やっと出来た………パタリ
今回はわりと伏線多めです。
これが2章の始まりではないです。
一応サブストーリーな、本編なんだぜ。
時系列的には、前回の話より少し前です。
朝起きて、メッセージを確認する。
【駅前、10時集合。
遅れたら罰ゲームだよ】
このメッセージを送った少女のくすくす笑う声が聞こえてきそうだ。
「はぁ…行かなきゃダメなのかよ…。」
少しだるい体を動かして支度をする。
なんて約束をしてしまったんだよ。俺。
(先日の出来事)
俺は一人でご飯を食べていた。
先輩はまだ来ない。
いや、別に約束はしてないけど。
『やっほー。幸ちゃんの後輩くん。
ボクはね、君の秘密を知ってるよ。』
『そうですか。』
いきなり、話し掛けてきた先輩に冷たく返答する。
誰だったっけ?
というより、話がいきなりすぎて唖然とするのだが。
『つれないなー!ようするに君の秘密を共有するモノとして仲良くしようよ!』
『どうせハッタリでしょう?』
俺の何を知ってると言うのか。
どうせ、何も知らない。
『君、巻き戻りをしてるでしょう?
幸の運命を変えるために。』
『……あんた誰だよ。』
『ボク?ボクは雪。
ねぇ。よかったらさ、取引をしようよ。』
以上、回想終了。
俺は雪先輩に巻き戻りの事を教えて貰う。
雪先輩は俺とデートがしたいらしい。
それが取引らしい。
別に巻き戻りの事はつい最近、みうにも話したから別にバレてもいいのかもしれない。
しかし、この事を先輩が知ったら…。
どうなるかが怖い。
別に取引に応じなかったらバラすなんて言われてないけどさ。
「お、ちゃんと時間前に来たねー?偉い偉い!」
駅前には30分前に着いたが、雪先輩はもう居た。
「あ。雪先輩なんて堅苦しいし、雪でいいよ。」
「そうですか。」
沈黙が続く。
「さ、恵くん。デートを始めよっか。」
いきなり、手を握られて少し動揺もする。
雪先輩がくすくす笑っている。
「だーいじょうぶ。別にボクは君を取って食ったりなんてしないよ?」
「そういう事じゃありません!俺は幸先輩が好きなんです!なのに、なんで雪さんとデートしてるんですか!?」
「え、ボクが頼んだから?
実はさー、ボクって男性に好意を抱けないんだよねー。まぁ、ようするに女性が好きなんだ。ボク。」
唐突なカミングアウトに驚く。
「でも、両親がそろそろ彼氏の一人や二人作れ作れうるさいわけ。二人もいらんわ!って思うけどね。」
「それで…まさか…。」
嫌な予感がする。
「別に、両親に挨拶はしなくていいんだけどさ。
ちょーっと親戚に会う確率が高いわけ。今日は。」
「帰らせていただきます。」
「ま、待ってよ!じゃないとボクが困るんだってー!!
今なら特典でクラス会にご招待!幸は強制参加だからきっと楽しいよー!」
クラス会か。
「幸ちゃん可愛いから、男の子が寄ってきたりするよー?」
「仕方ないですね。行きます。」
あ、即答してしまった。
「じゃあ、デート続行かな?」
「わかりましたよ。」
はぁ。これを先輩に見られたら死ぬ…。
そういや、あれ?
「雪さんって、先輩が好きなんですか?」
「ううん。違うよ。
ボクが好きなのは…君も知らない人。
絶対に叶わない恋なんだ。
きっと、もうすぐ会えるよ。絶対に。」
雪先輩が寂しそうに微笑んだ。
「さぁ、パンケーキでも食べよう!美味しいお店があるんだよね!」
「パンケーキですか。いいですね。」
なんだか、胸が締め付けられるように痛い。
雪先輩はその人に叶わない恋をしている事実がとても切ない。
「んー?恵くん、なんかあった?」
「いえ、なにも。」
パンケーキのお店は混んでいる為、少し待つことになった。
「恵くんはさ、何のパンケーキにする!?
ボクはこのブラウニーがついてるチョコパンケーキにするよ!」
「あ、甘くないのがいいんで、エッグベネティクトにします。」
「飲み物は?ボクは紅茶にするよ!」
「じゃ、コーヒーで。」
とてもはしゃいでいる。
パンケーキにテンションが上がっているらしい。
「こうしていられるのも、後ちょっとか。」
「どこかに行くんですか?」
雪先輩の言葉に質問する。
「え?あ、声に出てた?
いや、なんでもない。」
少し、驚いたように俺を見つめる。
「乙女の独り言の真意を探るのは…ダメだよ?」
「二名でお待ちのお客様ー!お待たせしました!」
どうやら呼ばれたらしい。
「さ、行こっか。」
俺達を呼んだウェイトレスさんが、一心不乱にメールを打っていた。メールするなら裏でメールした方がいいと思う。
先程の注文をした後、少し気まずい雰囲気が漂う。
そんなに聞かれたくなかったのか…。悪い事をしてしまった。
「けーいくん。」
雪先輩が微笑む。
「ボクはね、幸ちゃんも君も大好きだよ。
だから、ボクが何をしても許して。」
まるで懺悔をするかのように言葉を吐かれる。
ウェイトレスさんがエッグベネティクトとパンケーキを運んでくれた。
美味しそうな香りがする。
「じゃ、食べよっか。」
食べた後に何をするかという話は一切してなかったな。
「どうしよっか。」
「雪さんは行きたい場所とかありますか?」
「ボクはー、うーん。そうだ!
お散歩しよっか。」
特に何か目標なんて決めずにただ歩いている。
「いつかさ、絶対に人は死んじゃうんだよ。」
そう告げる雪先輩はまるで名前の通り、溶けてしまいそうな儚さがあった。
「それでも、君はその運命に抗うの?
絶対に避けられない運命でも、君はもがきつづけるの?」
答えは決まっている。
「きっとそうです。」
「それって、なんだか傲慢じゃないかな?
勝手に巻き戻られて、勝手に助けられて、勝手に寿命を伸ばされて…。
誰にも…そんな能力なんて…なかったらよかったのに。」
雪先輩は泣いていた。
「ねぇ。恵くん。
幸ちゃんが、どうしても辛いって言ったら…もう巻き戻らなくていいんだよ。
幸ちゃんが、もうこんな世界なんて嫌って言ったら…もうやめてあげて…。」
「そんなの無理ですよ。」
雪先輩は、目を見開いていた。
「俺は先輩に嫌われようと、何があろうと…先輩を救いたいから。」
「君って奴は…………。
まぁいいや。幸ちゃんを救う為に頑張れ。
ボクはもう応援だけするよ。」
雪先輩が呆れたように俺を見る。
「よし、この辺で解散しよっか。」
「さすがに送ります。」
そう言うと、
「んーん。別に送らなくていいよ。
だって、両親がすぐそこまでいるらしいからさ。」
「あ、そうなんですか。」
「うん。ていうか。
今日はありがとう。その能力については今度教えてあげる。」
長いようで短いお出掛けだった。
遠目で見ると、ちょうど車に乗り込むところだった。
雪先輩は気付き、軽く手を振ってくれる。
俺も振りかえす。
「あら?けーくんじゃない。」
目の前を見ると。
「雪に呼ばれてきたんだけど…。」
大好きな先輩がいた。
【幸にはさっき帰ったって伝えてて。
今日のお礼だよ】
「ったく。雪先輩は。」
「何?雪に何か言われたの?」
「いえ。雪先輩は、用事があったらしく帰ったみたいですよ。」
先輩がメッセージを開くと、
「あら…。家の用事みたいね。仕方ないわ。」
先輩が少し寂しそうだったから、きっと次の言葉を言う事が出来た。
「じゃあ、今から一緒に帰りますか?」
「そうね。ついでにお茶くらい飲んでいったら?」
横に先輩がいる事が、たまらなく幸せだ。
この幸せの為なら。
きっと、何でも出来てしまう。
雪ちゃんが恋をしている相手…。
わかるかなぁ?
この小説はわりと色々ととても重い話が中心だから、あんまり軽々しく扱えないテーマばっかりです。ごめんなさい。
でも、普通に同性でも好きな人同士が幸せになれる…そんな世の中になればいいのにな。
さて、momoちゃん…とうとうリゼロ短編に手を出してしまいました!
しかも、今度はリゼロ連載小説もやってしまいます。
とうとうスバレムが欲しすぎて爆発しました。
まぁ、よかったら他の小説もよろしくお願いします!
この前、この小説がピックアップされててびっくりしたぜ。