第12話 狂信者
縁談騒動から数日後…玲士はアーシアが磔にされていた地下室にて通信をしていた。
玲士「…それは本当か?」
仲介者「ああ、マジの大マジだ、教会の方でも最近はそれに関してどたばたしてるらしいぜ。」
玲士「…そいつの目的は判明しているのか?」
仲介者「多分だがな。シャムハザイに連絡したら呟いていたのだが、恐らくそいつの目的は三勢力での戦争再開だ、場所は分からんが…可能性としては駒王町か京都で俺の予想レートは8:2だ。」
玲士「…レヴィアタンとルシファーの妹達か。」
仲介者「そういう事だろうな、シャムハザイに『依頼するか?』と聞いてみたら、古の大戦でも前線で生き残った歴戦の武闘派だから荷が重いだろうからやめておくとのことだ。」
玲士「そうか、他に何かあるか?」
仲介者「…お前に長期契約の依頼をしようとしていた奴がいるんだが…正直奴らの行動的にお前は受けないだろうな。」
玲士「ほう?」
仲介者「依頼者名は奸雄…依頼内容は『共に人外に対し限界を試したい』とのこと…だが、問題はここからだ。」
玲士「奴等の行動、と言っていたな何をしている奴等だ?」
仲介者「…人の拉致だ、拉致された人物がどうなったかは分かってはいない。」
玲士「…なるほど、確かにそれは受けるわけにはいかないな。」
仲介者「まぁ、そういうこった。あぁそうだ、いつもの通りジヴリールから依頼も来てるぞぉ~?」
玲士「はぁ…断っておいてくれ。」
仲介者「ははは!おーけぃ!いつも通り断っておくぜ。じゃあさっきの二人には気を付けてな、ゴースト!」
そう言うと同時に通信が切れる。
玲士「…ふう、まったく…あいつ依頼主の姿を知った瞬間からからかうようになってきたな…。」
そう言っていると目の前の自身の影の頭に猫の姿が現れる。
使い魔『ニャッフ。』
玲士「む、シャドウか…なに?…待て、それは本当か…?」
使い魔『ニャッ…。』
使い魔からの報告を聞いた玲士は顔をしかめる。
玲士「…チッ、厄介なことになったな…それで、奴等がどこに隠れているか分かっているか?」
使い魔『ニャゥゥ…ニャフ、ニャフ…。』
玲士「…そうか、奴らの動きには気を付けてくれ、特にあいつは好き勝手に人を殺そうとするからな。というかもっと事前に知らせてくれ、木場が襲われてるだろう…。」
使い魔『ニャウ…ニャニャッ!』
その言葉を聞くと同時に影に溶け込み、玲士はグレモリーへと通信を開始する。
玲士「…グレモリー、今は大丈夫か?」
【…フードを被った女二人…あいつの予想はほんと当たるな…。】
リアス『あら、ゴースト?丁度良いタイミングね。』
玲士「…なに?」
リアス『教会の戦士たちが明日話がしたいそうだから部室に来てほしいの、予定は大丈夫かしら?』
玲士「問題はない…が、俺からも報告することがある、十中八九それ関係でな。」
リアス『分かったわ、明日一緒に聞くわね?』
玲士「いや、今報告を…くそっ、あいつ通信を切ったか。…現在のルシファーの指示内容は『グレモリーの言う事を聞いてくれ』だからな…まぁ、指示に従うとしようか。」
そう言うと同時にベッドに横になり、そのまま眠りにつく。
翌日、オカ研部室へと魔法陣にて転移すると、教会の戦士だと思しき二人が即座に剣を構える。
青髪「ッ!誰だ!」
玲士「…グレモリーの傭兵、ゴーストだ。貴様らが教会の戦士か?」
栗毛髪「え!あなたがゴースト!?」
リアス「遅かったわねゴースト、何かしていたのかしら?」
玲士「…時間指定しなかったのはお前だろう?それと指示通りお前らはシャドウの監視対象から外してあるしな。いつ行けば良いか言わなかった貴様の責任だろう?」
【…こいつらからはあいつらと同じ気配がしない、あいつの部下から言伝で伝わった感じか?】
リアス「そ、そういえばそうだったわね…。」
青髪「…ガブリエル様の依頼を受けないと狼藉者だと思えばまさか悪魔に成り果てた屑だったとはな。」
玲士「俺は『人間』だ、あとそいつは別の名前で俺に依頼しようとしている…本名を出すなたわけ。」
栗毛髪「え、そうなの!?ちょ、ちょっとゼノヴィア!?」
玲士「…はぁ、で?貴様ら2名がこの町に来た内容はなんだ?タイミング的に…堕天使に奪われた聖剣か?」
ゼノヴィア「ほう、状況を把握しているなら話が早い、私たちの目的は奪われた聖剣の奪還、そしてお前たち悪魔には不介入を約束してもらう事だ。」
リアス「そう言う事よ、ゴースト。でも不介入とはいえこの町の安全の為の見回りは貴方にお願いする事になるわ、一般人の守護をお願いするわね。」
玲士「了解した。」
ゼノヴィア「さて、話自体は終わっていたから行くとしよう、時間を取らせてすまなかった。」
そう言うと二人は立ち上がり、ドアへと向かい…ゼノヴィアと言われた青髪の女がアーシアの方へ視線を向け立ち止まる。
ゼノヴィア「…兵藤一誠の家を訪ねた時、もしやとは思ったが…アーシア・アルジェントか?」
アーシア「あ、は、はい…。」
ゼノヴィア「まさかこんな地で、魔女に会おうとはな。」
アーシア「…ッ!」
栗毛髪「あぁ~!あなたが魔女になった元聖女さん?堕天使や悪魔をも癒す効果を持っていた為に追放されたとは聞いていたけれど…悪魔になっていたとはね~。」
その言葉、アーシアはスカートの裾を掴み、震え始める。
アーシア「あ、あの…私は…。」
ゼノヴィア「しかし聖女と呼ばれていたものが悪魔とはな、堕ちれば堕ちるものだ。」
一誠「てめぇ!いい加減にしろお前ら!」
そう言って飛び出そうとするが小猫に腕を掴まれ、歯を食いしばってその気持ちを抑える。
ゼノヴィア「まだ我らの神を信じているのか。」
栗毛色「ゼノヴィア~彼女は悪魔になったのよ?」
ゼノヴィア「いや…背信行為をする輩でも、罪の意識を感じながら信仰心を忘れられない者がいる。その子にはそう言う匂いが感じられる。」
栗毛色「ほぇ~?そうなの、ねぇ、アーシアさんは主を信じているの?悪魔の身になってまで。」
アーシア「…捨てきれないだけです…ずっと、信じてきたから…。」
ゼノヴィア「ならば今すぐ私達に斬られるとい『バァンッ』ッ!…何をする?ゴースト。」
剣を手に取り、アーシアへ近づこうとした瞬間、眼前を弾が通り、壁に小さくクレーターを作る。
その弾丸を発射した人物、ゴーストの行動にその場にいる全員が驚き、視線を向ける。
玲士「黙れ、今貴様がしようとした行為は悪魔への敵対行為だ、アーシア・アルジェントはリアス・グレモリーの眷属になった、だというのに貴様らの勝手な理由で断罪だと?何も理解していない狂信者共め。」
ゼノヴィア「なんだと!?貴様、我らを侮辱するか!」
リアス「ゴースト!やめなさい!」
玲士「黙れ無能!自身の眷属の危機すら静観する気か!?屑が!」
リアス「ッ!?ゴ、ゴースト…?」
玲士「アーシアは聖女と呼ばれ、友を作ることも許されぬまままるで道具の様に扱われていたそうだな…ふざけるな!聖女である以前に一人の少女だろうが!教会というのは自組織の意向に沿わぬやつを掌返しで蔑み追い出し…挙句自分勝手な理由だけで命を奪うというのか!」
栗毛髪「そういうあなただって金をもらって命を奪っているじゃない!」
玲士「そうだな、ああそうさ!だけどな…俺だって金を貰う以前に誇りがあるんだよ!『依頼主の要望が悪でない事』、『人型の殺害対象が悪である事』などを条件に俺は依頼を受けてるんだよ!無差別に悪魔だからなどという理由で命を奪おうとする貴様らと一緒にするな!誇りも無くただ言われたままだけに敵を斬る貴様ら狗なんぞに斬る資格なんてないんだよ!」
一誠「ゴーストさん!…そうだ!あぁそうだ!お前らにアーシアを斬る権利なんてねぇ!お前らがアーシアを斬るというなら俺はイリナだろうとお前らを敵に回してでも戦ってアーシアを守ってみせる!」
そう言い、一誠はアーシアの前に立って戦士に向かって構える。
玲士【…イリナ…だと?そうか、あの栗毛色の髪…やはりイリナだったのか…。】
ゼノヴィア「…ほぉう?それは私達教会全てへの挑戦か?一介の悪魔共が大口を叩いたな!」
木場「…ちょうどいい、それなら僕が相手になろう、ゴーストから使い魔伝手で教えてもらったがタイミングが良かったようだ。」
ゼノヴィア「…誰だ?貴様は。」
木場「…君たちの先輩だよ。ゴースト、すまないがその女は僕に任せてもらうよ。」
玲士「…良いだろう、なら俺はイリナとやらを相手にする、アドバイスを一つだけくれてやる、復讐心だけで神器を使うな、負けるぞ?」
木場「…大丈夫さ、問題ないよ。」
ゼノヴィア「…ふん、裏庭を借りるぞ、リアス・グレモリー。行くぞイリナ。」
イリナ「うん!今更逃げても遅いからね!」
そう言い、二人は部屋を後にする。
リアス「…ゴースト、なんてことをしてくれたの…。」
玲士「そうだな、だが…貴様が眷属をどう思っているかはっきりと理解したぞ?所詮貴様はコレクション程度にしか思ってないのだな、だからアーシアを殺すと奴らが明言した時に即座に対応しなかったのだろう?」
リアス「違う!剣を取ったら私だって攻撃したわ!まだ剣を取っていなかったから」
玲士「貴様の詭弁など一切耳に持たん、これからは単独で行動する、貴様は俺に『どのように、どうするのか』だけを伝えろ。それ以外の下らん言葉はいらん。行くぞ、木場。」
木場「ああ、分かったよ、ゴースト。」
そう言い、玲士と木場は窓から部屋を後にし、裏庭へと向かっていく。
リアス「私は…私は…。」
その背中を見て、リアスは崩れ涙を流し始める。
一誠「部長…大丈夫です、俺らがついてます…。」
【ゴーストさん…一体どうしちまったんだよ…。】
アーシア「そうですよ部長さん…。」
【…ゴーストさん、どうしてそこまで部長さんを…?】
慎士「許さねぇ…あいつあんなこと言いやがって…!」
【チィッ…今のままじゃ無様に返り討ちだから攻撃出来ねぇ…しかもガブリエルと知り合いだったとはなぁ…!】
小猫「…ゴーストさん…。」
【…嫌悪感の他に…これは、嫉妬…?】
朱乃「…リアス、とりあえず裏庭へ向かいましょう。」
【…ゲームの時よりもさらに嫌悪が激しくなっていますわ…。】
リアス「…えぇ、そうね…急がないと、行くわよみんな!」
眷属`s「「はい!」」
そう言い、ぐずりながらだがすぐに泣き止み、急いで裏庭へと向かっていく…。
木場「今回はここまでだよ、担当は僕、木場裕斗と。」
仲介者「いぇい!久々の担当!仲介者がさせてもらうぜ!」
木場「ではまず最初だね、通信内容だけれどこれは聖剣強奪事件に関してだね、犯人が誰かも把握し、即座にシェムハザへと通信、情報交換をしてそれで得た情報を玲士くんに伝えた感じだね。」
仲介者「そして予想に関しては一番戦争が引き起こしやすそうな場所を想像した感じだぜ、まず教会に攻め入ったから天界に喧嘩を売った、という事で天界陣営の拠点は除外。そして悪魔側に喧嘩を売るとすれば人間界にいるシスコンの兄、姉を持ち一緒の学園に通っているソーナ、リアス関連か?と思って予想した感じだ。京都に関してはホテルだな、原作の修学旅行編で出てきたあの名前がド直球すぎるあれ。」
木場「次に話に出てきたのはもちろん…敵側のあいつだね、偽名に関してもその人物繋がりだよ。」
仲介者「まあ、ヒントは出まくってるからすぐ分かるだろう、そしてジヴリールもといガブリエルからの依頼、内容はいつも通り『コノエレイジという方を探してほしい』だぜ。」
木場「その後はオカ研部室での対話だね、来たタイミングは原作で話し合いが終わった直後、席を立った後にアーシアさんに因縁付けようとするちょっと前だよ。」
仲介者「シャドウの監視からリアス眷属を外したのはリアスの指示で、縁談騒動の時監視されていると知ってやめてほしいと思ったからだそうだぜ。」
木場「その後は原作と同じ感じにアーシアさんに因縁を付けて断罪しようとするが…。」
仲介者「そこをゴーストが射撃して妨害したんだがこの時撃ったのはコンテンダーだ、警告として一発、その時弾丸を装填しているんだが…こっちは弾丸改造したカラドボルグだ、防いだ場合…貫通して撃ち抜かれるぜ?フルンティングみたいに改造しても特性は消えないからな。」
木場「ただし偽・螺旋剣Ⅱとはまた違った物になっているよ。」
仲介者「空間を削り取る、じゃなくて全てを斬り砕くと言った感じだな、丘3つぶった斬ったという逸話に近い感じにした。」
木場「そしてアーシアを庇った時から微妙に感情的になっているんだけれどこれは一誠にとって大切な人だからだね、ただし部長は除くよ。」
仲介者「DVD見直したけれどドアの音を出さずにどうやって部屋に来てたんだろうな、木場ちゃんは…。」
木場「その後リアスに対し完全に嫌悪感を示し、それ以上の関係を持たない事を宣言したりしたけどそれは小猫ちゃんの予想通りで嫉妬だよ。主に一誠くんがリアス部長を選んだことに対する嫉妬だねハーレムを取るのは別に構わないけれど部長を助けた事だけは本心では納得してない感じだ。」
仲介者「それ故に本来報告するはずだった今章の敵について8割報告してないからな。」
木場「そんな感じだね、その後は残された眷属5人の心の中を表示したけれど…約1名以外ゴーストに対する心配だね、一誠くんに関しては披露宴乱入前や堕天使騒動の時の行動で尊敬しているから自身の好きな人に対してあの態度をとっているゴーストに対して悲しんでいるんだ。」
仲介者「さて、今回はここまでだな、次回は戦闘回なんだが…まぁ、相手が相手だからすぐに終わるな。」
木場「短いから追加で現在の天界は?みたいな閑話も入れるつもりだよ。」
仲介者「では、次回もお待ちくださいませせせせせせせせせせせせせ。そういえば木場く~ん?いくら恨んでいても仕事道具破壊しようとしちゃダメだぜぇ?」
木場「…あ、あはは…復讐だけで動いていたからね…。」
仲介者「ちなみに今話は難産だったそうだ。」