まっしろレポートとふたつの炎   作:アリィ

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クチバシティ編の始まりです。
別出しの小説にて、Report6-Aという寄り道話もありますが
こちらの話から、本編スタートとなります。

本章もお楽しみ頂けると嬉しいです!


Report6-1 [ポケモン大好きクラブ(前編)]

ポケモンセンターの宿泊部屋を確保したスゥ達は

さっそくクチバの街へ繰り出した。

 

『クチバシティ』。

カントー地方の真ん中に位置する

有数の交易港である。

 

海を臨む街というだけあって、ハナダシティのように

水路や渡り橋といった建造物があらゆる場所に見られる。

 

そして何より港街を象徴するように

沿岸部にあるのは『ポートターミナル』。

ターミナルから何本も伸びる桟橋には、

商船、遊覧船、旅客船など、大小様々な種類の船が突堤に停泊していた。

 

さすが都会といった所か、これまでは街中で見かけることのなかった

自動車の往来もある上に、飲食店、宿泊所、雑貨屋、服屋などが多く立ち並ぶ。

当然ながら、街を行き交う人の数もこれまでと比較にならない程多い。

 

どの場面を切り抜いてもこの街は

『人間』の活動力を至る所で強く感じられる

賑やかな港町であった。

 

 

 

そんな街の景観を、スゥ達は心躍らせて眺めながら

お目当てはベルノがしつこく言う『船』を見るため

『ポートターミナル』へと直行していた。

 

 

 

「うわあああ!!すっごい!

 大きい~~~!!」

 

「ほ、本当に大きい…!

 こんなのが海の上を走るの…?」

 

「とてつもなく重そうなのに、

 どうやって水に浮いてるんでしょう…?」

 

「うぬぬぬ……!!

 な、何という図体じゃ…!

 家来よ、これが『船』か!!」

 

「う、うん…船は船だけど…

 こんなに大きい船は俺も見た事ないよ!」

 

ポートターミナルに到着し、停泊している船を

スゥ達5人は口をあんぐりと開けて、

その巨大さに唖然としていた。

 

 

彼らが見上げるは、『豪華客船サントアンヌ号』。

その船体は、全長200メートル以上、全高20メートル以上という

世界的にも屈指の大きさを誇る。

 

その巨体を初めて見て驚かない者は居ない。

ポケモンセンター3,4個分が束になったような塊が

海に浮かんでいるのだ。

皆が度肝を抜かれるのも当然というものである。

 

特筆すべきは船体の大きさだけではない。

『豪華客船』の名の通り、船体の外観も非常に美しい。

丹念に手入れされた、シミのない白い塗装。

それに金と赤、黒の細やかな装飾が随所に施されている。

 

 

「ねぇねぇスゥにぃ!

 コレに乗ってみたい!」

 

「ああ!俺もだよ!

 中はどんな感じなんだろう…

 みんなは乗ってみたいかい?」

 

 

真っ先に騒ぎ出したピコを諫めず同意するスゥ。

スゥに問いかけられた3人の答えは…

 

『もちろん!!』

 

…と、乗り気の様子。

 

そうと分かれば善は急げ。

彼らは早速、桟橋の先にある乗船口に向かうが…

 

 

「ん、子供…?

 ちょっと君、『乗船チケット』は持ってるかな?」

 

乗船口の船員にスゥは呼び止められた。

スゥは船員の言葉で、少し残念な表情を浮かべて答える。

 

「あっ…『チケット』って要るんですか…?」

 

「ああ、それはもちろんだよ。

 持ってなければ乗船出来ないよ。」

 

「やっぱりそうですか…

 そ、それじゃあチケット買います!

 どこで買えるんですか?」

 

いつになく乗り気なスゥ。

買い物等の時は出来るだけ節約に努め、

基本的にはポケモン達のために出費している彼だが…

今回は『サントアンヌ号』への興味が押さえられず

即答で『買う』と返事をした。

 

…だが。

 

「あー…。

 チケットは『普通の人』は買えないんだよ。」

 

…と、困った表情で船員が答えた。

 

「『普通の人』じゃ買えない…?」

 

「例えば、『大企業の役員さん』とか、『名家出身の人』とか…

 そういう人達の『家族』『友人』…そんな所かな。

 ごめんね、嫌らしい言い方だけど、簡単に言えば『信用のあるお金持ち』って事だよ。」

 

船員は、スゥ達のような少年少女にこんな話をするのは

とても胸が痛むところではあったが、そういう規則なので仕方が無い。

 

せめて、『申し訳無さそう』な態度を示し、彼らに理解してもらおうと

努めていた。

 

「んにぃぃぃ!!

 何なんだよそれっ!

 ボク達だって乗ってみたいのにー!ケチッ!!」

 

「け、ケチと言われてもねぇ…」

 

 

船員が困っている様子を不審に思い、

一人の『ガードマン』が

スゥ達の元に近づいてくる。

 

 

ガードマンを見るなり、一瞬怯むスゥ達。

その理由は…

 

 

「ヘーイ!!ワッツハプン!?」

 

 

…と、迷彩柄の軍服を身に着けた、『筋肉質の大男』が

耳鳴りがする程の大声で呼びかけてきたからだ。

 

「ひっ!?」

 

「こ、怖い…です…」

 

ファルナとメルティは、その大男の雰囲気に怖気づき

スゥの後ろに隠れてしまった。

 

隠れ蓑にされているスゥ自身も、正直怖いと感じている。

何せ、その大男はサングラスを着けて表情が見えない上に、

仰々しく『銃』を携帯しているのだ。

 

「わ、わわ…ご、ごめんなさい!

 別に悪い事をしようとしたんじゃないんです…!

 ただ、船に乗ってみたくて…」

 

…と、スゥは害意が無い事を身振り手振りで伝えた。

船員の方も、事を荒立てるつもりは無いので

大男に向かって状況を説明する。

 

「ああ、マチスさん。

 大丈夫ですよ。

 この子達、サントアンヌ号に乗りたいようなのですが、

 チケットを持っていないようなので…。

 …とりあえずその『銃』は見えない所に隠しておきましょうよ。」

 

「Um…?

 オゥ、ソーリーソーリー。

 キッズを怖がらせてしまったネ。」

 

そう言って、『マチス』と呼ばれるその大男は

銃を鞄の中に収納した後、スゥ達に伝える。

 

「ボーイ。

 サントアンヌはスペシャルなクルーザー。

 V.I.P以外はノーサンキューなんだヨ。

 …もっとビッグなスターになって出直して来るんだナ。

 HAHAHA!!」

 

相変わらずの大声。

要所要所で異国の言葉を使っているため

ファルナ達ポケモンには内容がイマイチ伝わっていない。

 

伝わっていないが、何となく小馬鹿にされ、あしらわれた事は分かる。

 

「んにぃぃぃ!!

 何か分からないけど、カチンってきた!

 おいオマエー!」

 

「ちょっ、ピコやめろって…!」

 

血気盛んなピコが、スゥの頭の上に登りながらマチスに指をさした。

そんなピコを見て、マチスは眉間にシワを寄せて…

 

「Ummmm‥‥!?」

 

…と、ジッとピコを見る。

 

『ひっ!!』

 

顔面を近づけてきたマチスに、ピコとスゥはあっさりと怯んでしまった。

近くで見るその大男の顔は、とても彫が深く、そして眉が無い。

その顔を正面で見据えられる度胸のある者は、そう多くはないだろう。

 

そして、マチスはスゥの頭の上のピコを片手で軽々持ち上げて

まじまじと見つめる。

 

「あ、あわわわ…」

 

怖気づいて成すがままのピコ。

スゥが肝を冷やしながら固まっていると、マチスは大きく口を開けた。

 

「た、食べられるぅぅぅ!!スゥにぃ、助けてー!!」

 

「Oh!!ピカチュウ!!

 Hey ボーイ!!」

 

マチスはピコを掴んだまま、スゥに声をかけると、

マチスは親指をグッと立て…

 

「グゥーーーッド!!

 ナイスチョイスね、ボーイ!

 エレクトリックポケモン、ベリーナーイス!!」

 

…と、唐突に称賛する。

マチスの態度に呆気に取られるスゥ。

 

とりあえず、マチスの言葉から敵意が無い事は分かり

体の硬直を解くスゥ。

 

「さ…サンキュー…です、あはは…

 と、とりあえずピコを降ろしてやって下さい!」

 

「オーケーオーケー。」

 

マチスはピコを地面に降ろし、両手を広げて

悪意は無い事をアピールしていた。

 

マチスの対応を黙って見ていた船員は、

これでスゥ達も分かってくれただろうと思い、

改めて断りを入れる。

 

「まったく、マチスさんってば…

 ただでさえ怖い顔なんですから、この子達を余計に怖がらせないで下さい!

 …えーと、ボクたち。

 すまないけど、そういうワケで

 この船は『偉い人』じゃなきゃ乗れないんだよ。」

 

船員の言う『偉い人』。

その言葉に、ベルノは目を光らせて名乗り出た。

 

「なんじゃ!そんな事か!

 『偉い人』とは、まさに我の事!

 我は『王』ぞ!!

 ほれ、文句は無かろう!乗せるのじゃ乗せるのじゃ~」

 

…と、『自分は特別』と信じて疑わないベルノは

上機嫌にピョコピョコと跳ねながら船員の脇を通ろうとするが…

 

「こら、キミもダメだ!

 そもそも、ポケモンはチケットの購入は出来ないよ!」

 

ヒョイっ…と、

船員に襟首を掴み上げられ、あっさりと断られた。

 

「な、なんじゃー!!

 降ろせ、無礼者ー!!」

 

掴まれたまま、宙ぶらりんな体をジタバタ動かして抗議するベルノ。

 

さすがにここまでゴネるつもりが無かったスゥ達は、

大声で騒ぎ立てるベルノの姿に、顔を赤らめていた。

 

「こ、こらベルノ。

 仕方無いから、乗るのは諦めよう。

 あまり騒ぐと…ほら、周りの人が見てるし…!」

 

「そ、そうだよベルノくん。

 ほら、他にも船があるから…ね?」

 

スゥ達は周囲を見ながらベルノを諫める。

 

そんな様子を、周りの『身なりの良い人々』が

スゥ達を見てクスクスと小さく笑いながら

船を出入りしていた。

 

 

その時、サントアンヌ号から降りてきた一人が足を止めてスゥに語りかける。

 

 

「うむむ…?

 君、ちょっといいかな?」

 

「は、はい…?」

 

 

スゥは声の主を見る。

 

歳は50を越えている位だろうか。

艶のある高級そうなスーツと靴、そして煌びやかな腕時計を

身に着けた初老の男性だった。

 

彼は丹念に手入れされた白い髭を指で弄りながら、

ベルノを興味深そうに見ていた。

 

「そのコイキング…今、何と言っておった?

 『王』…と言ってたように聞こえたんじゃが。」

 

初老の男の質問に、スゥは頭の後ろを掻きながら答える。

 

「あ、あはは…すみません、騒がしくて。

 こいつ、ベルノっていうんですけど、

 『我は王だ』とか、『最強だ』って口癖のように言ってるんです。」

 

その答えに、初老の男は突然、目を輝かせながら

スゥの両肩に手をかけて言う。

 

「おっほおぉぉ!!そりゃ凄い!」

 

「す…凄いって、何が…?」

 

急に興奮しだした男に、スゥは一歩後ずさって尋ねる。

スゥの問いかけに、その男は…

 

「いやいやいや、こりゃ面白い話が聞けそうじゃわい!!

 キミキミ、儂についてきなさい!」

 

と、まともに答えることなく

スゥの腕を掴んで桟橋を歩き出す。

 

「ちょ、ちょっと!!

 お爺さん、一体何なんですか!?」

 

「まーまー!!」

 

…とにかく耳を貸さない初老の男。

引きずられていくスゥに、ファルナ達は

ベルノを回収してから慌ててついて行った。

 

 

 

 

「……Hmmm.

 『王』…キング…ネェ。

 確かに、あのボーイ…中々インタレスティングね。」

 

スゥ達が立ち去った後、マチスはそう呟きながら

再び自身の持ち場に戻っていった。

 

 

__________________________________

 

そして所変わり。

スゥ達は、初老の男が手配していたリムジンに乗り、

クチバシティの一等地にある、彼の『別荘』へと連れて来られていた。

 

「ス…スゥ…

 私、こんな大きい家、初めて見たよ…!」

 

「ヌヌヌ…主、やるではないか。

 これぐらいの家ならば、我の家としても相応しい!」

 

もう今日で何度驚いたのか、忘れかけるファルナ達。

乗ってきたリムジンの快適さにも、もちろん驚かされたが

到着した『別荘』を見て、その大きさに唖然としていた。

 

そして、初老の男はスゥ達に自慢げに伝える。

 

「ほっほっほっ!

 ようこそ、私の別荘…

 またの名を、『ポケモン大好きクラブ』へ!」

 

黙っていれば、歳相応の貫禄ある紳士に見えるその男。

しかし、少年のように目を輝かせている今の姿を見て、

スゥはたじろぎながら尋ねる。

何せワケの分からないまま、言われるがまま、

今この場所に連れて来られているのだ。

 

「ぽ、ポケモン大好きクラブ…?」

 

「何じゃ?聞いた事も無いんかい?

 そりゃ勉強不足じゃのう!」

 

「は、はぁ…すいません。」

 

「まあ良いわ!

 立ち話も何じゃ。美味しい菓子でもつまみながら

 じっくり語り合おうではないか!!」

 

相変わらず、その男のペースに振り回されるスゥ。

しかし、『美味しいお菓子』というワードに

心惹かれたファルナ達は、戸惑うスゥを後押しする。

 

スゥは、その初老の男が悪い人間ではないのは

何となく分かるので、とりあえず別荘に入れてもらう事にした。

 

 

………

……

 

 

「お帰りなさいませ、会長!」

 

「お久しぶりです!心待ちにしておりました。」

 

別荘に入るなり数名のメイドが、初老の男を『会長』と呼び

にこやかに出迎える。

 

「ほっほっ!皆の者、元気にしておったか?

 今日も楽しく語らっておるかの?」

 

「はい!今日も沢山の会員様に来て頂いております。」

 

「会長が旅に出られてからも、もう100人も会員様が増えましたよ!」

 

「うむ、運営の方もよくやってくれているようじゃな。

 ご苦労ご苦労!」

 

そんなメイド達の報告に、その男はご機嫌な様子。

メイド達は、後ろで控えめに立ち呆けているスゥ達を見て

賑やかに出迎える。

 

「あらあら!会長、こちらの方々は…?」

 

「新しい会員様ですか?」

 

「可愛らしいお客様ですわね!

 ピカチュウと、コイキングと…

 そちらの女性方は…」

 

「リザードとポニータですね!

 可愛い服を着せてもらって、大事にされてますわね~」

 

 

 

「え、ぁ、ぇーと…」

 

 

 

ガヤガヤとメイド達に囲まれ、スゥ達は少し目を回している。

 

「ほっほっ!

 この子らは、さっき会った子達での。

 面白そうな話が聞けそうじゃから連れてきたんじゃ!

 すまんが、儂の部屋に通しておいてくれんかの?

 たっぷりお菓子と茶を用意しておくれ。」

 

「かしこまりました!

 それでは皆様、こちらへ…」

 

頭を整理する時間を与えられないまま、間髪入れずに

スゥ達は『会長』の部屋へと連れられていった。

 

______________________________________

 

「…何だかワケの分からないまま連れてこられちゃったな…」

 

スゥは『会長』の部屋のソファに腰かけながら、

辺りを見回して呟く。

 

「『ポケモン大好きクラブ』って、あのお爺さんが言ってたよね。

 とりあえず、悪い人じゃなさそうだけど。」

 

隣に座るファルナは、メイド達が運んできたお菓子を手に取りながら

スゥに答える。

 

「私も、悪い人の雰囲気には敏感な方ですけど

 あの会長っていう方は安心していいと思います。」

 

同じく、メルティも落ち着いた表情で答え、

出された紅茶を一口飲む。

 

「ムグムグムグムグ!!」

 

「モゴモゴモゴ!!」

 

…恐らく、彼女らに同意しているのであろう。

ピコとベルノはお菓子を頬一杯に詰め込みながら

何かをスゥに伝えようとしていた。

 

『少しは遠慮しなさい』と、スゥが彼らに言おうとした時…

 

 

カチャリ、とドアが開き、会長が部屋に入ってきた。

 

 

「おーおーおー!

 こりゃまた、随分と菓子を気に入ってくれたようじゃの!」

 

会長はピコとベルノのがっつく様子を見て

顔のシワをくしゃりと弛ませながら笑っていた。

 

「う…す、すいません。

 こんなに遠慮無しで…!」

 

スゥは顔を赤らめながら、会長に向かって頭を下げていた。

 

「まーまーまー!

 沢山食べれるというのは若い証拠!

 スゥ君、キミも若いんじゃから、そんな気を遣わず

 もっとハジけなさい!

 そんな所帯じみておったら女の子にモテないぞ!」

 

…と、カラカラと笑いながら

会長はスゥにも気を楽にするよう促す。

 

「は、はい!

 …と言っても、別にモテなくても…」

 

スゥは会長の言葉に甘えるが、『モテなくてもいい』と

付け加えておいた。

 

…と、言うのも…

 

 

「じぃーーーーー………」

 

 

…と、隣に座るファルナが何も言わずスゥの言動を見ていたからだ。

 

「ふふっ、会長さん。

 スゥくんはモテなくても大丈夫ですよ。

 ファルナちゃんが居ますからね。」

 

メルティはそう会長に、スゥとファルナの関係を伝える。

彼女の言葉を聞いた会長は、またまた目を輝かせながら口を開く。

 

 

「おお、なんとそうじゃったか!

 そりゃ失敬!

 中々隅に置けない男じゃのう!

 いよいよキミとは楽しく話が出来そうじゃ!

 …まさか、その歳でもう『嫁』がおるとは!」

 

 

『ブフッ!!』

 

 

会長のその言葉に、スゥとファルナは飲みかけていた紅茶を噴き出してしまった。

 

「げほっげほっ!!

 よ、『嫁』…って…!」

 

「んぐっ!けほけほ!

 ま、まだそういうのじゃないです!!」

 

二人は真っ赤な顔で、会長に誤解だと伝える。

そんな彼らの反応を、メルティ筆頭にピコ、ベルノは面白そうに笑いながら見ていた。

 

「うむ?

 なんじゃ、まだ違うんか!

 そりゃ早とちりしたのう、わはははは!!」

 

「クスクス、そうなんですよ!

 お爺さん、『まだ』、違いますね。

 ねっ、ファルナちゃん?

 ふふっ!!」

 

やたらと『まだ』の部分を強調して、メルティはファルナの方を見ながら

会長に返事をしていた。

 

最早この手の話になると、メルティは遠慮なくファルナを玩具にすることが

彼女の楽しみになっているようだ。

 

 

「むぐ…メルティ、お前なあ…」

 

「うぅ…スゥ。

 最近メルちゃんってば

 こんな風に、私に容赦無いの…」

 

 

スゥとファルナは、メルティの物言いに、更に顔を赤くして俯いてしまった。

 

 

「ほーっ、ポニータのお嬢さんも中々言うのう!

 さすが、『儂の嫁』によく似ておる。」

 

 

…と、会長はメルティに対して、意味有り気な言葉を放った。

彼女は首を傾げ、どういう意味なのか尋ねる。

 

「あら、お爺さんの奥様に、私が似ているっていうのは…?」

 

「ああ、それはのう。

 ちょうど皆に紹介しようと思っていた所じゃ!

 …おーい!入ってきなさい!」

 

会長はドアの外に向かって声をかけると、

外で待っていたのであろう、女性の声で返事が返った後、

その人物が部屋に入ってきた。

 

…それを見たスゥ達は、驚きの表情を浮かべた。

 




『会長の嫁』といえば…もはや隠す程の事でもありませんが、
「あー、あの子だな」と思いながら次話を楽しみにして下さい!
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