透き通った湖を横断する一つの渡り船があった、そこにはフードのついたクリーム色のマントを羽織った人がいた。
その船が目指すのは、透き通った湖に囲まれた小さな村だった、そこに近づくと、そのマントの人はフードをとった、それは、黒く首元まで伸びた少しクセっ毛の長めの髪、刃より鋭そうな鋭気を纏った、黒い目、その目の鋭気により薄れているが、少し女よりの整った顔、少年だった。
少年は、村の桟橋に船を止め、流されないよう船についているロープを桟橋に括り付け、桟橋に立ち、懐かしそうな顔でつぶやいた。
「3年ぶりか・・・あまりここも変わっていないな・・・」
そして、そのままゆっくりと村へ向かった。
桟橋からほんの少し歩くと、そこは漁業専用の船が止まる大きな桟橋があった、そこでは、たくましい海の男たちが船から魚の入った木箱を下ろしていた、そこにいた、漁業組合リーダー格らしき男が、マントの少年に目を向けた、はた目から見ればちょっと怪しいので声をかけた。
「おーい!そこのぉ!お前さん何してんだぁ?」
その声に反応して、マントの少年は男の方へと歩いてきた
「すみません、結構怪しかったですね」
男は声をかけた理由を一瞬で見抜かれたことに少し驚き、話を続けた。
「お前さん、こんな辺境の村に何の用だい」
「あらら、お世話になった人からも声忘れられてますね・・・」
男の問いに少年は少し残念そうにつぶやいた、男が首をかしげていると、少年はフードをとった
「お久しぶり、アルテオさん」
男は自分の名前を呼ばれ、またしても少し驚き、そして、思い出した
「お前さん・・・ガルクか?」
「そうです、今思い出しましたか?」
ガルク、と呼ばれた少年はアルテオに苦笑いする
「おお!ガルク!よく帰ってきたな!お前さん、やっぱり母親に似てきたなぁ!」
「アルテオさん・・・それはほめ言葉じゃないですよ・・・」
ガルクはガクッと肩を落とす・
「まぁ、そんなこと言うなって!あいにく今漁業仲間は出ててね、俺一人なんだが、なんなら呼び戻してやろうか?」
はっはっはとたくましい笑い声をあげ、冗談めかしに言う
「そこまで大事にしないでください!」
ガルクははぁとため息をこぼすと、身を翻す
「では、俺は村長にあいさつしてきます、また後程」
「おう、仲間が帰ったらお前さんのこと言っておくよ」
「はい、よろしくお願いします」
ガルク・イルブラック、それが少年の名、現在16歳。
ここ、ウォル村出身の少年、そして今ここの専属のハンターとなるため、3年前に行ったハンターズ専用狩猟学校と言うハンター専用の学校から帰ってきたのだ。
ハンターとは、モンスターを狩り、周辺の平穏を守る者たちのことだ。
その中では、名声や富を求め、ハンターになるものもいれば、自分の故郷を守る為にハンターになったりなど様々だ、ガルクの目的は大雑把にいうとその後者に当たる。
ガルクがハンターになったのは今は亡き父親の影響である。
ガルクの父親は、すごく腕の立つハンターだった、失敗を最大まで生かし、何事にも恐れない勇気と、確かな腕を持って、ウォル村を守ってきた言わば英雄だった、街にも「漆黒の翼」としてその名を残していた。
だがそんな彼を残酷な運命がおそった。
4年前、街から古龍と言う神に近いと言われるモンスターが現れたと連絡が入り、実力者のガルクの父親も呼び出された、その時に彼は、心配するガルクに、「絶対に帰ってくる」と言い残し、村を後にした、後日帰ってきたのは、古龍が討伐されたことと、ガルクの父親が戦死したということが書かれた手紙だけだった、当時のガルクは幼いというわけではなかったため、母親の涙にぬれる顔を見ながら、静かに泣いていた。
その後母親さえも父親後を追うように病死した、短期間の間に大切な人を2人も失い、涙と心を失った、が
ある日幼馴染が無理矢理家に入ってきて話をしようとした、最初は拒んでいたが、幼馴染はあきらめが悪く、
最終的には話を聞くという形になった、しかしその話のおかげで、ガルクは何とか光を見出し、父親の守ってきた村を守るためハンターの道を歩んだ。
少年はゆっくりと村に入ると一人の村人とあった
「!?ガルク君じゃないか!」
その人の声が引き金となり、だんだんとガルクを囲むように村人が出てきた
「帰ってきたのなら知らせておくれよ~」
「随分とでっかくなったな~」
「さらに美人になったねぇ~」
皆、ガルクの帰還を喜ぶ
「ただいま、みんな」
簡単に言葉を返していると、一人の青少年が前に出てきた、耳はとがっていて、村人の皆とはどこか違う雰囲気を纏っていた、彼は竜神族で、その知恵と人望で村長となったのだ
「お帰り、ガルクちゃん」
村長はニコッと微笑みながら、軽く手を振った
「はい、ただいま帰りました、お言葉ですが、その『ちゃん』と言うのは?」
「だって、ガルクちゃんパッと見美人さんだからさ、こっちが合うかなって」
あははと楽しそうに笑う村長を見ながら、はぁとため息をついた
「あのね、帰ってきたばっかで悪いけどさ、あとで僕の家に来て、話があるんだ」
うれしい再開もつかの間、ガルクは真実の重さを知ることになる
どうでした、こんなのが一時続きますがそこはご勘弁・・・できるだけがんばります