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本当にありがとうございます。
「 クラス代表は織斑一夏君に決まりました。 」
試合の翌日、SHRが始まってそうそう真耶が告げた。
言われた一夏はもとより大半の生徒は何故? という顔をした。
「 あの先生、俺昨日の試合で負けたんですけど? 」
一夏の疑問はほとんどの生徒の疑問でもあった。
「 それはですね、オルコットさんが辞退されたからです。」
真耶の言葉を受けセシリアが席をたち
「 私が織斑一夏さんにクラス代表の座をお譲りしたのは織斑さんの為です。 織斑さんは未だに自覚されておりませんが、織斑さんは世界に二人しか確認されていない男性適性者です。 それ故に望む望まざるに関わらず様々な事が起こると思います。 ですが織斑さんはシュートさんと違い、それに対処出来るだけの力量を持ち合わせておりません。 そこでクラス代表になっていただきその力量を身につけて頂こうという訳です。 」
セシリアの話についていけない一夏。 自分の状況を全然理解してないようだ。
この事を事前に聞いていた千冬にとって、セシリアの申し出は渡りに船だった。 どうすれば一夏を鍛えるのに効果的かを考え、実戦に勝るものは無いと思っていたからである。
「 わかったクラス代表は織斑に決定する。 変更は認められない。 織斑はクラス代表になった以上、それに恥じることないように自らを律して努力するように。 」
千冬の言葉でクラス代表が決定しクラスから拍手が送られた。 しかしほとんどのクラスメイト達の顔はどこか諦めた顔をしていた。
(((( デザートフリーパスは諦めるしかないのか ))))
実は来週行われるクラス対向戦の優勝クラスには全員に食堂で半年間使えるデザートフリーパスが贈られるのだ。
しかし、一夏の二回に渡る戦いをみて、クラスメイト達には絶望があった。 駆け引きをしらないがむしゃらな戦い方が一週間でどうにかなるとは思えないからだ。
そんなクラスメイト達の心の内を知ってか知らずか、一夏は拍手された事で自分が認められたと思いクラスメイト達に礼を言いながら勝利宣言までしたのだ。
一時間目の学科も無事に終わり、二時間目の実習となった。
「 本日よりISを使った実習を行う。今日はとりあえず見本を見てもらう。専用機持ち、アルカンシェル兄妹・織斑・オルコット・デュノア、前に出てISを展開しろ。 」
千冬の指示をうけて、シュート、マドカ、シャルロット、セシリアは瞬時に展開する。 その場にシュートのリュミエール、マドカのエクレール、シャルロットのソレイユ、セシリアのブルーティアーズが並び立つ。
シュートのリュミエールとセシリアのブルーティアーズは試合の際に見ることができたので驚かれなかったが、マドカのエクレールとシャルロットのソレイユは驚かれた。 やはり全身装甲が珍しいみたいだ。
その一方、一夏はなかなか展開できない。
「 アルカンシェル兄妹、オルコット、デュノアは問題ない。 どうした織斑、馴れた者は一秒とかからず展開できるぞ。 」
「 あぁぁっ! 来い白式! 」
千冬に言われて声を出す事でようやく展開できた一夏。
「 次は武装を呼び出せ。 」
千冬の指示のもと、シュートはマグナ・ビームライフル、マドカはガナリーカーバーをライフルモードで、シャルロットはショットガンを、セシリアはスターライトmk-Ⅲを、一夏は雪方弐型を呼び出した。
「 アルカンシェル兄妹、デュノアは見事だ。 オルコットはあと0.5秒縮めろ。 織斑は二秒以上かかっているぞ、一秒以内に呼び出せ。 続いて織斑以外は近接武装を展開しろ。 」
千冬の指示により近接武装を展開する。 シュートはシシオウブレードを、マドカはガナリーカーバーの先端部分からブレードを展開し、シャルロットは左腕をクローアームに部分換装し、セシリアはインターセプターを呼び出す。
「 まあまあだな。 ところでアルカンシェル妹、それが噂に名高い全領域対応凡庸武装システムか、それひとつで他にどんな武装が内蔵されているんだ? 」
「 詳しくは説明出来ませんが、とりあえずミサイルとビーム兵器等があります。 」
「 そうか、では続いて飛行してもらう。 それでは行け。 」
シュート達の武装展開を認め、マドカのガナリーカーバーに興味を示した千冬だったが、思ったほど答えがかえってこなかったので次の行動を指示した。
それに答えて飛び立つ専用機持ち。 そんな中、一夏だけが遅れる。 やはりまだまだ慣れていないので覚束ない様子だ。
「 どうした織斑、スペックだけなら白式はブルーティアーズより上だぞ。 」
下から様子を見ている千冬から激がとぶ。 やがて千冬の指示で上空で静止していたシュート達に追い付いた。
「 なぁ、シュートなんでそんなに上手く飛べるんだ? 」
一夏が馴れ馴れしくシュートに話かけてくる。 シュートは
「 織斑一夏、以前にも言ったはずだ。 名前で呼ぶなと。 肉親と信頼の置ける友人以外には名前で呼ばれたくないのだ。 」
「 別にそんなに硬くならなくてもいいじゃないか? それに俺達は友達だろ。 」
「 何を言っている? 私はお前と友人になった覚えはない。 第一、お前は一週間前の発言に関して未だに謝罪すらしていない。 そんな人間と友人になれるはずないだろう。 」
「 えぇーー そんなのもう気にしなくていいじゃんかよ、友達なんだしさ、恥ずかしがるなよ。 」
あくまでも自己中心的な一夏で人に教えを乞う態度ではない為に怒りを覚えたシュート達、シュートが口を開こうとした瞬間
「 一夏ーーー!!! 何時までそんな所にいる! さっさと降りてこ ぐぁ!!! 」
下からスピーカー越しの箒の声が聞こえてきた。
見れば、マイクを持ったまま頭を押さえている。 側には出席簿を持った千冬と箒の持つマイクを取り上げようとする真耶の姿があった。 どうやら真耶からマイクを奪って、そのあと千冬から制裁を受けたようだ。
「・・・・・何をされているのでしょうか? 」
セシリアの疑問に誰も答える事が出来なかった。
「 それでは次は急降下からの急停止を行ってもらう。 目標は地上から10cm だ。」
「 それではお先に。 」
シュートはそう言って急降下を開始する。 それに続いてマドカ、シャルロット、セシリアが急降下を開始する。
「 おい、ちょっと待ってくれよ! 置いていくなよ! やり方ぐらい教えてくれよ!」
置いていかれた一夏は、勝手に降りて行き自分には何も教えてくれないことに腹を立てたが、これは仕方のない事だ。
非礼をはたらき謝罪すらしない一夏。 自己中心的で他人の意見に耳を傾けない、そんな一夏を許すことも友人になることもないのだ。
せめて授業が始まるまでに謝罪でもあれば助言することも考えていたのだが、それすらなくそれどころか、無かった事に勝手にされていた。
ここまでくると、シュート達は友人としての立ち位置は完全に無く、単なる護衛対象として接する事にした。
「 ほう、見事だな。 全員10cm 丁度とは凄いな。 」
千冬の前には10cm 浮いた状態で整列するシュート達がいる。 一夏を除いた全員が成功させていた。
そこに
キュィィィィィィーーーーーン
凄まじい音をさせて上空から一夏が降りてきた・・・いや落下してきた。 しかも減速するどころか更に加速してきた。
「 不味いな、あれは衝突するぞ! みんな他の生徒達をガードして。 」
シュートがそういうと、みんな生徒達のガードにかかる。 そしてシュートはひそかに単一仕様能力を発動させた。
【 単一仕様能力発動、重力操作 グラビティテリトリー全開!! 】
先ずは見学している生徒と千冬・真耶の前にに重力を利用したシールドを張る。 そして落下してくる一夏に向けてシールドを張るも落下速度が速くシールドが間に合わず、グランドに衝突した。
ズガァーーーーーーン
凄まじい衝突音と共に衝撃と爆風が襲ってくる。 しかしグラビティテリトリーのお陰で周囲の生徒や千冬達には一切被害はなかった。
グランドには巨大なクレーターができ、その中心に白式を纏った一夏がいた。上半身を埋まった状態だったが。
「 い、一夏ーーーーー?! 」
「 馬鹿者ーーーーー!! 誰が墜落してクレーターを作れと言った! 」
箒の悲鳴と千冬の叱責がとぶ。
( 私達の前に何やら見えない壁のようなものが出来て、それが守ってくれた。 恐らくアルカンシェル兄の機体の能力だと思うが、いったいどんな能力なのか? )
そんな事を考えながら千冬はシュートに一夏の救助を命じた。
「 アルカンシェル兄、すまないが引き抜いてやってくれ。 」
千冬に言われ白式の脚部を掴み地面から引き抜く。
「 アルカンシェル兄妹、オルコット、デュノア、四人とも咄嗟の判断で生徒達のカバーにはいったのは見事だ。 みんなもこのような判断力を咄嗟に出せるようなIS乗りになってくれ。 それに引き換え織斑、貴様は何をやっている! 減速し体勢を整えて着地しなければならないのに加速するとは何事だ! 」
「 いやでもよ千冬姉 アダッ 」
「 織斑先生だ、馬鹿者! 何度言えばわかる公私の区別をちゃんとつけろ。 」
千冬が一夏に出席簿アタックを決めた所でチャイムが鳴る。
「 よし、本日はここまで解散。 織斑、お前は穴をちゃんと埋めておけよ。 」
「 えっ? ちょっと待ってくれよ。 俺が? 」
「 お前が開けた穴だ、お前が塞ぐのが当たり前だろう。 」
「 な?! シュート手伝ってく・・・いない! それなら箒・・・・いない! 」
千冬に言われあわてて助っ人を頼もうとするが既に誰も居なかった。
仕方なく一人で穴を埋め始めた一夏。 ちなみに次の授業には遅刻した。
その日の夜、食堂では一夏のクラス代表就任を祝う名目でパーティーが開かれていた。
シュート達も誘われていたが、会社の決済書類があるという理由で参加を見合わせた。
実際には決済書類ではなく、シュート第達の元に気になる情報がもたらされたからだ。
シュートの部屋にはシュートとマドカ、シャルロットの他に刀奈がいる。 セシリアと本音はパーティーに参加しているものの、セシリアはISコアネットワークを通じて部屋にいないメンバーと共に会議に参加している。
本音はパーティー終了後に簪から会議内容を聞くことになっている。
「 それで明日、急遽編入してくる事になった中国の代表候補生というのは? 」
シュートの問いに刀奈はタブレットを操作して空間ディスプレイに情報を映し出す。
「 中国代表候補生序列第4位、凰鈴音 15歳 IS適性[A]。 専用機は中国製第3世代型IS[ 甲龍 ]。 」
刀奈が画面のデータを読み上げる。 するとセシリアから
『 何故、このような中途半端な時期に編入を? 』
「 学園側からの情報だと2月末の段階では、別の代表候補生が入学予定だったそうよ。 3月になってその代表候補生の入学を取り止めて、凰鈴音の入学を伝えてきたの。 書類等の手続きの関係上、入学式には間に合わず編入という形になったそうよ。 」
刀奈の話を聞いてダリルが
『 あはっ、そりゃ誰がどう見たって織斑一夏が狙いですと言っているもんじゃねえか。』
『 それなんだけど、面白い事がわかったわよ。 凰鈴音は1年前まで日本で約4年間生活していたの。 そして織斑一夏とクラスメイトだったわ。 』
ダリルの言葉を引き継ぐ形でスコールが追加情報を延べる。
『 本人の意志かどうかわからないっス、でもどう見ても織斑一夏狙いっス。 』
『 恋する乙女の一途な気持ちってところなんじゃないの? しびれるわ~ 』
フォルテとリムがそれぞれの考えを延べる。
「 何にせよ、織斑一夏との接触には目を光らせて監視を強化しておこう。これで会議は終了でいいかな? 」
『 ちょっと待って、実は少し気になる情報があるの。 3月末から世界各地で元代表候補生やIS学園の卒業生が行方不明になっているケースがあるの。 家出なのか誘拐なのかまだはっきりしていないけど、現在、警察に届けられて確認されているだけで5人、詳しく調べてみないとわからないけど、もしかしたらもっと増えるかもしれないわ。 』
スコールがシュートの会議終了の言葉を止めて報告する。
「 確かに気になるな・・・・スコール、各支部に連絡して情報収集をしてくれ・・・・何だか嫌な予感がする。 」
シュートの言葉で沈黙が訪れる。
とりあえず、少しストックが出来たので9月は週一で更新します。