「ふうぅ――――――」
温泉に首まで浸かり、傷を湯に浸しながらまだほとんど動かない左腕を、右手で揉んだ。
のぼせることなくゆっくりと、傷を湯に浸し首まで浸かることができるようにと、雨避けのみで風通しの良い岩風呂がある城下の山奥の宿を、
蒼火竜を守った、我らが武将に一目会いたい、礼を言いたいという民が絶えずやって来ていた為、里から離れた場所に、ごく少数の世話をする者と護衛のみで逗留していた。
湯治を続けているお蔭か、傷はきれいになってきていた。
「この腕、せめて自分のことが自分でできる位には、動くようになってはくれないかのぅ・・・」
そこへ猫好きの
里と宿を行き来しているむぁが、無邪気に知らせてくれた。
「里では、今、
「そのようなこと・・・・・・。いったいどれだけ時が経った? もうそろそろ良いであろうに・・・。 それに、なぜ金なのだ?」
ちゃぷん。
掛け湯をした後、隣で湯につかったむぁが応える。
「それだけ感謝されているにゃ。末代まで語り継がれますにゃ」
「もう良いというに・・・」
「ご主人・・・。もう諦めるにゃ」
「・・・私はもう戦には出られぬであろう。腕が使えるようになったら、藍染をしながら静かにあおを弔い続けたい。・・・私が後世に残すのは、藍染だけでいい・・・」
するとむぁは、何やら嬉しそうに笑顔になった。
「
「!!?」
驚いてむぁを見る目は見開いている。
「どんどん上達しているにゃ。戦がなければ、そのまま生業にしてしまう気かにゃ?」
ふふふと嬉しそうに笑うむぁに、困惑の眼差しを向けて
「
益々楽しそうな、むぁ。
「ご主人、鈍いにゃぁ。
真っ赤になった
「むぁ!何を言うか! 私は、
「ご主人、ちゃんとわかっているにゃ」
「何を!?」
怒ったように返す。
「ご自分が、
「!!」
「でもご主人、わかってないにゃ。ご主人は充分美しく文武両道で、とても素敵なおにゃごにゃ」
「そして何より、あお殿と築いた絆・・・。その絆を築くことのできる力・・・お心。あお殿やむぁを惜しみなく愛してくにゃさる姿は、誰もの心を動かすにゃ」
ぼちゃん。
「!!ご主人!だめにゃ!のぼせてしまうにゃ!!!」