モンスターハンター~漆黒の風~   作:メタスラ

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第四話 絶望の淵で願うこと

 通りかかる村人が止める中、見向きもせずガルクは歩いていた、ガルクの頭の中にあるのは自分は絶対にできるという曲がった思いだけだった。

 

 拠点(ベースキャンプ)、その中にあるベットにガルクは腰かけていた、アイテムポーチの中はドスギアノスに有効と思われるアイテムで埋め尽くされていた。

「・・・そろそろ行くか・・・雲行きも悪くなってきたし」

 天候は時にハンターの敵となったりもする、特に雪山などで天候が荒れると一方的に不利になってしまう、冷たい風から体温は奪われ、荒れる雪により視界が狭くなったりなど悪いことづくめだ。

 ガルクは重い腰を上げ、山頂へと向かっていった。

 麓にはギアノスの影はなく、ポポがのんびりと草を食んでいるだけだった、それを横目にガルクは歩くスピードを上げた、雲がさらに厚くなり空が堕ちてくるような感じだった。

「少しばかり急がないとな・・・」

 痛む腹を押さえ、急いで山頂へと向かう。

 山の腹部へと向かう道、ここから急激に寒くなるため、一時的に寒さを緩和するホットドリンクが手放せない、トウガラシが入ってるため少し辛いホットドリンクを一気に飲み干し、足を進める。

 もうすぐで山頂に出れる氷に覆われた洞窟の中でギアノスが待ち伏せしていた、ガルクは一匹を確認すると周りも見渡す、大体の場合ギアノスは集団で行動するため、背後などに気を付けないと思わない痛手を食らったりするため、反射的に見渡す形となる、ガルクの予想通り、ギアノスは目の前に一匹、斜め左後ろに一匹、斜め右後ろに一匹いた、ガルクはギアノスから出る殺気で大体の位置を瞬間的に予想した、目の前のギアノスが、ギャア!と鳴いて動き出す、それに合わせ後ろの二匹も同時に動き出した。

「俺は・・・負けらんねぇ!!」

 ガルクの闘志が昂り振り上げた夜天連刃【黒翼】が黒く煌き、突進してきたギアノスの頭ごと一刀両断した。

「!!・・・よくわかんねぇが今斬れんだな・・・」

 さっきの出来事でさらに昂りを感じたガルク、それに呼応するように夜天連刃も黒く鈍く光る

「うおおおおおおおおおお!!」

 洞窟の中にガルクの絶叫が響き渡り、夜天連刃が黒く煌いた、たじろいでるギアノスに向かって、高速の突きを放つ、まるで豆腐を切るかのように刃がためらいもなくギアノスの胸を赤く染めながら深々と刺さる、ガルクは突き刺さった剣を背負い投げの要領でギアノスの首から頭にかけて真っ二つにしながら切り裂いた、そして残るギアノスに向かって走る、ギアノスは仲間の敵と言わんばかりに鳴きながら噛みつこうとするがそれをガルクは高く跳躍して躱し、空中で体をひねり着地と同時にギアノスの背中を袈裟にはらう、ギアノスの胴体はまたしても何のためらいもなく二つに分かれた。ガルクは剣を振ってこびりついた血を飛ばして納刀する。

「ふぅ・・・剥ぎ取りでもするか」

 ガルクは腰から小さめで薄いナイフを出す、これは剥ぎ取りナイフといい、特別に鋭く、扱いがうまければどんなに堅い甲殻でも剥ぎ取ることが可能、しかし刀身が薄いため武器として使うとすぐにポキリと折れてしまうのである意味扱いに気を付けなければならない。ガルクはギアノスの死体に斜めからナイフを入れ鱗をはぎ取る。自然の食物連鎖を守るため、剥ぎ取りの回数はギルドにより規制を受けている、一匹剥ぎ取り終わるとすぐに違うギアノスの死体にナイフを入れる、小型モンスターの死体は放っておくと腐食液と言う無色の液体をだし、自身の体を溶かし土へと帰っていく、そのため剥ぎ取りは素早く行わなければならない。

「ふぅ・・・こんなもんか」

 ガルクは剥ぎ取った素材をポーチに押し込むと山頂へと出た。

 そこは空気が違っていた、まだ距離はあるもののその存在が容易にわかるほどの存在感を出している一匹のギアノス、ドスギアノスだ。ドスギアノスはすぐにこちらの気配を感じとり、ガルクの方を向いた。

「くっ・・・もう気づかれた・・・!」

 ガルクは夜天連刃を引き抜き体を緊張させた、相手はあくまでギアノスの親玉、大したことないだろう、ギアノスを相手にするように体の緊張を解き、気楽に構えたしかしガルクはがすぐにやってくる運命のいたずらを憎むこととなった。目の前までに来た圧倒的な体格をしたドスギアノス、普通のギアノスが放つ殺気など比べ物にならない程だった、ガルクは不覚にも一瞬思ってしまった、自分にこんな敵、倒せるのかと。昂っていた心に冷水をかけられた感覚に襲われた、一気に頭が冷めてしまった。そんなことも知ってかドスギアノスは鳴いた

ギャアァ!ギャアァァ!

 その声で目の覚めたガルクは反射的に剣を振り上げ、振り下ろした。さっきも斬れた、今度も斬れるはず、がまたしてもその予想は外れた、この前と同じジャギッと言う不快な音を立て、刃は止まってしまう。

「なんで・・・・!グゥッ!!」

 揺るぎもしないドスギアノスは体当たりを行った、それはガルクに直撃し、後ろに吹き飛んだ、そしてドスギアノスはさっきとは違う鳴き声を発声するそれに反応して子分のギアノスがわらわらと集まってくる。

「・・・くっそおぉぉぉ!!!」

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 ガルクは周りのギアノスを倒した、ついでにドスギアノスの喉笛を少し傷つけ、鳴き声を出しにくくした、しかしそのせいかドスギアノスは怒りの目をしていた、一度身を引くと口から液体を出してきた。

「・・・っ!」

 バックステップで避けたと思ったが、足にくっつき瞬間的に凍った、バランスを崩し、ガルクは尻もちをついた、その瞬間だった。ドスギアノスは動けないガルクに向かって非情にも足を上げ、踏みつけたのだ。

「ガハァ・・・」

 痛めつけるようにドスギアノスはジリジリと体重をかけて行った、ガルクの胸部がみしみしときしむ音が嫌に耳に入ってくる。

「くっそぉ!!」

 斬れないと分かっていながらも剣を振るい、斬るより殴るという方があっているぐらい物理的な音がした。ドスギアノスはいまだ足掻くガルクが癇に障ったらしい、その殺気に満ち溢れた目がさらに鋭くなった。

 そして非情の運命が襲った。

 ガルクの肩にドスギアノスが噛みついた。それも噛み千切らんかと言うくらいの力で。

「ガアァァァァァ!!!!」

 ガルクの悲鳴が雪山に木霊した。ガルクの肩の骨がミシミシと音を立ててついには、バキッと言う音が鳴った。

「ガ・・・八ァァ・・・」

 ガルクは意識が飛びそうになる、ガルク自体ももうあきらめたかのように目の光が失われていた。

「俺に・・・力があれば・・・」

 そうつぶやくとガルクの意識は暗い闇の中へ落ちて行った

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