その男、復讐者なり   作:雪原野兎

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第23話 協力者

駒王会談襲撃から翌日、玲士は拠点にて魔王ルシファーと通信をしていた。

 

玲士「…要件は何だ?昨日の文句なら通信を切るぞ。」

 

サーゼクス『それについてはちゃんと指示してなかったからと言う事で割り切るよ、今回は別件でね…和平を結ぶ際にアザゼルをオカルト研究部の顧問に据えたいと思ってね、彼ならみんなを鍛える事も出来るし禍の団に対する牽制にもなる。』

 

玲士「…それで?」

 

サーゼクス『君の本名を彼に教えておきたいんだ、トップで彼だけが知らないからね。それに君の幼馴染である一誠くんは思ったことを口にするタイプだ、君の事をポロっと滑らせる可能性が高いと思うがどうだろうか。』

 

玲士「…確かにそうだな、良いだろう。だが…ちゃんと口止めはしておかないと…分かるな?」

 

サーゼクス『もちろんだとも、では通信を切るとするよ、これからミカエル達と3人で協定の調印をする話し合いをしなきゃいけないからね。』

 

玲士「分かった、ではな。」

 

そう言い、通信を切り、ベッドへと寝そべる。

 

玲士「打痕、切断跡…そして俺への攻撃…あいつが、あの男が家族を殺したのか…?辻褄が合う…だが理由が分からん…それもあの年齢でそんなことをする理由が…例え女だとしてもその年齢でそんな事を思うわけもない…一体、どういう事なんだ…?」

 

一人、ベッドの上で呟きながら瞳を閉じる…。

 

 

 

場所は駒王学園会議室、そこには悪魔、天使、堕天使のそれぞれのトップが集まっていた。

 

サーゼクス「待たせたね、ゴーストくんからの許可もとれたから彼についての情報を教えるよ。」

 

アザゼル「お、本当か?聞いた話じゃあいつの情報管理に関しては厳しいらしいからな、仲介者にも聞こうとしたが絶対に売らないって言われたから無理だと思ってたぜ。」

 

サーゼクス「まあ、そうだね。それと彼の情報だが広めたら誰であろうと殺しにかかるって言ってたからね。」

 

ミカエル「え、えっとそれでしたらガブリエルは大丈夫なのですか…?私は彼女に教えてもらったようなものなのですが…。」

 

サーゼクスの言った内容に対し、ミカエルは困った顔をしながら問いかける。

 

サーゼクス「それに関しては大丈夫だと思うよ、彼はガブリエルとも交流があるみたいだからね。」

 

アザゼル「もしかしたら堕天させるかもしれない可能性なのにその芽は摘まないんだな?ミカエル。」

 

顎に手をやり、にやにやしながらミカエルを見据えながら問いかける。

 

ミカエル「…そう、ですね。確かにその通りなのでしょう…ですが、彼はガブリエルに正しい責任感を、それに伴って好奇心が生まれ、向上心というものを与えてくれた、以前までの彼女はただ毎日を言われた通りにこなしているだけでした。」

 

アザゼル「まぁ、そうだな…今までのガブリエルは言われただけをこなしているだけで自身を顧みなかった所もあるしなぁ…ま、だから今まで堕天の可能性なんて存在しなかったわけなんだが。」

 

ミカエル「ええ、それにガブリエルは気づいてはいないでしょうけれど彼に惹かれている、もしも堕天の可能性を理由に彼を殺してしまえばガブリエルは恐らく彼の後を追うでしょうからね…。」

 

サーゼクス「…彼はそこまでの事をしたのだね。」

 

ミカエル「ええ…。」

 

アザゼル「…で、話が逸れちまったがあいつの正体は一体誰なんだ?」

 

サーゼクス「ああ、そういえばそうだったね、彼の本名は近衛玲士、10年前までこの町に住んでいた元人間だ。」

 

アザゼル「ほう?そうなのか。」

 

ミカエル「彼については名前だけだが知っていた時に私たちも調査しましたが…赤龍帝である一誠くん、そして教会の戦士であるイリナくんの幼馴染であるという事…そして10年前に家族と一緒に死亡扱いされていたということぐらいしか分かりませんでしたね。」

 

アザゼル「…なるほどな、それでその問題が出るのがお前の妹の眷属であるあいつ、か。」

 

その言葉に他の二人が頷く。

 

サーゼクス「ガブリエルがゴーストくんに会わせて欲しいと訪問してきた時に彼はすさまじい形相でゴーストくんを睨んでいた…その時の私はゴーストくんの事が嫌いだからそんな顔をしていたのかと思っていたが…。」

 

ミカエル「禍の団の襲撃…そしてヴァーリ・ルシファーの裏切りの時に彼の攻撃…。」

 

アザゼル「あんなんすぐ分かるってのにな、バレないようにするなら下側からも包囲するように出せってもんだ。」

 

サーゼクス「…だね。」

 

ミカエル「…ですね。」

 

アザゼル「だが分からない事が多すぎる、あいつは何故ゴーストの奴を狙うんだ?」

 

その言葉に他の二人は答える事が出来ず黙り込む。

 

アザゼル「…あの写真は確か10年前の物だよな、だが…それは奴が小学生の時に行動したことになる。」

 

サーゼクス「…あの時の管理者は別の者だが…確かその時は冥界の方に呼び出されていて留守にしてたはずだ。」

 

ミカエル「…この事は玲士くんには伝えるのですか?」

 

サーゼクス「…いや、まだ伝えなくても彼は気づいているだろうからね。それに…慎士くんは既に仲間から怪しまれている、この事を伝えて妹の眷属の中で不和を大きくしたくないからね…。」

 

アザゼル「ま、それもそうだな…直接なんでゴーストを狙う?なぁんて聞いたとしても素直に教えてくれるわけもねぇしな。」

 

ミカエル「そうですね…では、今後は彼には一応注意をするという事でよろしいですね?」

 

アザゼル「任せろ、さて…じゃあちゃんとした調停を結ぼうじゃねぇか、俺の所は神器を安全に切り離す研究とついでに部下の管理を。」

 

ミカエル「ついでじゃなくてそれもちゃんとしなさい、私の方は教会の大司教達のちゃんとした管理と聖剣などの各神話への返還を。」

 

サーゼクス「私の方はまだ難しいが悪魔の駒、そしてはぐれ悪魔に関する改定を主とし、三勢力で和平を結ぶ。」

 

そう言いながら三人は紙に名を書き、書き終えた瞬間、紙は空中にて巻かれて封をされる。

 

アザゼル「さぁて、終わった事だし俺は歓楽街にでも行くとしようかね。」

 

ミカエル「…はあ、全くあなたは…。」

 

サーゼクス「ははは、では私はリアスの元へ行くとしよう、今回の事を伝えないとね。」

 

そう言いながら3人は部屋を後にする…。

 

 

 

…場所はどこか部屋の中、多数の機械、画面に囲まれた男は電話を取る。

 

仲介者「はーいこちらコードネーム、ジ・ゴーストミーディエイター。今回の要件は傭兵依頼?それとも情報かい?」

 

ガブリエル『あ、あの…私です。今、お時間はよろしいでしょうか?』

 

仲介者「おや、ジブリールさんじゃないかどうしたんだい?すまないが彼についての情報は売れないし捜索依頼は別の者に回すことになるぜ?」

 

ガブリエル『…今回のお話は玲士さんについてです。』

 

仲介者「ッ…その声、気づいたんだな?周りには誰もいねぇな?ガブリエルさんよ。」

 

ガブリエル『…はい、問題ありません。ここは私の仕事部屋で今は誰も入らない様にしてあります。』

 

仲介者「…そうか、で…あいつについてどうした。」

 

ガブリエル『彼が…彼が復讐を果たした後についてお聞きしました…。』

 

仲介者「…聞いたのか…そうか、ならすまねぇな、俺じゃあ無理だ…。」

 

ガブリエル『そんな…!あなたは彼の相棒ではないのですか…!』

 

仲介者「…本当にすまねぇ…俺はあいつの相棒で仲介者だが…それだけだ、それだけでしかねぇんだよ…!俺はあいつに返しても返し切れない借りがある…だけどそれでも俺じゃああいつを思いとどまらせる事は出来ねぇんだよ…!」

 

ガブリエル『…そう、でしたか…。』

 

仲介者「…ガブリエルさんよ、頼みがある…。あいつを、あいつの想いを変えてくれ…俺はあいつに会いに行く事が出来ねぇ…幼馴染でもその想いを変える事が出来なかった。…だからよ、会いに行けるお前さんに頼むしかねぇんだ…頼む、あいつを死なせないでやってくれ…!」

 

ガブリエル『仲介者さん…分かりました、どうすれば良いかは分からないですが、頑張ってみます!それで別のご相談なのですが…実は彼の―――』

 

ガブリエルがしようとしていることを細かく説明する。

 

仲介者「あー…なるほどな、なら○○町の○○番地にある廃墟に行ってみ『ビシャン』いっでぇえええええええええ!」

 

その発言をした瞬間、全身に激痛が襲い掛かる。

 

ガブリエル『ちゅ、仲介者さん大丈夫ですか!?』

 

仲介者「だ、大丈夫だ…約束を破ったペナルティみたいなものだから気にしないでくれ…。」

 

ガブリエル『そ、そうでしたか…そ、そこへ行けば、よろしいのですね?』

 

仲介者「ああ、そこにあるはずだからな…。」

 

ガブリエル『分かりました、探してみますね。』

 

仲介者「すまねぇな…ゴーストの事、よろしく頼むぜ…。」

 

ガブリエル『はい!』

 

その返事と共に通信が切れ、仲介者は煙草に火をつける。

 

仲介者「いつつ…全く、あいつも罪作りな奴だなぁ…あんな別嬪と互いに気付いてない相思相愛だというのに…なあ玲士…あんなにもお前を想ってくれている奴がいるんだぞ…だからよ…自分の人生を楽しんでくれや…。」

 

男は一人、複数のモニターを見ながら作業を再開する…。




アザゼル「さて、今回はここまでだな、担当は俺、堕天使の総督であるアザゼルと。」

ミカエル「天界の現在のリーダーである私、ミカエルがやらせていただきます。」

アザゼル「最初は玲士とサーゼクスの会話だな、俺にも正体を教える事に関してでもっともあり得そうな理由を言った感じだ。」

ミカエル「玲士くんも慎士を怪しいと思い始めた…が、動機が分からない為に戸惑っているね、事件があったのも互いに小学生の時でしたからね。」

アザゼル「そして三トップによる調停会議だ、俺が玲士を殺さないのかという話をしてるが…まぁ、冗談のつもりだ。」

ミカエル「次に慎士くんについてですね、前回の不意打ちとかは流石に怪しんでいる…が、玲士くんと同じ様に動機が分からない状態、なのでとりあえず現在は保留にする感じですね。」

アザゼル「最後は互いに自勢力の改善を挙げていき、無事、和平条約の締結完了だな。」

ミカエル「そして仲介者とガブリエルの会話ですね、コードネームは本人の適当です、仲介者と名乗ることもあれば情報屋と名乗ったりなどなど。」

アザゼル「仲介者がガブリエルから玲士の復讐後の話をした際に全て聞かずに否定していたが…まぁ、これはガブリエルの玲士に対する想いを知っているからこそ予想した感じだな。」

ミカエル「仲介者と玲士くんの関係はビジネス仲間でしかない、互いに相棒と思っていようとね…本気で何とかして助けたいと思っていても…その関係が邪魔してしまうんだ。」

アザゼル「そして仲介者の頼みだが…本人的には結婚でもして楔になってくれって意味なんだが…まぁ、ガブリエルがそんなことを分かるはずもないが頑張って生きさせようという決意は生まれたな。」

ミカエル「そしてガブリエルが何かを相談してたが…まぁ、これについては後日もとい後々判明するので今は秘密です。」

アザゼル「そして仲介者がなんかダメージを受けているが…まぁ、強制自己証明のペナルティだな、『玲士の情報を売らない』という約束を破った為にな、本人の情報では無いから軽めに電撃を喰らった様な痛みだ。」

ミカエル「玲士とガブリエル、互いに相思相愛ですが…まぁ、互いに恋心に気付いていないんですよね…。」

アザゼル「気づいちまったらもちろん堕天しちまう可能性が高いしな、そのために気付くのはまだまだ先だ。」

ミカエル「では、今回はここまでですね、次回からは新章、リアス・グレモリー達悪魔の帰省ですね。」

アザゼル「一応玲士はついていくが…原作に絡むことは少なそうだな。」

ミカエル「彼は眷属であるつもりはありませんからね、いくらサーゼクスに頼まれたとしても悪魔会合などには絶対に出ませんので。」

アザゼル「んじゃ、次回もお待ちくださいませせせせせせせせせせせせせせせせせせせせせせせせ。」

ミカエル「しかし仲介者の名前は決まってないのですね。」

アザゼル「そうだな、今のところはキースって名前の予定だが…まだ確定じゃないな。」
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