東方紅魔姉妹   作:若止異

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44話:守った物、壊された者

sideレミリア

 

「コナイデ!」 バーン

 

「フラン……どうしたの…」

「ねぇフラン!もう終わったから!」 ダッ

「だめイリス!危ないよ!」

「でもフランが……あのままじゃ危ないよ……」

「イリスはまだ腕が治ってないでしょ?あたしが」

「腕なんていつか治るよ、でも壊れたら治らないよ……だから私が行くよ」

「…………じゃあお願いしていい?」

「お任せ」

 

「…………」

あたしが姉なのにまた守れないの?頑張っているのに……今度こそ、今度こそはイリスとフランを守ろうと必死に頑張ったのにあたしは………

イリスがお姉様だったらどうだったのかな…

……優しいしあたしより大人びているし、イリスが先に生まれていれば、イリスがお姉様だったらあたしやフランを守れたのかな………

あぁ……あたしが妹だったら………

 

 

「イヤ!イヤァッ!」

「フラン!落ち着いて、もう終わったから!」

「クルナ!」 バ

「っ!?」

「タスケテ………レミリアオネエサマァ…イリスオネエサマァ……」

「フラン!私だよ!」

「コナイデヨォッ!」

 

「反応が……(フラン……まさかイリスのこと分かってないの!?このままじゃイリスが……でもあたしが行ったところで……)」

 

「私だよフラン、もしかして分からないの?」

「コナイデッテイッテルノ!」 バン

「痛!?」

「チッ、ツギハカラダヲコワシテヤル」

「フラン………大丈夫だから………もう終わったんだよ………帰ろうよ、レミリアお姉様も待ってるよ」

イリスは片腕を壊されながらもフランに近づく、そしてもう少しのところで

「ね?大丈夫だから…かえ──」

「コワレロ!………ッ!?」 バン

「──ろ──」

イリスがフランを抱きしめ、腕に力を入れてフランの頭に手を伸ばそうとすると同時にイリスの全身が砕けるように壊れる。零距離で能力を使ったため、返り血を全身に浴び、大きく開けていたフランの口にも血が多く入る

「イリス!」

「エ……ナんデ……イ…リスおネエ様……?」

「(なんであたしの妹が妹を殺している所を見なきゃいけないの………なにもやっと終わって、帰って皆で喜び合って誰一人欠けることなくご飯を食べるはずなのに……どうして……)」

「イヤだ……いやだ……イリスオネえ様ぁ…」 グスッ

「フラン!」

足元にある血溜まりに手を沈め涙を流しているフランに近寄るレミリア

「フラン……気が付いた?」

「あ……レミリアオ姉さマ……あタシ……イリスお姉サマを……」

「うん……」

「う……うぅ……レミリアおネエサま!」

「フラン……?」

フランが顔を上げてレミリアを見る。フランの目の片方が真っ赤で黒が無く裏のフランが出たときの目のようになっている

「そう……やっぱりそっち(・・・)も悲しいんだね」

「ウン…」

 

 

「フラン、大丈夫?」

 

「イリスお姉様……」

「なに?」

「ゴメンナサイ」

「怖かったよね……もう大丈夫だから、あの怖い(絶対許せない糞)妖怪達はもういないよ」

「ウン……うん…」 ポロポロ

「イリスはもう大丈夫なの?」

「完全に治った状態で再生するからもうどこも痛くないよ」

「そう……あたしも抱きついていい?」

「え…あ…うんいいよ」

「ありがとう……」 ギュ

「(……やっぱりレミリアお姉様は抱きしめると気持ちいいな…)」

「……もう無理に死んだり無茶しないで」 ギュ

「え…でも」

「嫌だよ、妹がバラバラになる姿は見たくないよ。もしあたしやフランが平気でもバラバラになったらどう?」

「………嫌ぁ…」 ウルウル

「だからあたしも嫌だ。もっと自分の体を大切にしてよ」

「分かったよ……」

 

「ささ、2人共帰ろ?」

「お腹空いたよ〜」

「グスッ………」

「ちょっとフラン、いつまで私の服の端を握っているの?」

「あ……」

「そうだよ、イリスが歩きずらいでしょ──」

「手を握って歩こ?」

「うん!」

「──ねぇあたしも!」

「レミリアお姉様子供みたい」

「なにを!フランも子供だよ!」

「(いや〜2人共可愛いな〜)」

 

「だったらフランは`ロリ´ってやつだよ!」

「レミリアお姉様こそ`ロリ´だよ!」

 

「っ……(どこでそんなワードを!?)」

「まぁまぁお姉様にフラン、仲良く帰ろうよ?」

「なんかなだめるようにいうけどさぁ、イリスもだよね?」

「え?」

「だね」

「えー!?なんでそうなるの!?」

「じゃあイリスお姉様はロリコンだ!」

「なんでよ!」

「「え……イリス(お姉様)はあたしみたいなのは好みじゃなくて?」」

「……大好きです!」 フンス

 

「なにこれ?」

「「しらない」」




最後はお気になさらず


「死」とか「殺」という漢字をあまり使いたくなかった結果こうなりました

やっぱりレミリアが不憫なところになっていまう……

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