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バカテスト 化学
【第四問】
問 以下の問いに答えなさい。
〔顕微鏡を発明した人物を答えなさい。〕
比企谷八幡の答え
〔ロバート・フック〕
教師のコメント
正解です。
坂本雄二の答え
〔アイザック・ニュートン〕
教師のコメント
万有引力を発見した人ではありません。
吉井明久の答え
〔ケンビ・キョウ〕
教師のコメント
君は舐めているんですか?
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「それに、吉井明久だっている」
坂本がその言葉を口にした瞬間、教室の盛り上がっていた雰囲気は、一気に収まり静かになる。
「ちょっと雄二! どうしてそこで僕の名前を呼ぶのさ! 全くそんな必要はないよね!」
『誰だよ、吉井明久って』、『聞いたことないぞ』などの言葉が聞こえてくる。
「ホラ! 折角上がりかけてた士気に
「そうか。知らないようなら教えてやる。こいつの肩書きは《観察処分者》だ」
坂本が言った《観察処分者》、という言葉にみんなが反応する。
『……それって、バカの代名詞じゃなかったっけ?』
クラスの誰かが、致命的な発言をする。
そして、その言葉に吉井は焦ったように
「ち、違うよっ! ちょっとお茶目な16歳につけられる愛称で」
「そうだ。バカの代名詞だ」
「肯定するな、バカ雄二!」
《観察処分者》というのは、簡単に言えばさっき誰かが言った通りバカの代名詞である。色々問題があったり、成績の悪い者が貰える肩書きだ。そして、それに当てはまるのは、学年屈指のバカ、吉井明久なのである。
「あの、それってどういうものなんですか?」
姫路が首を傾げていた。頂点に近い場所に位置する彼女には、《観察処分者》などという不名誉な単語は馴染みないのだろう。
そして、姫路の質問に坂本が答える。
「具体的には教師の雑用係だな。力仕事とかそういった類の雑用を、特例として物に触れるようになった試験召喚獣でこなすといった具合だ」
坂本のいった通り、《観察処分者》の試験召喚獣は物に触れることができる。逆にいえば、俺たち一般生徒の試験召喚獣は物に触らないのだ。
一応、学校の床に特別な処理がされているらしく、試験召喚獣は立っていることだけはできる。
「そうなんですか? それって凄いですね。試験召喚獣って見た目と違って力持ちって聞きましたから、そんなことができるなら便利ですよね」
「あはは、そんな大したもんじゃないんだよ」
姫路の言葉に、吉井は手をブンブンと横に振った。
そこまで大したもんじゃないのは俺でさえも知っている。確かに、吉井ほどの酷い点数でも、力は強いが、試験召喚獣がくらった苦痛を本人もくらう羽目になっている。
簡単にいえば、吉井と吉井の試験召喚獣はリンクしている状態なので、重いものを持てば、吉井にもその感覚は来るし、痛みだってきてしまうのだ。
「気にするな。どうせ、いてもいなくても同じような雑魚だ」
「雄二、そこは僕をフォローする台詞を言うべきところだよね?」
「とにかくだ。俺たちの力の証明として、まずはDクラスを征服してみようと思う」
「うわ、すっごい大胆に無視された!」
本当にこいつら仲いいな。
「皆、この境遇は大いに不満だろう?」
『当然だ‼︎』
「ならば全員
『おおーーっ‼︎』
「俺たちに必要なのは卓袱台ではない! Aクラスのシステムデスクだ!」
『うおおーーっ‼︎』
「お、おー……」
クラスの雰囲気が盛り上がり始めて、姫路も小さく拳を上げた。
「明久にはDクラスへの宣戦布告の使者になってもらう。無事大役を果たせ!」
「……下位勢力の宣戦布告の使者ってたいてい酷い目に遭うよね?」
「大丈夫だ。やつらがお前に危害を加えることはない。騙されたと思って行ってみろ」
「本当に?」
「もちろんだ。俺を誰だと思っている」
坂本は、力強く宣言する。
「大丈夫、俺を信じろ。俺は友人を騙すような真似はしない」
「わかったよ。それなら使者は僕がやるよ」
「ああ、頼んだぞ」
クラスメイトの拍手と歓声を浴び、教室を出てDクラスの教室に向かう吉井。吉井………お前はもう、騙されてるぞ…………。
─×─×─×─
数分後、吉井が「騙されたぁっ!」といい、教室に転がり込んで来た。
「やはりそうきたか」
坂本が転がっている吉井を見ながら平然と言い放った。
「やはりってなんだよ! やっぱり使者への暴行は予想通りだったんじゃないか!」
「当然だ。そんなことも予想できないで代表が務まるか」
「少しは悪びれろよ!」
そんなボロボロの吉井に、姫路が声をかける。
「吉井君、大丈夫ですか?」
「あ、うん。大丈夫。ほとんどかすり傷」
「吉井、本当に大丈夫?」
島田も吉井に声をかける。モテモテじゃねぇか……。
「平気だよ。心配してくれてありがとう」
「そう、良かった……。ウチが殴る余地はまだあるんだ……」
「ああっ! もうダメ! 死にそう!」
島田の言葉に吉井は焦り、即座に腕を抑えて転がりまくる。
「そんなことはどうでもいい。それより今からミーティングを行うぞ」
そういい、坂本は扉を開けて外に出て行った。どうやら、他の場所でミーティングを行うらしい。そして、俺たちは雄二の後を追う。
「どうじゃ八幡。Fクラスは?」
「……まぁまぁ、かな。秀吉、お前は?」
「ワシは結構好きじゃぞ」
「あ、そういえば秀吉。お前テストの合計点いくつなんだ?」
「……………………まぁまぁじゃ」
「そ、そうか……」
そんな会話を秀吉としていると、坂本は屋上の扉の前で止まり、こう言った。
「明久。宣言布告はしてきたな?」
坂本がフェンスの前にある段差に腰を下ろす。
「一応今日の午後に開戦予定と告げて来たけど」
そして、俺らも腰を下ろす。
「……んで、ここで昼飯食うってことでいいんだよな?」
俺が坂本に問いかける。
「その通りだ八幡。まずは腹ごしらえからするぞ。明久、今日の昼ぐらいはまともな物を食べろよ?」
「そう思うならパンでもおごってくれると嬉しいんだけど」
「えっ? 吉井君ってお昼食べない人なんですか?」
吉井の言葉に姫路が驚らいたように話す。
「こいつの場合は、『食べない』じゃなくて『食べたくても食べられない』なんだけどな」
「いや。八幡。一応食ってるよ」
「……あれは食べていると言えるのか?」
「何が言いたいのさ?」
「いや、お前の主食って───水と塩だろう?」
坂本の哀れむような声。
「坂本。それは違うぞ。──こいつの主食に砂糖だって入っている」
俺は坂本の発言に一言付け足す。
「八幡の言う通りだ! きちんと砂糖だって食べているさ!」
「あの、吉井君。水と塩と砂糖って、食べてるとは言いませんよ……」
「舐める、が表現としては正解じゃろうな」
「ま、飯代まで遊びに使い込むお前が悪いよな」
「し、仕送りが少ないんだよ!」
今の発言の通り、吉井の両親は海外にいて、家にはいない。なので、毎月仕送りがくるのだが、遊びのためにお金を使ってしまい、飯代や生活費が足りなく、まともな生活ができないでいる。自業自得なのだが。
「……あの、良かったら私が弁当作ってきましょうか?」
「☆▲○?」
姫路の言葉に吉井は戸惑ったかのように言葉を返す。
「本当にいいの? 僕、塩と砂糖以外のものを食べるなんて久しぶりだよ!」
「はい。明日のお昼で良ければ」
「良かっじゃないか明久。手作り弁当だぞ?」
「うん!」
坂本のからかいの言葉も気にせずにこにこして素直に喜ぶ吉井。
「……ふーん。瑞希っ随分優しいんだね。吉井
一方的に島田が睨みつける。やめてあげろよ……。吉井が弁当食べられなくなったら本当に死ぬかもしれないんだぞ…。
「あ、いえ! その、皆さんにも……」
「俺たちにも? いいのか?」
「はい。嫌じゃなかったら」
「それは楽しみじゃのう」
「…………(コクコク)」
「……お手並み拝見ね」
それぞれがそれぞれの感想を述べる。
吉井、坂本、ムッツリーニ、秀吉、島田、俺、そして、自分用の姫路の分を含めるとお弁当を七人分作ってくることになる。
「……姫路、1ついいか?」
「え、あ、はい。どうぞ」
「俺は養われる気はあるが………施される気はない。………っていうことで俺の分は無しでいいぞ姫路。多分明日も優子が作ってくれるから」
そう。俺は、優子の作ってくれたお弁当を毎日のように食べている。なので、「明日はいいや」なんて言いにくい。てか言えない。
「あ、はい。わかりました」
「おい、八幡。お前まだ専業主夫になるつもりなのか?」
「坂本。今更何を言っているんだ?お前は」
「……あ、す、すまん……なんか……。……話がかなり逸れたな。試召戦争に戻ろう」
坂本を含め、皆が忘れていたことを口にする。………さて、聞かせてもらおうか…坂本の作戦とやらを。
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