ツナま!   作:ばすけばすけ

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50話

幻騎士との話を終えたツナが部屋へと戻ると、全員でパンフレットを見ながら話し込んでいた。

 

「どうしたの?」

 

「明日の行動を決めていたです。」

 

「東大寺、金閣寺、伏見稲荷大社には行きたいねって話してました。」

 

「そや!明日は家に泊まらへん?お父様には許可をもらっとるんよ。」

 

「木乃香さんのご自宅ですか。」

 

「この人数で行っても大丈夫なんですの?」

 

「大丈夫やで!」

 

「木乃香の実家は初めて行くわね。」

 

「刀子さんよろしいのでしょうか?」

 

「近衛さんのご実家ですか・・・詠春さんの許可があるのなら大丈夫でしょ。」

 

「マスター大丈夫ですか?

 

「うむ・・・詠春か。あいつとあうのも久しぶりだな。」

 

どうやら翌日の行動と泊まる場所を決めていたようで、有名どころの三か所を回り、夜は木乃香の実家に泊まることで決定した。

エヴァンジェリンが呟いた言葉はツナと茶々丸にしか聞き取られることなく流されていった。

 

その後は、中学生組は疲れていたのか眠ってしまい。ツナと刀子は二人で旅館内にあるバーで静かにお酒を飲み各々の部屋へと帰って行った。

 

 

翌朝、ツナが目覚めると手紙が一通枕元に置いてあった。

 

その手紙を読むと

【ツナヨシくん。京都の件が終わったら、魔法世界にて一仕事頼みたいことができてしまった。情報の共有をしたいので一度戻ってきてほしい。】

というチェッカーフェイスからの業務連絡だった。

 

ツナは手紙を読みながら、魔法世界には極力係わりを持たない方針だった気がするけどと疑問に思うが、読み終わると手紙を燃やして部屋を後にする。

 

すでに宴会場には食事の用意もされており空席が四つあるが、他のメンバーはすでに食べ始めていた。

 

「遅いぞツナ!やはり私が一緒に眠るべきだったな。」

 

「まだ言ってますの!昨日あれだけ夜中に騒いでおいて!止めていたこっちの身にもなってください!」

 

「この焼き魚美味しいわね。ほらあやか、せっかくの料理が冷める前に食べないと。」

 

「ちづねえも同罪のはずなんやけど。」

 

「え!昨日の夜になにかあったの?」

 

「エヴァンジェリンさんと千鶴さんがツナさんの部屋に行こうとしてみんなで止めていたんですけど・・・。」

 

「明日菜さんには驚いたです。あの騒ぎで起きないとは・・途中で刀子先生が注意しに来たくらいですよ。」

 

「そんなことがあったなんてー!!」

 

「そういえば刹那ちゃんとと刀子さんに茶々丸ちゃんは?」

 

「せっちゃんと刀子さんはもう食べ終わって朝の鍛練中や、茶々丸さんは手伝いにいってるえー」

 

「朝の日課と言っていたが、旅行の最中くらいゆっくりできんのか。」

 

「まあまあ 鍛練は継続が重要なんだから。10時にはここを出発で大丈夫?」

 

「最後に来た人がなにを言ってるですか?私たちはもう準備はできてるです。」

 

「ごめんごめん。朝はどうしても弱くて・・・。」

 

他の空席の3つはすでに片付けた後で、まだ食事に手を付けていないのはツナのみの状態だった、寝坊をしたわけではないが、手紙を読んだ後に考え込んでいた為遅れてしまっていた。

そんなツナにエヴァンジェリンがニヤリと笑い、夕映が明日菜とツナにあの後になにがあったのかを説明した。明日菜はそんな面白そうな時に寝ていたのかと悔しがっていたが、のどかは別室にいた刀子先生まであの騒ぎに駆け付けたのに同じ部屋にいた明日菜がぐっすり寝ていたことに衝撃を受けていた。

その話を聞いたツナは明日は気を付けないとと考えながら食べ始めた。

 

 

 

 

ツナ達が旅館を出発しトラブルもなく三か所を回っている時間、幻騎士はというと

 

「グハ!!」「キャインッ」「助けてくれー!」「お前だけでも逃げろっ」「わかっギャーーー!」

 

「獣人と聞いて期待していたが呆気ない。所詮は犬畜生か。」

 

狗族の隠れ里で狗族相手に蹂躙をしていた。本来であれば対象だけでも良かったのだが、下手な復讐心を残さないために目撃者を根絶やしにする道を選択していた。立ち向かってくる相手には二本の剣で切り伏せ、逃げる相手には斬撃を飛ばしていた。

 

「なんなんや!!いったい何が目的でうちらの里を襲ってきたんや!」

 

「お前如きが知る必要はない。死ね。」

 

「ちっくっしょーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

最後に幼いながらも果敢に飛び掛かってきた獣人の首を切り飛ばし、書類に×印を付けると、生き残りがいないことを確認し、身体を霧に変えて消えていった。


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