死にたがり少女は覚めない夢を見る   作:桃音@まゆすきp

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1章
私は


私にはもう何も残っていない。

 

感情なんてどっかにおいてきてしまったみたい。

 

こんな人生なら消えてしまった方がマシなんだと思う。

 

5分で書いた手紙を置く。

 

いつも使うカッターナイフを首に添える。

 

「生まれてきてごめんね。」

 

私は手に力を入れようとした。

 

 

 

「何してるんですか、先輩!?」

 

運が悪いな。

この人に見られるなんて。

 

「んー?別に何もしてないよ。」

 

お決まりの営業スマイル。

にこにこしてれば、この人もどこか別の場所に行くだろう。

 

「いや、そのカッター直してからそれ言いましょう?」

 

彼、恵にカッターを奪われる。

 

「ちょっ、返せ。

 

けほっ、返してくれる?」

「嫌です。これで何回目ですか?自殺しようとするの!」

 

そう、恵には何度も何度も目撃されて、

その度に凶器を回収されている。

 

「大体、なんで私の所にくるのかしら?

ここに来なければ目撃せずに済むよ?」

 

私は自殺する時の場所は図書室と決めている。

理由は単純。

本に囲まれて逝きたいから。

 

「俺は、先輩を止めたいだけです。」

 

真剣な瞳でそんな事言うと、勘違いさせるよ?

私にはないけど。

 

 

 

 

私は男が大嫌いだから。

間違っても彼に勘違いする事はないだろう。

 

「それで、恵くん。

今日は何の用かしら。

願いを一つ叶えてあげるよ?」

 

私はいつも通りの台詞を吐く。

 

「先輩が自殺しないように見張りに来ただけです。

これで本当の願いを言っても、

叶えたわよ、じゃあ永遠にさよなら

って言いそうですし。」

 

あら、わかってる。

 

「先輩と会えなくなるのは嫌ですから。」

「それ、他の女の子に言うと刺されるよ?天然くん。」

 

忠告はしてあげた。

うん、思い残す事はないかな。

 

「当然のように二本目のカッターを出すな!」

 

また恵に奪われてしまう。

 

「けーくん。そんなに私の私物を集めてどうするの?

コレクションか何かにされちゃうのかな?」

 

今度は頭をごつんと殴られる。

 

「先輩、ふざけないでください。

俺は先輩を止めてるだけですから。」

 

ふぅ。

恵は何で私を止めるのかしら。

 

「いっそ、心中でもしちゃう?」

「するかアホ!」

 

一緒に死にたいわけでもないのね?

はぁ・・・。

さすがにもう飽きたし。

 

「よし、けーくん。

何か私に生きる気力を頂戴?」

 

これもいつも通りの言葉。

そしたら恵はいつも通りの言葉をくれる。

いつも通りに嫌いですって。

 

 

「ずっと前から好きだった。って言ったらどうしますか?」

 

「その場合、恵くんに話しかけられても無視しかないわ。」

 

沈黙の時間。

 

 

 

 

「まぁ、冗談です。

先輩なんて嫌いですし。」

 

ようやく言ってくれた。

 

でも、腕を引っ張られ、

 

 

 

そのまま抱き締められる。

 

「ちょ、何するの!?」

「本当にお願いです・・・。

死にたいなんて思わないでくださいよ・・・。」

 

それは無理なお願いだ。

 

「死にたがりじゃない私なんて私じゃないもの。」

 

 

恵の額にキスをする。

なんでそうしてしまったのかはわからないけれど、でも、今の私に出来る精一杯の仕返し。

 

 

ようやく解放された。

 

「先輩はもう帰りますか?」

 

これもいつも通り。

 

「えぇ。」

 

いつも通りの会話。

たまにはそれを壊してしまおう。

 

「ねぇ恵、私と一緒に帰る?」

 

恵の瞳が驚きの色に変わる。

 

「・・・み、見張る為には仕方ないですね。

一緒に帰りましょうか。」

 

 

 

いつもならば、恵とは帰らない。

恵は私の嫌いな"男"だから。

 

でも、たまにはこんなのもいいのかもしれない。

 

ひょっとしたら、男嫌いが少しずつ薄まっているのかもね。

 

 

 

*********

 

 

俺は先輩が好きだ。

でも、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も彼女は俺の前で死んだ。

ありとあらゆる方法で彼女は死ぬ。

 

自殺だけじゃない。

どうしたら俺は彼女を救える?

 

 

 

俺は彼女が死ぬ度に、1週間前に時間を巻き戻せる能力があるみたいだけど。

 

正直、壊れそうだ。

 

死ぬ度に何がダメだったのかメモをして、巻き戻って、

また死んで、メモをして、巻き戻っての繰り返し。

 

でも、彼女を守る為に、俺は何度でも時間を巻き戻す。

 

 

「けーくん。

さぁ帰りましょ?」

 

 

例え、この人が俺を憎んでも・・・。

 

 







こんにちは♪
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それでは、
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