どれくらいそうしていただろうか。
その供の雷狼竜は、静かに休んでいる。
「
突然、
驚いて顔を上げると、控え気味に忍の雪崩があおの翼の向こう側に片膝をついていた。
「なっ雪崩殿・・・!どうされた!?」
血まみれの
「どうしたも、にゃにも!
「そうか・・・。見ての通りの有様故、戻るどころではないのだ・・・」
力なく答える
「
「すまぬ。今はまだ帰れない。ましてや、あおを置いては行けぬ!!」
悲痛な叫びにも似た声音に、雪崩も言葉を失う。
そこで、
「雪崩・・・殿と申されたかな?」
はっとして、雪崩は身構えた。
「
力のない声で
「あ・・・あぁ。えぇと、からす殿とおっしゃられたかな?」
「左様」
応じる
「先刻、私とあお・・・を・・・、助けて下さった御仁だ。どちらの方かは存じ上げぬが・・・」
「ははは・・・。どこの者とは申し上げにくいが、
「・・・・・・」
構えは解いたが、警戒感は解けない雪崩は険しい顔のままだ。
「ところで雪崩殿。矢文でも何でも使って、一刻も早くあお殿の迎えを!」
「!? ・・・
「翼蛇竜(よくだりゅう)の集団が頭上高くを飛び回っている」
頭上を見上げる力も残っていない
「あの死肉を喰らうという?」
「そう。今は伽羅(から)や我を警戒して降りて来ないが、我々が居なくなればすぐにでも喰らいに来るであろう・・・」
慌てて
「雪崩殿!至急、祭殿か?
「はっ!すぐに手配を!」
雪崩が文を書き矢を射っている間に、まんじりともしなくなっていた
「
はっとしたように、目だけはしっかり開いた
「そうであった!・・・しかし、体が動かぬのだ・・・」
「いかん!早くそなたも戻ってきちんと手当てをせねば・・・!!」
そう言って
「
と、雷狼竜を呼んだ。
藍瑪蔬をそっと抱き上げ、伏せた雷狼竜・
雷狼竜の背に乗せられた後も、ずっとあおを見つめている
雪崩が迎えに来てから半刻が過ぎようかという頃、数十人程の人の声と急かす筆頭オトモの
負傷者を運んだりするのに使う荷車を、何台も走らせる音も聞こえる。
雷狼竜に気づいたようで、一行はどよめいたが雪崩の聞いたこともないような
「急がれよ!!」
という大声に慌てて駆てきた。
あおの傍まで来ると口々に嘆き悲しんでいる。
「あお殿!?
驚き叫ぶ
「こちらにおられる」
と、声をかけた。
息をのんでいた御餅たちに、忍の雪崩が叫ぶ。
「御餅殿!!」
はっとする御餅、雪崩の声の大きさに驚く
「急ぎ取りかかられよ!!日が落ちる前に戻らねばにゃらぬ!!」
御餅たちの的確な指示で、次々と荷車同士が縄で繋がれていく。
ひと通り指示が終った御餅たちが、
血まみれの肩に気づいたようで口々に大きな声を出した。
「御餅の声が聞こえまするにゃ!?」
「すぐにお戻りくにゃさりませ!!」
「後は我々が・・・」
「落ち着かんか!!」
鈴菜にぴしゃりと言われて、三匹は黙った。
「
あおから目を離そうとしない
「
「それがあおに報いることになるのやもしれぬな・・・」
「我もそう思う故、すぐにそなたをお連れしましょうぞ」
「すまぬが一刻も早く連れて来て下され。・・・あおの事よろしくお頼み申す」
「必ずや、無事にお連れする故、御身を大事になされよ」
鈴菜はしっかりと頷いて力強く応えると、雷狼竜から離れた。
「参りますぞ」
そう言って
雷狼竜は力強く跳び上がって、林を跳び越える。
「あおは、蒼火竜を“あお”い“火”の“竜”と書くことを習った後、あおと呼んでみたら随分と嬉しそうに返事をしたので、そう名付けたのだ・・・」
そう呟く
「・・・成程、そうであったか・・・」
その直後に雷狼竜は、朱納と