風呂敷回収はまだ終わってませんぞー!
「アホバカけーくんのあんぽんたんって思ったよりもアホよね。」
かれこれ、3時間程罵倒されています。
「あんな公開告白みたいな事をして!
教室に戻り難いんだけど!?」
むすりとした顔も愛らしい。
結局先輩からちゃんとした返事を貰っていない気がする。
でも、今はこのままが丁度いい。なんて思える。
「いい天気ね。
死にたくなるわ。」
「やめてくださいね!?」
「冗談よ。半分は。」
本質はそうそう変わらないみたいだ。
「あー!なんだか調子狂うわね!?
もう今後一切好きだなんて言わない事!」
「無理です。」
びしっと鼻先に指を突きつけられるが、断る。
「そんな事を言うのなら無視するわ。」
「教室の前で愛を叫びます。」
「本当にやめてくれないかしら!?」
よし。俺の勝利。
「と、と、とにかくっ。
そろそろ教室に戻るわ。」
立ち去ろうとする先輩の腕を掴み、
「好きですよ。」
そう言った。
先輩は口をぱくぱくしながら腕を振り払い、走り去って行った。
********
「好きなんて・・・今更言えないわよ。」
赤くなった頬を冷やしながら図書室に逃げ込む。
先生は丁度いないから、合鍵で図書室を開けて内側から鍵を閉める。
ここで死のうとした時に、同じクラスの少女から止められた。
『今死んでも、彼は君を救えないよ?』
今まで、その少女との関わりなんてなかった。
『ボクは桐野雪。
幸の事ならなーんでも知ってるよ。』
少し赤みがかった瞳で見つめられる。
ナイフを落としてしまう。
雪はナイフを拾い、私の耳元で囁く。
『幸の選択をボクは信じてる』
その言葉の意味はよくわからない。
いきなりにも程があると思うのよね。うん。
雪がどうやって図書室に侵入したのかはわからない。
「やぁ、幸。」
窓辺に腰掛ける雪がいた。
「サボり?いけない子だね?」
「あなたもでしょ?」
くすくすと雪は笑う。
「ボクはそろそろ教室に戻るよ?」
ひらひらと手を振り、図書室から出て行く。
「なんなのかしら。」
雪が去ってからは恵の事ばかり考えてしまう。
恵が好き。
本当は好きなのに、断ってしまった。
だって。
私はこれからも死にたがりでいるだろう。
実際、死への欲求は増すばかりだから。
これ以上恵を傷付けたくない。
だから、気持ちに重い蓋をする。
自分の気持ちに向き合えるようになれたら、
その時はきっと私から言うだろう。
「好きよ」 って。
あー、どうしよう。
教室に行かなきゃ。
屋上を覗くと、すやすやと眠る恵が居た。
私をこんな気持ちにさせておいて、よく呑気に寝て居られるわね。
そっと、近付いて・・・。
ここから先は私だけの内緒。
*************
昼休み、屋上に小柄な少女がやってくる。
「如月さん。」
「恵くんっ何!?みうの生き血でも啜る!?
ご飯にする?お風呂にする?それとも・・・み・う?
やだ、昼間から大胆だよ〜!」
如月さんに何があったんだ。
暫く、元に戻るまで待ってみる。
「あ、あれ?本物の恵くんだったりする?」
「本物だと思いたいけどな。」
如月さんが無言で回れ右して、入り口にダッシュした。
「待って」
丁寧に待ってくれる。
「あ、あの・・・ごめんなさい!
みう、あの恵くんが居ない間・・・いや、なんでもないです。うん。」
こ、怖いんですけど。
「そ、それで話って何?
告白?告白?告白の定番スポットだもんね!」
「いや、全然違う。」
退院するまでに考えていた事を言う。
「みうさん。
相原幸を救う手伝いをしてくれないか?」
「え、みうがあの女の・・・手伝い?」
きょとんとしている。
まぁ、無理もないだろうな。
如月さんは先輩を嫌っているから。
「なんで、みうにそんな事を言うの?」
「みうさんが1番、俺の話を聞いてくれるからだよ。」
「うん、一言一句残さず聞くよ!!!」
誇らしげに胸を張る如月さん。
もし、この選択が間違っていたら?
そんな不安が頭をよぎる。
それでも、何度でもやり直す。
その為に、正解を見つけ出す為になら、何でもする。
だから、深呼吸をして言う。
「俺は先輩が死ぬ度に1週間巻き戻るんだ。」
「巻き・・・戻る?」
出来るだけ、感情的にならないようにゆっくり話す。
「これまで、何度も繰り返してきた。
君が先輩を殺す世界も沢山あった。」
「まるで、何かの小説みたい。」
その通りだ。
「その世界の中で、みうは恵くんと仲良く出来てた?」
「その時によるよ。
先輩を殺す事が多すぎて、嫌悪する事もあった。」
如月さんが安心しきった顔で言う。
「そっか、じゃあ、ここで先輩を殺さなくて良かったかな。」
本当にそれは思う。
「うん、みうは信じるよ。
恵くんは嘘吐かないもん。」
恋は盲目というけれど、盲目すぎるだろ。
「俺も嘘は吐くよ?」
「だとしても、今は嘘じゃないでしょ?」
まぁ、こんな事で嘘吐いてもな。
「みうは恵くんが大好きだから、信じるよ。」
笑顔でそう言われる。
「恵くんの頼みだし、頑張る。
なんでも言ってね?
あ、でもその・・・みうは恵くんの頼み聞く訳だし、条件つけてもいいよね?」
頼みによるけど・・・。
「みうを呼び捨てにするのです!」
「そんなのでいいのか?」
今の如月さんなら、私と契約して婿養子になってよ!くらい言いそうだったんだけど。
「そんなのがいいのです。」
「わかったよ、みうさ・・・みう。」
嬉しそうに微笑まれる。
「じゃぁ、協力するよ。恵。」
あ、ちゃっかり、呼び方変わってる。
「私は恵の頼みを断りません。恵の為なら頑張ります!」
犬みたいだ。尻尾がみえる。
「だから、頑張る度にご褒美はくれるよね?」
「あ、あぁ。」
「じゃぁ、私の頼みもちゃんと聞いてね。
約束、だよ。」
頬に柔らかいものが触れた。
そのまま、みうは屋上から去っていく。
「お、終わった。」
どうやら、今回のループは上手くいったらしい。
良かった。
まだ体は痛いけど、大丈夫だ。うん。
そして、ふと思ってみる。
あれ?どうして俺は、先輩を救いたかったんだ?
今更気がつく。
その兆候は前からあった。
入試の時を思い出せなかった、あの時から。
記憶が抜け落ち始めている事を。
ほんのりのほほんとした感じで終わりましたね!(無言の圧力
みうという協力者。
雪という新しい登場人物。
1章ラストにぶっこんだなー、なんて思いました?
だって、きっとその方が面白いから!
この小説は試行錯誤をしながらですし。。。
恵くんが机の中の爪に気付いたか気付かなかったかは、あえて隠しておきます。
読者さんの想像が、きっと正しいですw
みうは最初に比べると、あ、ちゃんとヤンデレだーと思えるようになりましたねw
がんばれ、みう。
2章のスタートはまだ未定です。
良かったら、1章についてのコメントが欲しいです!
沢山のお気に入り登録ありがとうございました!
まだまだ続く、この物語を今後ともよろしくお願いします!
次は、教室に戻った誰かさんのお話です!
その後に閑話執筆します!
それでは、お疲れ様でした!(*´ω`*)