悲しみのモルテ   作:tutimikad

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第1章第3話のあらすじ
ユリカちゃんとリョウがいちゃつく。

第1章第4話
師匠と修行をする。


第1章(4話) ----少しだけあるプライド----

〜今日を生きて、明日を生きる〜

第1章(4話) ----少しだけあるプライド----

 

やばっ!キンッという、剣と剣が当たった時の音が部屋の中に鋭く走った。

 

石で出来た床と壁。どうやって、酸素を補給してるんだよと思ってしまうほど、この部屋から出られる場所は部屋の扉ぐらいだ。

 

そんな事を1秒以内で考えていたら、次の攻撃が来て、剣で受け止めたら、剣はどっかへ飛んで行った。

 

死ぬ死ぬ死ぬ。

 

あれ? この人は、僕の師匠じゃないの? これは、修行じゃないの?

何故か僕の事を殺しに来てるぞ?

 

 

――――――――

まず、師匠に会って弟子入りをお願いしたら、考えもせずに師匠は了承してくれた。

お金さえあれば誰彼構わず弟子入りさせるそうだ。

師匠はゴドーと名乗った

 

修行は剣の持ち方から始まった。

そして、振り方をある程度覚えたら、1日目はそれで終わり、この寒い部屋に寝かされた。

 

そして、2日目でもう師匠の剣を30分間受け止めろと言われました…おかしいよね?

 

 

――――――――

「ヴォォオオオオオ!」と師匠は叫びながら、僕の腕を斬ろうとして来た。

それをなんとか避けたが、脚が限界なのか、縺れて転んでしまったっ!

 

師匠は、急に飛躍して、上から振りかぶってきた。

もう無理だ。止められない。

 

いや! 諦める訳には行かない! もう一度会うんだ!生きて、今日も明日も、この修行が終わるまで生きる!

そして、会うんだ。

ユリカちゃんにもう一度!

 

僕は、なんとか剣を受け止めたが、勢いは止められず、少し額にカスった。

師匠は、一旦僕から離れて、そっから突っ込んできた

 

僕もやるしか…ないんだ!

 

僕は震えてる足を無理やり立たせた。

受け止めるだけじゃダメだ。

 

「うわぁぁあああ!!!」

「グガァァァァァア!!!」僕と師匠は同時に叫んだ。

 

僕は刺すような感じで、腕を伸ばして剣を師匠の胸元に刺そうとした。

しかし、師匠は何事も無かったように、止めて反撃して来た。

 

そっからは師匠の猛攻撃だ。

右左どちらにも攻撃してきた。

 

もう止めるしかない。耐えるしかない。

師匠は急に攻撃方法を変えて、足を攻撃して来た。

 

やばっ! キンッという、剣と剣が当たった時の音が部屋の中に鋭く走った。

 

なんとか防げたが、また次の攻撃が来る!

剣で受け止めたら、どっかに飛んで行った。

 

「このザァコがぁ!!」師匠はさけんだ。

僕を罵ってきた。

 

そんなの仕方なくない?

多分前の世界では、僕は剣を持って戦いはしていなかったと思う。

だから、戦いは初めてだし、仕方ない。

絶望して下を向いていたが、急に鐘の音が鳴った。

天井にあったものだ。

 

師匠はニヤッと笑い

「よく耐えたな。おめでとう! しゃー休憩だ」

え?何が起きた?なんで僕いきてるの?

 

あぁ30分経ったのか。

「ありがとうございました。」

僕は急に生き返った気がした。

拳を天井に上げて、喜びを感じ、そのまま石の床で寝てしまった。

 

 

――――――――

起きた。何時間経ったのだろうか?

いや、まずそんなに寝てたのかな?

 

起きて見ると、自分に毛布みたいなのがかかっていた。正直ここは動かないと寒いし、有難い。

師匠がかけてくれたんだろう。

 

「おい、お前何時間寝てるんだよ。6時間は寝てたぞ」師匠はまだ立ち上がっていない僕のために腰を下げてくれた。

 

「6時間!? 僕そんなに寝てたんですか!?」

正直そこまで寝てるとは思わなかった。

「す…すみません!」

僕は疲れてるとは言え、申し訳なくなり頭を下げた。

 

「じゃあ今から魔法の使い方と何種類か魔法を覚えてもらうぞ」

「は、はい!」

僕は急いで立ち上がった。

 

 

――――――――

「燃えろ! 我が剣よ」と言って、僕は言われたとうりに剣が燃えるイメージをして、魔力を剣に流し込めるようにした。

 

そうすると、剣から火が燃え盛った。

これをするだけで、動物達は僕を攻撃しにくくなるそうだ。

 

「お前、物覚えは割といいんだな。まあまず、戦闘が駄目駄目だけどな」

「うるさいですよ」僕は、師匠を睨みつけた。

「はいはい、すいません」

 

 

――――――――

僕は3週間ぐらい修行を始めてから経った。

 

割と剣の扱いは上手くなったと思う。

 

そう言えば、自分はフェイントが得意らしい。

フェイントとは、敵が攻撃して来たのを、受け止めるフリをして、首を狙ったりして、一撃で仕留める技だ。

 

フェイントは何度も出来ないらしいので、ほんとに1発勝負だ。

 

「よし、今日で最後だ。」

「あぁ、今日で最後なんですか」

もうそれ位経ったのか。1日1日の感覚を無くしてしまっていた。

 

修行は基本的に30日間らしい。っていうことは、多分今日師匠から合格貰えなくては、ダメなのか。

 

今日もおそらく戦うと思う。今日こそ師匠を倒すぞ…。やれる…僕ならやれる。

 

その後、すぐ戦いが始まった。

僕は自分の剣を思いっきり降った。自分の剣の長さは、1m30cmぐらいだ。細長い感じで、 軽めの両手剣だ。

正直初心者でも扱い易いタイプなんだと思う。

 

それに比べて、師匠も勿論両手剣だが、デカすぎる。師匠は身長180cmぐらいだと思うが、剣は2mは超えてると思う。両手剣というよりも、大剣だ。

師匠がその剣を振るだけで、音が凄い。

 

剣を振って攻撃したが、全く効かなかった。すぐに止められてしまったし、正直力技じゃ負けてしまう。

 

先手はもらったが、その後は全然駄目だ。師匠の攻撃を避けることと防ぐことで精一杯だ。

 

まだフェイントを使う時ではないと思い、しかしこのまま負けるのも嫌だ。

 

僕は頭を狙って右から来たのを、しゃがんで避けて、師匠の足元を思いっきりすくい上げあように蹴った。

 

師匠は不意を付かれたのか、膝を床に付いてしまった。

 

今だ! ここしかない!

僕は下から、師匠の首を刺そうとした。

 

しかし、師匠はそれを避けて、僕の顎を下からぶん殴った。

豪快なアッパーだ。

僕はそこで意識が飛んでしまった。

 

 

――――――――

「ん…。」

僕は激しい痛みと共に起きた。

顎が触っていなくても、ズキズキする。

「おはよ。顎は大丈夫か?」

「あ…まあ大丈夫です。」大丈夫ではないが、大丈夫と言うしかない。心配させたくない。

「僕は不合格ですか?」

「大丈夫だ、お前は合格だ」

!?マジで!?

前に師匠の攻撃を30分耐えた時と同じように、拳を天井に突き上げた。

 

「おめでとうな。だけどこれからはもっと辛くなっていくぞ。本当の戦いが始まるし、殺しもしなきゃいけないし、殺される時もあるんだ」師匠は僕の頭の髪の毛をぐちゃぐちゃにして、笑ったが、目は笑ってはいなかった。

僕の事が心配なんだろう。だけど、僕なら大丈夫な気がする。こんなにツラい修行に耐えたのだ。

 

僕の手のひらの上に数滴の涙が落ちていた。本当にツラかったからだと思う。

師匠は、今度は頭を撫でてくれた。

 

 

――――――――

その後、ギルドに戻ったら、ユリカちゃんとほかの人達は既に揃っていた。

「おかえり!」と皆言ってくれた。ここに帰ってくるのは、ほんとに久しぶりだ。

とても懐かしい気がする。

 

またしても、僕は少し泣いてしまった。

修行を生きて耐えた事と会いたかったユリカちゃんに会えたからだ。

 

そこで、ロストさんとセルジオさんが肩を組んできて、

「さぁー!今日は飲むぞぉ!」と酒瓶片手に笑った。

 

 

――――――――

今日の夜、部屋では、久しぶりに会ったし、話がしたかった。

「ユリカちゃんは何時頃帰ってきたの?」

「えーと、実は12日ぐらい前に帰ってきたの。なんか私の師匠から「お前は優秀だー」とか言われて、「もう教えることない」つて言われて修行終わっちゃったの」

…。マジで?

ユリカちゃんって運動出来ないんじゃないの?!

仕事してる時、よく転んだりしてたのに…。

「それは凄いね!なんで!ユリカちゃん実は運動得意なの!?」

「いやぁ…なんか盗賊って、こそこそばっかりしてて、めちゃくちゃ運動する方じゃないから、運動神経悪くても出来るみたいなの…だからだよ。運動が得意じゃなくて、たまたま、偶然自分にあったのを選べただけだよ! 多分この職業の修行、リョウくんなら7日ぐらいで終わるよ」嬉しいけど、ユリカちゃんの慰めが、グサグサ心に刺さってくる。

 

パジャマは足がほぼもろ出しなのでわかるよ。ユリカちゃんの足、傷だらけだもん。

僕なんかよりさ…。

 

ちょっと悔しいなぁ…。女の子に負けるなんて。

「それよりね! 明日はごぶりん?とかいうモンスター?を倒しに行くらしいよ! だから、それに向けて頑張ろ! おやすみ」ユリカちゃんはそう言って、布団に入った。

正直気まずかったのだろう。

「おやすみ」僕はそれだけ呟いて、壁側を見て、布団に入った。

 

明日は、ユリカちゃんに勝つぞ。

 

分かってる。これは、勝ち負けなんて無いことに。

ただ少しだけあるプライドのせいだ。




今回も読んでいただきありがとうございます!



皆様!読んでいただきありがとうございます!
毎度毎度遅れてしまってすいません!

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第2章第1話
「初戦闘」

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