インフィニット・ストラトス 遥かなる虹の輝き   作:雷狼輝刃

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第35話  裏切りの代価

  

 

 秘密のルートをたどり島の外れにある滑走路にたどり着いたアギラとオウカ。

 

 

 「やれやれ、ようやくここまで来たか。さてとこれからがたいへんだ。 沖合いには連合軍がいるから見つからないように移動しないとな。」

 

 そう言ってアギラは近くの壁に手をやるとパネルが現れてそれを操作する。 

 すると地下から一機の戦闘機・・・ランゼンが現れる。

 

 

 「オウカ、操縦は任せたよ。 こいつは特別製だステルス機能を持ち、ISとリンクして動かせる。」

 

 そう言って機体のキャノピーを開け後部座席に座る為に歩き出す。

 

 

 「へ~、分が悪くなったから尻尾巻いて逃げるんだ?」

 

 背後から声が飛ぶ。 アギラが振り向くとそこにはタバネとマドカがいた。

 

 

 「?! 篠ノ之束! それに横にいるのは・・・まさかナンバーMか!」

 

 「へ~、マーちゃんのことまで知っているなんて、アギラ・セトメあんたはオリムラプロジェクトの内容を知っているんだね。」

 

 「もちろんじゃとも、何せワシの目指す先も同じじゃからの。 オリムラプロジェクト・・・人工的に有能な人間を産み出す計画。その成功例は織斑千冬と織斑一夏の2名のみとなっておるが、実際には正式な記録に残っていない成功例が2名・・・コードMとコードSじゃったな。 もったともそれ以外の事は何もわかっておらんがな。」

 

 「あ~勘違いしているようだから言っておくけど、正しくは織斑千冬と一夏は成功例だけども完全ではないよ。 まあこれ以上は言わないけど、ともかくあんたがここから逃げようとしているのは意外だったけど見過ごす訳にはいかないな。」

 

 「ちっ! 忌々しい。 しかし何故この場所に・・・そうか、地下を目指すのか。 ならば取引といこうじゃないか? 地下への行き方とワシのパスカードとコードを渡す。その代わりに見逃すというのは?」

 

 タバネの言葉にアギラが取引を持ちかける。

 

 

 「別にそんなのが無くてもタバネさんには問題無いよ。」

 

 「ならば、このメモリーをくれてやる。これにはPriestess の秘密が納められている。 どうじゃ?」

 

 「Priestess の秘密? それはなんなのさ?」

 

 「御主達にも関係があることじゃぞ、どうじゃ?」

 

 「あ~いらないや、そんなの。何となく予測はつくからね。」

 

 「ちっ!! こうなったら仕方ないオウカ!」

 

 取引が通じないとわかるとアギラはオウカに命じた。

オウカは直ぐにIS・・・ラピエサージュを纏う。 戦う事になると思いエクレールを展開するマドカ、 だが次の瞬間

 

 

 「ガハッ?!」

 

 「「えっ?」」

 

 オウカを振り向き様に右腕に装着されているマグナムビークでアギラを切り裂く。多量の血を流しながら倒れるアギラ。信じられないといった顔でオウカを見ながら

 

 

 「ば、馬鹿な? な、何故じゃオウカ? ワシはお前の・・」

 

 「私を作り上げて頂いた事には感謝しますお母様・・・アギラ博士。 ですが、裏切りを許し見逃す訳にはまいりません。 グローリーキングダムの掟は絶対です。ましてやPriestess 様の秘密を売り渡そうとは言語道断です。」

 

 オウカのその言葉にアギラは驚く。 オウカはアギラが作り上げたブーステッド・チルドレンの唯一の成功例だ。 薬物や催眠暗示、生体調製等で強化した少女兵だ。 アギラは自分を母親だと認識し、命令に服従するように精神操作を行っており処置は完璧で、アギラに対して絶対服従しており意見や反抗の素振りは今まで一切なかった。 そのオウカが自分を切りつけた。

 つまり、自分への絶対服従に対して上書きがされているということになる。 先程まではその素振りもみせていなかったのに、今になって何故? 

 アギラは薄れ行く意識の中で必死に考える。

 

 

 (精神操作は完璧だった、とすれば上書きが行われ、ワシより上位の服従対象を作られた。その対象は恐らくPriestess ・・・エーデルだが、先程まではその素振りも無かった、とすればトリガーキーによる覚醒・・・それもエーデルへの裏切り行為か・・・だが、いつの間に?・・・)

 

 アギラは疑問の答えを出せぬまま、意識を喪いその命を終えた。

 

 

 「裏切り者の始末は終わりました。 次は貴女達、侵入者・・・いえ、敵対者の抹殺に移ります。」

 

 「タバネ姉さんは地下に! 私がこいつの相手をする。」

 

 「わかった。でも気を付けてマーちゃん、そいつのISは普通じゃないよ。」

 

 「大丈夫だ、問題ない。 それよりタバネ姉さん、リミッターを解除するけどいいよね?」

 

 「いいよ、思いっきりやっちゃって!」

 

 そう言ってタバネは通路に向かって走って行く。

 

 

 「貴女を倒してから追う事にしよう。さあ覚悟しなさい。」

 

 そう言ってオウカが構える。

 

 

 「悪いけど、お前はタバネ姉さんを追う事は出来ない。何故ならここで私に倒されるからだ。」

 

 マドカが切り返すと共に二人は激突する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 エーデル達によって与えられた専用機ガーリオンカスタム白露・・・ガーリオンカスタム雪羅を改造して作られたカスタム機・・・を纏い侵入者を撃退する為に出撃した。 侵入者の情報は与えられていなかった。ただ敵を倒すことだけを命じられた。

 今の千冬には自分の意思は存在しなかった。 ただ命じられた事をこなす・・・・全ては一夏の為に。 

 グローリーキングダムは一夏の治療を確約してくれた。 そして治療を開始した、だが回復までには時間がかかると言われた。 それが真実かは千冬にはわからなかったが信じるしかなかった。 

 

 

 (敵を倒す・・・・・一夏の為に・・・・敵を倒す)

 

 千冬はただそれだけを思いながら目的地に向かう。そんな千冬の前に一機のIS・・・ヒアンカネーヴェ・ロッソが現れる。

 

 

 「おやおや、そんなに急いで何処に行くサね?」

 

 「お前は?」

 

 「あら? 顔を見せないと思い出さないの?」

 

 そう言ってアリーシャはヒアンカネーヴェ・ロッソのフェイスガードを開く。

 

 

 「久しぶりサね織斑千冬。」

 

 「アリーシャ・ジョゼスターフ。」

 

 「テロリストの手先に成り下がるとはブリュンヒルデも地に落ちたものサね。」

 

 「どけ、お前に構っている暇は無い。」

 

 「そうはいかないサね、あたしの任務はこのテロ組織の壊滅。とすればテロ組織に加担しているあんたも対象サね。」

 

 「ならばお前をたおして進むだけだ。」

 

 「それは無理サね。貴女は私を倒す事は出来ない出来ないサね。」

 

 千冬は改良された雪片弐式を呼び出し、アリーシャも両腕の武装を展開する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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