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バカテスト 歴史
【第三問】
問 次の( )に正しい年表を記入しなさい。
『( )年 島原の乱』
比企谷八幡の答え
『1637年』
教師のコメント
正解です。忘れていましたが、数学以外の成績は普通なんですよね。
吉井明久の答え
『438ら年』
教師のコメント
いつの時代ですか。
木下秀吉の答え
『幕府をなめたらアカンぜよ‼︎』
教師のコメント
君は何を言っているんですか。
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息を切らして、その場に立ちっぱなしの姫路に先生が声をかける。
「丁度よかったです。今自己紹介をしているところなので姫路さんもお願いします」
「は、はい! あの、姫路瑞希といいます。よろしくお願いします……」
小柄な身体をさらに縮こめるようにして声を上げる姫路。
肌は、新雪のように白く、背中まで届く柔らかそうな髪は、優しげな彼女の性格を表しているようだ。保護欲をかきたてるような可愛らしい容姿は、男だらけのFクラスで異彩を放っている。
でも、Fクラスの連中はその容姿を見て驚きの声をあげたんじゃない。
「はいっ! 質問です!」
既に自己紹介を終えていた男子生徒がたかだかと手を上に上げる。
「あ、は、はいっ。なんですか?」
いきなり、質問された姫路は未だテンパっている。
「なんでここにいるんですか?」
聞きようによっては失礼な質問が浴びせられる。
でも、ここにいる全員はそのことを思っているだろうし、秀吉からこのことを伝えられてなかったら、俺も今頃疑問に思っていたことだろう。
「そ、その……」
まだ緊張してる面持ちは、見てるこちら側を心配になる程だった。
「振り分け試験の最中、高熱を出してしまいまして……」
その言葉を聴き、クラスの連中は『ああ、なるほど』と頷いた。
試験途中の退席は例外なく0点になる。姫路もそうだが、吉井もだろう。
姫路が来たことで騒ぎ始めた
そして、姫路が吉井と坂本と話している最中、先生に「はいはい。そこの人たち、静かにしてくださいね」と遮られる。そして、先生がその時叩いた教卓が、
バキィッ バラバラバラ……
と、崩れ落ちた。軽く叩いただけで壊れる教卓とかボロすぎだろ。やっぱり設備が酷すぎる。
「え〜……替えを用意してきます。少し待っていてください」
気まずそうに告げると、先生は足早に教室から出て行った。
その後、吉井と坂本も教室を出る。一体何を話しているんだろうか?
─×─×─×─
壊された教卓を替えて、気をとり直してHRが再開される。
「えー、須川亮です。趣味は───」
その後も自己紹介が進み、ついに坂本の番になる。
「Fクラス代表の坂本雄二だ。俺のことは代表でも坂本でも、好きなように呼んでくれ」
そして、坂本は淡々と話を進める。少し口角が上がってる……。絶対何か企んだ顔だよあれは……。1年間同じクラスだったからこそわかる。
「さて、皆に一つ聞きたい」
坂本がFクラスの教室をゆっくりと見回す。
間の取り方がうまく、全員の視線はすぐに坂本の方は向いた。ってか、間の取り方は稲村淳二並みに上手いな。
そして、坂本は、クラスの各所に視線を移す。
かび臭い教室。
古く汚れた座布団。
薄汚れた卓袱台。
俺らもついつい坂本が向けた視線の先を見てしまった。
「Aクラスは冷暖房完備の上、座席はリクライニングシートらしいが──」
一呼吸おいて、静かに坂本は告げた。
「──不満はないか?」
『大ありじゃぁっ‼︎』
2年F組生徒の魂の叫びが教室に響く。
「だろう? 俺だってこの現状は大いに不満だ。代表として問題意識を抱いている」
『そうだそうだ!』
『いくら学費が安いからと言って、この設備はあんまりだ! 改善を要求する!』
『そもそもAクラスだって同じ学費だろ? あまりに差が大きすぎる!』
一気に皆の不満が教室を飛び交い始める。まぁ、俺も多少は不満がある。体が弱い人にはこの教室はあまりにも害だろう。最低でも普通の教室ならよかったが、埃かぶってるカビ臭い教室となると話は別だ。
「みんなの意見はもっともだ。そこで」
皆の反応に満足したのか、自信に溢れた顔に不敵な笑みを浮かべてこう言った。
「これは代表としての提案だが──」
「──FクラスはAクラスに『試験召喚戦争』を仕掛けようと思う」
この提案がさっき吉井と廊下に出た時話していた内容らしい。この提案は、体が弱い姫路のためだろう。
『試験召喚戦争』───に年生から使用できる制度。文月学園特有の制度で、クラス同士で試験召喚獣というのを召喚して、戦争をする。勝ったクラスは負けたクラスになんでもいうことを聞かせることが出来る。
坂本は、このルールを利用して、FクラスとAクラスの設備を入れ替えるらしい。坂本らしいっていや坂本らしい。
……代表には、逆らえないしな。
そして、躊躇いもなく、坂本雄二は戦争の引き金を引く。
─×─×─×─
Aクラスへの宣戦布告。
同意するものもしれば、賛成しないものもいた。賛成しないのも納得出来る。それは、AクラスとFクラスの戦力差が違いすぎることだ。
文月学園は、上限のないテストが始まってから四年が経っている。
このテストには一時間という制限時間と無制限の問題数が用意されている。その為、テストの点数には上限がなく、能力やスピードで無限大に成績を伸ばすことが出来る。
また、科学とオカルトと偶然により完成された『試験召喚システム』というものがあり、テストの点数に応じた『召喚獣』を喚び出して戦うことが出来るシステムだ。
そして、『試験召喚戦争』で勝敗を左右する点数は、Aクラスの方が圧倒的に上であり、Fクラスが勝てる可能性がとても低い。
「そんなことはない。必ず勝てる。いや、俺が勝たせてみせる」
圧倒的な差を知っていながらも、坂本は強気に宣言する。
『何を馬鹿なことを』、『できるわけないだろう』、「何の根拠があってそんなこと』、など、反対の意見が飛び交う。
「根拠ならあるさ。このクラスには試験召喚戦争で勝つことのできる要素が揃っている」
坂本のこの言葉に、クラスはざわめき始める。
「それを今から説明してやる」
それに関しては俺もわかっている。絶対にAクラスに勝てないわけじゃないことを。
坂本は壇上から皆を見下ろす。
「おい、康太。畳に顔をつけて姫路のスカートを覗いてないで前に来い」
「……………‼︎(ブンブン)」
「は、はわっ」
スカートを覗いてないと必死に首を横に降るのは土屋康太だ。
「土屋康太。こいつがあの有名な、
「……………‼︎(ブンブン)」
土屋康太、という名前は別に有名なわけじゃない。だが、ムッツリーニは別だ。男子生徒からは畏怖と畏敬を、女子生徒からは軽蔑を持たれている。
土屋がムッツリーニということをいう知ったクラスの連中はざわざわと騒ぎ始める。
「姫路のことは説明する必要もないだろう。皆だってその力はよく知っているはずだ」
「えっ? わ、私ですかっ?」
「ああ。ウチの主戦力だ。期待している」
姫路がこのクラスだと一番の力を持っていることは間違いないだろう。普通ならAクラス行き確定だったわけだし。全員がそのことをわかっているはずだ。
「木下秀吉だっている」
秀吉については成績は悪いが、他のことでは結構な有名人だ。
「それに、このクラスで姫路に次ぐ力を持っている比企谷八幡だっている」
俺かよ。確かにお前らの中では頭が良い方だとは一応思っとくけど。ていうか、絶対に二番目ぐらいの成績は取れる。
「こいつは、数学はてんでダメだが、国語は最強だ。他の教科も悪くない」
「八幡の穴を埋めるように、数学が得意な島田美波だっているんだ」
「当然俺も全力を尽くす」
土屋康太。姫路瑞希。比企谷八幡。木下秀吉。島田美波。坂本雄二。それなりにやらなくはない面子だ。
どんどんクラスが行けそうだ、と思い始めている。
そして、坂本は最後の畳み掛けに────
「それに吉井明久だっている」
坂本がそう口にした瞬間、盛り上がっていたクラスは一気に静かになった。
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