東方紅魔姉妹   作:若止異

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52話:人間と妖怪

イリス「ちょっと出かけてくるね、夜ご飯はいいから」

美鈴 「分かりました」

フラン「イリスお姉様、最近よくこの時間から出かけるけど何処に行ってるの?」

咲夜 「私もそのことは気になります」

 

「ルーミアちゃんとね」

 

『?』

 

 

 

 

~森~

 

「~♪」 パタパタ

「なんかご機嫌だねルーミアちゃん」

「あ!」

ルーミアは岩に腰掛けて月を見ていた。イリスが声をかけるとルーミアは笑顔で駆け寄る

「月を見てたの?」

「うん、今日は三日月」

「たしかに。今日も月は紅く綺麗だね」

「紅?」

「私達吸血鬼は月が紅く見えるんだよ、夜も昼のようによく見える」

「あたしも紅い月を見てみたいな」

「ルーミアちゃん夜は口調変わるね、なのだ~って」

「夜は妖怪的にも力が強くなるから」

「なるほど。じゃあ行こうか」

 

 

 

 

「あそこに人間が2人、まだこっちに気が付いてないね……よ~く狙って~」

 

『おい!あそこに!っ!?お前を狙ってる!逃げ──』

バン!

『──!?うわああああ!!』

 

「ごめん1人逃がしちゃった、しかもしっかりこちらを見られた」

「持って来る!」

 

 

 

「まず私に血を吸わせて」

「分かった、飲みすぎないで、血がないのは嫌」

「うん………」

「……あむっ、イリスにはムシャ助かってるんだよ。ムシャムシャあたしだけだったらパキクチャ逃がしちゃうことがゴリバキ多かったから」

「あ、ルーミアちゃん血が服に……私にも腕ちょうだい」

「はい」 ヒョイ

「ありがと、うーん。やっぱりうわ~おいし~ってならないなぁ……血は吸うけど食べないからかなぁ」

「まぁ……ね」

「あ、ねぇねぇルーミアちゃん」

「バキクチャ なに?」

「にんげん──」

 

「イリス、ルーミア」

 

「──あ?紫?」

「貴女のこと里に広まってるわよ。紅い翼の妖怪として。貴女達は今まで何人食べたの?」

「いや、そんなに食べてないよ?ほとんどはルーミアちゃんと話しているだけだよ、それに私はそんなに頻繁に森に来ないし。多分ルーミアちゃんと話しているところを見られたんだと思う」

「こんなことしていないで大好きな姉妹達と戯れていればいいじゃない」

「こんなことってやめて。あたしはすごく助かってるんだから。そもそも森に来る人間が悪いんじゃん、森には人食い妖怪がいるって分かっているのに来るんだから」

「それは…」

「まぁあたしは食べる人間の気持ちなんて知らないけどね。イリスのおかげでお腹いっぱいになって最近は力が湧くの」

 

「でも食べすぎよ」

「え~……じゃああたしはこれから何を食べて生きていけばいいの?お菓子とか美味しく食べれるけどお腹が満たされないよ」

「人食い妖怪は妖怪の肉でも食べれるでしょ、たまには妖怪を食べなさい。森には妖怪がたくさんいるのだから」

「え~でも虫みたいな妖怪がほとんどじゃん。紫みたいに人型なら……」

 

「じゃあ私を食べる?私は吸血鬼だから再生力が強いの。それにもし死んでも」

「貴女……痛いのは嫌なんじゃないの…?」

「たしかに嫌だよ。でもルーミアちゃんはフランと仲良くしてくれてるし、姉としては妹の友達なんだから多少は…ね」

「……ルーミアは満足なの?」

「吸血鬼は美味しくてお腹が膨らむ」

「どういう意味よ、それ詳しく教えなさい」

「ちょっルーミアちゃん!」

「は!ご、ごめんなさい!これは…!」

「詳しく教えなさい」

「あっはい」

 

(説明中)

 

「へぇイリスが転んで血が出てルーミアがそれをみてイリスに舐めさせてもらった……」

「まぁフランやチルノちゃん達にばれないようにしたけどね」

 

 

 

 

 

~翌日・昼~

 

 

「………」 ~

「来てやったぞ、博霊の巫女」

「あ!イリス!…なにその口調?」

「まぁ気にしないで、こんにちは」 ニコ

「え///……ごめんなさい…貴女嫌いでしょ、私達人間」

「嫌いだよ、何度も何度も館に来てそれを殺せば仇だの言ってまた人間が来る。それにお姉様とフランを何度も傷つけた…」

「………やっぱり嫌なら──」

「そこまで嫌いじゃない、あんな風に言われて断るほど私は腐ってないし、そもそも嫌いなら来ないよ?」

「そ、そうよね……よかった

「……ねぇ」

「なに?あ、せっかく来てくれたのに階段ではだめね。そこの縁側から入って」

「いいの?神社でしょ?私は妖怪で……」

「いいのいいの、そんなけちな神なんて知らないから」

「じゃあお邪魔します」

 

 

 

〜茶の間〜

 

「翼は……邪魔だね」 ス

「消えた……消せるんだ」

「そうだよ、私は翼があった方がカッコイイからいつも出してるけどね」

なんかかわいい……ねぇ」

「ん?」

「な…名前で呼んでくれないの?」

「……零夢?」

「ありがとう///」

「(なんで赤くなる?)」

 

 

「あ、そうそう。里で人間があなt…コホン…零夢のことを話してたよ」

「………あっそう」

「え?少し興味とかないの?年頃の女の子なら自分のこと気になると思うんだけど」

「聞いたんでしょ、私のこと。私は他人のことなんて正直どうでもいいの、ただ`博麗の巫女´っていう責務で妖怪退治の依頼を受けてるだけ」

「……`冷酷な巫女´だねぇ」

「……里で私がなんと言われようが気にしない………里に行ったの?」

「うん」

「里の人は騒ぎにならなかったの?」

「なったよ『人喰い妖怪だぁ!』『な、何しに来たんだ!?』とか言われた。紫が掲示板みたいなのに私のことが書いてあるって言ってたからそれを見ただけ」

「そう……」

「ふふっ、テンションが下がってる。やっぱり自分の悪評が辛いんでしょ?」

「……」

「ふふふ…あはははは!やっぱり幻想郷に来てよかった、零夢のような人間もいる、大ちゃんチルノちゃんにルーミアちゃんさとりこいしちゃん、本当に」

「何がそんなに面白いのよ」

「まぁまぁ」 チョイチョイ

縁側に座るイリスが零夢を手招きする

「なによ」

「いいからいいから」

「なんなの…」 ヨイショ

 

「こうやって横に並んで座って話した方が楽しい」

「そうね」

 

 

「───ってことで紫があの狐ちゃんにね」

「それで幻想郷の管理者って…ははははっ」

 

「ねぇ零夢」

「なによ」

「こんなことしてみたりして」 コテ

イリスが隣に座ってる零夢の肩に自分の頭を乗せる

「え?え///!?」

「零夢は当たりだね」

「え?」

「人間のハズレの確率って異常なんだね、本当に」

「なにを急に…」

「零夢?」

「だからなにって」

「私は難聴じゃないよ?」

「どういう意味?」

「かわいいって言ってくれてありがと」

 

「聞こえてたの///」




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