東方神影録   作:如月という者だったやつ

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時間が本当に足りない・・・


#21 夢想神剣は希望と共に

静かに剣を構えながらレミリアとフランの方を見ているアルトは、反焔逆剣(アロンダイト)を持ちながら、静かに相手の動きを伺っていた

こちらから仕掛けてもいいのだが、それでは今企んでいることの意味がなくなる

自分の戦い方からかけ離れていることは重々承知の上で、相手の動きを見ることにする

普段なら、速攻で仕掛けて終わらせる方が自分の性に合ってるのはわかっている、ただし相手の力量をしっかりと見極めるためには相手の攻撃を見ることが必要不可欠であり、それらの情報がないと決めるには至らない

 

[私たちの能力は使わないつもり?]

[まぁ、そうなるかな、そこまで使ってしまうと瞬殺で終わってしまうだろ]

[それもそうだね、まぁ私の箱の吸収(ドレイン)ぐらいなら使ってもいいドラね]

 

まぁ、それも一興かな、手加減しているように見せたくないから、パンドラボックスだけは使おうかな、あとは封魔陣ぐらいは使うかな

夢想神剣なんて使った時には一瞬にして決着がつきそうだ、それではダメかな

 

自分の中で考えをまとめ上げ、二人が仕掛けてくるのを待つ

その意思に呼応するかのように、反焔逆剣が明滅した

 

 

ー*ー*ー*ー*ー

 

あの人は何か企んでいる

 

アルトの動きを見て抱いた印象はそれだ、こちらの動きを見てから行動する、そんな運命

私の能力で運命を見ても断片的で一つの行動によって全てが変わるように、こっちを誘導するかのように、自らが望む展開に私たちを誘っているように、これは一種の心理戦だ、選択肢は2つ、

 

1、こっちから仕掛ける

2、向こうから仕掛けてくるのを待つ

 

1はアルトが何もしてこないところを見るとこっちを誘っているようなので相手の思惑に乗るならこっちだろう

2は少しリスクがある、明らかに、私たちの防御力よりもアルトの攻撃力の方が高い、さらには相手の能力も変わっているらしい、これがハッタリじゃないのならあまりにも危険な賭けではある

 

私は少し考えてから

 

『フラン!このまま何も攻撃しなかったらアルトの能力もわかったもんじゃないわ!攻撃に移りましょう!』

『わかったわ!お姉さま!』

 

二人はアルトを囲むように旋回すると、スペカを構える

それを見ると、アルトはニヤリと笑った、その一瞬を見逃すレミリアではない

放とうとしていたスカーレットシュートから

 

「神槍 スピア・ザ・グングニル」

 

グングニルを出すと接近戦に持ち込む、フランはそのまま遠距離から

 

「禁忌 クランベリートラップ」

 

アルトに向かって、近距離と遠距離から弾幕と槍が襲いかかってくる

だが、レミリアは見落としていた

普段は黒のアルトの眼が紅くなっていたことに

 

空間渡り(シャドーダイブ)

 

アルトは一瞬でレミリアの背後に回り込み、

 

『スペルカード発動 

 「希望の箱(パンドラボックス) 吸収(ドレイン)

 

箱が現れ、それにクランベリートラップが吸い込まれていった

そして、その箱はアルトの手の中で怪しく光っていた

 

『全く・・・神出鬼没ね』

『褒め言葉として受け取っておくよ』

『クランベリートラップが・・・吸い込まれた?』

『まぁ、事実だけ見たらそういうことになるね』

 

アルトは希望の箱を空高く放り投げた

そして、私たちの方を見ながら

 

『スペルカード発動

 「希望の箱(パンドラボックス) 解放(リリース)

 

希望の箱はゆっくりと開き、まばゆい光を生み出した

それは、アルトの元へゆっくりと流れていき、反焔逆剣がそれを刀身に纏った

 

 

ー*ー*ー*ー*ー

 

 

二人の強さは大体把握できた

あとはどうやって二人を戦闘不能にするかだが・・・

手加減した状態で夢想神剣の技をひとつ使うのもありかな・・・

 

『・・・どうやら考えている時間はないらしいな』

『何を考えているかは知らないけど私たちを相手にそんな余裕があるのかしら?』

『そうだよ!今のあなたは1対5なんだから』

『そうだな、んじゃ2対1に戻しますかね

 夢想神剣 初ノ剣 「神速(ソニックスピリット)」』

 

次の瞬間、会場にいるほぼ全員が捉えることすらできない速度で、分身のフラン3人を切り裂いた

 

『『な!?』』

『ま、そんな速度じゃ避けることすらままならないんじゃないかな?』

 

不意に後ろから声が聞こえ、振り返った時にはすでにおらず、また前を向いた時には、今までいなかったはずのアルトがお茶を片手にこちらを見ていた

 

『あいつ遅くね?亀かあいつは、手加減しすぎ』

『超同意』

 

なんかとんでもない発言をしている五月雨と織冥、そして、スカーレット姉妹の視線は、その手にあるお茶に向いていた

 

『それ・・・いつ持ってきたの?』

『私も気になる!教えてアルト!』

『さっき盗ってきた』

『なんか漢字が違う気がするのはどういう意味かしら?』

『そのままの意味だが?ちょうど早苗がお茶飲もうとしてきたからもらってきた』

 

そういって、アルトはカップに入っているお茶を一気に飲み干した  

 

『早苗、カップ返すよ』

 

そういってアルトは早苗のところまで歩いていき、カップを渡すと

 

『そこにいると巻き添え食らうかもしれないからあと2歩半後ろに下がってくれると戦いやすいから』

『あ、はい、わかりました』

 

早苗は静かに頷くと、3歩後ろに下がった

アルトはそれを確認したあと

 

『俺がいない間、どれだけ練習してたのかよくわかったよ』

『たったあれだけのやり取りで・・・あなたの正体は昔から見てたような気がするけど、本当によくわからないわ』

『本当だよ、お兄様』

『フラン?』

『え?だってあなたが影斗じゃなくってアルトだった頃はこう呼んでたでしょ?』

『まぁ、師匠よりはそっちの方がいいって話だったからな』

 

二人は話しながら、静かに、グングニルとレーバテインを構える

アルトもその気配を感じ取ったのか、反焔逆剣を握る力が強くなった

 

『・・・・・・』

『・・・・・・』

 

二人とも無言で、相手の行動を伺っている

漂う緊張感の中、先に動いたのはフランだった

 

レーバテインを両手でしっかりと握りしめ、下から上へ振り上げる

それは強い光を放ちながらアルトを的確に捉えた

アルトはそれを左手の剣で軽々と受け止めると、右手の剣でレミリアを狙う

レミリアは不意打ちを食らったように見えたが、しっかりとグングニルで受け止める

 

『全く、剣を持たせるとデタラメな強さよね師匠は』

『だーかーらー師匠って呼ぶでない!』

 

レミリアとフランの不規則な剣筋を完全に読み切り、的確に防御し、一瞬でも空きがあると途端に攻撃を仕掛けてくる

だが、それも気がつけばアルトは防御に集中し、攻撃にの機会が少し、また少しと減り最後には防御一辺倒になる

 

『予想してたより案外強くなってるじゃん二人共』

『まぁ、そこまではしないとあなたは全力を出さないでしょう?』

『それにお兄様?8割とか言ってながら全然力出してないでしょ』

『まぁ、ある意味8割だし、ある意味2割未満って感じかな』

 

そういうとアルトの反焔逆剣が急に強く明滅し始めた

 

『『!?!?!?』』

 

二人が気づいた時にはもうすでに手遅れでアルトに向かって、大きく振りかぶっていたところだった

その刹那に等しい時間の中でレミリアはかすかに聞こえた

 

『夢想神剣 初ノ剣 神速』

 

その瞬間、グングニルとレーバテインは吹き飛ばされ、地面に突き刺さり、フランの首元に反焔逆剣の片方が軽く触れていて

 

『チェックメイトだよフラン』

『うーん、やっぱり負けちゃったか〜また私たちに戦闘を教えてね!』

『わかったよ、フラン、よくできました』

 

アルトはそう言うといつの間にしまったのか、右手の剣だけが背中の鞘に収められており

その手でフランの頭を優しく撫でた

 

『えへへ〜〜』

 

フランは凄く幸せそうな顔をしてアルトに撫でられていたが

フランが『もう大丈夫』と言うとアルトは手を離した

 

『私は降参!あとは任せるよ!お姉さま!』

『え、ええ』

 

そう言うとフランは父親の元へ走っていく

フランとアルバートが何やら話していて、最後には頭を撫でられていた

 

『さてとレミリア』

 

アルトの一言でレミリアは我に返り、じっとアルトを見据える

 

『タイマン勝負、始めようか』

『・・・え、えぇ!始めましょう!』

 

レミリアはなぜか拭いきれない心のモヤモヤを放置し、試合に集中した

アルトは右手で、しまった剣を抜き、レミリアに向ける

 

『そうだね、レミリア、君には以前には教えなかった、俺の剣技について少し話すよ』

『・・・なんでまた急に?』

『今のレミリアには話しても大丈夫だって思ったからだよ』

 

そう言うとアルトは話し始めた

 

『俺の剣技は夢想神剣っていう種類の流派なんだ』

『夢想神剣?初めて聞く名前ね』

『まぁ、俺が作った流派だからな』

 

アルトはそう言うと、反焔逆剣を両方とも背中にしまった

 

『一言で言うと速度重視の剣技、そして一番大きいのが型が無限にあることかな』

『型が・・・無限?』

『そ、1つの型にこだわらないから、相手に読まれることがほとんどない』

『でも個性とかで読まれることがあるんじゃない?』

『そこを悟らせなくできるのがこの剣技の強さなんだよね』

『ふーん・・・それで、なんでそれを私に?』

 

レミリアは首を傾げ、一番気になることを聞く

アルトは少し頷いてから

 

『君にならこの剣技、一部なら伝承させてもいいと思ったからかな?』

 

そういうとアルトはレミリアの背後に回り込み、首にいつ抜いたのか剣を突きつけ、

 

『俺の腕が背中に動いたのとことか見逃したらダメだよ?』

『な⁉︎・・・全くあなたは本当に神出鬼没ね・・・』

 

レミリアはそういうと『降参よ、私たちの負けね』と言う

 

『勝者!キ、、、アルトさん!』

 

審判の高らかな宣言とともに一つ息をついたアルトはレミリアの方に近づき

 

『よくできました』

『え⁉︎///』

 

アルトは静かにレミリアの頭を撫でながら小さな声で囁いた

 

 

 

 




今回は比較的に早めですかね
あ、友人からの指摘でルビタグのところをいじりました
反焔逆剣(アロンダイト)の2回めの表示がアロンダイトから反焔逆剣になり、カタカナ表記をやめさせていただきました
次回も時間があれば早めに出すようにします
ではまた次回お会いしましょう〜
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