ここからレインのいるビルまではかなり時間がありそうだな。
王はヤンキーの様な雰囲気をして実はかなり頭がキレる。
大胆に行動し始めるのは“このイベントに参加してないエイスのメンバー”が集まってからだろう。
それまでには合流しないとレインの身が危ない。レインの“
「久々の強行突破だな。」
俺の右手に淡い緑に光る鍔のない日本刀、風刃が出現すると、同時に目的地へ向かって走り出す。
走っていると、スナイパーの射線が通る位置まで来る。
右のビルの屋上と正面の四階の窓から人影が見える。いつもなら迂回して安全策を取るところなのだが。
「悪いが無理矢理通してもらう。」
今回は悠長なことはしていられない。
風刃の根元からたなびく帯のような光が10本生まれる。
風刃の刃を走ったまま地面に切りつける。すると、刃は吸い込まれるかのように地面を通過する。地面に全く傷は付いていない。
いつ見ても物理法則もクソも無い現象だな。
そんな事を考えていると先程目をつけた二箇所から何か液体が吹き出すような音が聞こえた。勿論弾丸は飛んでこない。
「命中。」
悪いが、俺の通行進路に居た自分の運命をうらんでくれよな。
10本あった光の帯は8本へと減っていた。
〜〜〜〜〜
20分ほどたった頃帯の数は既に一度使い尽くし2セット目のラスト2本に突入していた。
一度残弾を10本全部使い切らないと
そんで、このタイミングで出て来んなよな。女王様。
「さっきからずーっと私の進行路にいたスナイパーを全員殺してたのはあなたかにゃー。目的地が同じみたいだけど、もしかして私と同じ人の所に行こうとしてるんじゃないよね?」
そう言って“
「いやいや、それはアンタの勘違いだろ。俺はただ一直線に走ってただけだぜ。」
シュカの顔を正面から見返しながらそう答える。
「それが一番おかしいんだけどにゃー。倒した相手のリングどころか近くに落ちていたリングにも目を向けないなんて、クリアする気が無いのか、ただの殺人好きなのか、…何か他に目的があるんだと思うんだけど。」
明らかに俺のことを怪しんでいる、戦闘は絶対に避けたい。勝てない訳ではないが確実に此方も痛手を負う。
そうなると王が動き出す前にレインに合流するのが難しくなる。
「まぁ、百歩譲ってアンタの行き先が同じだったとしても、同じ人物というのはあり得ん。」
話しながらも注意は怠らない。目を離せば確実に此方がやられる。
「でもさ、一緒じゃないとしてもその後、殺りあう事になるんならここで殺っておいた方が早くない?私はそう思うんだけどなー。」
殺したくてしょうがないって感じだな。まだ子供っぽいのに殺気出すぎだろ。
「戦わないならそれに越したことは無いんだが、どうしてもやりたいって言うんならこっちも本気を出さなくちゃいけなくなる。」
そう言って風刃を構え直す。
「…うーん。こっちもカナメと会う前に死にたい訳じゃ無いし。いっか。もし、カナメに手を出そうとしたらそん時は容赦無く殺すからね。まぁ、カナメなら助けなくてもあなた程度に負けないと思うけど。」
少しの沈黙の後、またワイヤーで空中を飛んで俺を先行して行ってしまった。
本当に生きた心地がしなかった。アイツと顔を合わせるのはこれきりにして欲しいもんだ。
それにしてもあの言い方だとスドウカナメのいる場所はレインのいる場所と同じみたいだな。
スドウカナメは確かに機転が利いて万能な異能を持っているが、好んで人殺しをしてる様な奴では無いのは映像でよく見た。口ぶりからしてシュカの手綱を握ってるっぽいしレインが鉢合わせて戦闘になってるって事は無いだろう。
こっちも早く迎えに行かないとな。
ビルに向かって再度走り出した。
いや、シュカと戦闘になるなんて言ってませんもん。あんなん普通勝てませんよ。勝つ方法はいくつか考えましたがまた別の機会に使うことにします。それにここで戦わせると後々問題なので…。でもこれじゃ戦闘じゃなくて狙撃かなぁ。