よろしくお願いします
追記:とるべりあさんの御指摘により誤字を修正いたしました。 御指摘ありがとうございます。
(・・・キ、キツイ! 確かにハーレム願望を満たせるかもしれないけど、この注目度は想像以上にキツイ。 だが・・・)
そんな事を思いつつ、このクラスで唯一の男子である織斑一夏は気づかれ無いように、周囲の女子生徒をチラ見する。
( それにしても、このクラスは可愛い女の子がいっぱいいるな。 いまどき珍しい金髪ドリルの髪型の子なんてスタイル最高だし、それに箒のやつも見違える程美人になったしスタイルも最高だし、これからの学園生活が楽しみだな‼ )
こんなゲスイ事を考えているとは知らずに周囲の女子生徒達は一夏を見ては色々と内緒話をしている。
この時、一夏は気づいていなかった。 教室の最後尾の机が3つ空いていることを。
やがて始業のチャイムがなり、担任の女性教師が入ってきてSHRが始まった。
「 皆さん、おはようございます。このクラスの副担任をつとめます山田真耶といいます。 どうぞよろしくお願いいたします♪ 」
「「「「・・・・・・・・」」」」
真耶がそう言ってクラスの生徒達に挨拶するが、返事はかえってこない。
だが次の瞬間、教室内の空気が凍てつき室温が一気に下がった感覚に陥る。
「 あれ? 返事と挨拶がありませんね? おかしいですね、 挨拶と返事は人として最低限必要なマナーなんですけど? それが無いと言うことは、このクラスに人はいないのでしょうか? 」
そう言って笑みを浮かべたままクラスの生徒を見回す真耶。
だが、その目は笑っておらず冷酷な光を携えていた。 そして口角も僅かに上がっており、それも相まって恐ろしい雰囲気を醸し出していた。
気弱な愛玩動物のような雰囲気を醸し出していた教師の雰囲気が一変したのだ。
クラスの生徒達は背筋を伸ばし慌てて
「「「「「 おはようございます。 」」」」」
その挨拶に満足したのか、元の笑顔に戻り
「 はい、よくできました。 皆さん挨拶と返事は最低限必要なマナーですので忘れずにお願いします。 それでは自己紹介から始めようと思います。 それでは出席番号順にお願いいたします。 」
そう言って自己紹介を始めさせた。 だが、一夏の耳には全く入っていなかった。 真耶が教室に入って来たことで、自分への視線が減った事で気が抜けたのだ。
「・・・・一夏君、織斑一夏君? 」
「 は、はい。 なんでしょうか? 」
自分の名前が呼ばれた事に気づいて、慌てて返事する。
「 え~と、自己紹介で、織斑君の番なんですがお願いできますか? 」
「 は、はい。 わかりました。 」
再び、自分に視線が集中した事に緊張が増して、
本来考えていた内容は、綺麗にすっぱりと消え去ってしまった。
「 え~と、織斑一夏です。 ・・・・以上です。」
ズンガラガッシャーーーーン!!!
ズッカーーーン!!
余りの簡潔さに、クラス全員がずっこけた。 そして次の瞬間、一夏の頭にすさまじい衝撃が走った。
「 痛って~ーーー!! 」
「 馬鹿者、自己紹介くらいちゃんとしろ!!」
一夏が振り向くとそこには出席簿を持った自分の姉、織斑千冬が立っていた。
「 ち、千冬姉? なんでここに? ぐえっ?!」
再び出席簿が一夏の頭上に振り下ろされる。
「 織斑先生だ、馬鹿者! 公私の区別はしっかりしろ!! 」
そう言って千冬は教壇に向かった。
「 すまなかったな山田君。 」
「 いえ、副担任ですから! 」
「 さて、自己紹介させてもらう。 私がこのクラスの担任となる織斑千冬だ。 君たちを一年間かけて、指導していく。 私の指示に意見しても良いが、逆らう事は許さん。 常にハイかイエスで答えろ。」
千冬が挨拶した瞬間、クラスから大音量の悲鳴があがった。
「 キャー 千冬様よ! 」
「 私、千冬様に会うために北海道から来ました。」
「 私は小笠原から来たのよ。」
「 全く毎年毎年、こんな状況をよく作るな。 ともかく、静かにしろ。 気づいている者もいると思うが、このクラスにはあと3人の生徒がやってくる。 飛行機の都合上で到着が遅れたが先程ついた。 入ってこい。 」
千冬が告げると、ドアから3人の男女が入って来た。
教室の生徒達はどよめく。 そう男性がいたからだ。
「 自己紹介をしていけ。」
千冬が言うと左端の男性から自己紹介を始める
「 シュート・アルカンシェルと言います。 学生の身分ですが、技術者で開発に多忙な姉に代わりフランスのISメーカー[アルカンシェル社]の社長代理を勤めております。 文化の違いに戸惑うことがあると思いますが、妹共々よろしくお願いいたします。 」
そう言ってシュートは頭を下げる。
「 マドカ・アルカンシェルです。 シュートの双子の妹です。 アルカンシェル社の企業代表パイロットを勤めてます。 兄共々よろしくお願いいたします。」
マドカもシュートに習い頭を下げる。
「 シャルロット・デュノアです。 フランスの代表候補生です。 シュートとマドカとは幼なじみになります。 どうか仲良くしてください。 」
シャルロットも頭を下げる。 3人の自己紹介が終わった瞬間だった。 再びすさまじい悲鳴があがる。
「 キャー、二人目の男性適性者よ! 」
「 しかも、イケメンよ、イケメン!! 」
「 それも、銀髪のフランス貴公子!!! 」
「 さらにあの歳で大企業の社長代理、優良物件よ!!!! 」
鎮まる事を知らない騒ぎに苦笑する3人
「 やかましい! 鎮まらんか貴様ら!! 」
千冬の一喝で鎮静化する教室。 そして千冬の指示で空いてる最後尾の席に座る。
こうして、騒がしいホームルームは終了した。
そして続けて行われた一時限目の授業で一夏が参考書を電話帳と間違えて棄てた、というあり得ないイベントが起きたものの、それ以外は平穏に過ぎた。
そして最初の休憩時間になり、シュートや一夏の回りにはクラスの女子生徒が集まり話かけて来た。
そんな中、ひとりの女子生徒が
「 ご無沙汰しておりますシュートさん、マドカさん、シャルロットさん。 」
声をかけてきた。 イギリスの代表候補生セシリア・オルコットだ。 実は彼女はファントムタスクのイギリス支部のエージェント候補生として幾度か顔を合わせた事があったのだ。 もっとも表向きは代表候補生同士の交流だったが。
「 久しぶりだねセシリア、元気にしてたかい? 」
「 セシリアさん元気でしたか? 」
「 セシリア久しぶり! 」
3人が挨拶を返すとセシリアは笑みを浮かべ
「 私は変わりありません。 まさか、皆さんが揃ってこのクラスに来るとは思っても見ませんでしたわ。」
「 まあ、いろいろと事情があってね。 」
一応事情の知るセシリアだったが、ここでは知らない振りをする。そして
「 これから一年間よろしくお願いいたします。」
そう言ってセシリアは優雅にお辞儀をし、自分の席に戻った。
そして、時間は流れ昼休み。 シュート達3人とセシリアは刀奈に呼び出されて生徒会室に向かった。
ちなみに、休憩時間の度に一夏が此方に話かけて来ようとしていたが、周囲を女子生徒たちが囲み近づいてこれなかった。
生徒会室の前につきドアをノックすると
「 どうぞ♪ 」
刀奈の返事がかえってきたのでドアを開けて中に入る。
「「「「 失礼します。 」」」」
室内には刀奈以外に数人の女子生徒とスコールがいた。 スコールは教師として今期から学園に赴任してきた事になっている。
室内にいる女子生徒の大半は顔を合わせた事がある。 即ちファントムタスクの関係者だ。
「 さて、取り敢えず全員揃ったところで自己紹介といきましょうか。 まずは私から二年生の更識刀奈よ。日本の国家代表を努めているわ。 」
そう言って扇子を広げると、そこには[ 学生最強 生徒会長!! ]とかかれていた。
「 私は三年生の布仏虚と申します。 更識家の従者で情報収集や整備を担当させていただきます。 」
刀奈の一歩後ろにいた虚さんが挨拶をする。
「 三年のダリル・ケイシーだ。 アメリカの代表候補生だ。 」
「 二年のフォルテ・サファイアっス、これでもギリシャの代表候補生っス。 」
「 三年のクリアーナ・リムスカヤよ。リムと呼んで。イタリアの代表候補生をしているわ。 」
「 二年生のサラ・ウェルキンです。 イギリスの代表候補生をさせていただいております。 」
「 一年のセシリア・オルコットと申します。 サラ先輩と同じくイギリスの代表候補生をさせていただいております。 」
「 一年生のシャルロット・デュノアです。 フランスの代表候補生をしています。 」
「 一年生のマドカ・アルカンシェルです。 アルカンシェル社の企業代表を勤めてます。」
「 一年生のシュート・アルカンシェルです・・・ご存知かとは思いますが、ファントムタスクのミッションリーダーをしております。 」
「 最後は私ね! スコール・ミューゼルよ。 今回のオペレーションでサブリーダーを担うわ。普段はシュート達のクラスの副担任をしているわ。」
「 さて、自己紹介も済んだことだし食事をしながら今後の事を話しましょうか。 どうぞ召し上がれ。」
刀奈がそう言うと、虚がテーブルにサンドイッチに唐揚げ、おにぎりにピザ等を広げていく。
各自好きなものを手に取り食べ始める。
「 さて、みんなを集めたのは他でもないわ。 ここにいるメンバーの殆どが見習いメンバーで、本来なら卒業してから正式メンバーに昇格予定だったんだけど、今回のミッションプランA ー 2βでは特例として学園内に於いては正式メンバーと同等の扱いをすることになったわ。 ちなみに専用機を持っていない子はいるかしら。」
スコールの問いに手を挙げる者はいなかった。
「 それなら問題ないわね。それぞれの専用機にファントムタスク用の識別サインと専用チャンネルを設けるから後で設定してね。 」
スコールがそう言って設定方法の書かれた用紙を全員に渡す。
「 学園内における指揮は基本的にスコールが担うわ。 ただ緊急の場合は私かシュートが指揮することもあるから覚えておいて。 」
刀奈がそう話すと全員が同意する。
取り敢えず事務的な話が終わると互いの近況やプライベートな話を始めた。
そんな中、シュートがある疑問を口にする。
「 なぁ刀奈、なんで簪ちゃんと本音ちゃんがいないんだ?」
シュートの質問に刀奈と虚の表情は曇る。 そこにセシリアが
「 シュートさん、簪さんと本音さんとは? 」
「 更識簪、日本の代表候補生で刀奈の妹だ。 そして布仏本音、簪の付き人で虚さんの妹だ。 二人ともファントムタスクに席を置いている。 本来ならこの場にいないといけないんだけど、どうしたんだい? 」
シュートの問いに刀奈が重い口を開いた。
「 実は昨日、簪ちゃんの専用機を作っている倉持技研から連絡があったの。 簪ちゃんの専用機 [ 第3世代IS 打鉄弐式 ]の開発を凍結し、開発計画を無期限延期にするって・・・・それで簪ちゃんショックを受けて寝込んでいるの・・・何とか本音が慰めたり元気づけようとしているみたいだけど・・・」
余りの想定外の答えに室内にいた全員が言葉を失った。 すぐさま立ち直ったダリルが
「 はぁ?! その倉持技研とやらいきなり何を言い出しやがんだ? つーか、何で更識重工で作んないんだ? 」
「 本来なら更識重工で作る予定だったのですが、半年前に倉持技研が日本政府やIS委員会日本支部に自分達に作らせてくれと直訴し、それが通ったようで。 それで簪様の専用機は倉持技研で作る事に・・・ 」
ダリルの問いに虚が答える。
「 それにしてもいきなりの開発凍結や無期限の延期とは変よね。 何か理由でもあるの? 」
マドカの問いに刀奈が顔をしかめながら答える。
「 ・・・・男性適性者・・・織斑一夏用に専用機を与える事になって、その開発とその後のデータ解析に全力を尽くす事になったみたい。 それだけじゃないわ、日本政府はシュートにも専用機を与えるからそれの開発も平行して行うように命じたみたい。 」
刀奈の答えに再び絶句する一同。
「 なに、そのむちゃくちゃな理由。 それにシュートはフランス国籍を持つフランス人だよ! 何で日本政府が専用機を? 」
シャルロットが全員の持った疑問を代表して口にする。
「 恐らく、俺に専用機を与えることで日本国籍を持つものとして扱い、そのデータを独占するのが1つ。 さらにアルカンシェル社のトップが他所の会社のISを使っているという事で自社のISの性能を宣伝しアルカンシェル社のISの評判を落とすのが、おおよその理由だろう。」
シュートの解析に全員が納得してしまう。 そして同時にその腹黒い政治家達の思惑の犠牲となった簪に同情する。
「 ・・・なぁ刀奈、簪ちゃんの専用機をアルカンシェルで作る事にしないか? 表向きは更識との合同開発になるけど? ちょうど上手い具合に簪ちゃんにピッタリの機体があるんだ。 」
「 それは私の一存では決められないわ。 簪ちゃんの気持ちもあるし、何より日本政府がどう言ってくるか・・・」
刀奈の不安にすぐさまシュートが
「 たぶん、そっちは心配ないと思うよ。 タバネ姉さんが動いているはずだし。 」
シュートが言って直ぐ、生徒会室の連絡用のモニターがつき、タバネの姿が写った。
『 ハロハロー 聞かせて貰ったよ。 まったく、日本政府の政治家も倉持技研もやってくれたわね。 私の可愛い簪ちゃんを悲しませるなんて! それ相応の罰が必要だね。 そっちは私とクーちゃんに任せて。』
「 タバネ姉さん、ついでに開発コード[ ウラガン ]の改修もよろしく。 」
俺の言葉にタバネは笑顔と手を振って答える。
日本政府の一部の政治家と倉持技研は逆鱗に触れたようだ。 自業自得とはいえ哀れだ。
その後は倉持技研と政治家への悪口大会となってしまった。 ついでに俺とマドカ、シャルロットが生徒会に所属することがなし崩しに決められた。
余り登場する回数は多くないと思いますが、今回登場したオリキャラの設定を上げておきます。
クリアーナ・リムスカヤ 17歳 女性
イタリア代表候補生 専用機:ビアンカネーヴェ
IS学園三年生でファントムタスク、イタリア支部に所属する見習いメンバー。 今回特例により正式メンバーとなる。
性格は穏やかでのんびり屋。 義兄ジョシュアの事が大好き。
尚、ISスーツが通常の物と違いダイバースーツ型となっている。
ビアンカネーヴェ イタリア製第3世代IS
外見:ブランシュネージュ ( ただし上腕部と太股の部分の装甲は無く、フェイスガードが開閉可能 )