手に今朝作ったカレーの入った弁当箱を持って人混みを抜けていく。歩いて行くと徐々に人混みが無くなっていき住宅街へと入っていく。
このゲームに巻き込まれてからというもの安心して寝過ごせる場所なんてものはどこにも無くなったように感じる…いや、安全な場所なんてものは実はゲームに巻き込まれる前からなかったのかもしれない。
俺としても外出は必要以外は避けたいところだが〝アイツ〟から
「ほんと、面倒くせぇ。」
そんなことを考えているうちに、目的地に着く。
がちゃりと、インターホンも鳴らさずに中へと入っていく、中は黒いゴミ袋とうまい棒お徳用パックと書かれた袋が散乱している。
奥のパソコンの前に座っているフードを被ったそいつは俺に気づくとこちらを向いて話しかけてきた。フードの中にはショートボブで左目の下にほくろがある整った女の子の顔がある。
「遅かったですね。遅すぎたのでもうお腹と背中がくっつきそうです。」
そう言って俺の弁当箱を素早く奪い取ってきた。
「じゃあお前その口にくわえてる棒はなんだ…。」
「うまい棒は納豆味が至高なんですよ?」
うまい棒が喋ることで上下に揺れている。
「んなこたぁ誰も聞いてねぇんだよ。レイン、てめぇ人に飯作ってもらっといて礼も言わずにひったくるなよ」
そう言って深くため息を吐く。
「私とあなたの仲じゃないですか、そんな寂しいこと言わないで下さい。」
弁当箱を嬉々として開けながら言うことでは無いと思うのだが。
「まぁいい、そんなことより例のルーキーのことを教えろ。」
そういうと、レインはパソコンに向き直って一枚の画像を出してきた。そこにはごく平凡な男子高校生が映っている。間違っても人殺しなんかは考えもしないような印象だ。
「こいつがそんな大層な奴には見えないけどな。」
「フフェフオぁふぇふふあははて。」
「何言ってんのかわかんねえよ!食ってから喋れ汚い!」
レインはごくんとカレーを飲み込むと、画面の少年、スドウカナメについて話し始めた。
「驚くことにですね。彼はアプリをダウンロードしてからたった2日の間に〝
「はぁ?レインそれガセじゃねぇだろうな。あの色物やろうならまだしも、あのシュカのやつまで倒したってのは普通ありえんだろ。」
そう言うと、少しムッとしたように返答してくる。
「そんな1円にもならない嘘付きませんよ。第1私の解析屋としての腕はあなたも知っているでしょう。」
確かにレインの解析屋としての腕は信頼しているし、そもそもレイン自体を信頼してなければこんなとこには来ていない。
「だよな悪い、大人しそうな顔してとんでもねぇ新人だな。
「手から銃などを出している映像は有りますが、
「また、めんどくさいのが来たなぁ。」
「私的には久々に高ポイントで売れそうでホクホクなんですけどね。」
「俺はお前みたいな引きこもりじゃないんだよ。」
師匠の訓練メニューどんだけ辛いと思ってんだ。一ヶ月で三回は死にそうになるんだぞ。
「あなたも殆ど必要な時以外は出てこないんだから似たようなもんでしょう。」
一緒にしないで欲しいとは思ったが話を戻す。
「コイツの情報しばらく見せてもらっていいか、ついでに監視カメラの映像も合わせて。」
「良いですよ。私昨日からそのまとめ作業で一睡もしてないので、暫くほっといてくださいね。」
そういうと、椅子に座ったままぐうぐうと寝息を立て始めた。
「いくらなんでも、油断しすぎだろ…。まぁ、いいけどさ。あっ…あの事聞き忘れた…。」
俺のスマホを見ると全く可愛くない蛇に宝探しゲームと書かれた画面が表示されていた。表示された開始時間まではまだ二十時間以上あり、大丈夫かとまたパソコンへと俺は向かい直った。
ヒロインはレインです。正直言うとヒロインは固定なのでハーレムは多分しません。…きっとしません(震)