~広間にて~
「それで、周辺の様子はどうだった?」
「はい、すこし探索してみて、この辺りは薄い霧が発生していてとてもすごしやすい環境になっています」
「お疲れ。じゃあ美鈴も門番としてほとんど外にいるから美鈴としてもこの環境はいいじゃない?」
「そうですね、では早速仕事に」
「昨日こっちに来たばかりなんだから今日はいいよ。いつも頑張ってくれているのも、この館に侵入しようとする妖怪を迅速に退治してくれてるのもちゃんと知ってるからね」
「あ、静かに殺っているつもりだったんですけどねぇ」
「そのことを報告してくれれば褒美とか休みをあげれたのに」
「門番としてあたりまえのことしただけですよ。それに私はお嬢様達と居れるだけでこの上ない褒美であり、幸せでございます」
「美鈴……門番の鏡だ」
「イリス、美鈴、居る?」
「レミリアお姉様、私達はいるよ」
「あ、よかった。二人共いてくれて」
「レミリアお嬢様、どうしたんですか?」
「急だけどこの館に妖怪が来る!」
『え?』
「能力で見たの、4人の妖怪が─────」
「その4人って私達のこと?」
たくさんの目がついた空間が現れ、その中から3人の女性が出てくる
「っ!?」
「うわ、何あれ…きもい」
「あらあら、私を見て開口一番がその一言だけかしら?」
「まぁ時を止めるメイドが家にいるからね」
「お姉様ーーー!!」
「フラン、加勢して」
「分かった、もうお姉様が傷つくところを見たくない!」
「残念だけど貴方達の相手は私じゃない、すでにアリスが魔法使いのところに行っているわ。そしてそこの貴方達の相手は」
「納得いかないけど私よ」
「ということでそっちは任せたわよ、幽香」
「うわぁ!?」
「イリス!危な──」
足元に目のような穴が現れ、イリスはその中に落ちていく
「お姉様ぁぁっ!」
「貴方達の相手は私よ」
sideパチュリー、アリス
「これ全部魔法の本なの!?」
「あんた、誰なの?」
「っ!貴方がここの管理人さん?」
「そうよ、用が無いなら出てって」
「私は
「じゃあ敵ってことね。アグニ───」
「待って待ってストップ!」
「何よ」
「確かに貴方にとって私は敵だけど戦う気はないわ!私も魔法使いなの!」
「あんたもなの?」
「そうよ、この人形を見て」
アリスの周りには武器を持った人形が数体浮いている
「どうやら本当のようね。それにその人形を見るかぎり、人形についての魔法にこだわっているみたいだけど」
「そう、私の夢に関係していてね」
「まぁ、敵ではないなら座って。ゆっくり話しましょう」
「ありがとう」 ソワソワ
「本読みたいの?」
「え?いいの?」
「私が集めたわけでもないし、というかここの全部借り物にちかい」
「詳しく教えて。持ち主のことや貴方の研究している魔法のこととか」
「いいわよ」
・
・
・
sideイリス、紫
~外~
ドサッ
イリスが館の外に放り出される
「いてっ」
「さあさあどうかしら日の下は?」
「何も感じないけど……」
「うそ…確か吸血鬼は日光に弱いはず」
「普通の吸血鬼だったら、ね?」
「ま、まさか能力を……」
「そうだよ、私はイリス・スカーレット、
「(不死身?)わざわざ説明ありがとう。そう、私は
「へ〜〜」
「さぁ!お話はこれでおしまい、幻想郷のために死んで!」
「戦うのぉ?私らを幼く弱い吸血鬼だと見限り、軽い気持ちで武器を手に取り攻め込んで来た人間や弱小妖怪との戦闘はもう飽きた!私はこのような戦いが好きだ、待っていた。さぁ早く殺ろう、早く!」
「この妖力……幽香の言う通りだったみたいね」
「何もしないならこっちから!」
イリスは大鎌を取り出し、接近し切りかかる。紫は不意打ちにちかい一撃に対処出来ずに腕が切断される
「くっ、う、腕が…………」
「大丈夫ですか!?紫様!」
スキマから狐のような妖怪が出てきて紫に寄る
「藍!?どうして出てきたの!まだその時では」
「す、すみません。様子を見ていたら突然紫様の腕が飛んで………」
「もう不意打ちは出来ないわ、正面から行くわよ!」
「はい!」
藍は正面からイリスに近づき、紫は離れて腕の回復をしつつ妖力でできた玉を飛ばす
「不意打ちを狙ってたということはさっきの先制攻撃は正解だったのかな?とと、危ない」
「こいつ、戦い慣れている……やぁ!」
「暇なしに人間や妖怪が攻めてくるからねぇ」
「藍!左に!」
「はい!」
「これは、避けられない!」
紫の合図で藍が移動し、紫は再生した両腕からレーザーを放つ。イリスは突然の強襲に攻撃をくらってしまう
「やられたのが左腕でよかった。武器を振るうのは利き手のほうがいいし、ねぇ!」
「っ!なんだあの武器は……剣は槍よりもでかい……」
「あら、自分の腕を持っていかれたのに全然動じないのね」
「慣れてるから」
「(2対1で数ではこっちのほうが有利だけど、実際は藍が押されつつある。これは長引かせてはダメね)」
「紫様!スキマを!」
「ん?………なるほど、分かったわ!」
「その能力厄介だなぁ(空間を創る魔法で真似出来ないかな?)」
「そんなに油断を晒して大丈夫か?もう遅いが」
「な!?後ろ!?」
スキマの出口はイリスの背後に出て、藍はイリスが反応する暇を与えず拘束する
「やっぱりそういうことね。上手くいってよかったわ」
「ありがとうございます。止めを」
「……………」
「分かった。アリスと幽香の加勢をしに行かなきゃね。さぁ、最後に何か言うことは?」
「………久しぶりに楽しい…」
「……は?それだけ?付き合ってられない」
「ふふ」
紫は手刀でイリスの首を切断し、飛んだ頭を殴り潰す。頭の飛んだ体は力無く地面に倒れ、能力が解け蒸発し始める。藍はイリスを拘束していたため、返り血を直に浴びてしまう
「藍……ごめん」
「いえ、平気です。洗えば落ちるんで……っ!」
「そう。じゃあまずアリスの所に行きましょ。幽香は大丈夫だし」
「あぁ………から…だ……が……!」
「藍?行くわよー」
「…く………あぁっ!」
「危ない!何をするの藍!」
ガタガタと震え、ぎこちない動作で藍は紫に攻撃する
「すみ……ません!……体が!」
「え?」
「ふふふふ……はいハズレ、残念でした。油断はダメなんでしょ?藍さん?」
「な、なんで………頭を飛ばした……のになんで」
「なんでかって?簡単に言うと私の命は1つではないの。さっきそのうちの1つを失っただけ。吸血した人数=私の命」
「あ、貴女は一体どれだけの人間、妖怪の命を吸ったの!?」
「一体?どれだけ?貴女は今まで食べてきたパンの枚数を覚えているの?」
「ちっ!」
「紫様!私は放っておいて行って下さい!」
「それは無理よ。藍は私の式であり家族だもの。家族を置いて逃げるなんてないでしょう?」
「紫様………」
「いいね〜美しいね〜。やっぱり家族っていいですよね〜分かりますよその気持ち。私もいつも我が姉妹達の可愛いさに、新しい道が開きか───」
「黙れ!お前ら吸血鬼が家族や姉妹などそんなこと、ふざけたことを語るな!」
「ふざけた?ふざけたですかぁ。私の愛しき姉や妹をふざけたことと言うんですか。何も知らないくせに勝手に浅い考えで私達を評価するな。お前は知らないだろう私達がどんな辛い思いをしてきたことか、
まぁいい、ふふふふ」
「(話しを聞いていると幻想郷を侵略に来たわけではない?それよりもどうしたら藍を解放できるかしら?)」
「あと1人、さぁどうする」
「どうするって、藍を解放して貴女を倒すに決まってるじゃない!」
紫は再度妖力弾の弾幕を展開する
「弾幕も張れない妖怪には負けない!」
「弾幕?そのたくさんの玉のことか。でも遠距離攻撃は弾幕だけではないんだよ?」
「何を」
「これなんだ」 ジャキ
「それは、銃?」
「そうだよ。はいバーン」
バンバン
「ぐっ……」
2つの銃から撃たれた弾は紫の左腕と右足に当たり、飛ぶ
「ゆ、紫様ぁー!!」
「せっかく再生したのにまた飛んだねぇ。はいこれ持って、藍さん」
「え?お、重い……また体が……ま、まさか!?やめろ!嫌だ!」
イリスは動きが封じられている藍に自分の銃の片方を持たせ、倒れている紫の方に歩かせる。藍はこれから起きることを察し必死に抵抗するが、操られている状態では無意味に終わっている
「はぁ……はぁ………紫様、逃げて下さい!」
「この足では………ぐっ」
「ほら、よ〜く狙って。額に銃口を突きつけて、引き金に指をおいて。今度はこっちが聞くよ、最後に何か言うことは?」
「私の……負けよ。でもお願い……私を撃ったら……藍は解放して………お願い……」
「紫…様………すみません」
「分かった、貴女を撃ったらこの狐は解放する」
「……ありがとう、さようなら藍」
「……………」
バン
「え?」
藍は紫の額に銃口を向けているが撃ってはいない。代わりにイリスが銃を撃ち、紫の脇腹を掠める
「うっ………何で撃たなかったの。私は負けたのよ」
「撃ったじゃん」
「え?」
「美しいですね〜これが家族愛ってやつですか〜?いやぁ、私は貴女達のような妖怪は初めて見ましたよ。だから殺さない」
「貴女の目的は何?」
「目的?そんなの戦えれば私は満足なの」
「この幻想郷を侵略するために来たんじゃないの?」
「へ〜ここ幻想郷って言うんだ。私達はただの引越しだよ?空間魔法を使ったらこの土地に繋がって、いいなぁって思ったから来た。それだけ。さっきの会話を聞くに貴女が地主さんらしいけど、住んでいい?」
「……………これはとんだ拍子抜けね。いいわ、幻想郷は全てを受け入れるわ」
「ありがとう」
「ところで………早く藍を解放してくれない?」
「いいよ………はい自由だよ」
「ゆ、紫、様ぁぁ!」 ダキッ
「藍!危ない!」
「ふふ、美しい主愛ですね〜」
イリスが完全に悪役…………
藍、紫さんファンの人はすみません