を後回しにして色々頑張っていたんだ。それに――μ'sの名前をつけたのだってそういう(・・・・)つもりだったんだろう?」

 

「……いつから気付いていたん?」

 

「そういう意図があったのは最初から薄々気付いていた。それが希先輩だと確証得たのは俺の家で話したとき。あんな話されたら嫌でも気付く。先輩だって気付いて欲しいからそういう話をしたんじゃないのか?」

 

「春人くんには敵わんなぁ、全部お見通しやったというわけやな」

 

「どういうことなの?」

 

いまだ事情が理解できていない絵里先輩は首を傾げる。

 

「グループ名募集したときにμ'sと書いて投函したのは希先輩だ。そしてμ'sは芸術を司る九柱(・・)の女神たちの総称。つまり――」

 

「――九人そろったときに、道が開ける」

 

希先輩はお得意のタロットカードを出してそう言った。

 

「そうカードが言っていたんや」

 

「……呆れた」

 

そう口にする絵里先輩だったが、それは悪い意味ではないようだ。その証拠に、絵里先輩は笑っていた。

 

「それで、あんたはどうする?」

 

「答えはもう、決まっとるよ」

 

希先輩は空いている俺の手をそっと取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから時間は流れ――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――みなさんこんにちわ! 私たちは音乃木坂学院のスクールアイドル、μ'sです!!」

 

オープンキャンパス当日。絵里先輩と希先輩を加えた九人が、中庭の特設ステージに立っていた。

 

「私たちはこの音乃木坂学院のことが、大好きです!」

 

穂乃果は中学生たち向けて自分の気持ちを言葉にする。

 

「この学校だから、このメンバーと出会い、この九人が揃ったんだと思います」

 

まるで運命かのように、集まった少女たち。それは本当に、この場所にいたからだと信じる気持ちにさせた。

 

「これからやる曲は私たちが九人になって初めて出来た曲です――私たちのスタートの曲です!」

 

穂乃果のその言葉にほかのメンバーも頷き、声をそろえた。

 

『聞いてください!!』

 

 

 

 

 

"僕らのLIVE 君とのLIFE"

 

 

 

 

 

「春人さん!」

 

みんなのステージを眺めていると、後ろのほうから声をかけられる。

振り返ると、そこには金髪の少女と一緒に雪穂ちゃんがいた。

 

「こんにちわ、雪穂ちゃん。オープンキャンパス、来ていたんだな」

 

「はい! UTXとは別にここも私の進学先になる可能性の一つですから。それに――」

 

雪穂ちゃんは金髪の少女に顔を向ける。するとその少女はおずおずと前に出た。

 

「こ、こんにちわ春人さん! 私、絢瀬亜里沙といいます!! 亜里沙って呼んで下さい!!」

 

「絢瀬……絵里先輩の妹か?」

 

「はい! その、お姉ちゃんがお世話になりました!!」

 

ガチガチに緊張しながらも頭を下げる亜里沙ちゃん。

 

「別に俺は何もしていない。ただ話しをしただけ。絵里先輩が変われたのは穂乃果たちや、希先輩がいたからだ」

 

「でも…いえ、春人さんもいたからこそお姉ちゃんは自分に素直になれたんだと思います。だから、ありがとうございました!」

 

そう信じてやまず、お礼を言ってくる亜里沙ちゃんに俺は気恥ずかしくなって顔をそらす。

 

「あっ、春人さん照れてる!」

 

珍しいものを見たように雪穂ちゃんが笑った。

 

「お姉ちゃんの言ったとおりです!」

 

それにつられて亜里沙ちゃんも笑顔になる。

ちょっと待て。お姉ちゃんの言った通りって、絵里先輩は何を言ったんだ?

 

「春人さんってあまり表情が変わらなくて分かり辛いけど、とっても優しい人で照れ屋だって!!」

 

「……」

 

本当に変わったものだな。前までは人を殺せるような目で俺を睨んでいたというのに。

というか妹に何を吹き込んでいるんだ、あの生徒会長は。

俺は恨みがましく絵里先輩に視線を向ける。だが――

 

「……まあ、いいか」

 

楽しそうに歌って踊る彼女を見て、俺はそんな気も失せた。

 

「ぷっ」

 

「あはっ」

 

その呟きが聞こえていたのか、いつの間にか両隣にいた雪穂ちゃんと亜里沙ちゃんが小さく笑い声を上げる。

ちらりと二人を見ると、彼女たちは俺の顔をジッと観察していた。

 

「わぷっ!」

 

「わわっ!?」

 

そんな彼女たちの頭を抑え、こちらへの視線を塞ぐ。

 

「ほら、せっかくここに来たんだからちゃんとステージを見ないと損だぞ」

 

「は、春人さん…ちょっ……」

 

「わ、わぁ~!」

 

ガシガシと少し乱暴に撫でる。右へ左へと頭を揺する俺に二人は驚いていたが、

 

「あははっ! 春人さんくすぐったいですよ」

 

「ふふふっ! 本当に照れ屋さんなんですね!」

 

それを受け入れて、おかしそうに笑う雪穂ちゃんと亜里沙ちゃん。

 

「まったく……」

 

そう呆れた声しかでないが、すぐにどうでもよくなる。

 

 

 

 

 

だって、この場には笑顔があふれていたのだから――

 

 

 

 

 

 

 





いかがでしたでしょうか
ではまた次回にお会いしましょう!



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