翌日の土曜日の午前中は普通にお店を開いており、明日菜と木乃香がアルバイトとして働いていた。
ツナはお客がいないタイミングでPCに向かって作業をしていたが、
「ツナさん何してるん?」
「パソコンを使ってるの珍しいですね。」
後ろから木乃香と明日菜が不思議そうに話しかけてきた。
「お店の予定を作ってたんだ。臨時休業が多いから開店日や営業時間に関しての告知をね。」
ツナは苦笑いを浮かべながら作成していたチラシを印刷し、二人に見せる。それには不定休に変更することや当分の間はランチタイムまでの営業になることが書いてあった。
「もしかしてうちらのせい?」
「すいません。」
「いやいや!売り上げが必要なお店ではないから大丈夫だよ。元々このお店は日本で通用するかどうかの試験的な部分が大きいんだ。だから気にしないで!逆にアルバイトの時間が少なくなって申し訳ないくらいだよ。」
ツナからお店の状況をきいた二人は自分達が安易に色々と頼みすぎてるからだと考えてしまい頭を下げる。するとツナは慌てて二人のせいではないことを説明し、逆にアルバイトで稼げなくなっている状況に頭を下げた。
そんなやりとりをしていると
「お待たせいたしましたわ!皆さん用意はできていますか?」
「あ!もうそんな時間なんや!」
今日は午後から2-Aの教室で勉強会の予定があり、お店をお昼で閉めてあやかを加えた四人で学校へと向かう。
ツナはあやか達三人と教室を借りるために職員室へと向かうと学園長、しずな先生、新田先生が対応をしてくれた。
「ご無沙汰しております。喫茶トゥリニセッテ店長の沢田綱吉です。今日からテストまでの期間になりますが教室をお借りいたします。」
「ふぉっふぉっふぉ。いつも孫が世話になっとるの。」
「勉強会のことは雪広さんから聞いています。生徒のことをよろしくお願いします。」
「沢田さんは教員免許をお持ちときいたのですが、教職志望だったのですか?」
「そうですね。最初は教師を目指してはいたのですが・・・色々とありいまの仕事に落ち着いてます。」
「もし良かったらこのまま2-Aの担任なんてどうかのう?担任業務をしてくれれば専任の教科はないようにするぞい。なんなら喫茶店を続けたままでもいい。」
学園長や新田先生は2-Aの成績向上の件や学園祭での対応、今回の勉強会などからツナが2-Aの担任になってくれたらという考えがある。やはりいつまでも担任不在という状況はよくないのだ。
「私は雇われ店長ですから。勝手には決められないですよ。では失礼いたします。」
ツナは苦笑いを浮かべながら濁した感じで返事をすると手続きを済まして職員室を後にする。
「ツナさんが先生か〜それも面白そうや。」
「ツナさんと放課後の教室で二人だけで補習・・いいわね。」
「木乃香さんも明日菜さんも落ち着きなさい。ツナさんはすでに働いていますから現実的ではありませんわ。」
「ハハハ。(嫌な予感がするんだよな。本格的に動きがあるとすれば来年で、その時に一番近くにいられる立場だとしたら担任だろうし。チェッカーフェイスはリボーンじゃないから無茶振りはしないと思うけど・・・)」
ツナは三人の会話を聞きながら、先ほどのことを考えていた。
そして教室に到着し勉強会が始まった。