IS:ボンド   作:田中ジョージア州

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リインはともかくチンクは本当に似てるね。


原作開始前 4 はやて「リイン⁉︎」ノーヴェ「チンク姉⁉︎」セシリア•ラウラ「はい?」

自己紹介を済ませた2人は今、広場にてお茶会を開いていた。

 

ゴーレムに持って来させた、またもや紫づくしのテーブルと椅子の上にはどこから取り寄せたのか、形の良い高級そうなケーキが並んでいる。

意外と上品に食を進める束と遠慮がちに食べる、いまだ困惑の色が見えるなのは。

「えっと、つまりここは異世界だと…」

「うん。」

束のざっくりとした説明に未だ慣れずともすっかり冷静さを取り戻したなのはは頭を巡らす。

(異世界って、もうジュエルシード超えてたりして…兎に角情報を聞き出さないとかな。)

「篠ノ之さんが私をここに呼んだとして、なんでそんな事をしたんですか?」

簡潔な質問には簡潔な答えが。ひとまずケーキを平らげた束は一言で言い表した。

 

「ん〜〜〜復讐?みたいな。」

 

「復讐?」

「うん、まあややこしいんだけどね。合ってるとしたらそれかな?」

そんなふわふわした理由で呼び出されたのかと思ったが、口には出さず続けさせる。束は次のケーキに手をつけながらなんとなしといった感じで話を続けた。

 

 

 

豪勢なお茶会も終わりを告げ、ゴーレムがその禍々しいクローを用い、絶妙な力加減で食器を片している。

完全に落ち着きを取り戻したなのはは紅茶(ゴーレムがまたもや器用に入れてくれた)を口に含む。

甘みは僅かにだけ感じる。ケーキの後にはちょうど良い按梅だ。リラックスした頭で束の語った記憶を纏める。

「その足長おじさんは一旦置いておくとして取り敢えずその『灰色の怪物』についてですが、私の世界では聞いたことが無いですね。」

束は磁場の乱れが生じた地域で灰色の怪物の目撃情報が確認された事から、怪物はなのはの世界からやって来た。と仮説づけたが、なのはも怪物達については初耳だった。

管理外世界には、もっと巨大な生物もいるが人型の生物については思い当たらない。

(ガリューみたいなのは違うだろうしな……)

思案しながらも、結論が出せないと判断すると直ぐにこの案件は胸の奥にしまう。

「では、未知のエネルギーについて具体的に教えて貰えます?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ラボ『我輩は猫である』

 

束はコンソールを操作しモニターを数種映し出し、其々に異なるデータを表示させる。無論すべて未知のエネルギーを調べたものだ。

宙に浮かぶ数々のグラフとして視覚化されたエネルギーを見ながらなのはは顎に手をやる。

「ヘスの方式とかも当て嵌まんないし、本当に未知のエネルギーだよ。」

お手上げというように首を傾げる束を横目で見ながらなのはは困ったように腕を組む。

そんななのはに自らもまた目の端で捉えていた束が問いかける。

「やっぱり覚えない?」

少々期待はずれに思いながら、しかし勝手に自分が呼び出した為文句は言わない束に、言葉を選びながらなのはが答える。

「束さん、魔法って信じます?」

「…はぁ?」

思いっきり怪訝な表情で返された。

 

「なるほどねぇ…これが所謂、魔力って奴なのね。」

「信じて貰えます?」

「有るものは否定しない‼︎それが科学者‼︎」

最初こそ怪訝に思われたが、説明すると驚くほど真摯に受け止めてくれた。本人の言う通り、実際に存在しているからしょうがないのだろう。それでも小声で「でもやっぱ信じられんわ……」と言うのも確かに聞こえた。

 

「でもなのはちゃん、困っちゃわない?」

不意に束。

「だって大気中の魔力吸って魔法使うんでしょ?この世界じゃ魔法使えるの?」

「そうですね、元々魔力は人体にとっては異物ですから、体内での生成も基本的に出来ません。」

疑問に答えながら、束の分析力に舌を巻くなのは。

二、三簡単に説明しただけだというのに、もう魔法行使の仕組みについて独自に結論を出しているとは。

人格には多少難があるが科学者としては一流らしい。

それにしても確かに束の言う通り、大気中に魔力素が無ければ魔法使いの命たるリンカーコアも役に立たない。協力するしないは置いといても復讐するにしても力はいるだろうと首を傾げる。すると。

 

『Master』

「ん、なんか言った?」

謎の声に驚く束。なぜ忘れていたんだと慌てて服の中から取り出す。

ペンダント状にしたひとつまみ程の大きさをした、丸く綺麗な赤をした宝石。

「なに?レイジングハート」

彼女にとっては10年来の仲である、インテリジェントデバイス、レイジングハートが己が主に提案する。

『この場で試して見ては如何でしょう。』

解釈の必要なしの至極単純な提案。困っている時だからこそ最も役立つ。

「そうだね、流石レイジングハート。」

『恐縮です。』

あくまでも事務的な回答しかしないレイジングハート。だがなのはは少しも癪には思わない。機械と人間の間の絆が確かにあった。

 

「なのはちゃん、それなに?……あのさ、無視しなi「束さん‼︎」……君なかなか失礼なとこあるよね?」

「ちょっとひかりますね。」

「光る?なにが?」

聞き返してくる束を無視し、なのははレイジングハートを掲げる。

 

《Standby ready》

主の意思を受け取り、レイジングハートが答える

 

「レイジングハート、セットアップ‼︎」

 

告げたのは呪文。

魔法行使において言葉は単にプロセス。

複雑な魔力の結合や実際の魔法への移行、様々な系統の魔法に対してスムーズな対応ができる為の手段に過ぎない。

だからこそなのはは呪文の1つ1つに意味を抱いている。

特にこの変身には、

 

 

束はそれ程気が長いわけではない。

二回も自分の事を無視された時点で既に切れかけていた。それに加え理由が文法的に訳のわからない提案とくれば、もう我慢する気もない。一つ文句でも言ってやろうと思いながらなのはへと向き直り、

 

なのはが光った。

「うおっ眩し‼︎」

公言通り、本当に桜色の発光をして見せた自称魔法使いに束は目を覆いつつ、心に芽生えはじめる興味心を認め始めた。

そして光が収まり現れた、何故かコスチュームチェンジを果たしたなのはに、無意識の内に口に出していた。

「すっごい……」

 

展開し終わったバリアジャケットを見ながら、通常時より鋭敏に感じる魔力の動きに確信をつかむ。使える。

さっと手を軽く払う。なのはの魔力色と同様の桜色の光球が手の動きと共に気泡のごとく無数に現れ、弾け、魔力が霧散する。

デバイスを介する必要もない、しかし形を指定する上でそれなりに腕が必要なこの技をなのはが選んだ理由は、確認。

新たな世界での自分の戦力確認。簡単だが、人の手が入らなければなし得ないこの現象が出来たということは、自分がこの異世界でも問題なく魔法行使が出来るという証左。

ふう、と胸を撫で下ろす。これで一つの懸念が消え去った。『面倒ごとは出来るときにやれ』常に教導の上で心掛けている事の一つだ。

「大丈夫みたいです。魔法、使えます。」

今度こそいつもの、温かい優しい笑顔でなのはは言った。そんな笑顔を束はぼーっと見つめていた。

 

なんだ、この子は?

今まで出会ってきた誰とも会わない。異世界から来たと言えばそうだが、それにしてもこの新鮮さはなんと説明しようか。

(知りたい)浮かぶは探求、されど原動にあるは未知への周知化ではなく。このどこまでも温かい。これに惹かれたから。束は人生で初めて他人に最初から好意を抱いた。

変革とは目に見えるものだけとは限らない。

異世界からの訪問者『高町なのは』はこの世のキーマンである篠ノ之束の心境に確かな変化をもたらした。

これは正史とは違う物語。

 

 

次号 IS:ボンド 【改史】 始動

 

 

 

 

 

 

「そう言えば足長おじさんってどんな人何ですか?」

「ん? あぁ、そうだねぇ…なにぶん他のインパクトが強すぎたし………あっ‼︎ そう言えばあだ名みたいなの捨て台詞に言ってたっけ、」

 

「たしか……」

 

 

 

 

『あぁ、別れる前せめて呼び名でも教えよう……私のことは………』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《アンリミテッドデザイア》

 

 

 

無限の欲望とでも呼んでくれたまえ

 










次回から原作開始となります。
無限の欲望…一体なにリードなんだ!?(すッとぼけ
それとヘスの方式ですが、竹内力学だとかぶっつり学やらで使う、熱エネルギーをグラフ化出来る式だそうな。作者はどちらもからっきしなんで、知ってる人からしたら「おま、これ違うやん。」「そもそも勘違いしとるぞ」かも知れませんお許しを。
これからもどうぞ見守ってください‼︎ 誤字脱字あればご指摘を、

※人気投票の開催。詳細は活動報告にて
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