青と藍と蒼と碧   作:藍澤 碧

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書物の中身はまだまだ続くのですが・・・







第三章  青と藍と蒼と碧
14 名前


「続きいくね。『人同士の戦が―――――――――藍染を生業とする家に生まれ、玉髄の一種である瑪瑙とりわけ青瑪瑙を愛し、蔬(あおもの)つまり野菜を好むことから、『藍瑪蔬(あいめそ)』と名付けられた』・・・」

「出た!! メソさん、そのまんまじゃない!」

スズナが興奮して口をはさんだ。

というか、私もつい止まってしまったのだけれど。

「ぎょくずい?って宝玉のようなものでしょう?青いのが手に入ると、素材として使わなくても絶対取っておくもんね」

ああぁ・・・。これは照れるなぁ・・・。

「野菜も好きだよねぇ、藍メソ」

「あはっ。そうねぇ・・・。これなんか恥ずかしいね」

「ははは! で、その『藍瑪蔬(あいめそ)』さんは、どんな人だったんだ?」

マコノフさんに促されて、続きを読み始めた。

 

 

 

書物の第二章に入る。

 

「『蒼火竜に候―!』」

「え?何それ?」

シュナさんが反応する。

「『我々は蒼火竜だぞー!』って感じかな。この時代の話し方みたいよ」

「へえー。面白いね!」

スズナが興味深そうに言う。

「ふふ。きっといっぱい出てくるよ」

「ほんと!?気になる! 続き!続きっ!」

「はいはい。 『揃いの青い鎧兜や防具を身に着けた―――――――――・・・』」

途中途中、気になる言葉に反応しそうになったのを見て、“後でまとめて答える”事にして読み進めていった。

 

 

 

 

『「申し上げます!」

駆け込んできた兵士の声に、鈴菜(すずな)』・・・?今度はスズナの名前が出てきたよ!?」

「ええ?」

ちょっと照れるスズナ。

「えっと、『鈴菜はさっと振り返った。――――――「眠鳥か!?」』・・・って、昔よく現れてたっていうヒプノックだっけ?」

「あー、いるね。最近ほとんど、聞かないし見かけないけど」

マコノフさんがさらっと答えた。

「なのかな?・・・『「は!」――――――蒼火竜の総大将、朱納(しゅな)に』・・・!シュナさん出てきた!」

「あら!私?・・・うふふー」

マコノフさんを見て、やたら嬉しそうに笑うシュナさん。

「その内出てくるかもね、コレは・・・」

「ははは・・・。出てこなかったら、おじさん泣いちゃうなぁー」

若干、渇いた笑いのマコノフさん。

「で、『総大将の朱納に向き直って――――――稽古相手でもある、まことのすけ』・・・? ・・・?」

「あら?何か、それっぽいのが出てきたわよ!」

「うーん。これ、“まことのふ”だなぁ・・・。という事は、“まこのふ”・・・とも読めるから、そうかも。この先、“まこのふ”って読むね」

「ほうっ」

安心したような、マコノフさん。

「『稽古相手でもある、誠之輔(まこのふ)だった――――――「・・・ならないのじゃ」』・・・ふー」

ひと息ついて、お茶を頂く。

 

続きを読み上げ始める。

 

 

 

蒼火竜・あおとの別れの場面で、涙で声が詰まる私の両隣で、二人も涙ぐんでいた。

静かに立ち上がって、お茶を淹れ直してくれるマコノフさん。

オトモたちも、目元をごしごししていた。

 

淹れ直された温かいお茶を飲んで、自分を落ち着かせてからページをめくる。

 

 

「『――――――「!!ご主人!だめにゃ!のぼせてしまうにゃ!!」』・・・」

 

と、そこまで読んだ時に、とうとう我慢できなかったのか、シュナさんが大声を出した。

「からすって誰!? 気になる!!」

「確かに、あたしたち知らない名前ね」

私は、私自身が頭まで温泉に浸かりたいくらい恥ずかしかった。

「マコノフ!知り合いにいる!?」

「・・・いや・・・」

遠慮がちに、否定するマコノフさん。

「メソさん、知り合いに・・・」

あまりの恥ずかしさに頭を抱えて小さくなっている私を見て、スズナの言葉が止まる。

「あ!何!?居るの?」

とシュナさん。

「・・・・・・」

黙る私に、シュナさんが畳みかける。

「居るんだね?」

見られないけど、絶対、“ニヤリ”って顔してるよ、シュナさん!

いやー!逃げ出したい衝動に駆られつつ、その場でジタバタする。

 

「あー。あの黒鷹(からす)さんかニャ?」

ムァがのんきに声を上げて、全員がさっとムァの方を向く。

「ムァ!!」

慌てて口を押さえるムァ。

当然、時既に遅し。

みんなの注目を集めてしまう。

「ムァ君!!どこの誰!?」

「あ、いや、その・・・」

口をパクパクしながら、みんなの顔を見渡して、私の顔を見て固まる。

当然、“余計なことを!!”という顔をしているのであろう。

もう!

 

 

 

 

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